利益

2014年5月 6日 (火)

役員報酬(定期同額給与)改定時の注意点

 会社の業績が変化すると、期中であっても、毎月支払う役員報酬の改定(増額・減額)を検討する可能性がありますが、改定の理由によっては、税務上、その一部が損金として認められない場合があります。
 
1.損金算入ができる定期同額給与とは?
 法人税法では、役員報酬や役員賞与を「役員給与」といいますが、毎月、一定額を支給する役員報酬については、次の要件を満たせば、定期同額給与として損金算入が認められています。(税務署長への届出は不要です。)

[定期同額給与の要件]
 ①支給期間が一ヶ月以下の一定の期間ごとであること(実務上は月払いが一般的)
 ②その各支給時期における支給額が事業年度を通じて原則同額であること
2.定時株主総会での役員報酬の改定
 上記のように定期同額給与の要件は、月々の支給額が事業年度を通じて原則同額であることであり、事業年度の途中に増額や減額をすると、原則としてその一部が損金として認められません。

;ただし、決算終了後の定時株主総会など、毎年所定の時期に行われる改定(通常改定)で、次の要件を満たす場合、定期同額給与とみなされ、全額を損金にすることができます。

[通常改定で定期同額給与とみなされる要件]
①期首から原則3ヶ月以内(3月決算法人なら6月末まで)に行う改定であること
②事業年度内において、改定前の毎月の支給額が同額であること
③事業年度内において、改定後の毎月の支給額が同額であること

  例えば、役員報酬の支給日を毎月末とする3月決算法人が、5月25日開催の定時株主総会において、報酬額を60万円から70万円に 増額する決議を行い、総会直後の5月31日または翌月の6月30日から支給する場合は、増額後の70万円全額が損金として認められます。
3.業績悪化を理由に役員報酬を減額する場合
 業績や資金繰りが悪化したことで、事業年度の途中に、役員報酬(定期同額給与)の減額を検討することもあると思います。このような場 合、減額の理由として、やむを得ず役員報酬を減額せざるを得ない事情があれば、減額後も全額が損金として認められます。

[やむを得ず減額せざるを得ない事情とは?]
   ①財務諸表の数値が相当程度悪化した
   ②倒産の危機に瀕している
   ③経営悪化により、第三者である利害関係者(株主、債権者、取引先等)との関係上、役員給与を減額しなければならなくなった

※一時的な資金繰りの都合、あるいは単に予算を達成できなかったといった理由は、やむを得ない事情には含まれません。
4.業績悪化による減額としては、次のような場合が考えられます。
  例1)銀行との間で借入金の返済期限延長や条件緩和(リスケジュール)をするため、役員報酬を減額しなければならなくなった。
   銀行との交渉時に作成した返済計画、資金繰り表などで減額の理由を明らかにしておきます。
                        
  例2)業績や財務状況、資金繰りが悪化したため、取引先等からの信用を維持・確保するために、役員報酬の減額を盛り込んだ経営改善計画を策定した。
   減額する金額や期間、減額による効果など、取引先等が納得する経営改善計画であることが必要です。
 
5.その他の業績悪化による改定
 次のようなケースも業績悪化改定事由に該当すると考えられますが、あくまでも客観的な状況によって判断します。客観的な状況がない単なる将来の見込みにより役員給与を減額した場合は該当しません。
  例1)売上の大半を占める主要得意先の経営悪化により、その事業規模を縮小せざるを得ない状況にあることが判明し、数か月後には当社の売り上げが激減することが避けられない状況が生じた場合において、
   現状では売上などの数値的指標が悪化しているとは言えないが役員給与の減額などの経営改善策を講じなければ客観的な状況から今後著しく悪化することが不可避である場合。
  例2)主力製品に瑕疵があることが判明して、今後多額の損害賠償金やリコール費用の支出が避けられない場合。
 
