2012年2月27日 (月)

震災に勝つⅡ(復興支援・補助金、二重ローン問題) VOL.14 

― 復興支援・補助金 ―

 もうすぐ、あの大震災から早いもので一年が経ちます。前月のFPRでご紹介致しました「セーフティ共済」は、全く、セールス的な意味合いがないにも関わらず、大きな反響を頂き、ありがとうございました。

 そこで感じましたのが、やはりこの時代、如何に情報が必要かを痛感致しました。情報を如何に収集し、その情報を如何に活用するのか、それだけでも、経営に大きな力を与えられることを体験させて頂きました。これからも、皆様へ、重要な情報を発信出来る様、努めて参りたいと思います。

 さて、皆様もご存じの「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」ですが、第一次募集では179億円、第二次募集で234億円、そして直近の第三次募集では1651億円の補助が決定しており、私の担当先でも複数社、補助を受ける事が決まりました。

この補助金だけではなく、各公共団体、業界団体、NPO等も補助の募集をしておりますので、この時期、情報収集が最重要課題と言っても過言ではありません。

また、2/10には復興庁が発足し、「復興特区」と「復興交付金」がメインとのこと。「復興特区」に関しましては、当事務所の近隣で言いますと「千賀の浦観光推進特区」を塩釜市が早速、復興庁に申請した様です。


― 二重ローン問題 ―

 復興支援に関しましては、前述致しました補助金、助成金だけではありません。

個人の住宅ローンに関しましては、昨年中に個人版私的整理ガイドラインが策定され、一定の条件に該当すれば、債務免除を受けつつ、更に、俗に言います「ブラックリスト」にもならない様な手立てが確立されておりました。

 一方、事業者向けの二重ローン対策はこれから本格化致します。3/5に㈱東日本大震災事業者再生支援機構が業務を開始致します。しかし、どのような基準で支援していくのかは未だに不明、と言いますか、未だに決まっていないのが現状です。

 概要と致しましては、「大震災による被害により、過大な債務を負っている事業者であって、被災地域で事業の再生を図ろうとする皆様に対して、金融機関等が有する債権の買取りを通じ、債務の負担を軽減しつつ、その再生を支援する」ことが同社の設立主旨になります。

簡単に言いますと、皆様の既存の借入を支援機構が銀行から買い取り、その借入は(一部)免除します、そして、新たな借入でこれから事業再生しましょう、ということです。

 この支援基準に関しまして、2月の初めに、一般の意見を募集すべく、復興庁支援機構班から「支援案の概要」が発表されました。

そこで目に着いたのはこの算式です。

(算式:一部略)
(有利子負債-現預金-運転資金)/(利益+償却)≦15
という算式です。

以前、FPRvol9で全く同じことお伝えしておりますが、簡単に言いますと「正常な運転資金以外の借入を、儲け(利益+償却)の中から、15年以内で返済できるか」の判定になります。

事業計画を策定する場合、この算式を可能にする「目標利益」でなければなりません。この計算式ではなく、昔よく使用していた「税引き後当期利益+減価償却費≧年間元金返済額」という算式は、簡便的な計算には有効ですが、正式な事業計画書には不向きです。

 話は戻りますが、他の支援基準としては「支援後5年で営業黒字」「15年で債務超過が解消する」などが掲載されておりました。これから詳細が決定していくと思いますが、地元金融機関もとても厳しい状況ですので、今後の動向に注意していきたいと思います。

いずれに致しましても、これからの復興には、直接的支援である補助金だけではなく、この様な支援機構等も上手く活用し、マイナスの大震災を、プラスに変えていき、内部・外部留保を蓄積できる様、当社一丸となって、応援していきたいと思います。

 

千葉経営企画㈱、千葉和彦税理士事務所メインHP

 

 

2012年2月 1日 (水)

◆◆震災に勝つ(セーフティ共済・跳返力:ちょうへんりょく)◆◆ vol.13

― セーフティ共済 ―

 震災直後から、復興特需のあとは厳しい時代が予測されることは皆様にお伝えしている通りでございます。

 某信用調査会社でも毎月発表しておりますが、依然として、阪神淡路の4倍のペースで、企業が倒産しているのが現状です。

 しかも、そのほとんどは直接的被害によるものではなく、取引先や風評などの「間接的被害」による倒産であるのが実態です。

 皆様には、常々、経営計画立案の重要性をお伝えしておりますが、今回は違った手法で、ご提案してみたいと思います。

 それが、今回お話させて頂きます、中小機構の「セーフティ共済」の活用です。

 皆様も「セーフティ共済」という言葉、若しくは「倒産防止共済」という言葉を聞いたことがあると思いますが、自社は健全でも、取引先企業の破綻等により資金繰りが悪化した場合、貸付を受けられる制度です。

