経営戦略は、走りながら考えよう!
経営計画や経営戦略の重要性が昨今、特に叫ばれるようになりました。経営計画に関しては何十年も前からその重要性が謳われてきましたが、なかなか中小企業では計画を立てるところまで行きませんでした。そして、また、立てなくても目の前の仕事を一生懸命していれば何とか経営はできたのです。
しかし、ここにきて「経営計画」特に「未来会計」や「先行管理型経営」の重要性が再認識されています。世の中が右肩下がりのときや、今回のような思わぬ災害等が発生すると、その重要性は増します。
中小企業は「人・物・金」が十分にあるとは言えませんので、計画的に配分しないと、(選択と集中でしょうか)最大の成果は望めず、競合相手にも負けてしまいます。この計画的な配分が経営戦略と言えるもので、その具体的な方法が戦術です。
本屋さんに行くと、経営戦略の本が山積みにされています。今、戦略の重要性が再認識されている証拠です。そして、どの書物も甲乙つけがたく立派なものですが、それを読んで、我々実務家あるいは経営者が経営ですぐに活用しようと思っても、なかなか実践が難しいのが現実ではないでしょうか。
今回、私は、実務家としてあるいは経営者の端くれとして、すぐに取り組める方法を伝えたいと思います。それは、①まず5年後、10年後に自分があるいは会社がなりたい姿を打ち出します。目標とも言えるものでしょうか。その際の目標ですが、高ければ高いほど良いと思います。それは現在の自分が達成する目標ではないからです。将来、努力を積み重ねて、成長した自分が達成する目標だからです。従って、自分がちょっと努力すれば手が届く目標ではなく、高い目標を立てましょう。
②次に自社の強みを徹底的に考えます。売上があるということは、強みがあることですから必ずあるはずです。考えても分からない場合は、お客様に「何故、他社ではなく、我社を選んでくれたのか?」と直接聞いてみましょう。顧客は良く知っています。時には自分が考えていたことと、まるっきり違うことを言われ驚くこともあるかもしれません。
③そして強みが分かったら、その強みを理解してくれる、あるいは評価してくれる顧客に集中して提供していきます。それは、結局、顧客を絞るということになります。何故、顧客を絞る必要があるかというと、必ず顧客を絞ってくる競合相手がいるからです。絞らなければ必ずその競合に負けることになるからです。
戦略の本質はいかに他の競合と差別化できるかです。誰にでも満足できる製品やサービスは、この世には存在しないと思ったほうが良いかもしれません。いかに自社の良さを理解し評価してくれる顧客に、自社の商品やサービス提供していくかが経営戦略の基本です。いろいろな書物を読むことは重要ですが、是非このことを実践しながら読みましょう。
実務家・社長は、走りながら考えましょう。応援しています。
2011年6月30日 著 者 千葉 和彦