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2008年9月 3日 (水)

中小企業承継円滑化法とは?

  「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(以下「中小企業経営承継円滑化法」という)が去る5月に国会を通過し、10月施行予定となった(しかし、そのうち取引相場のない株式等の納税猶予制度に関しては、平成21年度の税制改正において創設され、今年10月に遡及して適用される予定)

 今まで事業承継は、経営者個人の相続及び相続税の問題として捉えられてきた。しかし、毎年29万社の廃業のうち、9万社は後継者不在という理由で廃業に追い込まれ、雇用の喪失は20万~30万人と推定される。
 国は、やっと中小企業の活性化・雇用の維持等の観点から、中小企業の経営承継を社会問題として捉え始めたのである。今まで相続・事業承継が円滑に進むことを妨げた大きな原因は三つある。

   ① 遺産分割をめぐる相続人間の争い

 ② 納税資金の問題

 ③ 過大な相続税の問題である。

①を防止するために今回「相続における遺留分の特例」が創設された。又、②、③の問題を解決するために相続税における非上場株式等の納税猶予の特例、金融支援措置に関する特例が創設される。

 ①を解決するために、私は社長さん方に、「遺言」を勧めてきた。その結果、「遺言」をする社長が増えてきた。大変良いことだと思う。しかし、残念なことにせっかく遺言していても、法律は、相続人のために「遺留分」を残しているので、その相続人が、遺留分に見合う財産を相続できないと、相続人は、すぐに「遺留分減殺請求」をしてくるようになった。
事業承継者は、最低でも、自社の株式と事業用財産を相続しないと相続後の経営に支障をきたす恐れがある。そのため、先代も心配して後継者に遺言でこの財産を残そうとするのだ。しかし、面白くないのは、すでに嫁いだ姉や妹、また事業を承継しなかった兄や弟である。「何故自分達の相続分が少ないのだ。最低、遺留分までは自分の分を主張しよう。」ということで、揉める事になる。

中小企業の経営者の相続財産は自社の株式と事業用財産を除くと極端に少ないことが多い。そうなると、結局、事業承継者が本来、持ち続けなければならない自社株や事業用財産を遺産分割しなければならないことになる。これでは、円滑な経営承継はのぞむべくもない。
今回の改正では、生前に贈与を受けた自社株式等を遺留分算定基礎財産から除外できるようにしたのである。

又、一定の要件のもと、相続等により取得したその会社の発行済議決権株式等の総数の3分の2に達するまでは、その株式に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税を猶予するという制度が創設される予定である。この制度で従来の過大な相続税はかなり緩和されることが予想され、②や③の問題もクリアできるのである。
会社又は後継者の自社株の買取のための資金、後継者不在の企業をM&A等により取得する資金の融資に関する支援措置もとられた。

経営者はしっかり勉強してこの「経営承継円滑化法」の上手な活用をしていかなければならない。我々も全力で支援します。社長がんばれ。

 2008/08/25  文責   千葉 和彦

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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