今経営者がなすべきこと
昨日は当事務所の恒例の新春セミナー・・「クローズアップ現代」等への出演で有名な山口義行先生をお招きしての講演だった。
先生の講演はいきなり今の不景気は、経済を勉強してれば、2年前から当然に、推察できたはずだし、自分は何度も予測してきたというショッキングな話から始まった。更に、海の向こうのアメリカで投資銀行リーマンが破綻した時に完全に世界は変わり、時代が変わり、社会が変わったのだと話された。
経営者は経済を良く勉強して海の向こうで起きたことも自分の会社にどう影響するか常に考え、社員とその家族を守るため、常に先手を打つ努力をしなければならない。そして、そのためにも、人の2倍3倍勉強するのが経営者なのだ。そもそも仕事が良くできるのは職人と呼ばれる人であり、外のことをよく勉強して、自社の進むべき道を誤らないようにする人が経営者といわれる人で、役割が全然違うことをしっかり理解しておくべきだと続けられた。
結論からいうと、この景気の低迷は続くだろう。余計なことをすれば却って危険、しかし何もしなければ益々危険。どうしたら良いのだろう。山口先生は経営者にとって一番大事なキーワードは「問いかけ」だと言う。すなわち、「我が社は何のために存在しているか?」「我が社の製品は本当にお客様に喜ばれているか?」「我が社の強み、弱みは?」・・・このような原点にたった問いかけは、景気が良く、業績が順調な時はなかなかできにくいものだ。不景気で順調に進んでいないときだからこそできるものだ。
そしてマスコミの情報を鵜呑みにしたりせず、しっかりと自分の頭で考えて対処することが必要なのだ。
不景気だからと価格競争にはまっては、未来はない。価格競争に巻き込まれない「ブランデイング戦略」すなわちその価格差に意味あるものとして伝えることをいかにするかが中小企業の課題だと話され、一例として今治タオルの例を挙げた。
中国製のタオルが何百円の時に今治タオルは1万円でも売れるのだ。それは、その価格差を上手に発信しているからだ。この場合は、「5秒ルール」といわれるものだそうだ。すなわち一センチ四方のタオルの切れ端をコップに浮かべた時わずか5秒で沈むほど吸水性があることを訴えたのだ。その戦略は見事に成功し、全国の有名百貨店で発売されているそうだ。
このブランデイング戦略こそ中小企業の生き残る道である。そうすれば、決して値段競争に、値下げ競争に巻き込まれずにすむ。そのためにも重要なのは、まずは、「問いかけ」と「勉強」である。
氏は3年後又塩竃に来た時に、「あの時先生に言われ、しっかり頑張ったおかげでこのように成長しましたと言ってくれる会社が一社でも多く現れることを期待してます。」と帰られました。
2009年1月25日 著 者 千葉和彦
(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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