税制改正・税金

2020年4月13日 (月)

新型コロナウイルスの影響を受ける事業者への支援策(資金繰り支援)

*経済産業省のパンフレット(令和2年4月8日10:00時点版)を基に概要を掲載しています。

詳細は各機関のホームページ等で確認お願いします。

 

<政府系融資>

 

①「新型コロナウイルス感染症特別貸付」(無担保、金利当初3年▲0.9%引下げ、中小事業11%0.21%,国民事業1.36%0.46%,以降基準金利)

 条件:最近1か月売上高が前年又は前々年の同月と比較して▲5%以上減少

   (当初3年間「特別利子補給制度」あり、中小企業者:売上高▲20%減の場合

    小規模事業者(法人):▲15%減の場合 個人事業主:要件なし)

 期間:設備20年以内、運転15年以内(うち据置5年以内)

 限度額:中小事業3億、国民事業6,000万(利下げ限度額:中小事業1億、国民事業①,,,⑦合計で3,000万)

 

②「危機対応融資」(商工中金)(無担保、金利当初3年▲0.9%引下げ、11%0.21%,以降基準金利)

 条件:最近1か月売上高が前年又は前々年の同月と比較して▲5%以上減少

   (当初3年間「特別利子補給制度」あり、中小企業者:売上高▲20%減の場合

    小規模事業者(法人):▲15%減の場合 個人事業主:要件なし)

 期間:設備20年以内、運転15年以内(うち据置5年以内)

 限度額:3億(利下げ限度額:1億)

*商工中金とは…商工組合中央金庫

 

③「新型コロナウイルス対策マル経融資」(無担保、無保証人、経営改善利率21%より金利当初3年▲0.9%引下げ、以降基準金利)

 条件:最近1か月売上高が前年又は前々年の同月と比較して▲5%以上減少

    商工会・商工会議所の経営指導を受けることが条件

(当初3年間「特別利子補給制度」あり、中小企業者:売上高▲20%減の場合

小規模事業者(法人):▲15%減の場合 個人事業主:要件なし)

 対象:小規模事業者

 期間:設備10年(うち据置4年)、運転7年(うち据置7年)以内

 限度額:1,000万(利下げ限度額:①,,,⑦合計で3,000万)

*マル経とは…小規模事業者経営改善資金融資

 

④「セーフティーネット貸付」(基準金利:中小事業11%、国民事業1.91%)(金利引き下げなし)

 条件:なし

 期間:設備15年以内、運転8年以内(据置3年以内)

 限度額:中小事業7.2億、国民事業4,800

 

⑤「(生活衛生)新型コロナウイルス感染症特別貸付」(無担保、金利当初3年▲0.9%引下げ、36%0.46%

(当初3年間「特別利子補給制度」あり、中小企業者:売上高▲20%減の場合

            小規模事業者(法人):▲15%減の場合 個人事業主:要件なし)

 対象:生活衛生関係の事業者

 期間:設備20年以内、運転15年以内(うち据置5年以内)

 限度額:6,000万(利下げ限度額:①,,,⑦合計で3,000万)

 

 

⑥「衛生環境”激変“対策特別貸付」

(基準金利:1.91%、但し振興計画の認定を受けた生活衛生同業組合の組合員の方については、基準金利▲0.9%

 条件:最近1か月売上高が前年又は前々年の同月と比較して▲10%以上減少

    旅館業、飲食店営業及び喫茶店営業を営む方

 期間:運転7年以内(うち据置2年以内)

 限度額:1,000万(旅館業は3,000万)

 

⑦「新型コロナウイルス対策衛経:(生活衛生)改善貸付」

(無担保、無保証人、経営改善利率1.21%より金利当初3年▲0.9%引下げ、以降基準金利)

 条件:最近1か月売上高が前年又は前々年の同月と比較して▲5%以上減少

    生活衛生同業組合などの経営指導を受けている生活衛生関係の事業を営む小規模事業者

(当初3年間「特別利子補給制度」あり、中小企業者:売上高▲20%減の場合

 小規模事業者(法人):▲15%減の場合 個人事業主:要件なし)

 対象:小規模事業者

 期間:設備10年(うち据置4年)、運転7年(うち据置7年)以内

 限度額:1,000万(利下げ限度額:①,,,⑦合計で3,000万)

 

 

<民間の信用保証付き融資>

 ※手続きの流れ→本店所在地の市区町村に認定申請→金融機関or信用保証協会に認定書を持参し保証付き融資を申し込み。(始めに取引のある金融機関に問い合わせるのが良いと思います。)

 

①信用保証付き融資における保証料・利子の減免(無担保、金利補給対象の場合当初3年間、以降基準金利)

  1)個人事業主    売上高前年同月比5%以上減 → 保証料ゼロ  金利ゼロ

  2)小・中規模事業者 売上高前年同月比5%以上減 → 保証料50%  ――

  3)小・中規模事業者 売上高前年同月比15%以上減 → 保証料ゼロ 金利ゼロ

 限度額:3,000万(据置:5年以内)

 

②セーフティネット保証4号

条件:最近1か月の売上高が前年同月比20%以上減少かつ、その後2か月も20%以上減少することが見込まれる(市区町村長の認定が必要)

対象:全都道府県 100%保証 限度額:28,000

 

③セーフティネット保証5号

条件:最近3ヶ月間の売上高が前年同月比5%以上減少

   時限的な運用緩和として、2月以降直近3ヶ月の売上高が算出可能となるまでは、直近の売上高等の減少と売上高見込みを含む3ヶ月間の売上高等の減少でも可(市区町村長の認定が必要)

対象:指定業種(587業種) 80%保証 限度額:28,000

 

④危機関連保証

条件:最近1か月の売上高が前年同月比15%以上減少かつ、その後2か月も15%以上減少することが見込まれる(市区町村長の認定が必要)

対象:全国・全業種(保証対象業種) 100%保証 限度額:28,000

 

 

