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2012年7月30日 (月)

会社の社会保険料は減らせるか!

中小企業は相変わらず厳しい経営環境の中におかれ、その資金繰りもぎりぎりのところで、毎月、毎月乗り切っているというのが現実です。

そのような中で月末になると社長の頭を悩ませるものに「社会保険料の引落し」があります。

その金額は支払った給与の2割を超えるものですから小さな金額ではありません。

約半分は社員から預かったものというものの、半分以上は会社での負担になります。
少子高齢化が叫ばれる今後は健康保険料や厚生年金保険料は更なる引き上げが予想されます。
厚生年金保険料については2017年に18.3%まで引き上げられることが決まっています。
そうしますと数年後には支払い給与の3割が社会保険料として引き落とされることになり、益々会社の資金繰りを厳しいものにしていきます。

「社会保険料を何とか減らせないものだろうか?」という相談が多く寄せられ、私も頭を悩ませていましたが、「選択制確定拠出年金(以下、選択制401K)と呼びます」という方法があることを知り、早速当社で取り入れました。関与先さんに知らせるためには、まず自社で試してみるというのが、私のやり方だからです。

この選択制401kは、世間一般で考えられている「確定拠出年金」とは異なります。

主なメリットとしては、

①会社、社員双方の社会保険料の削減ができる。(会社が拠出する企業型確定拠出年金の掛金は、社員の給与所得に算入されず、最初から給与としては支給されなかったものとして取り扱われるため、この掛金には厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料、労働保険料、雇用保険料、所得税、住民税がかかりません。)

②福利厚生制度として社員のハッピーリタイアの後押しを実現(ただし、一度掛けたら最低3000円はかけ続けなければならず、しかも60歳まで解約できません。)

③運営管理機関との協業によるきめ細やかなサービスと低コスト(当社と運営管理機関でフォローします。実際導入の際は事前にコストの見積もりもださせていただきます。会社負担はこのコストだけですが、多くの場合社会保険料減額分よりかなり低いコストになります。)

を実現しました。会社の負担を増やさず社員の福利厚生も実現するという素晴らしい仕組みだと思います。

しかも社員は希望者だけがやることができ、投資や運用が嫌いな人は、元本割れしない定期預金でもOKです。
掛け金は3000円から51000円までの間で千円単位でかけます。
当然ですが途中で掛金の変更、投資商品の変更はいつでも可能です。

地元で加入している企業はまだまだ少ない・・と言うよりはこの制度を知らない会社が多いのが現実のようです。
是非この機会に導入を検討されることも選択肢の一つに入れられてはいかがでしょうか?

手続き等につきましては私どもに問い合わせください。詳しくご説明します。

ますます暑くなってきていますので、お体の方ご自愛ください。
           

2012年7月30日(月)著 者 千葉 和彦

2012年7月 2日 (月)

ある営業マンとの出会い

30代後半の営業マンと会うことになった。

友人の紹介なので無下にも断れず、まあ30分くらいなら仕方ないなという思いで夕方5時に事務所にきてもらうことにした。

正直気が乗らず嫌々だった。ところが実際、会って話が始まると、先方がこちらの時間を気にしてくれるほど話し込むことになってしまった。

その青年が特別話術に長けていたとか、特に有力な情報があったわけではない。

では何故?とみなさんお思いだろう。今回はその青年営業マンとの出会いをお話しさせていただこう。

その日、玄関のチャイムが鳴ったので時計を見ると5時5分前だった。「ふむふむ。セオリー通りだな。」と思った。

すぐに総務から内線でその青年の来所の旨が伝えられた。4時からの先客との話は終わっていたが、急にその青年を試してみたくなり(いつもはそんなことはしないのだが)わざと10分近く待たせた後、そっと応接間に近づいてみた。

すると、じっと立って待っている人影が見えた。お茶も飲まずに立って待っていてくれたのだ。

「案外礼儀正しい青年だな。」とほっと気持ちがほぐれた。その後、爽やかな挨拶と私の貴重な時間を割いたことに対するお礼へと続いた。

車が見当たらないので、何で来たのかと聞くと、「車です。」と答えた。何と彼は当社のお客様の邪魔にならないように、近くのスーパーの駐車場に置いて歩いてきたという。

彼が言うには「私は客ではありませんので、どこへ行っても玄関前の駐車場は避けて、邪魔にならないように、できるだけ遠くの隅に駐車しています。」と言うのだ。

コーヒーを出すと、運んできた当社のスタッフに会釈しながらお礼を言う。砂糖やクリームの殻は静かにポケットに入れる。帰るときには、コーヒーカップを私のと一緒に片づけ易いように隅に寄せる。といった気の遣いようだ。

その後何度か会うことになるが、会うたびにこちらが教えられ、感心させられ、また反省させられる。

ある時、一度も時間に遅れたことのない彼から、その日は遅れる旨の電話が事前に入った。「先生、申し訳ございません。2分ほど遅れます。」という内容だった。

たった2分でわざわざと思いながらも、私のことを大切にしてくれているのだと思い、彼が遅れたことよりも、その律儀さに強く感動したのだった。

そのうちこのような青年ならぜひ当社でもほしい人材だと思うようになり、思い切って、当社に入社しないかと誘ってみた。

すると「今日の自分があるのは、今の会社と社長がいたからです。まだ恩返しの半分もできていません。先生のお気持ちは大変ありがたく感謝していますが、今の会社で頑張らせてください。」と心から申し訳なさそうに断られた。

後日、かなり高い報酬を提示されて、ヘッドハンティングされたが、「報酬ではない。」と言って一切応じなかったという話をある人から聞いて、私は、ますますその青年のファンになった。

そして、還暦を目の前にした私ではあるが、彼を見習い、謙虚に初心を忘れず仕事に取り組んでいこうという気持ちを強くした。

2012年6月29日(金) 著 者   千葉 和彦

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