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2008年8月 5日 (火)

黒字化支援は会計人の役割

赤字申告割合が70%もあると言われてどのくらいの月日がたつのでしょう。一部の大企業が空前の利益を上げている時も、全国の赤字割合は70%と言われてきました。今空前の原油高、それに伴う資材高騰、あらゆる物価の高騰しかも円高の猛襲で、もはや大企業にも減益の嵐が吹き荒れています。ますます企業を取り巻く環境は厳しいものになってきています。この環境の下での、我々の早急な課題は、地元の関与先企業さんへの黒字化支援以外にありません。しかし、我々も黒字にする方法を教える術はもちあわせていません。

それはどんな優秀なコンサルタントでもおなじでしょう。黒字にするには、社長自らが考え、実行していく以外方法はありません。誰も黒字化の方法を教えてくれる人はいないのです。

しかし、我々は仕事柄、赤字企業の経営者の特徴はよく知っています。まずはその特徴を教え、気づかせることで、それを反面教師に黒字化の道を探ることができるのではないでしょうか?

まず、赤字企業の社長は数字を読みません。読めません。勉強しません。せっかくの情報の宝庫の月次試算表を見ません。見ても考えません。さらに目標を持たないので、場当たり的対応が多いようです。私の知っている社長は借り入れすることだけに一生懸命で返済方法を考えません。借りてしまえば何とかなるだろうということでいつも返済に苦しんでいます。信じられない話ですが本当です。

それからPDCAを実行しません。すなわちP・・プランを立てる。D・・実行する。C・・チェックする。A・・アクションを起こす。実行する。このサイクルがないのです。まずは5ヵ年計画を立て(当事務所の将軍の日を是非活用して下さい。事務所に取りましてはコスト割れのサービス商品ですが、社長さんに取りましては得な商品になっていますので・・。)

次に単年度計画を立てます。それを実現するために、具体的なアクションプランを立て、実行します。毎月実行できたかをチェックをし、その結果数字が予定通り上がったかチェックします。できていなかったら翌月その分をどうフォローするか考えます。討議します。

皆で目標に向かって実行していきます。このサイクルが赤字会社のほとんどにはないのです。

又、赤字会社の特徴は数字を見ていないので、売り上げが減少してきていることに気づくのも遅くなります。気づいて慌てて仕入先や外注先と交渉してもすでに時遅く、その年度は赤字決算を余儀なくされるのです。もし、数字が早く把握できれば、タイミングを失うことなく、仕入先や外注先とも交渉でき、粗利の低下を最小限で抑えられたはずです。

赤字企業の社長さん方今が踏ん張りどこです。まずは赤字癖を会社から追い出す努力をしましょう。応援してます。



2008年7月26日(土) 文責  千 葉 和 彦

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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2008年6月30日 (月)

自己資本の充実を目指そう!

 12年前に、負債総額220億円で倒産したS工業のS元社長は、世の経営者に対し叫んでいます。
「私のようにならないためには、貸借対照表を勉強して欲しい」と。後日、更にS社長は話しています。「我が社に一人でも貸借対照表が読める社員がいたらこんなことにならなかった。」と。

 事業で利益が出てくると、誰でも「何故こんなに納税しなければならないのだ。」と言う気持が沸き起こってきます。そして「何とか節税する方法がないものか?」と周囲の人たちに相談しまくります。

そこで節税コンサルタントの悪魔の囁き・・「そんなに納税するのは馬鹿だよ。社長がそんなに納税してもどうせ国は無駄遣いばかりするのだから。社長の同業者のあの社長なんか僕のアドバイスでほとんど納税してないよ。それでも社長と同じように低利の公的融資を受け、社長よりずっといい家に住んで、ずっといい車に乗って、堂々と国の道路を飛ばしているよ。公的サービスは誰でも一緒だからね。」と。

 S社長は、そんな甘い囁きにのせられて、億を超える接待用のヨット、社用車として最高級車、社員の福利厚生用の山荘を次々に購入したそうです。S社長は後に話しています。

「まさに、節税という名の無駄遣いをしただけだ」と。もし自分が当時、貸借対照表を理解していたら、きっと「5年後には自己資本比率40%以上にしようというような目標を掲げたはずだ。」
そして、「その目標を実現するためには、そんな無駄遣いはしなかったし、できなかったはずだ」と。そうです。会社の自己資本を充実させるには、まず利益を出し、そこから税金を支払い、その残った利益を蓄えていくことが基本です。

