ナインデイズ 岩手県災害対策本部の闘い 河原れん:著 幻冬舎
東日本大震災後、短期間の間にあっという間に多くの書籍や雑誌が出版されました。どうしてこんなに早く本になってでてくるのだろう?などと驚きました。これは私だけでしょうか。被災地はいまだに現在進行形です。
ネットなどで情報が非常に早く、氾濫している時代だからこそ書籍という形にまとめられてしまうのでしょうか。ひと昔前であればある程度一段落したところで”本”になっていたと思いますが、今ではさまざまな事件や災害に関する本が区切りがつく間もなく書店に並びます。
そんな中たまたま手に取ったのがこの本でした。
平成23年3月11日、人々がどのように行動したのか?どのように救助活動が行われたのか?ということに関心を持ちました。
被災地にいながらも何もできなかった、そんな思いからかもしれません。仙台バイパスを走っていて聞こえた、間断のない自衛隊霞の目飛行場を離発着するヘリコプターの音が耳に残っています。
この本は、岩手県災害対策本部に医療班をつくり震災時の救助活動を指揮した医師の話です。警察、消防、自衛隊や中央省庁、各市町村などのいわゆる縦割り行政の弊害が常に付きまといますが、それを不眠不休で克服していった様子が描かれています。
(J.S)