消費税

2014年9月 2日 (火)

現金の取扱いについて(現金管理の基本)

 小売業などの現金商売では、日々、レジ現金の出し入れが頻繁に行われるため、つい現金の取扱いがルーズになりがちです。レジの現金管理の基本が守られているか確認しましょう。

1.レジの現金は売上代金と釣り銭の支払いに限定する

  レジの現金は、お客様からいただく代金の入金とお客様への釣り銭の支払いに限定し、それ以外はレジから出し入れしないようにします。少額の経費の精算などは、レジのお金ではなく金庫内の小口現金で行います。

2.毎日の開店前は、釣り銭だけを入れておくようにする

  開店前は、レジの中にはあらかじめ金額・金種を設定した釣り銭だけを入れておき、余分なお金は入れないようにします。

3.毎日の閉店後は入金額を確認する

  閉店後は、実際の現金残高とレジの入金額が合っているか確認します。合っていない場合は、原因を解明します。

4.売上代金は、専用の預金口座をつくって全額預け入れる

  閉店後のレジ内の現金は、翌日の釣り銭を残し、原則、毎日ATMや夜間金庫で預金口座に預け入れるようにします。
  
  なおこの場合の預金口座を売上代金の預入専用にしておくと営業日ごとの売上が通帳等でも把握できます

5.レジの現金管理のチエックリスト

 □①レジの中の現金は金種ごとに分けて、常に整理しているか。

 □②早番と遅番が引継を行うときは、双方の立会の下でレジの現金を確認しているか。

 □③閉店後などにレジの金額を確認するときは2人以上で行っているか。

 □④特に現金売上が多額な場合、2人以上で預け入れに行くようにしているか。

 □⑤社長(または店長など)は定期的にレジの現金管理をチエックし、ルーズな部分があれば厳しく指導しているか。

 □⑥自社独自の管理方法が実施されているかチエックしたか。

6.金庫内の小口現金管理の基本

 (1)経費や仕入代金などの支払いは少額の取引に限定し金庫の小口現金で行う
  金庫の小口現金で支払うものは、例えば新聞代や玄関マットのレンタル料など毎月継続的に発生する少額取引や社員が立替払いした少額費用の精算(※)などに限定します。
  また、1件当たりの支払限度額(例:5,000円)も事前に決めておき、多額の支払いは、原則として銀行振込にします。
  公共料金(電気・ガス・水道)は自動振替に、仕入代金は原則的に銀行振込にします。
  (※)社員が立替払いした費用等の精算は、毎日ではなく1週間あるいは1か月ごとに行うようにしましょう。

 (2)金庫の小口現金の上限額を定め超過した分は即日預け入れる
  例えば、金庫内の現金の出納締め後の残高を10万円と決めておき、予定外の入金等があり残高上限の10万円を超えるときは、超過分をその日のうちに預金に預け入れます。

 (3)レジの現金で金庫内の小口現金の不足分の補充を行わない
  原則的には、金庫内の現金の不足分の補充をレジの現金で行わないようにします。

 

2014年5月 6日 (火)

誤りやすい消費税の処理

 消費税率は、平成26年4月1日(以下「施行日」)から「8%」に引き上げられましたが、施行日以後の消費税の処理において、様々な誤解があることから、国税庁は平成26年1月にQ&Aを発表して特に誤りやすい事項について具体的に注意しています。

1.仕入先(出荷基準)が施行日前に出荷した商品を施行日以後に検収いると旧税率になる

 A社はB社から商品を仕入れています。A社は、仕入れて納品された商品を検収した日に仕入れを計上(検収基準)していますが、B社は商品を出荷した時点で売上を計上(出荷基準)しています。

例えば、A社の発注商品を、B社が平成26年3月28日に出荷し、A社で同年4月2日に検収基準で仕入計上する場合、A社は検収基準のため、新税率(8%)を適用して処理することになるのでしょうか?

 この場合、B社がA社に対して施行日前に資産の譲渡等を行ったことになり、出荷基準のB社からの請求書は旧税率(5%)になります

 したがってA社でも旧税率の5%で仕入税額控除の計算を行うことになります。

 

 

2.月ごとに完了する保守サービスで施行日をまたいで終了する分は新税率を適用

 C社は、コピー機の保守サービスを年間契約(月額△△円)でD社に依頼しています。D社は、保守サービスについて、月ごと(20日締め)に作業報告書を作成し、保守料金をC社に請求しています。

 この場合、施行日をまたぐ平成26年3月21日から同年4月20日までの保守サービスについては、適用される消費税率はどうなりますか?

