「信用格付」のランクアップを目指そう!
平成11年4月に、金融庁が、各金融機関に対し、「金融検査マニュアルを」を公表してから、すでに8年が経過しました。
しかしながら、各金融機関が、そのマニュアルに従い取引企業に対し行う、いわゆる「信用格付」は、まだまだ中小企業に浸透していないようです。
まずその理由の第一は、各金融機関が、その「信用格付」の内容を明らかにしていないことです。
各行「検査マニュアル」に従いながら、独自の基準・方法を実施しているのにもかかわらず、その内容は明らかにされず、貸出を断わる時もその理由を言わないことが多いからです。
銀行や信用金庫によって信用格付のランクは8~15まで大きなバラツキがありますが、債務者区分の「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の項目は、各金融機関に共通です。
「信用格付」は中小企業にとって死活問題です。何故なら、例えば「正常先」と「要注意先」では、金利に2%も差をつけている銀行もあるからです。
常に格付アップの経営を日頃から意識するのは当然のことですが、現在、「要注意先」に格付されている会社は、早急に「格付アップ作戦」が必要です。
しかし、格付アップは、そう簡単ではありません。何故なら、その格付は過去の実績3~4年分を基準に算定されているからです。
まずは、2~3年後に格付アップを銀行がしたくなるような「中期経営改善計画」を立てることが必須です。
そしてその実現可能性について銀行に定期的に説明に行くのです。
又、現在、銀行に対する説明不足から「要注意先」に格付されている会社もあるようです。
たとえ赤字であっても、あきらめずにその内容を説明することで「正常先」になることが可能です。
特にその赤字が一過性の赤字なら、ランクアップの可能性は高いのです。
たとえ恒常的な赤字でも諦めるのは早いです。同族企業の場合、その役員報酬の額やその代表者に支払っている家賃が多額なため赤字になっている場合などは、
銀行に良く説明して、代表者の個人収支なども総合的に判断してもらうようにすることが必要です。
借入金の中にも、代表者からの借入金が多く含まれていることもあります。その貸付の返済をすぐに望まないのであれば、そのことも良く説明し、資本と見てもらうようにしましょう。
又、業績の良いときに節税対策で、全額損金タイプの保険に加入し、解約の際、多額の保険解約返戻金が出る会社も多いと思います。その際、解約返戻金は、簿外資産となっていますので、
決算のとき、保険会社さんから、解約返戻金の額をだしてもらい、銀行に説明すれば、その分も加算されて格付けの材料にしていただけるのではないでしょうか。
まずは、決算が終わったら、銀行から決算書の提出を要求される前に、自ら進んで提出すると同時に説明をしましょう。その際、「経営改善計画書」を一緒に提出すればさらに良いことはいうまでもありません。
経営者の皆さん是非実行してください。
2007年7月28日 文 責
(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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