 つまり、前述したような、これから更に増加する可能性が高い、間接的被害による倒産を防止するには、最適な商品と言えるでしょう。

 また、このセーフティ共済の掛け金は全額が損金、つまり経費計上が出来る商品なのです。

 以前は、320万円までしか掛けることが出来ませんでしたが、今回の改正で800万円まで掛けることが出来る様になりました。

 更に、任意で解約する場合でも、40ヶ月以上掛けた場合、掛け金総額の100%が返戻される商品なのです。

 つまり、掛け金は全額経費、40ヶ月以上なら掛け金全額が戻り、尚且つ、間接被害による倒産の連鎖も防ぐことができるという商品です。

 前月号でもお話させて頂きましたが、現在、一部地域、一部業種では、震災前を遥かに超える経営実績を上げている企業様も多く見られます。

 特に、この様な企業様の場合、セーフティ共済に加入し、その掛け金を全額経費で利益を圧縮しつつ、万が一の場合は、セーフティ共済の貸付を受けることも可能ですし、無事何事もなく、40ヶ月を経過すれば、解約して全額返金(これは益金になります)を受ければ、ほとんど不利益はないものと思われますので、ぜひ、ご一考ください。

*ご加入に際しましては、代理店、HP等で商品内容を再度ご確認下さい。

―「跳返力」―

 平成24年の第1回目のオーナーズセミナーが1/14(土)に開催されました。今年は上場企業などにもコンサルティングをしている鈴木丈織先生をお迎えし「跳返力」について貴重なお話を頂きました。

 「跳返力」とは、英語では“Resilient Power”と言い、直訳では「回復力」という意味だそうです。今の宮城にはとても必要な「力」となるでしょう。

 お話の中では、過去を振り返ることで人間は「知恵」得る。その“知恵”と“意欲”と“勇気”が「跳返力」の源となるそうです。

 また、この「跳返力」の話の中では「真似をする」と言う事も重要だと鈴木先生が言っておりました。

 実は、私も先月の朝礼の際、あのスティーブ・ジョブズが好んでいた言葉の一つ、「優れた芸術家は真似(まね)をする、そして、偉大な芸術家は盗む」というピカソの名言を、当社職員に紹介しました。

 まさに、ピカソの言葉と同じお話で、とても感銘を受けました。

 企業経営をする上で、「真似」をすることはとても重要だと感じております。

 しかし、その「真似」だけで経営が上手くいくなら、失敗する人もいません。そこに皆様のオリジナリティを加えることで、それを「真似」した物以上の「新たな別物」にすることが、経営上、重要なのではないでしょうか。

 これから宮城には、この「跳返力=回復力」を地域全体で心し、この逆境を乗り越える必要があるものと考えます。

 また、私は中学時代からバドミントンをしておりますが、よく、筋トレをする際に使う言葉があります。それは、「超回復」という言葉です。

 簡単に言いますと、元々100の筋肉があり、筋トレにより10壊れたとします。そうすると、壊れた筋肉は、100に戻るのではなく、105、110の筋肉になろうとするのです。これが「超回復」という言葉です。

 この逆境を「跳返力」で乗り越えるだけでなく、このマイナスをプラスに変える「超回復」経営を目指していきましょう。

 そして、私達会計人は、それを全力で応援していきたいと思います。

千葉経営企画㈱、千葉和彦税理士事務所メインHP

2012年1月 5日 (木)

◆◆明るい未来へ(震災と自社株評価)◆◆VOL.12

― 震災と自社株評価 ―

 このFPRでも、年に一度は“自社株評価“で自社分析と事業承継対策を、と推奨しておりますが、今年、皆様は自社株評価をされましたでしょうか?自社株評価は、自社分析を実態(時価)で査定出来ることはもちろん、その株価を知ることにより、事業承継対策、相続税対策等にもなりますので、ぜひ、当社までご相談ください。

さて、今年の11月、国税庁より「調整率」の発表がありました。この「調整率」というのは、簡単に言いますと、今回の震災により、被災地においては、土地の価値が下落したため、 その下落分、税務上の評価も低く評価して良いです、というものです。

 24年分は路線価自体を下げるのか、再度調整率を採用するのかは不明ですが、言えることは、被災地の多くの箇所では、税務上の土地の評価が下がることは間違いなさそうです。

 この税務上の土地価格の下落は、前述しました“自社株評価”にも大きな影響がございます。特に、B/Sに占める土地の割合が多い法人の方は自社株評価が1/2、1/3となる場合も考えられます。もし、そうであれば、毎年贈与を計画的に実施している会社の方はもちろんですが、今まで、自社株の贈与をしていなかった方にとっては、一気に大きく株式の移動ができるチャンス(機会)となりますので、ぜひ、自社分析も兼ねて、“自社株評価”をご検討ください。

― 2011年から2012年へ ―

 2011年はまさに激動の一年となりました。あの大震災から、大きく地域経済も変化し、とりわけ、47都道府県別では、宮城県が8月以降、4ヶ月連続で1位の景気動向との発表もありました。実際に、私の実感と致しましても、個人消費を中心に好調な企業も多く見られます。

 しかし、一方では、阪神淡路大震災の4倍のペースで倒産しているという事実もあります。この4倍のペースにも驚きますが、これは金融円滑化法の下、銀行でも、返済猶予をしていての数値です。金融円滑化法も25年3月まで再延長される見通しですが、実際には阪神淡路大震災の4倍という数値ではなく、「隠れた倒産企業」が、想像を絶するくらいあることが予測されるのです。