 この場合の保守サービスの契約は、サービス提供が月ごとに完了するものと考えられます。

    したがって、平成26年3月21日から同年4月20日までの保守サービスの提供については、そのサービス提供が完了した日である4月20日時点の税率8%が適用されることになります。

 

 

3.「4月分」の前家賃には新税率を適用(経過措置が適用される賃貸借契約を除く)

 E社は、ビルの一室を借りています。賃借料とともに消費税も支払っていますが、施行日以後の消費税率はどうなるのでしょうか。

 賃借料は翌月分を当月末に支払う「前家賃」となっています。

 下記の経過措置適用の要件を満たしている場合以外は、平成26年4月分、すなわち施行日以後の資産の貸付の対価として支払うものなので、前月の3月に支払っても新税率(8%)が適用されます。

 ただし当月分を翌月末に支払う「後家賃」については、平成26年3月分、すなわち施行日前の資産の貸付の対価ですので、その支払日が施行日以後の4月であっても旧税率(5%)が適用されます。

【賃貸借で施行日以後も旧税率でもよい条件(経過措置の適用要件)】
<平成8年10月1日~同25年9月30日>の間に結んだ賃貸借契約に基づいて、施行日前から同日以後引き続き賃貸を行っている場合で、次の要件の①と②、または①と③を満たす必要があります。

①賃貸期間とその期間中の賃貸料の額が定められていること(額が決まっている
②賃貸料の変更を求めることができる旨の定めがないこと(額を変更できない
③解約の申し入れをすることができる旨の定めがなく、契約期間中の賃貸料の合計額がその建物の取得に要した費用の額等の90%以上であること(解約できない

国税庁消費税関連HP

 消費税法改正等のお知らせ(平成25年11月)(PDF/239KB)

 「消費税率引上げに伴う資産の譲渡等の適用税率に関するQ&A」(平成26年1月)(PDF/175KB)

 「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」(平成25年4月)(PDF/615KB)

 

 

4月1日以後でも税率5%が継続適用される取引

 現行の消費税率5%が、平成26年4月1日(以下「施工日」)から「8%」に引き上げられますが、リース契約や賃貸料などの場合、施行日以降も旧税率5%が継続適用される取引があるので、注意しましょう。

1.平成26年3月以前からのリースは施行日以後も「5%」  

 コピー機などをリースしている場合、そのほとんどがファイナンス・リース契約と思われますが、その場合、原則的には「売買取引」とされ、リース資産の引渡し時点の消費税率が適用されます。

例えば、平成26年1月15日に契約し同年2月1日にリース資産の引渡しを受けている場合、施行日以後に支払うリース料の消費税率は5%で処理することになります。

 なお特例で認められている、支払の都度、リース料を費用計上する場合もリース資産の引渡し時点の税率が適用されます。念のため自社のリース契約の内容について、リース会社に確認しましょう。

  注)オペレーティング・リース契約(残価査定額がリース料から差し引かれているなど、ファイナンス・リース以外のリース取引)は、資産の貸付とされます。

この契約では、平成25年9月30日までに契約締結するなど一定の条件を満たすものに限り旧税率5%が適用されます。

2.事務所や駐車場などの賃貸料で一定のものは施行日以後も「5%」

 不動産の賃貸料のうち、事業用として契約している事務所、工場、倉庫、駐車場などの賃貸料には消費税がかかります(居住用として契約したアパート、マンションの賃貸料には消費税がかかりません。)

  不動産の賃貸料について、平成25年9月30日までに契約し、同26年3月31日までに賃貸を開始して施行日以後も引き続き賃貸を行っている場合、次のような要件のうちいくつかを満たしていれば、経過措置で施行日以後も旧税率5%が継続適用されます。

【要件】
 ①賃貸の期間とその期間中の賃貸料の額が定められていること
 ②賃貸料の変更を求めることができる旨の定めがないこと
 ③契約期間中「いつでも解約の申し入れ」ができる旨の定めがないことなど

