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2013年1月 7日 (月)

いよいよ2013年の幕開け

いよいよ2013年の幕開けである。各人がそれぞれの思いを持って、この新年を迎えたことでしょう。

昨年は「2012年問題」ということで、団塊の世代が65歳に突入しだし、いよいよ事業承継問題が本格化した年でもありました。今年は、更にこの「後継者問題」が現実問題としてクローズアップされてくる年だと思います。

相続税対策としては、私は、生前に、自社株や事業用財産を少しずつでも後継者へ贈与していくことをアドバイスしてきましたが、その贈与すべき後継者が、まだ決まらない経営者が65.9%(2011年12月帝国データバンク発表)、年商10億円未満の中小企業においては約7割もおります。

しかし、完全に後継者不在というのではなく、将来の後継者候補はいるがまだ若かったり、後継者候補が複数いて、誰が経営者として向くかどうか見極めておられる方も多いようです。毎年株式の評価額が上がっていっているような場合には、一日も早く贈与をしたいと思うのが当然かと思いますが、そんな理由で、なかなか贈与に踏み切れず、自社株贈与のタイミングを逃されている方もいます。

また自社株を長男に贈与したいが、長男が万が一にも事故で亡くなった時、株式の大半は長男の配偶者に相続されてしまう。今は、関係が良好でも亡くなったらどうなるかわからない。場合によっては長男の配偶者に会社をのっとられてしまうのではないかと不安で、なかなか長男に自社株を贈与できないでいる社長もいます。

そのような悩みを解決してくれるのが、前回の私のレポートでも書かせていただいた「信託」の活用です。株式を贈与するかわりに、株式の受益権だけを長男に渡す方法です。そうすれば従来通り、株主の権利は父親が持ち続けることが可能なのです。

また、信託行為(信託契約書等)のなかで「長男が亡くなった場合、次の受益者を次男とする。」としておけば、受益権が配偶者に行くことを防げることもできます。しかし、将来長男が会社を担えるようになった場合や、長男の配偶者と信頼関係ができた際にはこの信託契約を終了して株式を長男に渡す(税務上は、受益権を与えたときに、実質所有者とみなされ、すでに課税されてますので、その時点では、当然無税で株式を引き渡せます。)ことができれば更に良いのではないでしょうか。

 「信託」は決して万能ではありませんが、会社の存続・発展のための選択肢の一つとして活用していくことがこれから益々重要になるのではないでしょうか。

これから今月、来月とセミナーでこの「信託」を取り上げて行きますので、ご興味のある方は是非参加してください。お待ちしています。

2013年1月6日   著者   千葉和彦

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