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2010年6月 2日 (水)

経営の定石

 先日、私の知り合いが、麻雀で大負けをしたそうだ。その友人は競技麻雀で日本チャンピオンにもなった方だ。たまたまその日勝った連中は、「俺は日本チャンピオンに勝ったのだから、世界チャンピオンだ。」などと大はしゃぎだったそうだ。

彼は「彼らは、まるで定石というものを知らないから、普通あり得ない手を平気で打ってくる。そこにツキがたまたま味方したものだから短時間では、負けを取り戻せなかった。」と話していた。後日、大はしゃぎの彼らが、再度、彼を誘ったことは言うまでもない。

しかし、何度、挑戦しても、もう以前のように勝つことはできなかったようだ。将棋や囲碁と同様に定石を知らないと一時の勢いで勝つことはあっても、勝ち続けることはできないようだ。
定石・・・それは、物事の基本ともいえるものではないでしょうか。何事も基本をしっかり押さえておかないと上達は遅いということでしょう。私のゴルフが上達しないのもその辺に原因があるのかもしれません。

 そして、どうやら経営にも定石があるようです。ところが多くの中小企業の経営者は、そのことを知らず、あるいは知っていても軽視して、目先の業務に追われている方が多いような気がします。振り返ると何年経っても同じか逆に年々じり貧気味・・・こんなに汗水垂らしてがんばっているのに、世の中冷たいなーと恨み節が聞こえてきそうです。

 今月は「年商の壁」と題してセミナーを行いましたが、社長が現場に出ていては、まず3億越えは難しいでしょうし、経営理念がなくては10億越えはまず無理です。特定の顧客に差別化された商品やサービスを提供するビジネスモデルがたまに当たった場合は、運良く7から8億くらいは勢いで行くこともありますが、やはり10億越えは無理です。(この場合の年商は粗利30%くらいの業種を前提にしてます。サービス業などは3億越えがそれらの業種の10億越えと同等でしょう。)では、経営の定石とはいかなるものでしょうか?それはまず経営理念をしっかり打ち立てることから始まります。

社長の思いを言語化し、社内に浸透させることです。次に5年後あるいは10年後のビジョンを具体的に全社員に示します。その後いよいよ戦略です。戦略は、いかに同業他社と差別化されたサービス、商品を、その価値を認めてくれる限られたお客様に提供していくかです。そして、その戦略を実行していくための組織をいかに作っていくかがポイントです。

この一連の流れなくして経営は成り立ちません。日本の企業の95%が5億円以下に集中しています。事業を起こした以上は、まずは1億円の壁を破り、次に、3億、10億と壁を破っていきたいものです。それにはやはり囲碁と同じように定石をしっかり身につけ、その後その上で自社に合った経営戦略を立てていかなければ当然のごとく何年経っても壁に打ち当たったままです。

まずは、しっかり「経営の定石」ともいうべき経営の基本をしっかり押さえながら経営に取り組むべきでしょう。是非、一緒に「経営の定石」の勉強していきましょう。

   2010/05/28   著 者   千 葉 和 彦

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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