中小企業者とは…

小売業:資本金及び出資金の額5,000万以下かつ常時使用する従業員50人以下

サービス業:5,000万以下100人以下

卸売業:1億以下100人以下

その他の事業(製造業・建設業・運輸業他)3億以下300人以下

(中小企業基盤整備機構法第2条第1項)

 

小規模事業者(法人)とは…

商業・サービス業:従業員5人以下

製造業ほか:従業員20人以下

 

生活衛生関係営業とは…次の18の営業をいう

サービス業…1.理容店 2.美容店 3.興行場(映画館) 4.クリーニング店 5.公衆浴場(銭湯)

      6.ホテル・旅館 7.簡易宿泊所 8.下宿営業

販売業…  1.食肉販売店 2.食鶏肉販売店 3.氷雪販売業(氷屋)

飲食業…  1.すし店 2.めん類店(そば・うどん店) 3.中華料理店 4.社交業(スナック・バーなど)

      5.料理店(料亭など) 6.喫茶店 7.その他の飲食店(食堂・レストランなど)

 

2015年9月13日 (日)

「通知カード」と「個人番号カード交付申請書」が届きます。

 いよいよ今年10月から、国民一人ひとりに、マイナンバーを通知する「通知カード」が簡易書留で届きます。「個人番号カード」の交付申請書も同封されていますので、申請しましょう。
                        

1.簡易書留でマイナンバーが通知されます
  10月以降に、国民一人ひとり(世帯ごと)に、マイナンバーの通知が簡易書留で郵送され、次の3つが封入されています。
 ①マイナンバーの「通知カード」
 ②個人番号カード交付申請書と返信用封筒
 ③説明書 
※東日本大震災の被災者、DV等の被害者などやむを得ない理由により住民票の住所地で受け取れない方は、住民票のある市区町村に「居所情報登録申請書」を提出します(8/24~9/25)
※「居所情報登録申請書」は、お近くの市区町村、総務省のホームページなどで入手またはダウンロードすることができます。
                         

2.「個人番号カード」を申請しよう!
 「通知カード」が届いたら、「個人番号カード」を申請しましょう(申請は任意です。)
 「個人番号カード」とは、マイナンバーを記載した書類の提出や、様々な本人確認の場面で利用できるカードです。
 カードに表示された氏名等の情報は、ICチップにも記録されますが、所得情報やプライバシー性の高い個人情報は記録されません。
                        
■個人番号カード
「個人番号カード」は、表面に氏名、住所等とともに顔写真が表示され、裏面にマイナンバーが記載されたICチップ付きのプラスチック製のカードです。
                        
                         
3.「個人番号カード」の申請と受取方法
(1)郵送による申請
「通知カード」に同封される個人番号カード交付申請書(通知カードの下部分を切り取る形式になっている)に記入の上、顔写真を添付して、同封の返信用封筒で郵送します。
(2}オンラインで申請
個人番号カード交付申請書に記載されたQRコードを、スマートフォンで読み取り、顔写真を撮影し、オンラインで申請します。
(3)「個人番号カード」の受取
「個人番号カード」を申請したら平成28年1月以降、市区町村から「交付通知書(はがき)」が届きますので、市区町村の窓口にて、「個人番号カード」を受け取ることができます(交付手数料は無料です。)

●受取時に必要なもの
①「交付通知書(はがき)」
②「通知カード」(返納します)
③運転免許証の本人確認種類
※住基カードを持っている場合は、カードを返却します。
                        
                         
4.「個人番号カード」のメリット
 来年1月のマイナンバー制度開始後は、税や社会保障の手続きに際して、マイナンバーを記載した書類を提出する際、「個人番号カード」があれば、顔写真もついているため、法律上義務づけられているマイナンバーの確認と本人確認が、このカード1枚で完了します
 「通知カード」でも、マイナンバーの確認は可能ですが、成りすましの防止のため運転免許証やパスポートなど、本人であることを証明する書類(本人確認書類)が必要になります。
 また、「個人番号カード」で様々なサービスが利用できるようになります。
                        
●個人番号カードのメリット
①マイナンバーを証明する書類になる。
②本人確認ができる公的な身分証明書になる。
③行政手続きのオンライン申請が利用できる。
④印鑑登録証、図書館カード、健康保険証として利用できる。
⑤民間のオンライン取引や口座開設に利用できる。
⑥コンビニで各種証明書を取得できる。
⑦ICチップに記録される電子証明書を用いて、e-Taxなどの電子申請を行える。 など
※検討中のものを含みます。
                        
●将来的に検討されているサービス
①オンラインバンキングをはじめ、各種民間のオンライン取引への利用
②行政機関への各種届出に加え、電気、ガス、水道などの民間サービスへの届出のワンストップ化
                        
                         
5.企業(法人)には法人番号が届きます。
 企業(法人)マイナンバー制度では、国民一人ひとりに付けられるマイナンバー(個人番号/12桁)のほか、すべての法人に付けられる「法人番号」(13桁)があります(注2)利用や取得等に厳しい制限のあるマイナンバーと違い、その利用について制約がありません。法人番号は、平成27年10月から11月下旬にかけて、国税庁より全法人企業に通知され(注3)平成28年1月以降に開始する事業年度の法人税申告などの際に記載が必要になります。
(注2)一法人に一番号のみ。法人の支店・事業所等や個人事業者には法人番号は付されません。
(注3)登記上の本店所在地に通知書を郵送します。

                        
                        

参考hp:
1.マイナンバー 社会保障・税番号制度(内閣官房)

2.社会保障・税番号制度<マイナンバー>について(国税庁)

3.国税の番号制度に関する情報(国税庁)

4.特定個人情報の適正な取扱に関するガイドライン(特定個人情報保護委員会)

5.民間事業者における取扱に関するQ&A(内閣官房)

6.ガイドライン(事業社編)に関するQ&A(特定個人情報保護委員会)

7.番号法(マイナンバー法)等の改正履歴
(内閣官房)

8.政府公報オンライン・マイナンバー特集ページ(内閣府大臣官房政府広報室)

9.マイナちゃん市長表敬訪問(2015年7月17日)(塩竈市)

2015年7月20日 (月)