 もし、「資金繰りが大変で返済猶予をしている」⇒「しかし、今は復興需要でまずまずの業績」⇒「だから、それなりに経営出来ている」という経営者の方がおりましたら、今こそ、一番重要な時期だと考えます。この景気は「幻」(まぼろし)です。

何度もお話しておりますが、それは阪神淡路大震災で立証されているのです。ここで、「今」しか見ない、見えない経営者の方、「将来」までを見据える経営者の方では、大きく結果は違ってくるものだと考えます。当社所長は、将軍の日(5ヶ年計画立案実践教室)で毎回、「経営者の方は、5年後、10年後を見据えて」というお話をさせて頂いておりますが、今、まさにそれが最重要課題の時と考えます。

 銀行でも、返済猶予後は、実抜計画(実現可能性の高い抜本的な経営再建計画の略)の進捗チェックに力を入れております。計画を作成するだけで、銀行を誤魔化せる時代はもう終わりました。

確かに、銀行は、金融円滑化法が施行されている間は、返済猶予にはほとんど応じてくれるでしょう、しかし、その後の経営が実抜計画と大きく乖離(悪い方に)していれば、銀行だって黙ってはいません。しかも、県内の地銀は2行とも公的資金を注入しており、銀行自身も体力が弱まっているのが現実なのです。

 つまり、2012年は企業経営者にとって、大きな「岐路」となることは間違いありません。特に、前述したような経営者の方、「幻」を見て満足している経営者の方にとっては、企業の「存続」にも影響が出る2012年になるものだと考えます。決して、マイナスだけではありません。

今のこの状況を、将来のプラスに変える。これこそが、経営者の皆様の「腕の見せ所」だと考えます。また、私達、会計事務所は、そのお手伝い、サポートをすることが使命だと考えております。あの大震災を乗り越え、明るい未来への始まりの年、2012年も皆様の期待に応えられる様、事務所一丸となって応援致します。本年も宜しくお願い致します。

 

 

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2011年12月 1日 (木)

◆◆言葉に騙されない!(債務者区分と不良債権)◆◆vol.11

 11月17日(金)に「上手なお金の借り方」(主催㈱青雲様 共催当社)というセミナーの講師をさせて頂き、主に、この「FP Report」でお伝えしている内容を柱として、“情報の共有”を目的にお話しさせて頂きました。大変多くの方々に参加頂き、この場をお借りして、御礼させて頂きます。

 今回は、そのセミナーでもお話致しましたが、ぜひ、皆様にも気をつけて頂きたい点をご紹介したいと思います。金融庁では以下の2つの事を公表しておりますので、ご紹介致します。皆様はどうご理解されますか?

① 震災の影響による赤字・延滞を「一過性」のものと判断できる場合には、債務者区分の引き下げを行わなくても良い

② 返済条件緩和など条件変更を行う際に、改善計画書が無くても、最長1年以内に策定出来る見込みがある場合には、不良債権とはなりません(金融円滑化法)

 前者は「債務者区分の引き下げを行わなくてもよい」、そして、後者は「不良債権とはなりません」ということです。一般の方々からすれば「つまり、債務者に有利なんでしょ!?」と思われるのではないでしょうか?全く違います・・・それでは説明を。

― 債務者区分と不良債権 ―

 銀行では、皆様から決算書を頂くと概ねこの様な流れで、皆様を評価します。

 まずは①自己査定:目的は銀行の資産である「貸出金」のリスクを把握し、銀行の決算時に償却・引当をするためです。つまり、貸出金のリスクを把握するために、債務者の状況を調査する訳です。それも、決算書を全て実態ベースに書き換えて行います。(BSは実態、PLは特殊要因の加減算)

 次に②債務者区分の判定:自己査定の結果、会社毎に、債務者区分を5段階で決めます。

 次に③不良債権の判定:債務者区分を元に、その保全状況等を加味し、貸出金を概ね4つの資産に分類し、不良債権を判定します。

 最後に④格付:決算状況による定量判定、業界動
向、後継者、経営資質等による定性判定の両面により判定し、債務者区分と整合性をとり決定します。

 まず①ですが「債務者区分の引き下げ」について公表しているものです。前述した順番を参考にすると、①自己査定をした結果、例えば、本来、債務者区分が“要注意先”の判定になるが、震災等で、一定の要件に該当する場合は、債務者区分を“正常先”として良い、ということです。これは皆様に対する評価上、有利な話になります。

 問題は②です。「不良債権とはなりません」という文言。これも前述した順番を参考にすると、①自己査定をした結果、債務者区分が決まりました、その債務者区分で計算した結果、一定の要件に該当する場合は、本来“不良債権”になるものを“不良債権としなくても良い”という話です。つまり、債務者区分については悪いままです。そして④をもう一度読んでください、債務者区分が悪いままであれば、それと整合性が必要な格付も悪いままなのです。そうです「不良債権とはなりません」という話は、皆様には一切関係ない話です。言葉の通り、「不良債権」とは銀行側の話なのです。