6.役員給与減額の際の注意
①経営上の数値的指標が著しく悪化した
 役員給与の減額にあたり、会社経営上の数値的指標の著しい悪化が不可避と判断される客観的な状況としてどのような事情があったのか、経営改善策を講じなかった場合の指標を改善するために具体的にどのような計画を策定したのか、といったことを説明できるようにする必要があります。
②役員が病気等により職務の執行が一部できなくなった
 役員が病気で入院したことにより当初予定されていた職務の執行が一部できなくなった場合に、役員給与の額を減額することは臨時改定事由による改定と認められます。
   また、従前と同様の職務の執行が可能となったことにより、取締役会の決議を経て入院前の給与と同額の給与を支給する改定についても、「役員の職務の内容の重大な変更その他これに類するやむを得ない事情」として臨時改定事由による改定と認められます。
                        
国税庁「役員給与に関するQ&A
 
         

2013年10月 2日 (水)

売上債権回転期間を短縮しよう

1.売上債権回転期間の長期化に注意しましょう

  売上債権回転期間は、商品を仕入れてから販売するまでの期間をいいます。

期間が短い場合は、代金回収が効率よく行われており、資金繰りは楽になり、反対に期間が長い場合には、資金繰りが苦しいことを意味します。

 売上や利益は順調なのに、手元資金が少ないような場合は、売上債権回転期間が長くなっていることが考えられます。

この場合、売掛金の請求漏れや回収漏れはないか、取引条件をチエックし、極端に長い条件などに改善の余地はないか、不良債権化しているものはないか、などをチェックします。
  
  売上債権回転期間は、業種によって期間は様々ですが、一般に3か月を超えるような場合は、長いといえます。金融機関は、3か月を超えると、不良債権が混在しているのではないか、売上の架空計上があるのどはないか、といった警戒心を抱きます。

2.売掛金の回収漏れはないか

  売上が順調なときほど、売掛金の回収がおろそかになりがちです。また、売掛金の回収をおろそかにしている会社は金融機関からの信用も低くなります。

3.売掛金の回収がおろそかになる会社には特徴があります

 ①支払がよくない(回収条件が悪い)会社であっても無理に販売する。

   ・回収条件や支払の悪い得意先への売上の割合が増えている

 ②社長が職人気質で、ものづくりには熱心だが、回収には無頓着である。

 ③回収遅れに対するチェック体制や対応方針がなく、責任の所在も曖昧になっている。

   ・請求漏れや回収遅れがあってもそのままになっている。

   ・当初の回収条件が守られていないにもかかわらず、そのままになっている。

   ・長期にわたって未回収の売掛金がある。

 ④大口や付き合いの長い取引先に対して弱腰すぎる。

   ・大口取引先に、回収を強くいえない

 ⑤社長が情に流されやすい。

 ⑥営業マンの評価が、売上のみで、回収までが評価対象になっていない。

4.売上債権回転期間は次の式で求めます

売上債権回転期間(日)=売上債権(売掛金+受取手形)/年間純売上高×365日

 

2013年8月12日 (月)

青色事業専従者給与はここに注意!!

 青色申告者である個人事業者が、事業に携わっている奥さんや子供等に対して給与を支払う場合、一定の要件を満たせば、その給与を必要経費にすることができます。ただし、税務調査では、勤務実態の有無や金額の妥当性などかチエックされますので注意しましょう。

家族への給与が必要経費になるための要件としては次のようなものがあります。

Q1.家族に支払った給与が必要経費(青色事業専従者給与)になるのは、どのような場合ですか。

A1.通常、家族に支払う給与は必要経費にならないのですが、次の要件をすべて満たせば、必要経費にすることが認められます。

①青色事業専従者に支払われた給与であること
②「青色事業専従者給与に関する届出書」を所轄税務署に提出していること(注1)
③届出書に記載した給与額の範囲内で支払われていること
④実際に働いた期間や内容等に対して給与額が相当であること
(注1)3月15日までに提出すれば、その年から適用されます。以降は、給与額や専従者に変更がある場合のみ届出が必要です。

Q2.家族であれば、誰でも青色事業専従者になれるのでしょうか。

A2.次の要件にすべて該当すれば、青色事業専従者になることができます。

①青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
②年齢が15歳以上であること(その年の12月31日現在)(注2)
③原則として、年間6か月を超えて、青色申告者の事業に専念していること
(注2)15歳以上であっても高校や大学その他専修学校などの学生や生徒は原則として、専従者にはなれません。

Q3.他に仕事を持っていても青色事業専従者になれますか。

A3.事業に専念している期間が、年間で6か月を超えていなければ、青色事業専従者になれません。(事例①参照)
他に職業がある人は、自らの職業に携わっている期間は、原則として、事業に専念している期間として認められません。
ただし、他の職業で働いている時間が短ければ、認められる場合があります。

