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2009年12月24日 (木)

経営承継は10年計画で

 昨日、当社の関与先の社長が、信号待ちをしている時に、後ろから10tトラックに衝突された。社長が、体育会系で、常に体を鍛えている方なだけに、軽い鞭打ちですんだ。社長の丈夫さに感心すると同時に、ほっとした次第です。

 社長には失礼な話ですが、もし万が一の場合はと考えると・・・背筋が凍りました。社員50名その家族を合わせるとかなりの数です。その生活が社長の肩にかかっているからです。といいますのも、社長は初代で、カリスマ性を持ち、仕事の要所はすべて社長直結なので、現段階で誰も社長に代わることができないからです。

 社長のカリスマ性をそのまま引き継ぐことは、後継者には不可能です。後継者は、初代のカリスマ性に頼らない組織を作り上げていかなければなりません。その方法は、自分の片腕を将来に向けて最低2~3人育てておくことです。育て方は、中期の経営計画を後継者と将来の幹部を含むチームで作成し、実行していくのです。後継者と将来の幹部は、会社の経営理念を良く知ることになり、将来に向けて「わが社が打つべき手は何か」を真剣に考えるようになります。その時の注意点は、現社長が後継者チームを決して否定してはならず、協力していくことが次期後継者を育てて行く事につながります。

 計画で何よりも重要なものが、「行動計画」です。数字を達成するための、「行動計画」こそが、この「経営計画」の命です。社長、後継者チーム、幹部が集まって最低、月1回ミーテングを必ず実施しなければなりません。そのミーテングでは、毎月の行動計画のチェックを行うことが中心です。
たとえば、「新規顧客を20件訪問する。」という計画を立てたのに実行できないとしたら、何が原因なのか徹底的に議論しなければなりません。そして、当月の行動計画の見直しにつなげます。基本の考え方は「現社員と組織で出来ることは何か」で考えていかなければなりません。

今日お会いした社長は、「大企業と同じ土俵では決して戦わない。大企業が苦手なところを見つけ仕事をする。そして必ず利益を確保する。」そして「一年間仕事がなくても食べれるような会社にしてから息子に渡す。」と熱く話してました。
経営承継は、自己株式を含めた経営資源もすべて渡すことです。息子さんもその心意気が通じてか、誰よりも朝早く出社し、夕方、事務所に戻ってからも、遅くまで見積りをしたりで、がんばっています。

最近、足を骨折しましたが、ギブスを巻いて出社し、自ら現場でクレーンを運転しています。社長、社員をはじめ、周りは見ぬふりをして、しっかり見ています。後継者を見る周りの目が変わってきました。創業者も大変ですが、これからの時代、後継者はもっと大変だということを胸に刻んで経営に取り組まなければなりません。

我社でも、来年2月から「後継者塾」を開催し、全社をあげて、経営承継を応援する体制を整えました。後継者の皆さんの参加お待ちしています。
 
       2009年12月18日  著 者  千 葉 和 彦 

 
(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
    URL : http://chibakaikei.com/

携帯版URL:http://homepage1.nifty.com/chiba-kaikei/mobile/mobile.htm

職員の休けい室:http://chiba-kaikei.cocolog-nifty.com/kyuukeisitu/

2009年12月 8日 (火)

これからの10年・・・経営承継ラッシュ!

 これからの10年間は「経営承継ラッシュ」といわれている。日本における経営者の平均年齢は、約60歳であり、丁度この10年間で世代交代の時期にさしかかるからだ。

企業の中ですでに後継者が「決まっている」と答えた経営者は、約40%で、そのうち、充分に「事業承継の準備をしている」と答えた経営者は、20%に過ぎない。
今現在も毎年約7万社が「後継者不在」を理由に廃業に追い込まれ、そこで働く従業員の雇用も25万~35万人失われている。「経営承継」はまさに、日本の大きな社会問題にもなってきている。

 経営承継対策が積極的になされない理由は、いろいろあるが、毎日の業務に追われ、そのうち、そのうちと先送りの状況になっていることと、身近に相談できる人がいない、またはいても適切なアドバイスが受けられないことである。
アンケート結果では、相談相手として税理士が圧倒的に多いようだ。我々税理士が常に適切なアドバイスをしてきたのか、あるいはしているか・・大いに反省すべきかもしれない。

 最近「次期社長は決まっているが、経営についてどのように勉強したらよいかわからない。」とか「先代の後は継いだものの、決算書の見方も今ひとつわからない。銀行交渉の仕方もわからない。どこか教えてくれるところはないだろうか」との嘆きがあちこちで、聞かれるようになった。私は会計事務所の役割として、企業の存続、発展のために「後継者塾」を開催する使命があり、悩んでおられる後継者や経営者の皆様のお役に立たなければと思った。

 企業は生身の人間と異なり、時代の流れに上手に乗ることで永遠に近い命を吹き込むことも夢ではない。実際に100年、200年さらに1000年以上存続し続けている企業がある。
しかし、多くの企業は、かつて話題になった「企業の寿命30年説」に従い、消えてしまっている。はっきりした統計は出ていないが、創業100年以上の企業は約5万社から15万社あると言われている。これは日本の法人数からみると1~2%の承継率だ。
創業200年以上となるとわずか3100社で0.1%の承継率になる。いかに企業が存続し続けていくことが難しいのか理解できる。
従って、この10年間で上手に経営承継できた企業は、さらに存続、発展を続け、できなかった企業は、その寿命を生身の肉体を持った人間と同じように終えることになることが予測される。

 老舗企業…その秘訣は…いずれも上手な経営承継にあった。さらに「経営理念」という先代からの「思い」を後継者がしっかりと引き継いでいることにあった。
老舗企業の秘訣をしっかり学びながら、今回の経営者塾は、100年以上の老舗企業に残れる後継者の育成を目的としたい。この「後継者塾」から一社でも多く「老舗企業」がでれば、主宰者冥利に尽きる。

経営者の皆さん厳しい経営環境続きますが、足元をしっかり見てがんばってください。応援しています。
       
       2009年11月30日  著 者  千 葉 和 彦 

 
(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
    URL : http://chibakaikei.com/

携帯版URL:http://homepage1.nifty.com/chiba-kaikei/mobile/mobile.htm

職員の休けい室:http://chiba-kaikei.cocolog-nifty.com/kyuukeisitu/

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