 金融庁のパンフレットを読んでください。「条件変更等の履歴があること“のみを”理由に新規融資を拒絶しないように監督します」とあります。そもそも、条件変更をしても、皆様への評価が変わらないのであれば、この様な文言が必要でしょうか?この文言が入れてあるのは、皆様への評価が下がるからこそ、Q&Aで掲載しているのです。

 そして、この言い回しです。“のみを理由に”という金融庁の表現、融資を断る際、謝絶された経験がある方は記憶にあると思いますが、謝絶確定の場合、ほとんどの銀行は、具体的な謝絶理由は言ってくれません。おそらく「総合的に判断して・・・」という表現がほとんどだと思います。

 私も色々なセミナーを受講する機会がありますが、ほとんどのセミナーが、この様な区別をすることなく、行われており、皆さんに誤解を与えるのではと?心配致します。

 
 不安定な時代が続きます。そして、これからも金融庁等から、この様な改正が出てくると思いますが、決して、拡大解釈、誤解等の無いように対応しましょう。

2011年10月31日 (月)

◆◆金利の仕組み◆◆ Vol.10

― 金利の裏側(住宅ローン編) ―

 震災以降、仙台の繁華街を見ると大変賑わっているようです。これは様々な経済動向指数にも出ているように、復興需要及び保険金支給により、個人消費を中心に県内は今のところ順調に推移している部分もあるようです。東北のコンビニの販売額が、過去最高の売上という状況には驚きました。

 住宅着工戸数においても、7月以降、東北は前年比で約10%の伸びを記録している様です。政策金利についても未だにほぼゼロ金利状態が続いているため、銀行の住宅ローン変動金利も2%前半が多いのが現状です。

 銀行で住宅ローンを組む際、よく聞くのが「変動金利と固定金利、どちらが得ですか?」という質問です。これの答えは、ずばり!!「分かりません!」が正解です。しかし、被災された方々は特に、この辺は敏感なところだと思います。そこで、住宅ローンの金利について少し説明したいと思います。

 まず、変動金利ですが、これは「短期プライムレート」という金利に連動しているのが一般的です。その「短期プライムレート」は銀行が独自に決めます。そして「短期プライムレート」は「政策金利」という金利が上下した時に、連動して上下するのが一般的です。

 簡単に言いますと「政策金利」が上下すると住宅ローンの変動金利も上下するということです。
昔は公定歩合が政策金利でしたが、今は「無担保コール翌日物」という金利が「政策金利」となっており、今は0.1%となっております。つまりは、もうこれ以上、下がる余地は極めて少ないということになります。イコール、住宅ローン変動金利もほぼ下がる余地は少ないということも言えるでしょう。

 また、住宅ローン変動金利には「固定金利特約」というものを選択できます。この「固定金利特約」は「金利スワップ」という手法で金利を調達しているため、Tokyo InterBank Offered Rate(円TIBOR)という金利が目安になります。

 これは期間毎(3年、5年、10年など)に、対応する金利が新聞紙上にも毎日掲載されております。実際に銀行の固定特約金利が変更されるのは月単位が多いため、新聞でTIBORを確認していれば「来月は適用金利が上がるかも?」とか「下がるかも?」という予想は可能です。

 結論ですが、住宅ローンには「変動金利」、「変動金利(固定特約)」そして「固定金利(全期間)」の3つが主流であります。「どれがお得?」という答えは「神のみぞ知る」ですが、一般的に、低金利の時は、借り手としては、フラット35等の固定金利型の商品を選択することが当然望ましいとされております。

― 金利の裏側(中小企業編) ―

 一方、事業資金の場合ですが、簡単に言いますと、短期借入は「短期プライムレート+信用度」、長期借入は「短期プライムレート+信用度+期間リスク」で適用する金利を決めております。(保証協会付や制度融資等を除く)
 

 つまり、短期借入の場合は「短プラとの差」が御社の信用度となります(長期の場合、契約書を確認する必要がありますので今回は割愛致します)。

 前述の通り、東北経済は今のところ順調に推移しており、過去最高の業績を残している企業もあります。当然、会社の業績が上がれば「信用度」が上がり、適用金利を下げる事が可能です。新規借入時はもちろん、手形借入の書替等も金利引下げの交渉をしやすいタイミングです。

 銀行員も人間です。金利上げる時ははっきり言いますが、金利を下げる時は自分からは言わないケースも多々あります。「金利高いから下げて」ではなく「業績順調ですし、経営改善も進めるので、出来れば金利を下げてもらえないでしょうか?」等の言い廻しで、是非、金利交渉してみてください。

2011年9月30日 (金)

◆◆万里一空◆◆VOL.9

― 正しい目標利益の捉え方 ―


 事業計画を作成する際、「利益はどのくらいあげれば良いですか?」という質問は良く聞きます。

 当社所長のエッセイでも従業員一人当たりの平均利益額が紹介されておりますが、財務的にはどう考えるべきかをお話したいと思います。

 この質問には2つの意味が考えられます。一つは所長のエッセイでお話した内容である「会社としての理想の利益額」、もう一つが今回お話します「うちの会社が存続するための必要な利益額」です。

