食っていければいいので「経営計画」は必要ない。
今年度第一回目(通算では62回目)の「将軍の日」が無事終了した。参加された企業は4社で、そのうち2社は当社の関与先ではなく、金融機関からの紹介の企業だった。
「将軍の日」は、当社に来ていただき、一日かけて参加企業に五カ年計画を立てていただく。セミナーとしては、大変長丁場だ。日ごろ業務に追われてじっくり考える暇のない経営者にとって、誰にも邪魔をされず、時間をかけて自社の将来を考えることができるので、大変好評だ。
数値計画に関しては当社の熟練したスタッフが終日フォローさせていただくので、安心して参加していただいている。
経営者の中には「もうこれ以上大きくする気はないし、私の代で終わりにする。今食べていければいいので経営計画など必要ない。」という方も結構いる。このような生き方は、個人の考え方、主義なので私が口をはさむ問題ではない。
しかし、そこで働く従業員のことを考えると悲劇としか言いようがない。そのような考えのトップの元で働く従業員は浮かばれない。
私は若い人たちの就職の相談を受けることがあるが、その時必ず「会社の規模、給料にとらわれず、その会社のトップの考え方、経営理念、経営方針をしっかり確認した方がいいよ。」とアドバイスしている。上記のような経営者に当たったら不運では済まされないからだ。
人間はみな生活の向上を願い、自己の才能を発揮したいという欲求を持っている。一個の人間としての「自己拡大」の本能である。会社を発展させなければ、社員の自己拡大の欲求は満たされない。経営者には社会的責任と人間的な責任の両面があるのだ。
それにはどうしても長期的な繁栄を目指さなければならない。この自覚が経営者の使命感と言えるものかもしれない。
そのための「経営計画」なのだ。
私も一社でも多く経営計画を立てていただきたいと思い、お誘いするが、まだまだ躊躇される経営者の方も多い。その理由で一番多いのが、「将来のことはわからないし、先の見えない業種なので立てられない」「どうせ計画通りにはいかない。」というものだ。
将来のことは神様しかわかるはずもなく、人間が未来を予測することなどできる訳がない。勘違いしてはいけない。経営計画とは「目標の設定」をすることなのだ。決して未来を予測することなどではない。目標の設定なくして、経営者の創造性は発揮されることはないのだ。
また、「経営計画」を立てる以外に、自社の全体を知る方法はない。自社の強み、弱みなど、トップは分かっているようで、分かっていない。また誤解しているケースが多い。その誤解を解き、迷いを吹っ切り、自信を持って事業経営をしていくために「経営計画」が必要なのだ。
実際に「経営計画」を立てている会社はまだ一割にも満たないと言われている。まずは難しく考えず、「経営計画」を立てて見ることをお勧めする。そしてそのお手伝いは私どもが全力でさせていただく。
2013年4月30日 著者 千葉和彦
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