マイナンバーの「収集・取得」から「利用・提供」「保管・廃棄」まで

 来年(平成28年)1月から順次、マイナンバーの利用が始まります。従業員(パート、アルバイトを含む)を雇用する企業(個人事業者を含む)は、税や社会保険の手続きにおいて、マイナンバーを取り扱うことになります。マイナンバーの取り扱いにおける「取得」「利用、提供」「保管、廃業」までの流れを理解しておきましょう。

1.従業員等からマイナンバーを取得する(取得)

1)全従業員とその扶養家族が対象

 企業は、従業員等のマイナンバーを記載した税や社会保険の書類を行政機関等に提出するため、全従業員(雇用形態は関係なし)と役員からマイナンバーを取得しなければなりません。

 また、日本に居住する外国人にもマイナンバーが付与されるため、外国人従業員からも取得する必要があります。

 派遣社員は、派遣元企業が取得するため、派遣先企業が取得する必要はありません。

 マイナンバーは、扶養控除手続きなどにおいて、従業員本人だけでなく、その扶養家族のマイナンバーも取得する必要があります。

 正社員が少なくても、パート、アルバイト等が多い企業の場合、取り扱うマイナンバーが多くなるため、特に注意が必要です。

※マイナンバーの取得が必要な従業員等
・正社員
・契約社員、嘱託社員
・パート、アルバイト(高校生や大学生も必要)
・外国人従業員
・役員
(上記従業員等の扶養家族も取得が必要)

2)報酬等や不動産関係の支払先も対象

 報酬、料金、契約金等の支払調書や不動産関係の支払調書にもマイナンバーの記載が必要になるため、その支払先からもマイナンバーを取得しなければなりません。

※マイナンバーを記載する書類の例

【税分野】・給与所得の源泉徴収票、給与支払報告書
     ・退職所得の源泉徴収票、特別徴収票
     ・扶養控除等(異動)申告書
     ・報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
     ・不動産使用料の支払調書等

【社会保障分野】
     ・被保険者資格取得・喪失届
     ・報酬月額算定基礎届
     ・健康保険被扶養者(異動)届
     ・国民年金第3号被保険者関係届 等

3)利用目的を通知、公表する

 マイナンバーは、法律で定められた税と社会保険の手続きに使用する以外の目的(自社の顧客管理など)で取得することはできません。

 マイナンバーの取得の際には、あらかじめ従業員等や外部者に対して、その利用目的を特定して、通知または公表する必要があります。

※利用目的の特定の例

・「健康保険.厚生年金保険届出事務」のため
・「源泉徴収票作成事務」のため 等

※利用目的の通知、公表の例

・社員へのメール等での通知
・社内掲示板への掲示
・イントラネットへの公表 等

4)厳格な本人確認が必要

 マイナンバーを取得する際には、他人のなりすまし等を防止するため、厳格な本人確認を行う必要があります。本人確認には、番号確認と身元確認が必要です。

 従業員の本人確認については、雇用関係にあることなどから、本人に相違ないことが明らかである場合は、身元確認は必要ありません。

5)本人確認の方法

・番号確認(記載されたマイナンバーが正しい番号であることの確認)の方法 →通知カード、マイナンバー記載の住民票、個人番号カード(1枚で番号確認、身元確認が可能)等による
・身元確認(そのマイナンバーの正しい持ち主であることの確認)の方法 →運転免許証、パスポート 等、個人番号カード 等による

6)従業員や報酬の支払先からマイナンバーの提供を受けられない(取得できない)とき

 まず、マイナンバーの提供は法律上の義務であることを伝え、従業員等に提供を求めます。

 それでもなお、提供を受けられないのであれば、提供を求めた経過等の記録、保存を行い、単なる(企業側の)義務違反でないことを明確にしておきます。

 マイナンバーの提供を受けられないからといって、安易にマイナンバーの記載のないまま法定調書等を作成しないようにしなければなりません。

2.利用目的以外の利用・提供はできない(利用・提供)

 マイナンバーは、法律で定められた目的以外の利用や提供はできません。たとえ、社員や顧客の同意があってもマイナンバーを社員番号や顧客管理番号などに利用することはできません。

 「個人番号カード」の裏面に記載されたマイナンバーは、法令で認められた場合以外で、書き写しやコピーはできません。

3.必要がある場合のみ保管、必要がなくなれば廃棄(保管・廃棄)

 マイナンバーを含む個人情報(マイナンバーが記載された書類等)の保管は、必要がある場合(継続的な雇用があるなど)や保管義務期間が決まっている場合のみ認められています。

 マイナンバーを保管する必要がなくなった場合は、廃棄、削除しなければなりません。廃棄を確実に行うため、該当書類を事業年度ごとにファイリングするなどして、廃棄すべき時期がわかりやすいようにしておきましょう。

・保管が認められる場合

 ・翌年度以降も継続的に雇用契約が認められる場合
 ・法令で一定期間保存が義務づけられている場合

・廃棄、削除しなければならない場合

 ・税や社会保険の手続きで使う必要がなくなった場合
 ・法令で定められた保存期間を経過した場合 等

4.セキュリテイー対策

 マイナンバー制度は、国や行政など複数の機関に存在する各個人のさまざまな情報を紐付ることで、より効率的・効果的な行政サービスの提供と国民の利便性向上を図るための社会基盤(インフラ)をつくることが目的です。

 一方で、「国による個人情報の一元管理が行われるのではないかは?」「不正利用による被害や情報漏えいの危険性はないのか?」といった国民各層からの懸念や不安の声もないわけではありません。

