社長の仕事は3つある
我国の経営コンサルタントの草分け的存在の一倉定(いちくら さだむ)先生。氏は、事業経営の成否は、社長で決まるという信念から、社長だけを対象に情熱的に指導した異色の経営コンサルタントである。今回は、一倉先生の経営の真理を穿ったいくつかの言葉を紹介したい。まず社長の仕事は、下記の通り、3つあると述べている。
その1:環境を整備すること。
環境整備とは、規律・清潔・整頓・安全・衛生の5つを行うことである。多くの人々は、環境整備について、知っているようで、その実よく知らない。大切なことだから、やらなければいけないと思いながら、なかなか積極的に実施しようとはしない。十カラットのダイヤモンドがゴロゴロころがっている宝の山に入り、誰でも自由にこれを拾っていいのに、これを拾い上げようとしないようなものである。
その2:経営計画をたてること。
経営計画は、社員を変える前に社長自身を変える。というのは、経営計画以外に、会社全体を知る手段はない。経営計画によって、社長は自ら何をしなければならないかを知り、同時に増収増益の道を知るのである。迷いは吹っ切れ、自信を持って事業を経営することができるようになるのである。
リーダーシップの第一要件は「自らの意図を明らかにする」ことであるのは論を待たない。これを発揮するための最大のツールこそ経営計画書なのである。社長の決意、目標、方針、行動要項などが明確に示されている。これに社員は動機づけられるのである。社長は会社の最高責任者である。その社長が、我社の未来を決める最高方針の樹立と目標の設定を自らの責任と意思において、自らの手によってつくりあげることこそ本当である。その最重要な事を、他の人にやらせるということは、明らかに社長の重大な責任回避である。
その3:お客様のところへ行くこと。
社長さん方で、定期的にお客様を訪問している人は極めて少ない。会社に出勤しても、そのほとんどの時間を社内で過ごす。この人々を、私は「穴熊社長」と呼んでいる。穴熊は、穴の出入口から見える外部の景色しか知らない。まったくの世間知らずである。
世間知らずに正しい経営ができるはずがない。多くの社長さん方は、自らの定位置を社長室だと思いこんでいる。時々社内を見回っては、社員の仕事ぶりを見ている。一生懸命に働いている社長の目から見ると、欠点ばかり目に映る。これを、社長は我慢できない。そして小言をいう。来る日も来る日も、これを繰り返している。そして、それが社長として最も大切な仕事と思いこんでしまう。お客様のことなど「遠い他国のことだ」と言わんばかりである。
社長の皆さん一倉先生言うところの、3つの仕事実行できているでしょうか?是非この機会に日頃の行動を見直して見ましょう。
(千葉会計事務所:千葉経営企画㈱)
URL:http://homepage1.nifty.com/chiba-kaikei/index.html
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