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2006年8月31日 (木)

赤字会社の節税…手取りはまだまだ増やせる

 空前の利益を出している大企業が多い中、地方の中小企業の経営は厳しい経営が続いています。最近、様々な格差問題が取り上げられていますが、ここにも、その格差を感じざるを得ません。
それは、いまだに日本全体における申告法人の赤字の割合が70%以上もあるからです。

 その赤字法人は、当然のことながら資金的に厳しい状況におかれています。
にもかかわらず、漫然と高い役貝報酬を取り続け、高い所得税や住民税・社会保険料を払っているところが多いのに、驚きます。しかも、貸借対照表の貸方に計上されている社長借入金は減るどころか年々増えています。
公私混同はいけませんが、同族会社の場合は、公私合計で資金繰りを考えなければなりません。従って、同族役員への役員報酬の支払い方にもひと工夫が必要となってきます。

 ここで、提案ですが、役員報酬を思い切って引き下げ、不足分は会社の社長借入金から返済してもらってはどうでしょうか?え?生活費が足りない?社長の生活コストの見直しをしましょう!10年~15年前に加入した保険がそのままになっていたりしませんか。
当時、子どもたちのためと思って入った保険も、今や子どもたちは巣立ち、保険料をカットしても良いかもしれません。役員報酬を減らした結果、所得税も住民税も社会保険料も減り、手取りが増えます。社長借入金も減り、会社の財務内容も良くなっていきます。

 社長借入金が多くてそう簡単に減らないケースには、繰越欠損を無駄にしないためにも、借入金の免除を検討してはいかがでしょうか。それは相続対策にもなり、一挙両得です。
繰越欠損がなくて免除すると課税される場合は、資本金に振り返ることも検討されてはいかがですか。

 又、会社は赤字なのに、社長や役員が個人でアパートを所有して、個人で所得税を払ったりしてはいないでしょうか?

アパートの土地は課税が発生したりしてなかなか法人に移すことができませんが、建物はほとんど課税なしで(もちろん登記料や登録免許税などの移転コストはかかりますが…)会社に移転することが可能です。その収入は、建物から上がっているのですから、当然、以後のアパートの収益は会社で計上していくことになります。

 同じ発想で、奥さんが、化粧品の販売をしていたり、英会話の先生などしていたら、その事業も会社でできないか検討しましょう。その他、まだまだ検討すべき事項がいろいろありますが、興味ある方は、是非、当事務所の『オーナーズセミナー」に御出席ください。じっくりとお話しますので…。

 早いものです。朝晩は、秋風の匂いを感じます。さあ、経営者の皆さん、体調管理を、しっかりして、後半、年末に向けてもうひと頑張りです。
私は、いつでも応援してます。                  2006年8月28日

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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2006年8月 1日 (火)

小さな会杜の繁盛法…その2

 前回のエッセイで木越さんを紹介させていただきましたが、何をされている方かまだ御紹介していませんでした。
氏は、お箸を販売している方です。しかも、福井県小浜市という北陸の小さな町に、一店舗だけです。
しかし、一膳につき、何百円の箸を年間数億円も売るのです。月刊誌『商業界』で全国繁盛店14店舗の1つに選ぱれたのも当然です。

読者の皆さんは、わずか1店舗で、その売り上げを生み出す極意を早く知りたいのではないでしょうか?
私も知りたいと思いました。そこには、必ずや極意があるはずです。
何故なら、ただ店を開いているだけでは、この売り上げは、上げることができないからです。

当然、木越さんの店もはじめから、売れたわけではありません。しかも、お箸そのものが、
そもそもそんなに売れるものではありませんし、業界自体は、何十年も前から斜陽産業と言われ続けてきているのです。
木越さんも、いろいろ工夫をしますが、はじめた頃は、思ったように売れない日が続きます。

そんな時、氏は、滋賀県大津市の郊外にオープンして間もない叶匠壽庵(かのうしょうじゅあん)の「寿長生の郷(すないのさと)」を訪れました。
叶匠壽庵は和菓子日本一と言われているお店です。訪問するとお菓子屋さんと聞いていたのに、「お茶はいかがですか」と言われ驚き、薄暗い建物の長い通路を歩いていると、かすかにお香のかおりがします。
後ろから「いらっしゃいませ」の変わりに「ようこそお越しくださいました」と声をかけられドキッとし、やがて香ばしい匂いがして、明るい部屋に出ると、そこがお菓子の売り場になっていました。そこではお客様が争うように商品を買い求めていました。
氏はこの見事な演出に感心すると同時に、店で売られていた創業者の自伝『花雲水』という本を帰りの電車の中で貧るように読みました。

 結果、氏が出した結論は、「商品の出し惜しみと、商品を出すまでの過程で、いかにお客様の五感を心地よく刺激するか」ということです。氏は、早速、店を改造し、店内を暗くし、お香を焚き、普通の制服から作務衣に変え、近くの野から草花を摘み、ところどころに活けました。挨拶は「いらっしゃいませ」ではなく「ようこそお越しくださいました」と上品に変えました。まったく、叶匠壽庵のまねです。しかし、売り上げはみるみる伸ぴだしました。演出を変えただけで、毎月400万円の売上増になりました。

「な一んだ」そんなことかと思われる方も多いかもしれませんが、なかなかできるものではありません。我々は、せっかく良い講演を聞いたり、繁盛店を視察したりしても、「なるほど」と感心するだけで実行に移す人はごくわずかだからです。それもすぐ飽きて止めるというのが、大半ではないでしょうか。

氏の凄いところは、「すぐやる、すぐやめる、すぐ変える」ところです。
お客様のためになるのならすぐやる、売上につながらなかったらすぐやめる、新しいことを学んだらすぐ変える。この行動力こそが、極意です。我々も、氏を真似して、行き詰ったら、「まねてみる」から実行してみてはいかがでしょうか。それは、杜長の心がけひとつでできることですから。
そのほかの極意は、盛りだくさんありますが、氏の「臆病者の経営学」を参考にされればと思います。 2006/07/30

(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱:千葉和彦税理士事務所)
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