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2022年6月 3日 (金)

創業100年以上の老舗企業になる秘訣

 日本は世界でも例をみない老舗王国だ。創業100年以上の企業数は、5万社~15万社と言われており、世界の老舗企業の約4割を占めている。更に200年以上となると世界の老舗企業の約6割は、日本の企業だ。しかし、世界で一番多いとは言うもののこの創業100年以上の企業となれるのは、日本の法人、個人合わせた事業者数約380万社のうちでわずか0.01~0.04%の世界だ。
 

 企業をとりまく環境は厳しく、一般的に創業20年で約半分に減るといわれている。1996年の日本経済新聞社の発表では、創業した8万社を追いかけたところ生き残ったのは10年で5%、20年で0.39%だったそうだ。もっとも、当社の関与先さんを見ると創業10年でも約9割の企業は残っているので、この日本経済新聞社の調査の対象企業はベンチャー企業が多かったのかなと勝手に推測している。いずれにしても継続して経営を続けるのがいかに厳しいかがわかる。


 私は、当社の関与先さんにも将来老舗企業になってほしいと思い、老舗企業になるための秘訣を知るために、いろいろな本を読んだり、直接、老舗企業の社長に聞いたりしてきた。すると見えてきたのは、老舗と言われる企業は、時代時代に合わせて常に創意工夫の努力を怠らないということだ。他にもいずれの老舗企業にも共通するだろうと思われることが、いくつか見つかったので紹介したい。


 まず企業にとって重要な財務面だが、老舗企業には経営分析上でその特徴が出ているはずだと思い、比較検討してみた。しかし、営業利益率、流動比率、自己資本比率共に同業他社と変わった点はなかった。むしろ平均より少し低いくらいだった。しいて言えば経常利益率が同業他社の平均より少し高いくらいだった。経常利益率が良いということは、家賃収入、株の配当など本業以外の収入が少しあるということだ。本業以外の副収入を少し持っておくと本業が落ち込んだ時にカバーできるということだろうか。是非参考にしたい。


 次は、意外にもどの老舗企業も目先のお金稼ぎを目的にしていないということだ。目先のお金稼ぎを目的にせず、社会的な役割を追っているからこそ行動がぶれず、一体感のある組織として継続していけるのかと思う。目先の損得だけで行動していると結局は、社員、取引先などの信頼を損ない、優秀な社員が退職し、良い取引先は離れ、結局業績は悪くなってしまうようだ。最後に皆さん口をそろえて言うことは「運が良かった。」ということである。運も味方してくれるような生き方、経営を日頃から心がけていることで運も味方してくれるのだと思う。


 上記のことを参考に、一社でも多くの企業が老舗企業として継続していくことは、日本の大きな宝となる。経営者の皆さん・・応援しています。

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