注1)現実には、「家賃の改定協議可能」を旨とする文言が契約書に記載されているケースが多く、その場合は、上記の要件を満たさず、施行日以後は新税率8%が適用されることになります。

注2)この経過措置の適用にあたっては、契約の相手方に対して、「この取引は経過措置により旧税率の適用を受けた」旨を署名(契約書、請求書等)で通知することが義務付けられます。

3.請負契約で平成25年9月30日以前に契約したものは施行日以後の引渡しでも「5%」

 商品等の販売と同様、請負契約においても引渡しが施行日以後になった場合は、原則として、新税率8%が適用されます。その場合、施行日前に支払った着手金や中間金も含めた請負金額の全額に8%が適用されることになります。

  ただし経過措置により、特定の取引については、平成25年9月30日までに請負契約を結んだ場合、引渡しが施行日以後であっても旧税率5%が継続適用されます。

【対象となる特定の取引】
 ・工事の請負に係る契約
 ・製造の請負に係る契約
 ・一定の要件を満たす測量、設計及びソフトウエア開発などに係る契約

注)この経過措置の適用にあたっては、契約の相手方に対して「この取引は経過措置により旧税率の適用を受けた」旨を書面(契約書、請求書等)で通知することが義務づけられます。

 

 

 

国税庁消費税関連HP

 消費税法改正等のお知らせ(平成25年11月)(PDF/239KB)

 「消費税率引上げに伴う資産の譲渡等の適用税率に関するQ&A」(平成26年1月)(PDF/175KB)

 「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」(平成25年4月)(PDF/615KB)

 

 

2014年1月 8日 (水)

「消費税 経過措置・転嫁対策 の チェック項目」

【価格転嫁・価格表示関連】
□価格転嫁できない場合の自社の影響をシミユレーションしてみたか
□自社の売上計上基準を把握し、それに伴った消費税率による請求が行われるように徹底されているか
□商品等の価格表示方法を総額表示(税込価格)によるか、総額表示と消費税額の併記によるかなどを、顧客の目線で検討したか
□レジに税率の予約変更機能があるかについて確認したか
□見積書や契約書等の記載金額の消費税表示を確認し、問題があれば平成26年4月1日以後の消費税率を加味した取引金額について取引先と交渉したか
□平成26年4月1日以後に消費税率が8%になることに伴う顧客への説明などの対応方針を社員に周知徹底したか

【運転資金関連】
□増加する納税資金を試算し、対策を検討したか
□増加する運転資金を試算し、対策を検討したか
□消費税の納税用の預金口座を作るなど納税資金確保のための対策を講じたか
□任意の中間申告制度の導入を踏まえ納税時期の分散を検討したか
□コストの見直しなど運転資金の改善施策を検討したか

【経理実務関連】
□自社の会計処理、課税方式を再確認し、その妥当性を検討したか
  ※「税抜処理」か「税込処理」、「本則課税」か「簡易課税」、「課税事業者」か「免税事業者」の確認
□請求書の発行システム等の税率変更への対応が可能であることを確認したか
□売掛金や買掛金について、返品や値引等の処理をする際、取引時の税率が旧税率か新税率かを確認できるようになっているか
□平成26年4月1日をまたぎ同年4月30日までに確定する電気、ガス、水道、電話等の料金については5%が適用されるので、請求書については消費税率を確認してから処理するように注意を促したか

【増税直前】
□増税後の販売価格(価格転嫁)等について、お客様や顧客に十分説明をしたか
□請求書発行システム等やレジの税率変更、値札の付け替え、ウェブページ・商品カタログ・チラシ・メニュー等の価格変更などについて、スケジュールどおり進めているか
□原材料や商品等について増税前の仕入を検討したか
  (免税事業者や簡易課税を選択している場合など)
□増税後に予定している設備投資や修繕などについて前倒しを検討したか
  (免税事業者や簡易課税を選択している場合など)
□駆け込み需要の取り込みを狙った販売促進策を講じているか

2013年11月 7日 (木)

「消費税転嫁対策特別措置法」重要ポイントQ&A

 「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」(消費税転嫁対策特別措置法)が平成25年10月1日より施行されました。

以下にQ&A形式の重要ポイントを掲載します。(中小企業庁HPより抜粋)

