ちば会計

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IT関連

2025年1月14日 (火)

暗号資産取引に対する課税 分離課税の“対象入り”は暗礁に!?

 暗号資産の譲渡による所得は、現行制度では原則として雑所得に該当し、他の金融商品が20%の申告分離課税の対象となる一方、暗号資産取引は申告分離課税の対象から除外されている。

こうした課税方法について、暗号資産交換業者等の業界団体である日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)や日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)では、以前より「20%の申告分離課税の対象とすること」「損失については翌年以降3年間、暗号資産に係る所得金額から繰越控除ができること」などを要望してきた(暗号資産デリバティブ取引も含む)。

 こうした業界団体による活発な動きを受けて、令和6年度税制改正では、発行者以外の第三者が継続保有する暗号資産について、一定の要件の下、期末時価評価課税の対象外とする見直しが行われたばかり。

 こうした流れもあり、いよいよ本丸である「申告分離課税の対象入りが実現するか」と話題になっていたが、石破総理は12月3日に行われた代表質問の中で「投資家保護規制が整備されている株式や投資信託のように暗号資産への投資を国が推奨することが妥当なのか、申告分離課税を適用することに国民の理解が得られるのか、などの課題があり、丁寧な検討が必要である」と答弁し、慎重な姿勢を示している。

令和7年度税制改正で申告分離課税の対象となる道はほぼ途絶えたと言える状況だが、引き続き動向を見守りたい。

2024年12月 3日 (火)

「フリーランス保護法」が施行 フリーランス取引の適正化など義務化

 11月1日に「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」が施行された。

内閣官房等が令和3年に共同で実施した「フリーランス実態調査」によると、フリーランスの約4割が報酬不払い、支払遅延などのトラブルを経験しており、同じく約4割が記載の不十分な発注書しか受け取っていないか、そもそも発注書を受領していないことが分かっている。

一般に「個人」であるフリーランスは、「組織」である発注事業者よりも弱い立場に置かれやすい。

そのため本法では、発注事業者に対して「フリーランスの就業環境の整備」や「取引の適正化」などを義務付けている。

「フリーランスの就業環境の整備」として、具体的には①給付の内容、報酬の額等を書⾯⼜は電磁的⽅法により明⽰すること、②特定受託事業者の給付を受領した⽇から60⽇以内の報酬⽀払期⽇を設定し、⽀払うことなどを定めているほか、「責めに帰すべき事由のない報酬の減額や返品」など7つの行為を禁止している。

また、「取引の適正化」としては、①募集広告に虚偽の表⽰等を行わないこと、②募集広告の内容は正確かつ最新の内容に保つこと、③育児介護等と両⽴して業務を⾏えるよう、申出に応じて必要な配慮をすること、④(発注担当者による)ハラスメント⾏為に係る相談対応等必要な体制整備等の措置を講じること、⑤継続的業務委託を中途解除する場合には、中途解除⽇等の30⽇前までに予告を行うことなどを義務付けている。

2024年10月31日 (木)

国税庁が勧める「優良な電子帳簿」 過少申告加算税が5%に軽減される

 国税庁が「優良な電子帳簿」を勧めている。

電子帳簿等保存とは、税法上保存が必要な「帳簿」、「書類」をパソコン等で作成している場合、(1)システムの説明書やディスプレイ等を備え付けている、(2)税務職員からのデータの「ダウンロードの求め」に応じることができること、を満たせば、プリントアウトすることなく、電子データのまま保存することができるというもの。

いちいち「帳簿」や「書類」を印刷してファイリングする必要がない。

 それでは、「優良な電子帳簿」とは何かというと、税法上保存が必要な「帳簿」について、上記の(1)(2)の要件に加え、(3)訂正・削除・追加の履歴が残ること、(4)帳簿の相互関連性があること、(5)取引等の日付・金額・相手方に関する検索機能があること、を満たすものは優良な電子帳簿として、その帳簿に関連する過少申告があっても、過少申告加算税の割合が原則10%から5%に軽減されるというものだ。

 この措置の適用を受けるためには、あらかじめ(法定申告期限までに)届出書を提出していることや、その課税期間の最初から優良な電子帳簿として備付け・保存を行っていることが必要。

ただし、すべての帳簿について、要件を満たす必要なく、一定の帳簿に限定されている。

優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の5%軽減措置の対象となる帳簿の範囲は、「仕訳帳」、「総勘定元帳」、「その他必要な帳簿」に限定されている。



2024年9月30日 (月)

7月のテレワーク実施率は22.6% 「情報通信業」が56.2%で最上位

 2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」移行後約1年、企業活動や社会生活がコロナ前の日常に戻り、テレワークが多様な働き方の一つとして位置付けられる中、多くの企業が出社とテレワークとの最適なバランスについて模索している。

