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2021年5月 7日 (金)

教育資金の一括贈与の特例

「教育資金の一括贈与の特例」が2023年3月31日まで2年間、更に延長されました。
2013年、特例が創設されてから、なんと10年間続くことになるのです。この特例が出来たときには、私は、「誰がこんな使い勝手の悪い特例を使うのだろうか?きっと普及しないだろう」と高を括っていました。

 

   ところが、2020年3月末時点でその契約数は約23万件、信託財産設定額は累計1兆6,700億円と、利用者の非常に多い制度になっていました。私の予想は見事に外れてしまったのです。使い勝手よりも孫可愛さの方が勝ったのでしょうか?勿論、孫可愛さはあったのでしょうが、それ以上に相続対策に活用できたことが大きかったからだと考えられます。



 今回の改正では、その点で手が加えられました。2021年4月1日からの信託受益権等の契約からは、その贈与者が亡くなった時点で、残っている教育資金贈与はすべて相続税の課税対象になりました。さらに孫やひ孫に対しては相続税の2割加算がされることになりました。もし贈与者が亡くなった場合に、以前はすでに贈与した分は、相続財産に加える必要がありませんでしたので、節税効果が縮小したと言えます。しかし、贈与者が亡くなった時点で、受贈者が23歳未満である場合や学校に在学中の場合は除かれています。相続財産に加算されないようにするには、23歳までに使い切ってしまえば、相続財産に加算されることもありません。この制度を節税に活用される方はその辺を踏まえて計画的に贈与することが重要です。


 昨年、この特例を活用されている方のお孫さんが私立の有名医大に入学されました。「入学金が大きいので、この分は別途、孫の為に大学に直接振り込んであげたいが、税金はかからないか?」と質問されました。持つべきはお金持ちの祖父だなと思いながらも、私は「大丈夫ですよ。ただし入学金の請求書や振込用紙は必ず保存して、通帳にも鉛筆でメモしておいてくださいね。」と答えました。以前より扶養義務者相互間における生活費や教育費は非課税です。このことは教育資金の一括贈与を活用していても併用して使えます。これは、その都度贈与とも言われ、必要な都度、必要な金額を直接振り込むというものです。必要以上の金額を振り込むとそれは通常の贈与になりますので、注意が必要なのは言うまでもありません。


 また年間110万まで非課税の暦年贈与も使えますので、上手に組み合わせて活用すると更に節税効果は高まると思います。例えば孫が生まれたら、この教育資金一括贈与の特例で贈与を実行しておきます。小さいうちはその都度贈与を行い、認知症気味になってきたらこの特例を活用するのです。贈与は、あくまでも民法上の契約ですから、「あげる」「もらう」のお互いの意思がしっかりしていないと成立しないからです。もし贈与者が認知症などになれば、贈与などは当然できなくなるのです。高齢化が進むと同時に認知の問題は深刻な問題になってきています。次回はこの「認知症対策」としての「信託」の活用について述べていきたいと思います。

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