 マイナンバー制度では、マイナンバーを含む個人情報の漏えい・悪用を防ぐため、制度とシステムの両面から厳格な情報セキュリティー対策がとられています。

1)利用の制限

 マイナンバーは、法令で定められた事務(社会保険、税、災害)以外の目的(顧客リストの作成など)で、マイナンバーを収集、利用、保管等をすることは禁止されています。

2)なりすましの防止

 行政手続きの際、マイナンバーみのでの本人確認は行いません。(運転免許証など本人確認できる身分証明書類が必要です)。

3)第三者機関による監視・監督

 マイナンバーが適切に管理・取扱いがなされているかを第三者機関である特定個人情報保護委員会が監視・監督します。

4)アクセスの記録の確認

 自宅のパソコンから、自分の個人情報にアクセスした行政機関の記録を確認することができます(平成29年1月からの「マイナポータル」の稼働開始により可能)。

5)罰則の強化

 マイナンバーに関する不正行為に対して、厳格に対処するために、マイナンバー法では、個人情報保護法や住民基本台帳法などよりも罰則が強化されています。

 例えば、行政機関の職員が個人情報ファイルを漏えいした場合、行政機関等個人情報保護法では「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」ですが、番号法では「4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方」を科すことができると規定されています。

6)個人情報の分散管理

 マイナンバーによって、各行政機関が持っている情報を一か所の機関にまとめる一元管理は行われません。従来通り、年金情報は日本年金機構、税情報は国税庁といったように分散管理が行われます。

例えば、先日の日本年金機構による情報流出事件のような場合、日本年金機構の持つ情報だけが流出し、芋づる式の情報漏えいが起こらないしくみにしています。

7)システムへの接続制限

 行政機関同士の間で情報をやりとりするときも、マイナンバーを直接使わないようにしたり、システムにアクセスできる人を制限したり、通信する場合は暗号化を行います。

参考hp:
1.マイナンバー 社会保障・税番号制度(内閣官房)

2.社会保障・税番号制度<マイナンバー>について(国税庁)

3.国税の番号制度に関する情報(国税庁)

4.特定個人情報の適正な取扱に関するガイドライン(特定個人情報保護委員会)

5.民間事業者における取扱に関するQ&A(内閣官房)

6.ガイドライン(事業社編)に関するQ&A(特定個人情報保護委員会)

7.番号法(マイナンバー法)等の改正履歴
(内閣官房)

8.政府公報オンライン・マイナンバー特集ページ(内閣府大臣官房政府広報室)

9.マイナちゃん市長表敬訪問(2015年7月17日)(塩竈市)

 

 

マイナンバー制度の目的と個人の利便性

 マイナンバー制度は平成28年1月から開始されますが、制度の目的など基本的なことが、まだ国民各層によく浸透していないようです。しかし、従業員からマイナンバーを提供してもらうことになるため、一人ひとりの従業員にもマイナンバーの目的を理解してもらう必要があります。

1.今なぜ、マイナンバーなのか?

 わが国では、年金や健康保険、税金、住民票、雇用保険などに付された個人を特定する情報や番号等は、それを管轄する機関ごとにバラバラに付番、管理されているため、一つの情報の変更や修正が行われても、その他の機関に反映されないなどの不備があり、また過去には「消えた年金記録」のような不祥事も発生しました。

 このような問題が起きないよう、社会保障と税に関する同一の個人情報を結びつける社会基盤(インフラ)としてマイナンバー制度が導入されます。

2.国民にとってのどのような利便性があるのか?

 マイナンバーによって、国や自治体等は、年金や健康保険、税金に関する個人情報の名寄せなどの効率化が可能になり、国民にとっても利便性の向上が図られます。

(1)社会保障、税などの手続きを簡素化

 マイナンバーを活用することで、各行政機関同士、あるいは行政機関内部においての情報連携が正確.迅速に行われるため、各種の申請に必要な所得証明書や住民票等の添付書類等が省略できるようになります(平成29年以降順次)

(2)社会保障・税などの適正・公平化を図る

 年金などの給付漏れや誤り、不正受給、社会保険の加入漏れや保険料の徴収漏れ、所得の過少申告、税の不正還付等の防止が図られます。

 また、各人に制度改定や各種給付の案内なとが直接届くようになります。

(3)災害時の行政支援への活用

 災害時における、被災者台帳、要援護者リスト等の作成や、銀行預金の引き出し、保険会社の保険金支払い等の本人確認にも活用されます。

3.マイナンバー制度のスケジュール

(1)平成27年10月から

 日本在住の全国民(赤ちゃんからお年寄りまで)にマイナンバーが割り当てられ、市区町村から簡易書留で世帯ごと(4人家族なら4人分)に通知カードが送られます。紛失などに注意しましょう(マイナンバーは原則として一生変わりません)

(2)平成28年1月から

 平成28年1月から、社会保障(年金、健康保険・介護保険、労働保険等)と税(国税・地方税 )の分野でマイナンバーの利用が始まります。

 民間企業は、源泉徴収票や社会保険の届出書類の作成にあたり、従業員等からマイナンバーの提供を受ける必要があります。

 国民は、市区町村へ申請すれば、「個人番号カード」(顔写真付きICカード)を受け取ることができます。

※個人番号カードの機能
 ・身分証明書になる
 ・健康保険証などの機能(検討中)
 ・図書館カードや印鑑登録証に利用
 ・各証明書をコンビニで交付 など

(3)平成29年1月から

 ネット上に個人用サイト「マイナポータル」が開設され、自宅用のパソコンから、行政機関が持つ自分の個人情報の内容や自分の年金や社会保険給付の状況などを確認することが可能になります。

 また、マイナポータルを通じて、引っ越しなどの手続きを一度で済ませられるなどのサービスも検討されています。

 さらに、平成30年以降をめどに、医療情報、戸籍、預金口座への活用が検討されています。

4.制度開始までに企業が対応すべきこととは

 各企業は、規模の大小に関わらず、健康保険や厚生年金、源泉徴収の手続きや法定調書の提出にあたり、従業員等のマイナンバーを使うことになります。

 マイナンバーは、その取扱いにあたり、関係者以外の閲覧禁止や流失防止などの安全管理に厳しい規制があるため、制度開始までに、人事給与計算システムのチェックや対応が必要になります

補足1.制度の概要

 マイナンバーの利用にあたっての社内体制、システム対応、規程作成などの具体的な対応についての情報はもちろん必要ですが、広く世間一般から見ると、そもそも「何のための制度なのか?」「国民の暮らしや社会がどう変わるのか?」といった点への理解が浸透していないようです。