パーソル総合研究所が発表した「テレワークに関する調査」結果(有効回答数3万1321人)によると、2024年7月のテレワーク実施率は22.6%で、前年同期比で微増だった。

テレワークが定着する傾向を見せている。

企業規模別にみると、24年7月には企業規模1万人以上の大手企業において、テレワーク実施率が38.2%で2年ぶりに上昇した(前年同期比2.8ポイント増加)。

テレワークについての企業方針(従業員回答)は、63.5%が「特に会社からの指示はない」と回答している。

企業規模1万人以上の会社のみ「出社/テレワークの割合について、目標値が設定されている」が微増した。

業種別にみると「情報通信業」が変わらず56.2%で最上位。

「学術研究,専門・技術サービス業」で前年より8.3ポイント増加の36.9%。

地域別には、関東圏が31.6%で最上位。

職種別にみると、「コンサルタント」(60.4%)、「IT系技術職」(59.0%)が高い。

その一方で「Webクリエイティブ職」(52.4%)1000年よりが12.1ポイント減少した。

2024年7月23日 (火)

日証協、ネット取引会員は35.6% ネット取引口座数は4546万口座

 日本証券業協会が発表した「インターネット取引に関する調査」結果によると、調査対象会員267社のうち、インターネット取引を行っている会員数は、3月末時点で95社(35.6%)と、2023年9月末の前回調査の93社と比べ2社の増加となった。

インターネット取引の口座数は、4546万口座と前回調査時から、339万口座(8.1%)増加。

このうち、有残高口座数は2771万口座と総口座数の61.0%(前回調査時61.3%)となっている。

 また、信用取引口座数も297万口座と、前回調査時から、35万口座(13.4%)増加している。このうち、有残高信用取引口座数は、信用取引口座数の51.3%に当たる152万口座だった。

 個人のインターネット取引の年代別口座数は、50歳代が951万口座(21.0%)と最多。

次いで40歳代の950万口座(21.0%)だった。

このうち、年代別有残高口座数は、50歳代が577万口座(20.9%)と最も多かった。

2023年10月から2024年3月までの6ヵ月間におけるインターネットを経由した株式等現物取引(上場投資信託(ETF)及び不動産投資信託(REIT)等を含む)の売買代金は、212兆9582億円、信用取引(同)の売買代金は、273兆579億円であり、合計で486兆161億円(前回調査比71.1%増)と大きく伸びた。

また、全会員の株式等委託取引の売買代金1367兆7442億円に占めるインターネット取引の売買代金の割合は、35.5%だった。

2024年7月12日 (金)

消費税の申告件数が約9割増加 2割特例適用の申告者は73万人

 国税庁が公表した2023年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況によると、2023年10月から開始されたインボイス制度の導入に伴い、2023年分の個人事業者の消費税の申告件数が、197万2千件(対前年比86.9%増)と、前年分から91万7千件、約9割増と大幅に増加したことが分かった。

 また、申告納税額についても、6850億円(同9.1%増)となっており、前年分から増加している。

 インボイス制度は、適用税率や消費税額を明記したインボイスが仕入税額控除の際に必要とされる消費税の新しい税額控除方式。

2023年中にインボイス発行事業者になった者は197万6千人で、そのうち期限内の申告者数は約9割に当たる174万4千人だった。

 また、免税事業者からインボイス発行事業者になった者は104万8千人であり、そのうち期限内の申告者数は87万5千人。全体の申告件数や納税額を押し上げた。

 申告したインボイス発行事業者174万4千人の内訳をみると、インボイス制度開始前から課税事業者だった者が86万9千人で、免税事業者からインボイス発行事業者になった者は87万5千人。

このうち、いわゆる2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)を適用した申告者数は8割強の73万4千人だった。

2024年5月24日 (金)

代表取締役等住所非表示措置創設 2024年10月1日から施行される

 代表取締役等住所非表示措置は、商業登記規則等の一部を改正する省令(2024年法務省令第28号)によって創設された制度であり、2024年10月1日から施行される。

代表取締役等住所非表示措置は、一定の要件の下、株式会社の代表取締役、代表執行役又は代表清算人の住所の一部を登記事項証明書や登記事項要約書、登記情報提供サービスに表示しないこととする措置だ。

 代表取締役等住所非表示措置の要件については、まず登記申請と同時に申し出ることがある。

代表取締役等住所非表示措置を講ずることを希望する者は、登記官に対してその旨申し出る必要がある。

また代表取締役等住所非表示措置の申出に当たっては、上場会社以外の株式会社の場合、上場会社以外の株式会社の場合の区分に応じた書面の添付が必要となる。

上場会社である株式会社の場合は、株式会社の株式が上場されていることを認めるに足りる書面の添付が必要となる。

 上場会社以外の株式会社の場合は、(1)株式会社が受取人として記載された書面がその本店の所在場所に宛てて配達証明郵便により送付されたことを証する書面等、(2)代表取締役等の氏名及び住所が記載されている市町村長等による証明書(例:住民票の写しなど)、(3)株式会社の実質的支配者の本人特定事項を証する書面(例:資格者代理人の法令に基づく確認の結果を記載した書面など)、までの書面の添付が求められる。

