М&A成功の秘訣・・そのカギは契約後
少し前までは、身近でM&Aがあったと聞くことはあまりありませんでした。東北の気質にはなじまないのではと話していた方もいました。ところがここ数年は近くでM&Aの事例を見るようになってきました。どうやら事業承継対策の一方法としてM&Aが認知されてきたようです。しかしここで注意しなければならないのは、M&Aをしたから、万事めでたし、めでたしということにはならないということです。売り手側はともかく、買い手側は、相当な金額をM&Aの為に投資していますので、それに見合うシナジー効果を出し、営業利益を増加させなければなりません。そのような視点からみると成功したと言えるのは三分の一もないと言われています。
購入する側がM&Aを成功させるためには、M&Aの目的と戦略をしっかりと明確化しなければなりません。例えば、新規事業への進出、シェアの拡大、優秀な人材の獲得、新たな商材や販路を得るなどです。そして契約前にいかに デューデリジェンス(調査)を徹底するかが大事です。ほとんどの仲介会社は、M&A後の相談等には応じてくれません。M&Aをした企業は自分でその後の作業をしなければならないのです。それは非常に難しいことです。それが出来ずせっかくのM&Aも台無しにしている企業が何と多いことか・・・。
歴史も経営理念も経営方針も違う会社が一つになったわけですから、まずはそれらの統一が最初の課題です。買い手の考えをいきなり押し付けてしまっては、対象会社のキーマンが辞めたり、大量の退職者がでたりする原因になります。また販売のシナジー効果を無理に追求したために既存の取引先が離れてしまうこともあります。このように買い手側は買い取った後の問題が山積みなのです。そこで必要なのが、このM&A後のフォローのアドバイスがしっかりできるコンサル会社だと思います。我々地元に密着した会計事務所もそのアドバイスを最もしやすい立場にいることを改めて認識し、関与先さんの支援をしていく必要があると感じています。また今後はニーズが高まっていくとも感じています。
私は経営には理念を持つこと、社員がベクトルを合わせることが必要で、目標を達成するためには経営計画が必要だと深く感じ「将軍の日」という経営者のための勉強会を長年続けてきました。ただ会計事務所は数値のサポートは得意ですが、マインドの面に踏み込んだコンサルはしてこなかった分野です。しかし、このマインドが経営に影響するのです。そのため当社では一昨年より「ワークショップ」に取り組み始めました。
当社で実績のあるワークショップは、社長はじめ経営幹部10数人に参加してもらい集中的にコミュニケーションを取ることで、社員自らが気づきながらベクトルを同じ方向に向けるお手伝いをしていきます。自ら気づき行動することに勝るものはありません。文化の異なる会社の経営統合には短期間で最大の効果を生むものと確信しています。是非ご相談下さい。
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