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2010年8月31日 (火)

過大設備投資

 どんな経営者の悩みも、「人と金」に集約されます。現預金はどのくらいあればいいの?
借金はどのくらいまで大丈夫なの?設備投資は年間どの程度していいの?優秀な人材を確保するにはどうしたらいいの?社員のモチベーションを上げるにはどうしたらいいの?等々です。その中で今回は、特に設備投資について考えていきましょう。

 倒産の直接的な引き金のほとんどが、支払手形の不渡りです。手形を振出していなければ、債権者にお願いして支払日を延ばしてもらうことも可能です。そのようにして過去何度かの危機を乗り越え、現在優良企業で活躍している社長さんも数多く知っています。

 その不渡手形を出すに至る大きな原因が過大設備投資と不良在庫です。設備投資をしようとする時は、会社の業績が良いときです。社内にはイケイケのムードが充満しています。

 特にトップの社長が一番やる気になっています。そのような雰囲気の中でストップをかけられる幹部は、なかなかいません。
私の知っている社長に、いつも強気の設備投資をされる方がいました。その度胸の良さに感動すら覚えました。しかし、その社長は、いつしか、いつも資金繰りに追われるようになってしまいました。その設備から社長が予定する収入が上がらなかったのです。

投資をしないと経営はジリ貧になっていきますが、過大投資になると話は別です。どうも社長という人種は、楽観的な方が多いようです。勿論そのプラス思考の前向きな発想で会社も大きくしてきたのだと思いますが・・・。しかも、仕入の単価には、厳しい社長でも、どうも設備の見積りは甘くなりがちです。そして社長の周りには、イエスマンと儲けたい人が集まります。銀行もどんどん後押しをしてくれます。冷静に見ることができるのは、我々のような会計事務所か経理しかいません。

 是非、経理は、次の3パターンのシミュレーションを作って社長に見せてあげてください。まず①社長の希望通りに業績が上がった場合②現状維持が続いたとした場合③業績が社長の予想通りいかず、ダウンした場合の3通りです。その際、損益だけでなくキャッシュフローも必ずシミュレーションして上げて下さい。

勘の良い社長はそのシミュレーションを見て我に返り、必ず気づくはずです。③のパターンでも本業の屋台骨を揺るがさない投資の仕方をしなければならないと・・・。特に収益を生み出さない社屋等への過大な設備投資は要注意です。

設備投資が少ないと思われる我々のような会計事務所も昨今IT投資が増えてきました。どうにもシステムがわかる人間がいなので、システム会社のいいなりにならざるを得ません。しかもハードとソフトの購入費用に比例してメンテナンス料は増大していきます。IT投資はシステム会社の言いなりにならないようにしなければなりません。又個人の趣味ではないので、必要以上のこだわりも捨てなければなりません。銀行やリース会社が貸してくれるからと全額を購入費用に充ててはなりません。前の三つのシミュレーションをして、冷静に判断、投資をすすめてください。
応援しています。
              
  2010年8月30日 著者  千 葉 和 彦 

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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2010年8月 5日 (木)

まさかの坂

 経営も人生もいつも順風満帆とは限りません。むしろ生きていればいろいろなことがあって当然です。坂にたとえれば、上り坂、下り坂、それに真坂の坂があるようです。自分はいつもと変わらず一生懸命がんばっているのに、急激な外部要因の変化で・・・例えば、火事、地震などの自然災害で大きな被害を被ったり、取引先の急な倒産で不渡りを掴んだりなどです。

経営者は100%自社の連帯保証をしているので、いざという時に、全てを失ってしまいます。何も持っていなければ怖いものはないので、社長名義の不動産などやたら増やすより、まずはきちんと現金を持つことではないでしょうか? 又、債権者から家族を連帯保証人に追加するよう要求されても、応じない方が良いでしょう。業績が思わしくない場合は、老舗といえども、子息を一緒に同じ船(会社)に乗せない方が賢明の場合もあります。

 最悪の場合、やむを得ず倒産ということに直面することがあります。この「倒産」という用語ですが、法律用語ではなく、会社が債務超過で支払い不能の状態に陥り、その会社が経済活動を続けることが不可能になることを言います。すなわち約束した支払日に支払ができなければ倒産ということになります。その原因の9割は、待ったなしの「支払手形」です。ですから、まず倒産を避けるためには、「支払手形」を振り出さないことです。もう振り出しているところは、目標期限を定めて順次、手形を無くしていきましょう。

 次に「倒産」の大きな原因の一つに過大設備投資があります。その設備が予定通りの収益を生み出せないときにその悲劇は起こります。何故なら、借入金の返済ができなくなるからです。あくまでも甘い見通しは禁物です。設備投資は「減価償却の範囲内で」が原則です。私は本業の利益(営業利益)が出ていない会社は、再生は難しいと考えています。厳しいことを言うようですが、何期も連続で営業利益が出ていない会社は、上手な整理も視野にいれた対策が必要です。会計事務所もその会社が瀕死の重体になる前に、上手な撤退の仕方をサポートする必要があります。「会計事務所と銀行は倒れるまでお金をもらい続ける。」などと言われては恥です。「どんな業種が儲かっていますか?これからどうしたら良いでしょう。」と経営者の方によく聞かれますが、経営者は人に聞く前に自分の頭で考えなければなりません。何故ならそれが、経営者の仕事だからです。

 経営者は5年後、10年後自社は何で食べていくかを考える人です。現場に出て今日の飯を稼ぐのは社員の仕事です。役割が違うのです。
その際に、考えるポイントは、①消費者の視点で考える ②業界の常識を疑って考える の2点です。そして自社の商品を、①他のお客様に販売できないか ②関連多角化できないか(あくまでも自社の商品と近い形での多角化)です。そうしないとシナジー効果が発揮できません。

経営者は日頃から目標を明確にし、考え続ける習慣を身につけ、この厳しい経営環境の荒波を乗り切って行きましょう。応援しています。

   2010年7月29日  著 者 千 葉 和 彦

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
    URL : http://chibakaikei.com/

携帯版URL:http://homepage1.nifty.com/chiba-kaikei/mobile/mobile.htm

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