 また、マイナンバーのような番号制度は、過去にも何度か導入が検討されましたが、プライバシーへの不安などから国民の反対に遭い、実現に至らなかったという歴史があります。そのため、年配の経営者や従業員の間には、マイナンバー制度への不安をお持ちの方も少なくないと思われます。

 企業は、社会保険や税の事務手続きにおいて、従業員からマイナンバーを提供してもらう必要があり、その事務をスムーズに進めるためにも、経営者や経理担当者だけでなく広く従業員に制度そのものの目的などを正しく理解してもらうことも必要になってきます。

補足2.制度の導入までの経緯

 1960年代後半(昭和40年頃)には、コンピュータ化の進展に伴い、各省庁、各手続こどにバラバラに付番、管理されていたコードを統一化して、行政の効率化を図るための「国民総背番号制度」が検討されました。

 1980年(昭和55年)には、少額貯蓄非課税制度(マル優)の不正利用を防止するために、利用者に納税者番号を付した「グリーンカード」の取得を義務付ける方法が考えられました。

 しかし、いずれも、国家による個人のプライバシー侵害などをおそれる国民の強い反対などもあって実現には至りませんでした。

 2003年(平成15年)には、行政サービスの向上と行政事務の合理化を目的に、住民基本台帳をもとに本人確認ができる全国共通のシステムとして、「住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)」が稼働しました。

これは、住民一人ひとりに特定の番号(住民票コード)を付して、本人確認を容易にしようとするものです。

しかし、過去の「国民総背番号制度」「グリーンカード」の反省から、その利用場面が限定されてしまい、広く社会で使われる番号制度にはなりませんでした。

 このように、過去、国民から反発のあった番号制度ですが、2007年(平成19年)記憶にも新しい「消えた年金記録問題」が転機になります。

この件により、年金納付や社会保険関係の給付の記録は、各人こどに唯一のコード番号によって管理しない限り、現在の戸籍制度、漢字表記では確実なマッチングができないことが明確になりました。

 また、2008年(平成20年)に最高裁において、住基ネットは「プライバシーを侵害するものではない」との合憲判決が出されたことも制度導入の追い風になりました。

補足3.導入の目的とねらい

(1)行政側のメリット

 国民および企業等が、社会保障、税に関する各種手続きに本人及び従業員等のマイナンバーを記載することで、行政機関等が保有、管理する各種の個人情報にマイナンバーが付番されることになります。

 これにより、行政機関等が保有、管理する個人情報同士を、マイナンバーを使って検索したり、紐付したりすることが可能になります。

(2)国民のメリット

 行政機関等への各種手当の申請や、所得税等の確定申告にあたり、他の行政機関等が発行した証明書(住民票の写し、所得証明書等)を添付書類として提出することがよくあります。

マイナンバーが導入されると、ネットワーク経由で、行政機関同士が情報を要求、提供することができるようになり、このような証明書の提出(添付)が不要になります。

 例えば、平成27年度税制改正において、所得税確定申告で住宅ローン減税を適用する場合に、従来は「住民票の写し」を添付する必要がありましたが、平成29年1月以降の申告から廃止されます。

 

参考hp:
1.マイナンバー 社会保障・税番号制度(内閣官房)

2.社会保障・税番号制度<マイナンバー>について(国税庁)

3.国税の番号制度に関する情報(国税庁)

4.特定個人情報の適正な取扱に関するガイドライン(特定個人情報保護委員会)

5.民間事業者における取扱に関するQ&A(内閣官房)

6.ガイドライン(事業社編)に関するQ&A(特定個人情報保護委員会)

7.番号法(マイナンバー法)等の改正履歴
(内閣官房)

8.政府公報オンライン・マイナンバー特集ページ(内閣府大臣官房政府広報室)

9.マイナちゃん市長表敬訪問(2015年7月17日)(塩竈市)

 

 

2015年7月11日 (土)

空家対策特別措置法が施行(固定資産税の特例が適用されない可能性も)

全国で深刻になっている老朽化した空家の減少と有効活用を目指した「空家対策特別措置法」(空家等対策の推進に関する特別措置法)が5月26日に全面施行されました。今後、倒壊の危険や衛生的な問題がある空家に対して、地方自治体による指導・勧告・行政代執行などが可能になるとともに、土地の固定資産税の特例措置が適用されない可能性もあります。

1.全国で空家問題が深刻化

 子供が都会に出てしまい、地方にある実家が空家になっている例は少なくありません。

総務省の調査では、全国の総住宅数6,063万戸のうち空家は820万戸(13.5%)に上ります(平成25年10月時点)。

 空家が増加する背景として、住宅が建っていれば、その土地の固定資産税評価額が更地の6分の1(住宅面積200㎡まで)になる住宅用地の特例があるため、解体費用をかけて更地にするよりも、空家のままのほうが良いという事情もあります。

 しかし、管理が不十分なまま長期間放置された空家が火災の発生や倒壊の危険性、衛生面や景観の悪化など地域の生活環境に影響を及ぼす問題が全国的に深刻になっています。

2.自治体が「危険な空家」を認定できる

 「空家対策特別措置法」では、自治体の権限が強化され、倒壊の危険や衛生上の問題がある空家を、自治体が「特定空家等」に認定し、所有者に対して、除却、修繕、立木竹の伐採等の助言・指導・勧告・命令ができるようになり、さらに行政代執行(強制執行)による撤去も可能になります。

所有者が助言、指導に応じず、勧告に至ると固定資産税の住宅用地の特例が適用されなくなります。

 その一方、自治体に対して、空家の情報収集やデータベースを整備し、空家や跡地の活用促進を求めています。

 今後、空家の所有者には定期的なメンテナンスが求められます。(住宅業者による空家管理サービスなども増えています)

