待ったなし!あなたの事業承継
来月(令和3年6月)「待ったなし!あなたの事業承継」と題して新刊を3人の共著で出版する予定です。4章からなっており、私は第3章「今がその時!『特例事業承継税制』」を担当させていただきました。その他の章のほとんどは齋藤氏が担当されました。
齋藤氏は、以前当社の顧問先の社長でした。自ら立ち上げ育てた会社を4年ほど前にM&Aで譲渡し、その後、引継ぎの為役員として残っていましたが、令和元年には退任されました。初めてお会いした時に、私の高校の後輩ということがわかり、特に親しく付き合わせていただいてきましたが、在職中から勉強熱心で当社のオーナーズセミナーには欠かさず出席してくれました。齋藤氏の話では、自社のM&Aも当社のオーナーズセミナーでM&Aというものを知ったことがきっかけだったそうです。思い切ったM&Aにも驚かされましたが、更に驚かされたのは、経営について、あらためて勉強したいと一念発起して大学院に入ったことです。現在、齋藤氏は令和2年から宮城大学大学院で自分の経験を踏まえて事業承継をテーマに勉強されています。その勉強熱心さには頭が下がる思いです。そして齋藤氏自らのM&Aの経験を活かし、自分と同じように悩まれている経営者の皆さんに少しでも役に立てればという一心から今回の出版の運びになりました。
もう一人の著者である菱沼氏は齋藤氏の古くからの友人で調査会社の東北支社長をされていた方です。在職中には、延べ2万人の会社経営者・経営スタッフと面談しています。今回の本の出版では、実際に多くの会社経営者の不安や悩みを垣間見てきた経験とその顔の広いところを生かし、大いに活躍していただきました。
このように「特例事業承継税制」の届け出の提出期限が2年後に迫る中、経営者の皆さんの少しでもお役に立てる本を提供出来たらという思いで、専門家でなくとも誰でも読めるわかりやすい解説書を自分たちの経験も踏まえて提供しようということで、意気投合し、今回の出版になりました。来月出版されましたら当社の顧問先の経営者の方には、一冊づつ提供させていただきたいと考えています。
「待ったなし!」とは、特例事業承継税制の適用を受けるための届け出期間が令和5年3月に迫っていることだけを言っているのではありません。何故なら統計によると60歳以上の経営者の約半分が後継者不在という深刻な状態に陥っているからです。「後継者問題」は、ほんとに頭の痛い問題ですが、どのような形にせよ避けては通れません。もし避け続ければ、それまでの経営努力も泡のごとく消えてしまうことになります。たとえ廃業にするにしましても、上手に廃業するには、その準備に十分な時間をかけなければなりません。それを怠れば、必要な老後資金も残すことができません。いずれにしても「待ったなし」の気持ちで目をそらすことなく、真正面からこの事業承継問題に取り組まなければなりません。大変なことだとは思いますが、一緒に取り組みましょう。応援しています。