赤字からの脱却を!黒字は経営者の使命
当事務所の進むべき道を「経営支援」と位置付けてから10年近くになる。その間、100人以上の社長が「将軍の日」(中期五カ年計画を立てる日)「軍議の日」(単年度計画を立てる日)に参加した。
法人企業の7割が赤字という状況の中で、「経営計画」は、生き残りの必須条件だ。社長の使命は、自社を赤字にしないことだ。そのために、知恵を出し、創意工夫をし、黒字にするための「戦略」をたてるのだ。
社長が、その業務を避け、又は取組もうとはせず、どんぶり勘定の経営を続ければ、赤字は当然の帰結だ。しかも、そのトップと共にがんばっている社員にとっては悲劇で運が悪いとしか言いようがない。社長はそこで働く全社員と家族に夢と希望を与える任務があるのだ。
赤字脱却には二つの視点がある。中長期的視点と短期的視点だ。まずは、短期的に黒字化を成し遂げ、その基盤、実績をもとに長期的な経営改善を図るというのが筋道だ。
「利益は社会貢献のバロメーター」であり、自社が社会から必要とされていればいるほど利益は出続け、その反対に、社会から必要とされなくなると利益が出なくなるといわれている。
かつてのマッチメーカーは、百円ライターの出現で、ほとんどが消え、携帯電話の出現で、ポケベルメーカーは市場の撤退を余儀なくされた。経営者は、赤字の継続は、市場からの撤退を迫られているのではないかという危機感をもって、早急に、黒字化の手を打たなければならない。
短期的視点での黒字化は、人件費と固定費のカットしかない。人件費では、まずは役員報酬である。1割2割のカットは経営者の姿勢にかかっている。
又、社員の給与のカットは、一時的なものでなければならない。業績が回復した時点で、元に戻すという条件で、理解を求める必要がある。
ただし、業界と商品に将来がない場合は、解散の道も視野に入れなければならない。トップの見極めの問題になる。
固定経費の削減は、社員一人一人の意識にかかっている。まずは、意識を変えることである。中長期的な視点では、部門別業績管理がキーポイントである。
このことで、赤字部門を正確に知ることができる。赤字の理由を知れば、第一ステップを踏むことができる。
固定費カットで応じられなければ、スクラップ&ビルドという戦略型の経営改善策も打てるからだ。
今年も終わり、来年のオーナーズセミナーのテーマも決まった。
毎年多くの参加者から人気のある「決算書の見方」も来年のテーマに入れたが、来年は、ただ単に「見方」だけでなく、一歩進み、「決算書」を活用した「業績アップの手法」をテーマにしたい。
ただ決算書を読むことから、その問題点の具体的改善法まで具体的に皆さんと一緒に考えていきたい。そうすることで、私の関与先さんの7割を黒字にすることが、私の目標である。
黒字の会社にして、少しでも多くの報酬を社員に還元してもらいたいと切に願っている。そのことが、マクロ的にも日本経済活性化の源泉になるはずだからだ。
経営者の皆さんに今年最後のエールを送り、筆を置きたい。皆さんの御多幸を祈ります。
2007年12月26日 文 責 千葉 和彦
(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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