*「特定空き家等」に認定する主な判断の目安(特定空家等に対する措置についてのガイドラインより)
1)建物の傾きが20分の1を超える(高さ3mなら屋根のズレが横に15cmを超える状態)。
2)トタン屋根が落ちそう、ベランダが傾いている、などが見てわかる。
3)多数の窓ガラスが割れたまま放置されている。
4)立木が建物を覆うほど茂っている。
5)ゴミの放置や投棄で多数のネズミやハエが発生し、近隣住民の日常生活に支障がある。
6)土台にシロアリの被害がある。

3.空家と特定空家

 空家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)において、「空家等」とは建築物またはこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされないことが常態であるもの、およびその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む)をいいます。ただし、国の 地方公共団体が所有、管理しているものは除かれます。(法第2条①)

 「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態または著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他の周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいいます。(法第2条②)

【参考】空家対策特別措置法による自治体の対応例
①「特定空家等」に該当するかどうかの判断
②特定空家等の所有者に対し、問題個所の改善を助言または指導(所有者が応じない場合③へ)
③改善を勧告(固定資産税の住宅用地の特例の適用を除外される/所有者が応じない場合④へ)
④改善の命令(違反者に過料/所有者が応じない場合⑤へ)
⑤行政代執行

4.固定資産税の住宅用地の特例措置

 住宅用地については、その税負担を軽減する目的から、課税標準の特例措置が設けられています。

 住宅用地の特例措置を適用した額(本則課税標準額)は、住宅用地の区分、固定資産税および都市計画税に応じて以下のように算出されます。

 小規模住宅用地(住宅用地で住宅1戸につき200㎡までの部分)
   → 固定資産税(価格×1/6)    都市計画税(価格×1/3)
 一般住宅用地(小規模住宅用地以外の住宅用地)
       →  固定資産税(価格×1/3)    都市計画税(価格×2/3)
 *価格は地価公示価格の7割が目途。

固定資産税の住宅用地特例が適用されない場合の税額は、課税標準額の上限を価格の7割とするなどの負担調整措置及び各市町村による条例減額制度に基づき決定されることになります。

そのため、固定資産税額は、単純に6倍にはならず、負担調整措置の適用がある場合、3~4倍程度になります。

参考:
空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報(国土交通省)
空家等対策の推進に関する特別措置法の概要

2015年6月29日 (月)

小規模宅地等の特例とは?(相続税)

 相続税の基礎控除額が6割に縮小されたことによって、相続財産で大きな割合を占める自宅に高額な相続税がかかり、「自宅を売らなければならないのでは?」と心配な人も多いようです。そういったことがないよう税法では、宅地の相続税課税価格を大幅に減額する「小規模宅地等の特例」があります。

では、自宅(家屋.土地)の相続税評価額はだいたいどれくらい(概算額)なのでしょう?

(1)家屋の概算額(固定資産税評価額と同じ)
 自宅の家屋(建物)の相続税評価額は、固定資産税評価額と同じです。毎年、市区町村等から送られてくる「固定資産税.都市計画税の納税通知書」に同封される「課税証明書」(地方自治体によって名称が異なる)に記載された家屋の「価格」または「評価額」が相続税評価額になります。

(2)宅地の概算額
相続税を計算するときの宅地(自宅の土地)の評価方法には、路線価方式と倍率方式があります。一般的に市街地は「路線価」(その宅地に面する道路に付けられた価格)が決まっているのでほとんどの宅地は路線価方式と考えてよいでしょう。
国税庁が公表する「路線価図」に1㎡あたりの価格が示されてしますので、これに宅地の面積(㎡)を掛ければ、土地の評価額の概算がわかります(図表1)
なお、路線価が定められていない土地は、固定資産税評価額に地域ごとに定められた「倍率」(注)を掛けて評価額を計算します。
(注)「倍率」は国税庁ホームページの「財産評価基準書 路線価図.評価倍率表」でみる事ができます。
 
(3)マンションの場合
マンションの場合は、建物と土地の評価額にそれぞれ持分割合を掛けて計算します。持分割合は、契約書や登記簿謄本に記載されています。

宅地の課税価格を80%減額できる小規模宅地等の特例

(1)小規模宅地等の特例とは
 亡くなった人(相続人)と一緒に住んでいた家族(親族)が自宅を相続しても、重い相続税がかからないように、宅地の課税価格を80%減額する「小規模宅地等の特例」という制度があります。
 この特例を使えば、例えば、評価額3,000万円の土地であれば、600万円(3,000万円×20%)に減額することができます。
 ㍻27年1月1日以後の相続から、この特例が受けられる居住用宅地の限度面積が拡大(240㎡→330㎡) されています。
(2)この特例を使えるのは、次のような人が自宅を相続する場合です。
①被相続人の配偶者
②被相続人と同居していた親族
③被相続人と別居していた親族(持ち家の有無など一定の条件あり)

③の別居していた親族というのは、①②に該当する人がいない場合に、持ち家の有無など一定の条件を満たす相続人(いわゆる「家なき子」)が相続するのであれば、「小規模宅地等の特例」を使えるというものです。

(3)事業用の宅地にも適用できる
 被相続人の自営の店舗や工場などの事業用(不動産貸付業、駐車場等を除く)の宅地についても、小規模宅地等の特例を使うことができます。
 この場合は、限度面積400㎡までについて80%の減額を受けることができます。ただし、被相続人の事業を承継した親族が、その宅地を相続した場合など一定の条件を満たす必要があります。
 また、㍻27年1月1日以後の相続から、自宅と事業用の宅地について、それぞれの限度面積まで適用を受けられるになり、最大730㎡(330㎡+400㎡)まで適用できるようになりました。

(平成25年度税制改正)

 

2015年2月15日 (日)

確定申告に必要な資料

 確定申告をする場合に必要な資料を以下に挙げてみました。なお、全部が必要というわけではありません。各資料とも、対象になる方のみ必要となります。それ以外のものは不要です。

1.税務署から送付された申告書等(昨年書面で申告した方)
                        
2.源泉徴収票(給与所得・年金・退職所得等)
                        
3.配当金の支払調書・支払通知書・配当金計算書等
                        
4.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
                        
5.保険の満期返戻金・解約金などの計算書
                        
6.配偶者及び家族の源泉徴収票(扶養の可否などの確認に使用、収入がゼロなど明らかに扶養と判断できる場合は不要)
                        
