現金の取扱いについて(現金管理の基本)
小売業などの現金商売では、日々、レジ現金の出し入れが頻繁に行われるため、つい現金の取扱いがルーズになりがちです。レジの現金管理の基本が守られているか確認しましょう。
1.レジの現金は売上代金と釣り銭の支払いに限定する
レジの現金は、お客様からいただく代金の入金とお客様への釣り銭の支払いに限定し、それ以外はレジから出し入れしないようにします。少額の経費の精算などは、レジのお金ではなく金庫内の小口現金で行います。
2.毎日の開店前は、釣り銭だけを入れておくようにする
開店前は、レジの中にはあらかじめ金額・金種を設定した釣り銭だけを入れておき、余分なお金は入れないようにします。
3.毎日の閉店後は入金額を確認する
閉店後は、実際の現金残高とレジの入金額が合っているか確認します。合っていない場合は、原因を解明します。
4.売上代金は、専用の預金口座をつくって全額預け入れる
閉店後のレジ内の現金は、翌日の釣り銭を残し、原則、毎日ATMや夜間金庫で預金口座に預け入れるようにします。
なおこの場合の預金口座を売上代金の預入専用にしておくと営業日ごとの売上が通帳等でも把握できます
5.レジの現金管理のチエックリスト
□①レジの中の現金は金種ごとに分けて、常に整理しているか。
□②早番と遅番が引継を行うときは、双方の立会の下でレジの現金を確認しているか。
□③閉店後などにレジの金額を確認するときは2人以上で行っているか。
□④特に現金売上が多額な場合、2人以上で預け入れに行くようにしているか。
□⑤社長(または店長など)は定期的にレジの現金管理をチエックし、ルーズな部分があれば厳しく指導しているか。
□⑥自社独自の管理方法が実施されているかチエックしたか。
6.金庫内の小口現金管理の基本
(1)経費や仕入代金などの支払いは少額の取引に限定し金庫の小口現金で行う
金庫の小口現金で支払うものは、例えば新聞代や玄関マットのレンタル料など毎月継続的に発生する少額取引や社員が立替払いした少額費用の精算(※)などに限定します。
また、1件当たりの支払限度額(例:5,000円)も事前に決めておき、多額の支払いは、原則として銀行振込にします。
公共料金(電気・ガス・水道)は自動振替に、仕入代金は原則的に銀行振込にします。
(※)社員が立替払いした費用等の精算は、毎日ではなく1週間あるいは1か月ごとに行うようにしましょう。
(2)金庫の小口現金の上限額を定め超過した分は即日預け入れる
例えば、金庫内の現金の出納締め後の残高を10万円と決めておき、予定外の入金等があり残高上限の10万円を超えるときは、超過分をその日のうちに預金に預け入れます。
(3)レジの現金で金庫内の小口現金の不足分の補充を行わない
原則的には、金庫内の現金の不足分の補充をレジの現金で行わないようにします。