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2007年9月 1日 (土)

二代目の苦悩

 「いろいろ提案してもすぐに却下される。」「古参の幹部社員がついてこない。」「引き継いだらたまたま業界不況で業績が落ち込んだ。
その結果、やはり二代目は・・・と言われた。」「必死で先代の業績を維持しても誰も誉めてくれない。」「先代には歯が立たない。」等々
二代目の苦悩はつきません。

 業績を維持して当たり前。少しでも下げようものなら各方面から、批判の嵐・・どういうわけか引き継いだ時に悪い偶然は重なるものです。
重要得意先が倒産したり、火事等の災害が起きたりです。二代目は決して慌てたり、うろたえたりしてはいけません。
冷静に粛々と処理を進めましょう。その時こそ周りは良く見ているからです。そのためには経済的な後ろ盾が絶対に欠かせません。
その時のために保険はあるのです。必ず保険に加入しておきましょう。

 「古参の幹部社員がついてこない。」・・当たり前です。昨日今日入ってきた何の実績もない二代目に誰が付いていくでしょうか。
甘えないでください。古参幹部のみならず若手の従業員も妬み、嫉妬を胸に秘めています。
どうしたら良いのでしょう。

二代目は誰よりも早く出社して、誰よりも遅く帰ることから始めましょう。決して重役出勤などしてはいけません。
3年、5年と続けるうちに周りの目が変わります。王道はありません。地道な積み重ねです。その間、決して先代の経営方針に文句を言ってもいけません。
まずは踏襲路線です。そして、その間にしっかりと「決算書の見方」を勉強して数字に強くなりましょう。

得てして創業者は勘と度胸で今日まで経営してきた方が多く、ここが弱みです。そこを二代目はしっかりカバーするのです。
これが先代を超えるコツかもしれません。「決算書の見方・生かし方」を学んだら、次に二代目が思い描いている「五ヵ年計画」を作ってみましょう。

 自分が何のためにこの仕事をしているのか、自社を将来どのようにしたいのかをじっくり考え、「経営理念」「経営方針」をしっかり打ち立てるのです。
そして、機会を見つけて、幹部社員をはじめ、全社員に自分の考えを伝えましょう。もちろんまずは先代に伝え、バックアップをもらってからです。
先代を説得できないときは、何度でも説得できるまで根気強く説得しましょう。熱意をもってすれば必ず分かってくれるはずです。

そしてこの「経営計画」ですが、二代目が自分の会社を知るためにも威力を発揮します。自社を知らずして「経営計画」はできないからです。
先代は社長を交替したら、できるだけ口出しはがまんしましょう。大所高所からアドバイスをお願いします。
新社長は毎月、定期的に先代の会長への「報告日」を設けて、決して会長を蚊帳の外に置いたり、孤独にしないようお願いします。

 会長には、業界活動や冠婚葬祭など対外活動をお願いしてはいかがでしょうか。お得意様も会長自らのお出ましに大いに感激されるのではないでしょうか。
新社長は会長のアドバイスに耳を傾け、謙虚に上手に事業承継していきましょう。

応援しています。

    2007年8月25日   文 責   千 葉 和 彦

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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