私が、10年前に関与した時、自己資本比率7%しかなかった関与先さんですが、着実にそのことを実行し、前期末で何と40%を達成しました。私が「社長、今期もこんなに利益が出そうです。車とパソコン買い換えましょう。」と話しますと
「先生、パソコンも車もまだまだ使えます。もう一年がまんしましょう。今年はこのまま納税させてください。」私は「社長かなりの税額になりますよ」と話すと 「納税しなければ会社は強くならないと教えてくれたのは、先生ではないですか。
私はそれを着実に実行してきただけですよ。今度の税金も借り入れなどしなくても十分払えますよ。」と。

 不思議なことに自己資本比率40%超えると急に資金繰りが楽になることを実感されている社長さんが多いようです。10年前に出版された「実学」の中で京セラの稲盛会長は、「会計が分からんで経営ができるか」と世の経営者に対し、血を吐くような思いで叫んでいます。社長には、まず、貸借対照表の中の「自己資本比率」の重要性を勉強して欲しいと思います。そして、その重要性がわかったら、自己資本を高める経営を日々目指し、経営の基盤を強固なものにしてもらいたいと思います。

来月(7月)は「なるほど決算書パート②」でキャッシュフローを中心にオーナーズセミナーを開催します。一人でも多くの経営者の皆さんの参加を切望します。

 2008年6月28日(土) 文責  千 葉 和 彦

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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2006年11月 8日 (水)

超高齢化社会突入とIT社会の到来

 自社の経営計画を立てる時、自社を取り巻く外部要因として大きく時代のトレンドを考える必要があります。

「先のことなんかわからないから計画なんて無意味だ、」と言う方がいますが、かなりの正確性で予測できることもあります。例えば、誰でも10年後は、生きていれば10歳年をとります。マクロ的には、日本の総人口は昨年から減少を始め、そのうち65歳以上の高齢者の人口割合は、2025年に29%、2050年には35%以上になることが予想されます。ちなみに65歳以上が総人口に占める割合が、21%以上を超高齢社会と呼びますが、2~3年後には間違いなく超高齢化社会突入です。

老人施設に入るには今でも何年も待たなければならないのに、この先不安です。不安を解消してあげることは、すぐビジネスに繋がります。政府は自宅介護政策を進めていますが、介護する人の苦労を考えると、とんでもない話です。

  次に、IT社会の更なる進行が予測されます。政府も、電子政府の推進に力をいれており、2010年までにオンライン利用率を50%以上にする目標を掲げています。インターネットの利用者数は現在でも、8500万人を突破し、企業のインターネット利用は97.6%になっています。

IT革命は「超効率化革命」です。ブロードバンド、ユビキタスの普及がますます増え続けることで、ムダが排除され、物と人と土地は余り続け、価格破壊は進行し、その結果、物を「持たざる経営」がますます重要になります。更に、アメリカでは、従来の常識を破った経営理論として、「ロングテール現象」というものが話題になっています。パレートの「80対20の法則」は、皆さんも良く御存知かと思います。それは、全商品の売り上げの80%は売れ筋商品20%で売り上げられているという経営理論ですが、IT社会はこの常識も覆してきました。

例えばアマゾンの書籍販売です。通常の書店で、在庫を保有することが困難な需要の少ない書籍の売り上げが全体の3分の1を占めているのです。すなわち、従来は相手にされなかった恐竜のしっぽのような部分のしめる売り上げが凄いのです。多様で小規模な需要が集積することで、市場が成立し、その売り上げは全体の中で大きな部分を占めるのです。これはネット時代の新しいビジネスモデルが生み出したものです。書店を構えていては、いつ売れるかわからない在庫を抱えることができませんが、IT活用が従来の経営理論、ビジネスモデルの常識を覆しています。

 IT社会の到来は従来のビジネスモデルや経営常識を覆します。過去の経験にとらわれない柔軟な発想が必要です。「良く分かっているよ」と言いながら、いまだに自社のホームページすら作成していない会社もあります。

まず、最低「ホームページ」と「メールマガジン」の活用から始め、最後は、モバイル(携帯電話)による販促を目指しましょう。低コストでより多くの情報を提供できるのもITの活用ならではです。まずは、自社でできることから取り組もうではありませんか。

2006年10月31目文責

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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