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2009年6月 1日 (月)

名経営者とは?

 沢山の金と資産を一代で築いた人は、確かに素晴らしい経営者です。しかし、その残された資産を巡って、相続人が争い、相続人の間に深い溝ができ、貴重な資産を浪費してしまうケースを最近多く見かけます。先代が質素倹約、刻苦勉励に努め、長い年月をかけて築いた資産を失うのは、あっという間です。
企業が、危機に備えて10年がかりで蓄えた内部留保も、わずか2~3年の赤字で吹き飛んでしまうのと同じです。

 又、せっかく引き継いだ企業も、二代目でダメになり、資産を残すどころか、負債を抱えこんでしまっているケースもあります。二代目を責める前に、まずは、先代が経営承継をしっかりしてこなかったことを反省すべきでしょう。

名経営者は、自分の代だけの成功で満足するのではなく、最低、三代先まで成功させることができて、初めて真の経営者といえるのです。自分の代までが、自分の責任で、後は後継者の責任と仕事だから自分は関係ないという方がおられますが、それはあまりにも無責任というしかありません。

 また、二代目ともなると会社の規模もそれなりに、大きくなっていますので、失敗した時の痛手は大きいものがあります。二代目の失敗の責任の多くは、先代にあります。しっかりと経営承継をしてこなかったことにあります。生きている時は、人に喜ばれ、死んでからは人に惜しまれる人こそ真の経営者といわれる人です。ただ単に多くの金を残しただけでは、真の成功とはいえません。

 2代、3代と、100年、200年と続いている会社には共通点があります。先代がしっかりとした「社是」「経営理念」を自分の言葉で表現し、確実に次世代に受け継がれていることです。私の知り合いの老舗の4代目社長は、いつも経営判断に迷った時、先代から引き継がれた「経営理念」を改めて、引っ張り出し、判断基準の拠り所にしています。

 そのためか、どんな「儲け話」にも簡単に飛びつくことはありません。その社長の話では、「目先の損得よりも、ほんとにお客様の役に立てるかどうか」が先代より続いた判断基準だそうです。そして、お客様を決して裏切らない・・・「信用」を何よりも大事にし、必死に守り抜いてきたそうです。

 まだまだ「社是」も「経営理念」も掲げていない会社が多いようです。社長の事業に対する熱い思いがあるからこそ、今日まで会社が倒れないで続いてきているのです。ただ、言葉で表現していないだけなのだと思います。

是非、社長自身の熱い思いを自分の言葉で表現してみましょう。そしてそれを文字にして書き出してください。経営者はどなたも真剣です。照れる必要はありません。
「経営理念」ができましたら、是非、我が社の「将軍の日」に、参加してみてください。お待ちしています。

 2009年5月30日  著 者  千 葉 和 彦 
 
(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
    URL : http://homepage1.nifty.com/chiba-kaikei/index.html

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