 先日、東京で中期計画の研修に参加したのですが、その中でロケット理論の説明がありました。その理論では、事業計画作成の際、まず①「月」という明確な目標を持ち、②「月」に行くための方法の具現化を行い、③到達過程での的確な軌道修正を行う事、が必要ということです。

これ自体はとても賛同すべき理論ですが、ここでも出てくる問題、それが「利益(目標)はどのくらいあげれば良いですか?」ということです。

 つまり、「目標(月)」設定をどうするかという問題が発生するのです。そもそも、この目標を誤ると、月だと思って、具体的な方法を実行し、それに向けて軌道修正して、やっと到着したら「金星」でした・・・。ということさえあり得ます。ですから、目標設定が重要になる訳です。
 その目標設定時に最低限検討しなければならないのが「うちの会社が存続するための必要な利益額」の算出です。

 借入のある会社の場合、これを把握していなければ、「利益目標は達成したけど、倒産しました(EX 黒字倒産)」となる訳です。ここをおさえた上で、それ以上の目標「会社としての理想の利益額」を設定することが重要になります。

 さて、返済能力を算定する際、会計業界では未だに「税引き後当期利益+減価償却費≧年間元金返済額」という話を堂々としている方々が多々おります。

もちろん、それは間違いではないのですが、その時の「年間元金返済額」は「長期借入金の返済額」という場合がほとんどです。この考え方はかなり昔の考え方で、金融機関ではそんな単純な計算はしません。

以前もお話しておりますが、この論理が成り立つのであれば、赤字資金を手形(短期)で借入した場合、その借入は短期の借入なので計算上いつまでも返済する必要のない借入となります。

そんな話、誰が聞いてもありえない話です。また逆に、正常な運転資金を長期で借入した場合、「税引き後当期利益+減価償却費」という「利益」から返済すべきということになります。

 そもそも、正常な運転資金は売掛金等の回収により返済するものですし、正常な範囲の運転資金であれば、必ずしも利益で償還すべきものではありません。

 
 銀行側で返済能力を判定する場合、簡単に言いますと、「全ての負債-正常な運転資金-現預金」を「経常利益-税金-減価償却費」で割ることにより、何年で返済できるかを判定しております。(一般的には10年以内なら正常先)会計業界が言う、長期借入金とか、短期借入金とか、全く関係のない話なのです。

 つまり、「うちの会社が存続するための必要な利益額」を算出する場合の「年間元金返済額」は、簡便な方法をとる場合、「正常な運転資金以外の長期借入金の返済額」を使用することが考えられます。

 また、正常な運転資金以外の短期借入がある場合は、これは本来、利益から返済するべきものですから、長期借入金に借換し、上記計算にも算入し、計画的に返済することをお勧め致します。

 会計業界は「長期借入金は税引き後当期利益+減価償却費で返済する」という昔話から早く抜け出して欲しいものです。

会計業界は決算書・申告書を作るプロですが、銀行はそれを分析するプロなのです。例えば、「正常な運転資金」を算定する際も、決算書だけを見て計算することはありません。

そこに回収不能な売掛金はないか、不良在庫はないか等を考慮した上で、正常な運転資金を計算します。決算書は全て実態ベースに置き換えられるのです。

 本来の姿、実態ベースで経営判断し、本当の目標設定を見出すこと、これが全ての第一歩だと考えます。そして、その目標設定に向け「万理一空」の境地で一緒に頑張りたいものです。

2011年9月 5日 (月)

◆◆本当の姿(貸借対照表の面白さ・震災と債権放棄)◆◆VOL.8

― 貸借対照表(B/S)の面白さ ―

 今回は非常に簡単なお話をしてみたいと思います。経営者の皆様は最低年に一回は見ている「決算書」のお話です。ご存じのように、決算書は、主に「貸借対照表B/S」と「損益計算書P/L」とに分かれておりますが、今回はこのB/Sについてご説明したいと思います。

 まずB/Sとは、ある一定時期(期末)の資産・負債等を表すものです。

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 上記はB/Sの基本形です。まずは、この中で一番重要な「資産」について考えてみましょう。

 「資産」の中には、当然ですが、良い資産もあれば、悪い資産もあります。例えば、売掛金の中には「確実に回収できる」=「良い資産」もあれば、「実は回収が難しい」=「悪い資産」もあります。これは未収入金、貸付金等でも同じことが言えます。

例えば、決算書に添付されている科目内訳明細書を2期比較し、全く同じ金額が2年連続で売掛金計上されていれば、一目瞭然で「悪い資産」として見抜くことも可能です。(例外もありますが)

 また、土地も資産です。土地は購入した時の金額で計上されております。例えば、バブル時に購入した土地等は、今や、かなり安い金額になっているのではないでしょうか。逆に、昭和初期に買った土地等は、かなり高い金額になっているケースもあります。それでも、B/Sには購入した金額で計上されております。
 