①消費税をめぐる状況

Q. 消費税率はいつから引き上げられますか?
A. 平成26年4月から8%に引き上げられます。

Q. 消費税率の引上げに伴う経過措置があることを知っていますか?
A. 消費税率引上げ以後に行われる資産の譲渡等のうち、一定のものについては改正前の税率を適用する経過措置があります。

②消費税の転嫁拒否等の行為の禁止

Q. 自分の会社、あるいは取引先は、消費税転嫁対策特別措置法上の消費税の転嫁拒否等が禁止される「特定事業者」(買い手)に該当しますか?
A. 消費税の転嫁拒否等の行為は、大手スーパーなどだけではなく、中小企業等も取締りを受ける場合があります。

Q. 特定事業者(買い手)のどのような行為が違反行為として取締りを受けますか?
A. すでに取り決められた価格について、合理的な理由がないにもかかわらず、特定事業者(買い手)が後になって取引価格を下げる「減額」を行うことなどが禁止されます。

Q. 消費税の転嫁拒否等の行為に対して、国はどのような措置を講じますか?
A. 事業者への立入検査を行い、違反行為を行う特定事業者(買い手)に指導・助言、是正の勧告などを行います。

③宣伝や広告、価格表示等に関する新しいルール

Q.「 消費税は転嫁しません」という宣伝文句はなぜNGなのですか?
A. 消費者に「消費税を支払っていない」と誤認させないようにすることや、納入業者に対する買いたたきなど、消費税の転嫁を阻害することを防ぐことが目的です。

Q. 値札の価格表示のルールはどう変わりますか?
A. お客様に税込価格であると誤認されない表示であれば、税抜の価格表示も認められます。

Q. 転嫁カルテルや表示カルテルの内容はわかりましたか?
A. 消費税の転嫁方法や表示方法について事業者団体などの共同行為が認められます。

 

中小企業・小規模事業者のための消費税の手引き(中小企業庁)

総額表示義務の特例措置に関する事例集(税抜価格のみを表示する場合などの具体的事例)(PDF/585KB)

消費税法改正のお知らせ(社会保障と税の一体改革関係)(平成25年4月)

 

 

消費税の非課税取引とは?

 消費税には、課税対象になじまないものや社会政策的な配慮から課税することが適当ではない取引について以下のような「非課税取引」が規定されています。

①税の性格から課税対象とすることになじまないもの

・土地(土地の上に存する権利を含む)の譲渡および貸付け
・社債、株式等の譲渡、支払手段の譲渡
・利子、保証料、保険料など
・郵便切手、印紙などの譲渡
・商品券、プリペイドカードなどの譲渡
・住民票、戸籍抄本等の行政手数料など
・外国為替取引など

②社会政策的な配慮に基づくもの非課税取引

・社会保険医療など
・介護保険サービス、社会福祉事業など
・出産費用など
・埋葬料および火葬料
・身体障がい者用物品の譲渡、貸付けなど
・一定の学校の授業料、入学金、入学検定料、施設設備費など
・教科用図書の譲渡
・住宅の貸付け

 

 

2013年9月21日 (土)

消費税率アップの前の確認事項

1.消費税の2段階引上げに注意しましょう。
①消費税率は、2段階での引上げが予定されています。
※平成26年4月1日以後、5%→8% 平成27年10月1日以後、8%→10%
②小売業者等に義務づけられている総額表示について、税抜価格での表示が認められますが、平成29年3月31日までであることに注意しましょう。 
                        
                        
2.請求書発行システムは新税率に対応可能か(同月中に2種類の税率が混在できるか)。
①平成26年4月1日以後の新税率に対応可能しょうか。
②「5%の取引」(経過措置によるものも含めて)「8%の取引」「10%の取引」をそれぞれ分けて消費税を計算することはできますか。
 例えば、請求締日が毎月20日の会社の場合、平成26年4月1日をまたぐ請求書では3月21日から3月31日までは、5%、4月1日から4月20までは8%となり、「5%の取引」と「8%の取引」が混在することになります。また月末締めでも、1年の中で二つの税率が混在することになります。請求書発行システムの組み替えが必要な場合も考えられるので、早めにメーカー等に確認しましょう。
                        