7.国民健康保険の領収書、国民年金・年金基金の控除証明書
                        
8、小規模企業共済等掛金の払込証明書・領収書
                        
9、生命保険料の控除証明書(介護医療・個人年金保険料を含む)

10、地震保険料の控除証明書(旧長期損害保険料を含む)
                        
11、医療費の領収書(生計を一にしている家族であればまとめて申告できます)
                        
12、寄附金の受領証(領収書)・証明書(税額控除の証明書など)
                        
13、住宅ローンの年末残高証明書(入居初年度のみ確定申告が必要となり登記事項証明書や工事請負契約書なども必要となります。、以後の年は年末調整で行います。)
                        
14、増改築等と行った場合の増改築等工事証明書
                        
15、市区町村・都道府県から発行された住宅耐震改修証明書
                        
16、不動産(事業)関連の申告資料
①賃貸収入の明細書・契約書、帳簿等
②固定資産税通知書(固定資産税証明書)
③借入金・支払利子の明細(借入金の返済予定表)
④賃貸物件(事業)の(火災)保険の領収書
⑤賃貸物件に係る修繕費の請求書・領収書
⑥地代その他経費と思われる領収書等
⑦事業関連の請求書・領収書・帳簿等
                        
17、不動産(土地・建物等)の売却(又は買換え)や、株式等の売却があった場合に必要な資料
①登記事項証明書(不動産)
②売買契約書(不動産)
③株式等売買の証明書(特定口座の場合は原則として申告は不要ですが、確定申告をすることで他の控除を差引き所得税・住民税の還付が受けられる場合があります。また、損失は3年繰り越すことができるため確定申告することで次年以降の株式等の譲渡所得を減らすことができる場合があります。)
                        
18、金銭その他の贈与を受けた場合の契約書、振込証明書等→贈与申告
                        
19、災害や盗難などにより損害を受けた場合の証明書等→雑損控除(確定申告)
                        
20、年末時点で国外に5,000万円を超える財産(不動産、預貯金、有価証券など)を有する場合申告が必要

 

 

 

2015年2月 3日 (火)

確定申告で医療費控除を受けるには

1.医療費控除を受けるには確定申告が必要です。

  医療費控除を受けるには確定申告をしなければなりません。(年末調整では控除は受けられません。)
昨年1年間の医療費の領収書等を集計して、翌年の確定申告書提出時期(通常2/16~3/15:曜日の関係で前後します)に提出しなければなりません。
                        
                        
2.医療費控除とは?

  医療費控除とは、本人や家族(生計をとものする配偶者やその他の親族)のために支払った1年間の医療費が一定の金額を越えた場合に、確定申告することで税金の還付もしくは軽減を受けることができる制度です。
  その年の所得から、支払った一年間の医療費の額をそのまま差し引くのではなく、一年間の医療費から保険などの補てん金(ある場合)と10万円(総所得金額が200万円未満の人は所得の5%)を差引いた金額を医療費控除額として総所得金額から差し引きます。
 *保険などの補てん金には次のようなものがあります
  …生命保険等の入院給付金、健康保険の高額療養費、出産育児一時金
  *なお、補てん金を差引く場合はその対象となった疾病等の治療費から差引くのみで、差引き残が出てもほかの治療費から差引く必要はありません
                        
                        
3.医療費控除の対象となる医療費とは?

  医療費控除の対象となる医療費とは、支払った医療費のうち治療などのために使った通常必要となるものが対象となります。(その病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額(消費税等が含まれる場合は含んだ金額)でその年に支払われたものとされます。所基通73-3~7他)
                        
                        
【医療費控除の対象となる医療費の例】
                        
①医師、歯科医師に支払った医療費
                        
②治療、療養に必要な医療費の購入費用
                        
③病気やケガなどで病院等に運ばれた際の費用
                        
④通院等のために通常必要な交通費
 (電車やバス等は対象となりますが、自家用車で通院する場合のガソリン代・駐車場の料金等は含まれません)
                        
⑤保健師や看護師、付添婦などに支払った療養上の世話を受けるための費用
                        
⑥助産師による分べんの介助料
                        
⑦介護保険制度の下で提供された一定のサービスの自己負担額
                        
⑧治療のために按摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などに支払った施術費
                        
⑨入院の際の部屋代や食事代、治療等に直接必要な医療用器具等(コルセット等)の購入費
 (ただし、入院のための日常生活用品の購入費用は含まれません)
                        
⑩6ヶ月以上寝たきりの場合などのおむつ代(原則医師の証明書が必要) 
                        
⑪医師等による診療や治療を受けるために直接必要な、義手、義足、松葉杖、義歯、補聴器などの購入費用 など
                        
                        
4.医療費控除の対象になるもの(一例)

①生計を一にする社会人の子供のために支払った医療費も対象になる
 「生計を一にする」とは、扶養や同居が要件となるのではなく、同じ生活共同体で日常生活の糧をともにしていることです。
生計を一にしていれば次のような場合も、その医療費を支払った人が医療費控除を受けられます。
 1)共働きの夫婦で夫が配偶者控除の対象とならない妻の医療費を支払った。
 2)父親が社会人の子供の医療費を支払った。

②レーシック手術の費用は対象になる
   眼科医による視力回復のためのレーシック手術(視力回復レーザー手術)や角膜矯正療法(オルソケラトロジー治療)の費用は医療費控除の対象になります。(角膜矯正療法による、特殊なコンタクトレンズの購入費用も医療費控除の対象となります。) (所令207、所基通73-3)
                        
                        
5.医療費控除の対象にならないもの(一例:医師の指示によるものなど条件によって対象になるものもあります)

①メガネの購入費用
  近視や遠視などのために日常生活の必要性に基づき購入されるものは、視力を回復させる治療の対価ではないので、医療費控除の対象とはなりません。しかし、斜視、白内障、緑内障などで手術後の機能回復のために短期間装用するものや、幼児の未発達視力を向上させるために装着を要するための眼鏡などで、治療のために必要な眼鏡として医師の指示で装用するものは、医師による治療の一環として直接必要な費用なので、医療費控除の対象となります。