 また、実は会社の資産なのに、このB/Sの「資産」に記載されていない資産もあるのです。その代表例が生命保険です。

 保険には、資産に計上される保険、経費に計上される保険があります。その経費に計上される保険の中に、解約返戻金がある保険がありますが、本来、これは解約返戻金という資産なのですが、B/Sの資産には計上されておりません。

これは、会計事務所等からのアドバイスで、決算対策のために加入した保険に多く見られるもので、解約返戻金の金額も何千万、何億となるケースもあります。これは隠れた資産となるわけです。

 つまり、皆様が普段見ているB/S(決算書)は会社の実態とは違う場合が多いということです。実態とは違うB/Sを使い、「流動比率が150%だから大丈夫です!」とか「自己資本比率が40%なので十分です!」という判断は出来ないということです。

 現に、銀行では皆様のB/S(決算書の)を、実態に即したB/Sに変更し、皆様の会社を判定(自己査定等)しております。ぜひ、これを機会に御社のB/Sを再評価してみてください。

― 震災と債権放棄 ―

 震災により、ローンやリースの二重債務が問題となっております。各リース会社では対応はケースバイケースの様です。リース事業協会でも8/22に発表しておりますが、二重債務問題の解消のため、制度の創設を要望しています。

 一方、個人の借入に関しては「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」が発表され、8/22から運用が始まっているようです。

簡単に言えば、「震災前の既存債務に関して、その債務の返済方法の変更や、債務の減免などが出来る、また、通常、この様な条件変更や債務の免除をした場合には、個人信用情報等に登録される(俗に言う:ブラックリスト)ことになりますが、その登録もしません」ということです。まだ、運用されて間もないため、詳細は不明ですが、勤務先が被災し収入が途絶えた場合等も該当するようです。

次に、この税務上の取り扱いについてですが、通常、破産や民事再生手続き等の法的整理の場合を除き、原則として、借金を免除してもらった場合、それは個人の収入となり税金が課税されることになります。

しかし、今回のガイドラインに沿った債務免除の場合は、私的整理であっても収入に入れる必要はないとの見解を国税局がしております。今後も、同様の債務整理問題で、法人の取り扱い、リース問題等、政府の対応に注目が必要です。

2011年8月 1日 (月)

◆◆震災とイノベーション(ドラッカーから学ぶ)◆◆vol.7

-ドラッカーから学ぶ-

 サッカー女子日本代表が見事にワールドカップという大舞台で優勝をしました。マスコミでも佐々木監督の指導方針について取り上げられておりますが、その監督の指導方針として「誠実さ」が重要と述べられておりました。

 私がその話を聞いたとき、一番に思いついたのが、昨年、大きく騒がれた「もしドラ」のドラッカーの言葉、そうです、「真摯さ」という言葉です。あらゆる指導者にはその気持ちが最も必要なのだと実感しました。

 さて、そのドラッカーは「企業の目的は顧客を創造する」ことと論じております。そして、そのためには「マーケィング(既にある欲求を理解し満足させる)」と「イノベーション(新しい欲求を創りだし満足させる)」が必要だとも述べております。そして、そのイノベーション(端的な意味は「革新」)に、一番必要な機会要素として「予期せぬ成功、失敗」そして「外部の予期せぬ変化」があると。

 今回の震災はまさしく、その「外部の予期せぬ変化」ではないでしょうか。現に、今回の震災で大きく売上を増加させている業種もありますし、阪神淡路大震災の被害額が10兆弱に対し、今回の大震災は17兆弱、一方、損害保険の支払いは前者が783億、後者は1兆を超えている現状を考えると、被災者の中には、被災前より現預金が増えている方々も多いと推測され、新たな顧客層を獲得するチャンスでもあると考えられます。と同時に、平常時にはないニーズもあるはずです。

 この様な大惨事を悲観的に捉えるだけではなく、イノベーションを興す、という位、前向きな経営者を私どもは精一杯応援していきたいと考えております。企業の原点に戻り、もう一回、「顧客を創造する=すべては顧客からスタートする」ことを第一に考えていきましょう。今は、その絶好の機会であると考えます。

 最後に、「もしドラ」映画版ではカットされておりましたが、やっとの思いで甲子園に出場した時のインタビューで、記者が生徒に対し「どんな野球をしたいですか?」という質問をしたのに対し、生徒は「あなたはどんな野球をしてもらいたいですか?」と答えました。これが全てのビジネスの出発点ではないでしょうか。

-低利資金調達のラストチャンス-

 7月の当社オーナーズセミナーでもお伝え致しましたが、今回の震災にあたり、様々な融資制度や保証制度が出ております。
 その中でも、日本政策金融公庫、商工中金の融資制度は、金利はもちろん、融資期間についても、運転資金15年、設備資金20年と、通常はあり得ない位の長期融資が可能な制度となっております。特に、商工中金の金利については、当初3年間1億円までは実質的に0.25%で調達することも可能な制度となっております。