2024年4月23日 (火)

4月から始まる自動ダイレクト!法定納期限当日は納税額制限に注意

 国税庁が自動ダイレクトの開始をPRしている。

自動ダイレクトとは、e-Taxの申告等データを送信する画面で「自動ダイレクトを利用する」旨の項目が表示されるので、チェックを入れて送信すると、申告等データの送信と併せてダイレクト納付の手続きができる機能だ。

自動ダイレクトを利用すると、口座引落日は各申告手続きの法定納期限となり、法定納期限に自動ダイレクトの手続きをした場合は、その翌取引日に口座引落しされる。

 自動ダイレクトは、2024年4月1日以降、法定納期限が到来する申告手続き、法定納期限内に申告手続きをする場合、のすべての条件に該当する場合に利用できる。

また、利用に当たって、法定納期限当日に自動ダイレクトの手続きをした場合は、納税額に制限があるので注意が必要だ。

例えば、法定納期限当日に申告手続きをする日が2024年4月1日から2026年3月31日までは納税額が1000万円以下の制限がある。

 ダイレクト納付を利用した予納については、ダイレクト納付の利用者であれば、確定申告により納付することが見込まれる金額について、その課税期間中に、あらかじめ納付日と納付金額等をダイレクト納付画面により登録しておけば、登録した納付日に預貯金口座から振替により納付(予納)ができる。

納付日や納付金額が複数登録できるので、定期的に均等額を納付することや、収入に応じた任意のタイミングでの納付ができる。

2024年4月15日 (月)

全国の雇用型テレワーカー24.8% ハイブリッドワークが拡大傾向に

 国土交通省が公表した「2023年度のテレワーク人口実態調査」結果によると、雇用型就業者のテレワーカー(雇用型テレワーカー)の割合は、全国で24.8%(昨年度調査比▲1.3ポイント減)となった。

全国的に減少傾向である一方で、コロナ禍以前よりは高い水準を維持している。

 特に首都圏では、2022年度調査よりも▲1.9ポイント減少となったものの約4割(38.1%)の水準を維持している。

コロナ禍以降の直近1年間のテレワーク実施率は、全国どの地域においても減少傾向だったが、コロナ流行前よりは高水準であると推測される。

 テレワーク実施頻度については、直近1年間のうちにテレワークを実施した雇用型テレワーカーにおいては、週1~4日テレワークを実施する割合が増えており、コロナ禍を経て出社とテレワークを組み合わせるハイブリッドワークが拡大傾向にあると言える。

 テレワーク普及による個人や社会への影響について、よい影響としては、「通勤の負担が軽減される」といった声が、悪い影響としては、「運動不足になる、外出が減る」という声が多くみられた。

また、テレワークをするようになってからの生活満足度の変化を東京都市圏居住者に質問したところ、約4割が生活全体の満足度が上がったと回答。

個別項目では、「子育てのしやすさ」や「心の健康」への満足度が上がった割合が約3割と高かった。

2024年3月 8日 (金)

「特定一般教育訓練」の指定講座 新規指定146講座で計707講座に

 厚生労働省は、教育訓練給付の対象となる「特定一般教育訓練」の2024年4月1日付け指定講座を決定した。

今回、新規に指定する講座は、介護支援専門員実務研修、大型自動車第一種免許などの業務独占資格等の取得を目標とする課程など計146講座。

また、働きながら学びやすくするため、オンライン講座や夜間、土日の講座の充実も図っているが、オンライン講座は43講座、夜間講座は62講座、土日講座は69講座をそれぞれ新たに指定した。

「教育訓練給付」とは、労働者の主体的なキャリアアップを支援するため、厚労大臣が指定する教育訓練を受講・修了した際に、訓練経費の一部を雇用保険により給付するもの。

そのうち「特定一般教育訓練給付」は、速やかな再就職と早期のキャリア形成に資する講座について、受講する労働者が支給要件などを満たし、かつ、ハローワークで支給申請手続きを行うことで、受講修了後、受講費用の40%(上限20万円)を支給する。

特定一般教育訓練給付の対象となる講座は、これまでに指定したものを合わせると、2024年4月1日時点で707講座となる。

類型別内訳をみると、例えば、業務独占資格、名称独占資格若しくは必置資格の取得を目標とする養成課程又はこれらの資格の取得を目標とする課程(介護支援専門員実務研修、大型自動車第一種免許、特定行為研修など)が、新規144講座、給付対象講座数が654講座にのぼる。

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