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2007年12月27日 (木)

赤字からの脱却を!黒字は経営者の使命

 当事務所の進むべき道を「経営支援」と位置付けてから10年近くになる。その間、100人以上の社長が「将軍の日」(中期五カ年計画を立てる日)「軍議の日」(単年度計画を立てる日)に参加した。
法人企業の7割が赤字という状況の中で、「経営計画」は、生き残りの必須条件だ。社長の使命は、自社を赤字にしないことだ。そのために、知恵を出し、創意工夫をし、黒字にするための「戦略」をたてるのだ。

社長が、その業務を避け、又は取組もうとはせず、どんぶり勘定の経営を続ければ、赤字は当然の帰結だ。しかも、そのトップと共にがんばっている社員にとっては悲劇で運が悪いとしか言いようがない。社長はそこで働く全社員と家族に夢と希望を与える任務があるのだ。

 赤字脱却には二つの視点がある。中長期的視点と短期的視点だ。まずは、短期的に黒字化を成し遂げ、その基盤、実績をもとに長期的な経営改善を図るというのが筋道だ。

 「利益は社会貢献のバロメーター」であり、自社が社会から必要とされていればいるほど利益は出続け、その反対に、社会から必要とされなくなると利益が出なくなるといわれている。
かつてのマッチメーカーは、百円ライターの出現で、ほとんどが消え、携帯電話の出現で、ポケベルメーカーは市場の撤退を余儀なくされた。経営者は、赤字の継続は、市場からの撤退を迫られているのではないかという危機感をもって、早急に、黒字化の手を打たなければならない。

 短期的視点での黒字化は、人件費と固定費のカットしかない。人件費では、まずは役員報酬である。1割2割のカットは経営者の姿勢にかかっている。
又、社員の給与のカットは、一時的なものでなければならない。業績が回復した時点で、元に戻すという条件で、理解を求める必要がある。
ただし、業界と商品に将来がない場合は、解散の道も視野に入れなければならない。トップの見極めの問題になる。

 固定経費の削減は、社員一人一人の意識にかかっている。まずは、意識を変えることである。中長期的な視点では、部門別業績管理がキーポイントである。
このことで、赤字部門を正確に知ることができる。赤字の理由を知れば、第一ステップを踏むことができる。
固定費カットで応じられなければ、スクラップ&ビルドという戦略型の経営改善策も打てるからだ。

今年も終わり、来年のオーナーズセミナーのテーマも決まった。
毎年多くの参加者から人気のある「決算書の見方」も来年のテーマに入れたが、来年は、ただ単に「見方」だけでなく、一歩進み、「決算書」を活用した「業績アップの手法」をテーマにしたい。
ただ決算書を読むことから、その問題点の具体的改善法まで具体的に皆さんと一緒に考えていきたい。そうすることで、私の関与先さんの7割を黒字にすることが、私の目標である。
黒字の会社にして、少しでも多くの報酬を社員に還元してもらいたいと切に願っている。そのことが、マクロ的にも日本経済活性化の源泉になるはずだからだ。

経営者の皆さんに今年最後のエールを送り、筆を置きたい。皆さんの御多幸を祈ります。

 2007年12月26日  文  責   千葉  和彦

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
   URL : http://homepage1.nifty.com/chiba-kaikei/index.html

携帯版URL:http://homepage1.nifty.com/chiba-kaikei/imode/imode.html

2007年12月 4日 (火)

二代目社長に朗報か?・・相続する同族株式評価は8割減

  先日、私の関与先の会長がお亡くなりになりました。すでに何年も前から御長男が社長として頑張っており、スムーズに事業承継が進むケースです。
ただ悩みは、長年利益を継続して出してこられた優良法人共通のもので、自社株評価がとても高いことです。
当然相続税を払ってでも、自社株は、現社長が相続しなければならないものとして、私は、相続税のシミュレーションをしました。その時、社長から「今年の6月12日の日経の報道の通りに税制改正が進むなら、一度母に自社株を持ってもらってはどうでしょうか?」と質問されました。
 まったく社長の言う通りですので、その方針を採用させてもらうことにしました。ただし、この改正はまだ通るかどうかわかりません。通るのを確認してから作戦を立てること
にしました。

  この改正の内容は、非上場の同族会社株式の相続税評価80%軽減が中心で、遺留分放棄の手続き簡便化も含めた広範な提言です。この提言の裏方役をつとめたのは経済産業省・中小企業庁でした。
年間29万社の廃業のうち後継者不在によるものが7万社、それに雇用喪失が年20万人から35万人です。「金持ち優遇」と野党からの非難も聞こえますが、何と言いましても、この減税の一方の大義名分は「雇用確保」です。
12月の自民党税制改正大綱を経て3月末に国会通過、早けれぱ来年施行の可能性大です。

日本経済新聞によれば、(株式相続した二代目社長は)5~7年は事業を継続して、従業員の8割以上の雇用継続をしなければならず、また相続後の報告先は経済産業大臣ではなく税務当局だと伝えています。
5~7年は事業継続を続け、8割の雇用確保も継続できれぱ、同族会社株式の相続税評価は8割減が可能です。その反面、もし、それができなければ8割減は取り消しとなり課税されてしまいます。
従って、二代目社長は事前にしっかりとした計画を立てる必要があります。そしてこの改正は、今回税制改正の大きな目玉です。

  農業後継者に多額の相続税を課すれば農地が失われ農業は継続できなくなります。そのため、農業後継者に対して特例が設けられています。それは中小企業者も同じではないでしょうか。企業後継者が株価評価の高さゆえに、相続税を払うために借金までしなけれぱならないところまで追い込まれています。しかも、中小企業の株は簡単には売れません。今回の改正は農業承継と同じように事業承継を容易にすることに目的があるのです。 ただ、事業に関係のない財産管理会社や投資目的会社は対象外とあります。株式持合いや、持ち株会社はどうなるのでしょうか。またビル所有会社はどうなるのでしょうか。

   ちょっとしたところで、相続税に大きな差が生じることが予想されます。事前の準備と対策で大きな差が間違いなく生じます。
事業承継を最小限の負担で済ませるためにも、事前の計画が、経営者には必須です。
私も少しでもお役に立てるよう頑張りたいと思います。
経営者の皆さんも頑張ってください。
 2007年11月29日  文  責   千葉  和彦

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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