今期、御社が売上を1,000万円アップしたら、経常利益はいくら増えますか?
「社長、御社の直前期の売り上げはいくらですか?」この辺まではどんな社長さんでも即答します。え? 即答できない? 問題外です。すぐに社長をやめてください。社員、取引先を不幸にします。では、第二の質問です。「今期、御社が売り上げを1,000万円アップしたら経常利益はいくら増やすことになりますか?」この質問はどうでしょう。即答できた方は立派です。又、できなかったからといって、社長をすぐにやめなくても大丈夫です、その代わりすぐに決算書の読み方を勉強してください。
え? 誰も教えてくれない? うちの事務所主催の「オーナーズセミナー」に1,000円払って出席してください。でないと、いずれ決算書の読めない経営者は白然淘汰されてしまいます。幸い5月から3回シリーズで毎月開催しています。6月は23日(木)です。1回目は残念なことに昨日終了してしまいました。33名の方が熱心に勉強していきました。しかしまだ2回ありますので、是非出席してください。昨日は、最後に全員が第二の質間に答えられるようになって帰ってもらいました。
では第三の質問です。「御社に腕に自信のある若者が入社を希望してきました。その若者は『御社の売り上げを2,000万円伸ばすから、給料は年間500万円ください。』と条件をつけてきました。さあ、貴方はこの若者を採用しますか?」という問題です。皆さんならどう決断しますか?早い決断と実行が企業の明暗をわけます。伸びている会社の社長は決断が早いですね。いずれも答えはあるコツを知れば簡単です。出席できなかった方のために、そのコツを伝授しましょう。それは … 限界利益 … を知ることです。
では限界利益とは何? という方のために詳しく説明しますと、それは売り上げから変動費を差し引いたものです。いわば、一般的に「あら利」といっているものに近いものです。変動費はいろいろ考えられますが、私は実務上、変動費は仕入れと外注費だけにして考えてもらいます。その他の経費は、固定費になりますが、その中も人件費、一般経費、金利、減価償却費の四つに分けてもらいます。その方が、自社の間題点を探すのが簡単で、改善のための戦略も立てやすいからです。固定費の中で一番多いのが何と言いましても、人件費です。
限界利益にしめる人件費の割合を「労働分配率」と呼んでいます。労働分配率の理想は役員20%、社員35%でした。「え? それってどんな業種でも同じなの? 」答えは「同じです。」そのために限界利益で考えるのです。ただし、限界利益率は業種ごとに違います。建設業なら40~45%、製造業なら50%前後、卸なら20%前後、小売なら30%前後、飲食業なら70%前後が業界平均でしょうか。
そう考えますと、第二の質問の答えは固定費が変わらないのですから、自社の限界利益の金額がそのまま経常利益になります。例えば上記の限界利益率の飲食業なら700万円経常利益が増えることになります。第三の質問もこれをヒントに皆さんで考えてみてください。もし、分からない時は6月のセミナーに是非出席してください。お待ちしています。