                        
3.見積書等の作成時の税率に注意!
①パソコン等で見積書等を作成する場合、消費税の表示がどうなっていますか。
②あらかじめ印刷された見積書等のフォームを使用しているところでは、消費税がどのように表示されていますか。
 見積書をパソコンで作成しているところでは、消費税の表示について確認しましょう。
金額を入力すれば消費税額が自動計算される場合、4月以降発行するものを3月以前に作成するときは8%に直さなければいけません。発行時期等によっては新税率への変更が必要となりますので注意してください。
                        
                        
4.レジが新税率に対応でるか(税率変更の予約機能はあるか)。
①2回にわたる消費税率の変更が簡単にできますか。
②消費税率変更の予約機能はありますか。(スタンドアローン型の場合)
③システム設定の変更は必要ですか。(POSレジの場合)
④レジシートには店名の他、所在地や電話番号等が印字されるようになっていますか。
国内の約3分の1を占めるPOS(販売時点情報管理)レジでは、システム設定の変更が必要となります。またスタンドアローン型のレジで税率変更の予約機能がない場合もシステム変更等が必要となるので、レジメーカーに変更を依頼しましょう。なお今回は、消費税率アップが平成26年4月1日と同27年10月1日の2段階で行われることわ考慮しておく必要があります。
                        
                        
5.税込から税抜きへの価格表示の変更を検討していますか。
①カタログやホームページ。メニュー、値札など販売価格表示は、確認したか。
②価格表示を変更する場合、その費用と日数はどれくらいかかるか、確認したか。
 お客様が消費者の小売店などでは、総額表示の義務化もあって、販売価格は消費税込の総額表示が一般的になっていると思われます。消費税率の2段階アップに伴ってアップ分を販売価格に上乗せ(価格転嫁)した場合、値上げと受け取られかねません。消費税転嫁対策特別措置法では税抜価格を容認しているので、このまま総額表示を継続するのか、税抜価格に切り替えるかどうか、また税抜きと税込の併用とするか、早めに検討しましょう。
                        
                        
6.税抜き価格を容認する消費税転嫁対策特別措置法は平成29年3月31日までの時限立法なので、注意が必要です。
                        
総額表示(義務)の例:
 1,080円(税込)
                        
当面認められる価格表示の例:
 本体1,000円+税
 1,000円(税抜き)
 1,000円(税込価格1,080円)
 1,080円(うち消費税等80円) など

7.仕入れの帳簿・請求書等をモレなく保存しましょう。
 消費税は、売り上げてもらった消費税から仕入れて払った消費税を差し引き手元に残った消費税を納税します。その際、仕入れ分(仕入税額控除)を差し引くには、帳簿や請求書等(取引先名・年月日・内容・金額が記載されたもの)をきちんと保存していなければなりませんので注意してください。

 

 

 

 


                        

                                                                                                             

2013年7月17日 (水)

消費税率の引き上げに伴う経過措置 ~資産の貸付け等~

 消費税の税率は、平成26年4月から8%への引き上げが予定されています。税率の引き上げに伴い、一定の取引については、施工日の半年前となる平成25年10月1日を指定日として、その前日までの契約については、5%の税率が適用される経過措置があります。

1.事務所やビル、建物の賃貸借契約はどうなるのか?
~資産の貸付(賃貸借契約・リース契約等)についての経過措置~
                        
 事務所やビル、建物の賃貸借契約やリース契約等については、平成25年9月30日までに契約した場合で、平成26年3月31日以前から引き続き、その賃貸借契約等を行っていれば、平成26年4月1日以後であっても5%の税率が適用されます。

 なお、平成25年10月1日以後の契約については、平成26年3月31日までは、5%の税率、平成26年4月1日以後は8%の税率で課税されるため、リース料等を支払う事業者は仕入税額控除の計算に注意が必要です。

*この経過措置の適用を受けるには、契約の相手方にその旨を通知する必要があります。
(改正法附則5⑧)
*税法上、売買(資産の譲渡)として取扱われるリース取引については、この経過措置は適用されません。
*指定日以後に当該資産の貸付けの対価の額の変更が行われた場合、当該変更後における当該資産の貸付についてはこの経過措置は適用されません。
                         
                         

