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2008年5月 1日 (木)

種を蒔き、育てる社風に!

「おい千葉!先月もお前実績悪かったな。ただ飯食ってんじゃないよ。
いくらお前が、頑張ったと言っても、数字が上がらなくては何もしてないのと一緒だぞ。営業マンは数字がすべてだぞ。
結果しかないんだよ。稼いだやつが偉いんだよ。A君なんか毎日遊んでいるようでもお前より数字いいんだぞ。爪の垢でも煎じて飲め。」僕は腐ってしまい、しばらくはお客様も訪問せず、ぼんやり過ごしました。
偶然廊下ですれ違った支店長に呼び止められました。
「千葉君、君が毎日遅くまでお客様を訪問して頑張っていることは僕が知ってるよ。種を蒔いたらあせらず、じっくり育てるだ。そうすれば必ず実る日がくるから。」

 私は、気を持ち直し、メーカーの営業なので、通常は問屋か販売店までの営業が主な仕事でしたが、朝駆け夜討ちで、大口最終消費者まで訪問しました。
問屋さんには、朝早く訪問し、ジャンバーに着替え倉庫整理を手伝いました。いっぱいのように見える倉庫もきちんと整理すると余白が生まれます。そこに自社の商品を置いてもらうのです。
その時、問屋の支店長から「千葉君、在庫には金利がつき、固定費増大の元になるということを知っているか?」と言われながらも、在庫を置いてもらいました。
今改めて思うと無茶をしたなと思いますが、退職するときは、その支店長からも「我が社に来ないか」とお誘いいただきました。私には、私の行動を見ていてくれた支店長がいたから救われましたが、数字だけ、結果だけを重視する社風を持つ企業はまだまだ多いようです。
私はそのような社風に嫌気がさし、辞めた多くの人材を見てきました。まさしく会社の大きな損失です。早く経営者はそれに気づくべきです。

経営者には会社の5年後10年後何で飯を食べていくかという大きな方向性を示す役割がありますが、上述の支店長のように現場に通じていることが大事です。
トップが見ていてくれるという安心感は、幹部、社員のモチベーションアップにつながります。そして、幹部の役割ですが、自社が半年から一年後何で食べていくか考える人です。
具体的には、新規顧客の開拓、新商品・新製品の開発、新規市場の開発、大幅なコストダウンの仕組み作りなど新しい課題にチャレンジする仕事です。

仕事には、定型業務と開発業務があります。定型業務は、日常の反復業務で比較的楽に流れる業務です。開発業務は、新しい課題にチャレンジするする業務で、経営者、幹部の業務です。
幹部が定型業務で忙しすぎると、開発業務に手がつけられません。トップは幹部が開発業務に取組めるよう社内の仕組みを整備しなければなりません。

そして、幹部は定型業務に逃げないで自らも時間を作り出すと同時に、苦しくとも、自分の頭で考えなければいけない開発業務に取組んでいくべきです。そうでないと幹部とは言えないでしょう。
そして、きちんと種を蒔き育てる人を・・業務プロセスを評価してあげる社内体制にしていきましょう。
そうすれば優秀な人材は逃げず、更にやる気のある社員の中から優秀な幹部が育ってくるでしょう。

社長がんばれ!

  2008年4月26日    文 責  千葉 和彦

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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