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2010年12月 7日 (火)

金融機関と上手に付き合う法

 景気低迷が長引き、地元中小企業も資金繰りに四苦八苦している。金融円滑化法の後押しもあり、金融機関に対し、リスケ(返済条件の緩和措置)の要請が後を絶たないようです。中には当然の権利のようにしかるべく企業努力もせず、安易にリスケを要求しているところも見受けられます。私は、企業の将来のためにも安易なリスケは避けるべきと考えています。リスケを金融機関に申し出るということは、今後は新規の借入が難しくなることを意味するからです。

まずは会社の現状を分析し、固定費削減(まずは役員報酬や親族に支払っている地代家賃の削減から着手しましょう。)売掛金の回収促進、たな卸在庫回転率の向上、遊休資産の処分を検討し、さらに社長個人を含んだ資金調達方法がないか(例えば小規模共済や生命保険の契約者貸付制度の検討など)を幅広く検討し、活用できそうなものがあれば順次実行し、不足分は緊急経済対策の融資制度の活用を考えます。それでも難しい場合に、金融機関に対しリスケの申し出を行っていくことになります。

 ただこのリスケの問題も金融機関と日頃から上手にお付き合いし、信頼関係を築いていないと、スムーズには進まないでしょう。資金繰りとは「血液の循環」のようなものです。

 日頃、どんなに体力があり、内臓が丈夫でも、血液が循環しないと人は死んでしまいます。企業も資金繰りで行き詰れば、どんなに優秀な人材がいても、どんなに凄いノウハウや特許を持ち、利益を出していても、倒産する可能性があります。この時、頼りになるのは、なんと言いましても、地元の金融機関さんです。よく無借金経営を金科玉条のごとく、

良い経営という経営コンサルタントの方もいますが、中小企業がこれを鵜呑みにすることは危険です。上手に借金を活用し、昨今の急激な経済環境の変化に柔軟に対応しながら、成長のスピードを買う必要があるからです。たとえ、現在、業績が良い会社でも日頃から金融機関と上手に付き合っておく必要があります。業績はいつ悪化するかわかりませんし、日頃お付き合いがないのに、業績が下降気味の新規取り扱いの会社には、金融機関も慎重にならざるを得ないからです。

 先日、当社が、主催する「後継者塾」に現役銀行員の方と政策公庫の方をお呼びし、勉強会をしました。金融機関側の関心はずばり言って、「貸した金が利息を含めてきちんと返してもらえるか」にあります。金融機関側に立てば当然のことです。したがって、企業側は、「将来にわたってきちんと返していきますよ。」と言うこと日頃から伝え、(決算後は勿論のこと期中も定期的に、経営者自らが金融機関に赴き、経営者自らの言葉で説明できることが重要です。

社長自らの言葉で説明をすることが大原則ですが、私は、そのフォロー役としていつでも一緒に同行し、応援させていただきますので、遠慮なく、申しつけください。応援しています。

   2010/12/01  著 者  千 葉 和 彦

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
URL : http://www.chiba-kaikei.co.jp/

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