②人間ドック・健康診断の費用
 人間ドックや健康診断の費用は、疾病の治療を行うものではないので、原則として医療費控除の対象とはなりません。
   しかしその診断の結果、疾病等が発見されて引き続き治療を行った場合は、その健康診断等は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができるので、その健康診断等のための費用も医療費控除の対象になります。(所基通73-4)

③インフルエンザ予防接種の費用は対象にならない
  インフルエンザの予防接種は、病気の治療ではなく、あくまでも予防であるため医療費控除の対象にはなりません。 (インフルエンザに感染した場合の医療機関での診察費用は医療費控除の対象になります)

④自家用車による通院のためのガソリン代等は対象にならない
   通院のための交通費(電車やバス等)は医療費控除の対象になりますが、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金などは対象にはなりません。

⑤健康サプリメントや栄養ドリンクの購入費用は対象にならない
   健康サプリメントや栄養ドリンク、ビタミン剤などの病気予防や健康増進のための医薬品の購入代金は、治療目的ではないので医療費控除の対象にはなりません。

⑥美容目的のための歯列矯正は、医療費控除の対象にはなりません。ただし発育段階にある子供の成長を阻害しないために行う不正咬合の歯列矯正の費用は対象になります。
                        
                        
6.その他
                        
①以前に医療費を支払っていて申告を忘れていたという場合、医療費控除は5年前までさかのぼって申告することができます。(更正の請求)

②12月に治療を受けたが、支払や口座引き落とし、クレジットの決済が1月になったという場合は、1月の年の医療費控除として申告することになります。

③領収書は確定申告書に添付するか、提出の際に提示する必要があります。この場合は5年間保存しなければなりません。
   電子申告で“第三者作成書類の添付省略”をする場合も同様で5年間保存です。
                        
e-Taxを利用して所得税の確定申告書を提出する場合の「源泉徴収票」や「医療費の領収書」などの第三者作成書類の添付省略の制度

(参考)
所得控除(国税庁→税について調べる→質疑応答事例→所得税)
所得税確定申告書作成コーナー(平成26年分)
申告書に添付・提示する書類

 

2015年1月 5日 (月)

役員・個人事業主の退職金(小規模企業共済)

 小規模企業共済制度は、小規模企業の役員が退職したり、個人事業をやめたりした場合などに備えてその生活資金等をあらかじめ積み立てておく、経営者等のための退職金積立制度です
 

1.加入対象は一定の従業員数以下の個人事業主及びその共同経営者、会社等の役員
 加入できるのは、常時使用する従業員が20人以下(商業・サービス業(宿泊業、娯楽業を除く)は5人以下)の個人事業主やその経営に携わる共同経営者、会社等の役員です。
 

2.掛金全額を所得控除することができる
 掛金月額は1,000円から70,000円までの範囲で自由に選ぶことができます(500円刻み)。この掛金は税法上、掛金全額を契約者個人の所得から控除でき節税できます。
・一括して受け取られる共済金は退職所得扱い
・10年または15年で受け取られる分割共済金は公的年金などと同様の雑所得扱い
・掛金月額は一定の手続きで増額・減額が可能
 

3.掛金は前納でき割引がある
 掛金は前納できます。そして前納月数が12か月以内であれば、掛金全額を前納した年分の所得控除額とすることができます。
 また掛金を前納した場合には割引があり、前納掛金に対して一定割合の前納減額金を受け取ることができます。
 

4.その他
 共済金の受取は、「一括受取」・「分割受取」及び「一括受取と分割受取の併用」(分割受取を利用の場合一定の要件あり)が可能です。
 また、加入者には低利の貸付制度(担保、保証人不要)があります。
 

(参考)
小規模企業共済 (独立行政法人 中小企業基盤整備機構)
 

 

 

2014年12月 1日 (月)

年末調整(準備事項と添付書類)

 年末調整では、以下の2種類の申告書の記入と添付資料の準備が必要となります。記載や添付のもれがないか確認しましょう。
                        
                        
1.平成26年分扶養控除等(異動)申告書
              
① 本人の住所・氏名・生年月日の記載。および本人印を確認。給与の支払者受付印の押印。
② 本人が勤労学生の場合は、各種学校等の生徒である旨の証明書類の添付。
③ 配偶者の有無の確認。控除対象配偶者がいる場合は、配偶者の氏名、生年月日、住所、年間所得見積額の記載の確認。
④扶養親族がいる場合、家族の氏名・続柄・生年月日・住所・年間所得見積額の記載の確認。
⑤「障害者」欄に記載がある場合、「身体障害者手帳」等で確認。
⑥中途入社した社員に前職がある場合、前職分の「源泉徴収票」を添付。
                        
                        
2.平成26年分保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書
                                                          
①本人の住所・氏名の記載。および本人印を確認。給与の支払者受付印の押印。
②生命保険料控除がある場合、控除証明書類が添付されているか確認。および新・旧の保険料、介護保険料、新・旧の個人年金の金額が正しく記載されているか確認。
③地震保険料控除がある場合、控除証明書類が添付されているか確認。および地震保険料・旧長期損害保険料の金額が正しく記載されているか確認。
④社会保険料控除がある場合、国民年金・年金基金の控除を受ける場合は、国民年金保険料控除証明書が添付されているか確認。および金額が正しく記載されているか確認。
⑤小規模企業共済等の支払がある場合は、中小企業基盤整備機構等が発行した証明書類等が添付されているか確認。および金額が正しく記載されているか確認。
⑥配偶者特別控除の対象となる場合、本人の合計所得金額の見積額と配偶者の氏名・合計所得金額の見積額、配偶者特別控除額が正しく記載されていることを確認。
                        
                        

3.平成26年分給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書・住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書

①本人の住所・氏名・生年月日の記載。および本人印を確認。給与の支払者受付印の押印。
②「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」が平成26年分申告書であることを確認。

                         
                        

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