Q4.青色事業専従者給与を支払っていても配偶者控除等を受けることはできますか。

A4.専従者給与の支払いを受けた家族は、控除対象配偶者や扶養親族として認められないため、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除等は適用できなくなります。
注意しなければならない点

Q5.家族を青色事業専従者にする場合、どのようなことに注意すればいいでしょうか。

A5.次の2点に注意が必要です。

(1)勤務実態はあるか
実際の仕事内容や勤務実態などがチェックされるため、出勤簿やタイムカードなど勤務状況の記録や仕事内容等を説明できる資料(日報、週報など)を必ず残しておきましょう。

(2)給与の額は妥当か
実際に働いた期間や時間、仕事内容等に対して、給与が高すぎると判断されると、その高い部分が必要経費として認められません。
給与の額の妥当性については、労務内容が同程度の従業員の給与や類似同業者の青色事業専従者の給与などに基づいて判断されるようです。(事例②参照)
給与については、仮に第三者を雇うとすればいくらになるか、同業他社や周辺地域の賃金相場、求人情報誌などを参考にして判断しましょう。

Q6.給与が未払いでも必要経費として認められますか。

A6.実際に給与の支給がなければ、原則として必要経費になりません。

例えば、帳簿上は給与を支払っていても、実際には、その金額をそのまま家族から事業資金として借入れているような場合には、事実上の支払いがないため、必要経費として認められません。

事例①専従者が他の仕事(ピアノ調律師)を行っていた

 事業主Aは、夫が年間6か月を超えて自分の事業に携わっていたことから、青色事業専従者として給与を支払っていた。しかし、事業以外に夫がピアノ調律師として、年間240日以上業務していたことから、「他に職業がある」として青色事業専従者給与が認められなかった。(昭和62年12月25日国税不服審判所裁決)

事例②妻の給与が同程度の従業員よりも高額だった

 事業主Bは、妻を青色事業専従者として給与を支払っていた。「その労務の性質については、他の使用人と比べて大きく異なるものではなく、

また、その労務の提供の程度については、従事時間が最も長い使用人の約1.21倍程度であったものと認められることから、妻の労務の提供程度を考慮し、他の使用人が支払を受ける給与の状況に基づき計算した金額と、

類似同業者の青色事業専従者が支払を受ける給与の状況に基づき計算した金額の、いずれか高い金額を適正給与額とするのが相当である」として、それを上回る金額については必要経費として認められなかった。(平成21年6月3日国税不服審判所裁決)

2011年6月 2日 (木)

被災自動車に係る自動車重量税の特例還付

 被災により滅失又は損壊した自動車の所有者の方は、還付申請書を平成25年3月31日までの間に、運輸支局又は軽自動車検査協会の窓口に提出すると、車検残存期間に相当する納付済み自動車重量税が還付されます(車検残存期間が1か月以上あるものが還付対象です)。

<還付を受けられる金額の計算式>

還付金額 = 納付した自動車重量税額 ÷ 車検証の有効期間 × 車検残存期間

※1か月未満の日数は切捨てとなります(例:1か月と15日⇒1か月)。

(国税庁HPより)

2010年11月30日 (火)

「利益」とは

 利益には「営業利益」・「経常利益」・「当期利益(税引前後)」の3つがあります。

「営業利益」は本業での利益、「経常利益」は経常的・反復的に生じる利益、「当期利益(税引前後)」は最終的な利益となります。

もちろん、どれも重要な利益なのですが、金融機関で一番多く使用されているのが「経常利益」です。

「営業利益」は支払利息や恒常的に発生する本業以外の収入が反映されませんし、逆に「当期利益(税引前後)」は、資産売却の損益等、特殊な要因が加味されてしまうため、企業の本来の償還力等を判定するのには「経常利益」が最適なのです。

もちろん、金融機関では「経常利益」の中に、恒常的でない保険返戻解約金等がある場合は、それらを控除し、本来の「経常的・反復的に生じる利益(=経常利益)」に修正して、その企業を判定する場合がありますので、小手先の調整は無意味に近いものがあります。

ちば会計

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