2.4月1日をまたがる通勤定期券や4月1日以後に乗車.搭乗するチケットは?
 ~旅客運賃等についての経過措置~
                        
 鉄道やバス.航空機等の運賃(チケット)や映画.演劇等の入場料は、実際の利用が平成26年4月1日以後であっても、3月31日までに料金が支払われていれば5%の税率が適用されます。
                        
 通勤定期券や4月1日以後の出張のための乗車券.航空券は3月中に購入しておくとよいでしょう。

 この経過措置の適用対象となる旅客運賃等の範囲は、以下の通りです。(改正令附則4①)
                        
①汽車、電車、乗合自動車、船舶又は航空機に係る旅客運賃(料金を含む)
②映画、演劇、演芸、音楽、スポーツ又は見せ物を不特定かつ多数の者に見せ、又は聴かせる場所への入場料金
③競馬場、競輪場、小型自動車競走場又はモーターボート競走場への入場料金
④美術館、遊園地、動物園、博覧会の会場その他不特定かつ多数の者が入場する施設又は場所でこれらに類するものへの入場料金
                         
                         

3.電気.ガス料金など、計算期間に伴って料金が請求されるものは?
 ~電気.ガス等の供給等についての経過措置~
                        
 電気、ガス、水道、電話などの料金については、月単位ではなくそれぞれの事業者が定めた計算期間に従って使用量などを検針し、利用者に請求が行われます。
                        
 これらについては、㍻26年4月1日にまたがって使用される場合でも、㍻26年4月30日までに検針などにより料金が確定するものについては、㍻26年4月1日以後の部分も含めて5%の税率が 適用されます。

 4月1日以後の電気、ガス等の料金の請求書や検針票については、記載された税率や税額をよく確認しましょう。
                        
 この経過措置の対象なるのは、次に掲げる課税資産の譲渡等のうち、検針その他これに類する行為に基づき料金の支払を受ける権利が確定するものです。(改正令附則4②)
                        
①電気の供給 ②ガスの供給 ③水道水又は工業用水の供給及び下水道を使用させる行為 ④電気通信役務の提供 ⑤熱供給及び温泉の供給
                         
                         

4.予約販売による書籍等の譲渡
                        
 平成25年9月30日までに締結した不特定かつ多数の者に定期的に継続供給する契約に基づき譲渡する書籍等については、平成26年4月1日前に代金の全額又は一部を領収することを条件に、その領収した部分については5%で課税される経過措置があります。
                        
 ただし、代金の受領が平成26年4月1日以後になる場合には経過措置の適用はありません。
                        
 年間購読契約を結んでいる週刊誌や月刊誌の購読料については、平成25年9月30日までの契約と平成26年3月31日までに代金を支払うのであれば5%の税率が適用されます。
                         
                         

5.たな卸資産に係る消費税額の調整

 免税事業者が課税事業者となる場合、免税期間の期末棚卸資産に係る資産税額は、課税事業者となった期間の課税仕入れの額とみなされます。
                        
 この場合の税率については、施工日前仕入れた商品に関しては旧税率が適用されることとなりますので注意してください。
                        
 なお、課税事業者が免税事業者となる場合については、直前の課税期間中に仕入れた商品のうち、施工日前に仕入れた商品に関しては旧税率が適用されることとなります。
                         
                         

6.売上返品・貸倒れ
                        
 商品の販売を行い、その後返品・値引き.割戻しがあった場合、販売時点にさかのぼって処理をするのではなく、その「返品・値引き.割戻しがあった」時点の課税期間で処理することとなっています。これは仕入側の処理についても同様です。
                        
 しかし、その際に適用する税率は、返品・値引き.割戻しがあった時点の税率ではなく、販売・仕入があった時点の税率を適用することとされています。

 また、貸倒れについても同様、貸倒れについても同様に、貸し倒れ時点の税率ではなく、販売時点の税率が適用されます。(改正法附則11)
                         
                         

参考:国税庁HP

消費税法改正のお知らせ(平成25年3月)(PDF/1,199KB)
「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」(平成25年4月)(PDF/576KB)
平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて(平成25年3月25日)

 

 

 

2013年6月25日 (火)