 しかし、「貰えるなら良いけど、借りたら返さないと・・」という意見をよく耳にします。一般的には「良い借金」と「悪い借金」があり、その判断がまず必要となります。

 つまり、その借りた資金を「活きた資金」に出来るかが鍵なのです。また、震災により、本来の正常な運転資金を超える様な運転資金の借入をした場合は、その借入と同時に、返済負担軽減のため、固定費の圧縮や、既存借入の返済条件の変更等を検討する必要があります。

 当然、場合によっては、新規借入と条件変更を同時に申込する場合もあり得るでしょう。つまり、借入をするだけではなく、同時に経営改善にも注力する必要があるのです。

 最近では、「BCP」という言葉が紙面を賑わせております。これは事業継続計画と言い、災害が発生した場合でも、事業リスクをなるべく小さくするための計画を言います。中小企業庁では、BCPのポイントとして10のポイントを提示しておりますが、資金調達はその中の一部でしかありません。

 資金調達だけを見るのではなく、これからも余震が起きる可能性は十分にありますので、一度、社内でBCPを検討してみては如何でしょうか。

 最後に、日本政策金融公庫、商工中金の災害融資制度は今のところ、9/30までの実行が条件となりますので、資金調達をご検討する際は、早めの対応が必要です。

2011年7月 1日 (金)

◆◆震災と個人保険(損害保険・生命保険)◆◆VOL. 6 

― 震災と損害保険(個人) ―

 先日、あることを耳にしました。県民共済は今回の地震で、半壊以上の建物に収容されている家財に対し、保険金額の5%の見舞金を適用しているとのこと。この様な処置は、他の共済も同様の処置をしているらしいので、共済に加入の方はまず電話で確認することをお勧め致します。

共済でも、この様な処置をしている一方、某大手ハウスメーカー絡みの入居者保険では、入居時の保険申込に際し、「地震保険に加入しません」という文言に押印させる等、基本的に地震保険には加入できない保険に加入させており、今回の震災による津波で、全ての家財が無くなった場合でも、保険の対象とならない保険もあります。

基本的に家財保険を重複して加入することはできないため、極端な話、家財を捨てるつもりで入居する必要すらあるのです。この様な保険もあるので、契約時には十分確認する必要があります。

 また、日本損害保険協会によりますと、6/21現在、今回の震災での地震保険金の支払額が1兆円を超えたとのことでした。阪神淡路大震災では783億円ですから、既に13倍近い金額が支払いされている様ですので、家財保険、地震保険等へ加入している方は、一度、担当代理店まで確認することをお勧め致します。

また、今でも、一部保険を除き、新たに地震保険に加入することも可能な場合もありますので、重ねてご検討ください。

― 震災と生命保険(個人) ―

 次に、生命保険ですが、本来、この様な大規模な災害に関しては約款等で、支払いしない旨が定められておりますが、今回の震災ではこれを適用せず、各保険会社は死亡保険金を支払っております。

 昔は、生命保険の募集の際、縁故で勧誘することが主流でしたが、今では「必要保障額」や「ライフプラン」等の言葉を使い、「勧誘」から「コンサルティング」へ変わってきているのは、皆様も御承知の通りです。

 保険は「一生」の買い物です。保険を上手に加入するポイントは、「必要な保障額を堅持し、無駄な保険をかけない」という事です。仮に「自分は掛け捨ての保険は嫌いだ、必要保障額を下回っても、こっちの掛け捨てでない保険が良い!」という人がいたら、それは間違いなく「間違い」です。保険の貯蓄性を全否定することはありませんが、保険の主目的を蔑ろにして、貯蓄性を求めるのは、残念ですが「間違い」と言うほかありません。

 先程、保険は「一生」の買い物です、と言いました。つまり、生命保険は長期間の取引となります。貯蓄を銀行や証券会社でした人と、生命保険(会社)でした人、仮に20年後、皆様の貯蓄先が倒産しました(倒産しそうです)となった場合、どちらの人が痛い目に合うかは、皆様はおわかりでしょうか?

 最近はあまり聞かなくなりましたが「セーフティネット」という言葉を聞いたことがあると思いますが、セーフティネット以前の問題です。仮に20年後、銀行や証券会社が「倒産しそう」な場合は、預金や株、投資信託等は他の銀行や証券会社に移すことは容易です。

しかし、生命保険はどうでしょうか・・・?20年後、私は60才です、到底、別の保険会社に加入できる身体ではないでしょう、仮に加入出来ても、保険料は2~4倍位になります。つまり、銀行や証券会社とは違い、生命保険会社を変えるのは大変困難なのです。だから「必要な保障額を堅持し、無駄な保険をかけない」という事が重要なのです。

 ちなみに、保険会社が「倒産した」場合ですが、生命保険契約者保護機構でもこの様に述べております。「養老保険、終身保険、個人年金保険等、貯蓄性の高い保険の場合、将来の保険金等の支払に備えた責任準備金の積立額が比較的大きいため、責任準備金等の削減や、責任準備金の積立利率に相当する予定利率の引下げの影響が大きく、一般に保険金額の減少幅も大きくなる傾向があります」と・・・。

