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2009年5月 1日 (金)

内部留保なんかあっという間に吹っ飛んでしまうよ

 「何か質問はありませんか?」という私の問いかけに、そのセミナーに参加したある社長から「あんたたちは、いつもそんなことばかり言うけれど内部留保なんてあっという間に吹っ飛んじまうんだよ。」というおよそ質問とは言えない、腹の底から搾り出すような唸り声とも言える声が聞こえた。
あんたたちとは、推測するに我々のような職業会計人、もしくは経営指導のプロと言える経営コンサルタントを指すのでしょう。一向に良くならない景気、出口の見えない不況そんな中で苛立ちにも似た思いで自然と漏れた思いに違いない。

 私は「地元中小企業の存続、発展に貢献する。」を経営理念に掲げ、それを実践するには、
「経営計画の作成と実行を支援する」ことが一番と信じ、全社上げてスタッフともども取り組んでいる。

 私:「社長、私も経営者の端くれとして、社長のおっしゃらんとしていることは、充分承知しているという前提で話しているのです。」
社長:「はっきり言って、あんたたちのように資金繰りにも困らない家業の人たちに我々のような経営者の気持ちはわからないよ。」
 私:「社長、失礼ですが、私も自分の事務所を組織として、企業経営というにふさわしい規模と言われる30人体制を目指しているのです。そして、自分自身が、経営者と同じ目線で考えられるように自らも実践しているのです。」

社長:「じゃあ聞くが、今スタッフは何人なんだ?」
 私:「今はまだ20名ですが、自社で経営計画を立て、身を持って実践しているのです。」
社長:「じゃあ俺の言っている意味がわかるよな。国はちょっと儲かれば税金で取り上げ、赤字になれば知らん顔。あんたの言うように税金をコツコツ払い続け10年がかりで蓄えた内部留保なんかこの2~3年で全部吹っ飛んじまったよ。」

 私:「社長、もしその内部留保がなかったらもっと悲惨なことになっていたのではないですか?それに2年も3年も赤字を続けてはダメですよ。銀行だって2年連続赤字の会社には融資をしないといっているのですから。」

社長:「俺だって赤字を続けたくて続けているのではないよ。」
 私:「社長、赤字の多くの原因は、手を打つのが遅すぎることですよ。」
社長:「どうすれば早く手を打てるのだ。」
 私:「早く変化に気づき、手を打てる仕組みを社内に作ることです。」
社長:「ふん。あんたがいつも言っている経営計画とやらを立てるということかい。」
 私:「社長、だまされたと思って一度立てて見ましょうよ。立ててもうまくいっていないところは、立てっぱなしだからなんです。立てたら計画通り行っているかどうか毎月ミーティングして、計画と実績の差異について考え、先々と手を打っていくのです。経営計画を立て実践しているところは、70%が黒字という統計もありますから。社長、まずは出来ない理由を考えるより、どうしたら出来るかを考えましょうよ。」

社長:「まあそこまであんたが言うならだまされたと思って立てて見るか。立て方教えてくれるんだろうな」
 私:「もちろんです。日ごろ経営に悩み、資金繰りに苦労されている社長さんなら誰でも参加できる教室を定期的に開催してますから、是非、参加してください。まずは、そこから始めましょう。」

そんなやり取りをしているうちに、雨もあがり外は空一面に晴れ渡り、また一歩新たに踏み出そうとしている社長を歓迎しているようでした。

中小企業は、良くなるも悪くなるも99%社長次第です。社長頑張れ。

 2009年4月30日  著 者 千 葉 和 彦

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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