消費税の引き上げに伴う経過措置 ~請負契約~

 消費税の税率は平成26年4月から8%、その1年半後の平成27年10月から10%と2段階の引き上げが実施される予定です。

 工事や製造などの請負契約では、消費税率の引き上げに伴い、平成26年4月1日(施行日)以後に引渡した場合は、 原則として、増税後の税率が適用されます。

ただし、平成25年9月30日までに契約した場合には、引渡しが平成26年4月1日以後であっても5%の税率が適用される「経過措置」が受けられます。

(日程は新税率8%の場合です。)

(1)対象となる請負契約とは、建築工事等だけではなく、完成までに長期間を要する下記の契約も対象となります。

・対象となる請負契約の範囲 
・工事の請負に係る契約 
・製造の請負に係る契約 
・測量、地質調査、映画の製作、ソフトウエアの開発、その他(修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、検査・検定等の事務処理、市場調査)の請負に係る契約(※)

※①仕事の性質上、完成に長期間を要するものであること、かつ、
 ②仕事の目的物の引渡しが一括して行われることとされているもの、または目的物の引渡しを要しない請負の場合は、約した役務の全部の完了が一括して行われるもの。
 ③上記①、②の要件を満たし、その内容について相手方の注文があること。
(注)なお、月極の警備保障、メンテナンスや清掃などの契約は、役務の全部の完了が一括して行われないため、経過措置の適用はありません。

(2)追加工事によって契約金額が増額したとき

平成25年9月30日までに契約をした場合でも、10月1日以後に工事等が追加されたことで、当初の契約金額よりも増加してしまった場合には、 増額分(当初の契約金額を超えた分)の金額については、8%の税率が適用されます。

(3)契約の相手方への書面での通知が必要

経過措置の適用を受けるには、契約の相手方に「5%の税率の適用を受けた」旨を書面(契約書、請求書等)で通知する必要があります。

(4)小規模工事において、3月末完成が4月以後に延びた場合

大工、左官、電気、塗装などの小規模工事であれば、平成25年10月1日以後の契約であっても、引渡しが平成26年3月中であれば税率は5%になります。

しかし、何らかの事情で工事が延びて、引渡しが平成26年4月1日以後になってしまうと、8%の税率が適用されることになります。
このような、もしもの場合に備えて、契約書等には「引渡しが4月以後になる場合は8%の税率が適用される」旨の一文を加えておきましょう。

(5)受注した工事を下請会社に発注する場合

 経過措置は、発注者との契約についてだけではなく、建築業者とその下請業者との請負契約についても当然、適用されます。

しかし、平成25年9月末間際になって、発注者と建築業者が請負契約を締結したため、この建築業者と下請業者との請負契約の締結が 10月1日以後になってしまった場合には、建築業者の発注者への売上には5%の税率、下請業者への外注費には8%の税率が適用されます。

 

(6)マンション等の購入は請負契約か?

一般的な分譲マンションの購入は、請負契約ではなく資産の譲渡契約となるため、請負契約の経過措置は適用されません。

しかし、建売住宅やマンション等の建物の譲渡契約であっても、建物の内装・外装・設備等に注文工事がある場合には、請負の経過措置の適用対象になります。

この場合、注文工事であることを譲渡契約書等において明らかにするなどしておきましょう。
 

 

 

参考:国税庁HP

消費税法改正のお知らせ(平成25年3月)(PDF/1,199KB)

「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」(平成25年4月)(PDF/576KB)

平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて(平成25年3月25日)

 

 

2013年6月18日 (火)

簡易課税速算表

 売上高に概算の税率を掛けることで、おおよその消費税額を算出することが出来ます(この場合は、税込経理で簡易課税のみ)。
 例えば、売上高1,000万円、5種のケースで、
税率5%の場合
  10,000,000*0.025(2.5%)=250,000
税率8%の場合
  10,000,000*0.04(4%)=400,000
税率10%の場合
  10,000,000*0.05(5%)=500,000 となります。
                        
   以下は、各税率と業種の対応表です。

  業種 概算税率
5%     1種    0.005
    2種    0.01
    3種    0.015
    4種    0.02
    5種    0.025
8%     1種    0.008
    2種    0.016
    3種    0.024
    4種    0.032
    5種    0.04
10
    1種    0.01
    2種    0.02
    3種    0.03
    4種    0.04
    5種    0.05

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