 守るべき人のため、必要保障額を想定し、適切な保険にさえ加入をしていれば、今回の様な想定外の震災で、仮に、万が一の事があったとしても、それは必ず「想定内」なのです。

2011年6月 1日 (水)

◆◆計画を立てる◆◆vol. 5

― 事業計画・行動計画を立てる ―

2011年度第一回目となる、経営者のための「中期5ヶ年計画」立案実践教室「将軍の日」が6/18(土)に開催されます。

 そもそも「5ヶ年計画を1日で完成させる」という神業の裏には、私たちサポーターも含めた、入念な事前準備が必要となります。昔の様に「夢や希望、やる気」“だけ”で計画を立案しても、ほとんど意味がありません。

もし、根拠なく「夢や希望、やる気」“だけ”で計画を立案した場合、その5ヶ年計画を単年度計画に落とし込みをし、単年度計画をアクションプランに落とし込む、そして、それを検証するという、いわゆるPDCAサイクルを実践する際に、現実とのギャップに面食らうのが目に見えるからです。

 金融機関においても、計画書には全て「根拠」があることが大前提です。

 笑い話ですが、ある企業に、将軍の日の事前準備のため、5ヶ年計画の素案を作成してもらった時のことです。立派な計画書がメールで送られて来て、「このまま補正もしなくて良いかな」と思う位、立派な計画書でした。

 私は、まず、それを印刷し、一つ一つ科目毎にチェックしていくと、何か不自然な点がチラホラ。よく見ていくと、計画値が全て端数まで計算されています。

 作成して頂いたのは、県内でも指折りの優秀な後継者の方でしたが、銀行員時代のアンテナが「ピーン!」と働きました。もう一度、メールを開き、添付されているエクセル(計画書)を開くと、そこには、年々、前年比で数%ずつ増加していくような計算式が、、、。「やっぱり・・・」という感じでしたが、これでは根拠ある計画書とは言えません。

 素案としてはもちろん十分ですが、入念な根拠ある補正が必要になります。これをお手伝いするのが、私たちサポーターの役目となります。

 そう言えば、ある銀行の頭取がゴルフをする時、こんなコース戦略を立てていることを聞いたことがあります。アベレージゴルファーの頭取は、PAR4 380ヤードのコース、ドライバーで200ヤードを飛ばします。次の2打目をどう攻めるかが問題です。

 ①もちろん3アイアンで180ヤードを狙う。②無難に6アイアンで150ヤードを飛ばし、次に30ヤードをアプローチする。大方、一般的にはこの2択でしょう。しかし、頭取は違います。ピッチングで90ヤードを2回打つそうです。アベレージゴルファーとは18ホールPAR72のホールを18打多い90前後で回るゴルファーです。

 つまり、各ホール+1打ですから、上記の場合、実質PAR5で回ることになります。①の場合、3アイアンはとても難しいクラブであり、アベレージゴルファーには180ヤードをオンさせることは至難の業です。②の場合、6アイアンは良いですが、残り30ヤードという距離感がとても難しい一打になります。

 それらのリスクを回避するために、ピッチングというミスの少ないクラブ、しかも、2打同じクラブで打つというプラスの材料を手にし、確実に3オン2パットで上がるそうです。実力的にアベレージゴルファーでありながら①を選択するということは「夢や希望、やる気」“だけ”で事業計画を立てるのと全く同じです。

 ①を選択するためには、まずは、練習で「実力」という「根拠」を積み重ねる必要があるのです。

― 「目標利益」と「必要利益」 ―

 「目標利益」と「必要利益」の違いを考えてみましょう。

 私がこの業界に来て気付いたことは、ほとんどの場合、「目標利益」の話しかなく、他社のセミナーでも言っていることは「目標利益」の話だけということです。

 しかし、「必要な利益」を考慮せずに「目標の利益」を決めて意味があるでしょうか?「目標の利益」は必ず「必要な利益」以上でなければ倒産します。

 「必要利益」とは簡単に言いますと「必要利益≧(年間返済額-減価償却費)÷(1-0.4)」で計算出来るという事は、何度もお伝えしております。

 ここで重要かつ難しいのは、「年間返済額」に入れる数値です。借入には、期間で言えば「短期借入」「長期借入」、資金使途(種類)で言えば「運転資金」「設備資金」、そして「赤字資金」もあります。

 これを判別出来なければ「必要な利益」は算出できません。この「必要利益」と最低限のCFを認識しておくのが前提ですが、昨今の状況下では、事業計画作成時に、忘れてはならない、大切なことがあります。

 それは「夢や希望」です。普段の私なら、「夢や希望なんていらない」と一蹴するでしょう。しかし、こんな状況だからこそ多めでも良いと思います。

 ある銀行の支店長が嘆いていたそうです。「みんなマイナス思考で、これでは貸せるもの貸せない」と。今の事業計画に大切なのは「夢や希望がありつつ、それに対し根拠がある事業計画」ではないでしょうか。

 「夢や希望」を叶えるために何をすべきか、それを実践するためにどうすれば良いのか、そのお手伝いをするのが我々の仕事であると考えます。

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