常に未来を見つめながら攻め続けることが運を呼ぶ!
「経営者にとって一番大事なことは、会社を潰さないことだ。」は誰に聞いても異論はないようだ。
確かに会社は良く潰れる。起業した会社が20年で半分になり、40年でその半分になる。50年を超える会社は珍しいくらいだ。
創業100年以上が「老舗」と呼ばれているが、わが国では5万社から10万社存在すると言われる。
約250万社の会社がある中での10万社だからすごいことだと思う。
今月我社も創業40周年ということで塩釜市長、塩釜商工会議所会頭から表彰状と玉虫塗(1933年創業の東北工芸製作所製造)の盾を頂いた。
早速、事務所の玄関に飾らせてもらった。表彰式には浦霞醸造元の㈱佐浦社長も参加されていた。驚くことに創業300年ということだ。ほんとに素晴らしいことだと感動した。経営者は皆同じだと思うが、私も振り返ると駆け足の40年だった。
珍しい域に入るにはあと10年。身を引き締めて頑張らねばと思った。
経営者ならだれでも、自社の存続・発展を願い、必死で経営を続けている。それでも予想していないことが日夜生じるのが経営だ。その時、どう対処するかが社長の手腕にかかっている。例えば自社の有力取引先の倒産だ。
当然、自社は多額の売掛金が回収不能に陥ってしまう。そこで金融機関との付き合いが非常に大事になる。私も先日とある銀行さんから「先生の会社は、当行からの借入金がまったくありませんね。」と言われハッとした。
金融機関からは、ある程度の借入をして継続しておくと、いざという時に助けてもらいやすくなる。特に日本政策金融公庫からの借入金はできるだけ継続して借り続けた方が良い。少々業績が落ち込んでいてもいざという時にスムーズに貸してもらいやすい。
無借金経営は経営者にとって理想ではあるが、金融機関としては、借入を全くしない会社より、借入をして、きちんと返済できる会社の方を評価するようだ。
決算書では、経常利益が出ていることが望ましいことは勿論だが、金融機関は貸借対照表の自己資本すなわち純資産を重視する。まずは、最低でも自己資本比率30%以上(時価で)は確保したい。
最後に、経営者は孤独であり、相談相手もいないことが多い。決断を迫られた時は、身近にいる税理士、弁護士などの士業や金融機関についつい相談してしまうものだろう。
しかしそれらの話は参考程度にしてほしい。相談相手は誰も経営をしたことがないのだ。彼らには経営者が資金繰りに厳しい時の気持ち、新規事業に投資するときの覚悟、危機を乗り切った時の醍醐味、期待していた社員に辞められた時の気持ち、いくら頑張っても売り上げが上がらない時の焦燥感など分かりようもないからだ。
私は事務所を開業した時、少しでも経営者の気持ちを理解できるようになりたいと思った。事業といえる組織の最小単位と思われる30人規模を目指したのはそのような理由からだ。
一般に、士業は過去の整理を得意とする人種であり、経営者は常に未来を見ている人種とその立ち位置は大きく異なる。
私はその意味で経営者と一緒に未来を見ながら伴走できる事務所をこれからも目指していきたいと考えている。
経営者の皆さん一緒に頑張りましょう。