ちば会計

2023年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

ニューノーマル

2023年2月 6日 (月)

コスト100円上昇で転嫁39.9円 上昇分の6割は企業負担の現状

 帝国データバンクが発表した「価格転嫁に関する実態調査」結果(有効回答数1万1680社)によると、自社の主な商品等におけるコストの上昇分の販売価格等への転嫁状況は、「多少なりとも価格転嫁できている」企業は69.2%となった。

その内訳は、「すべて転嫁」は4.1%にとどまり、「8割以上」12.7%、「5割以上8割未満」17.1%、「2割以上5割未満」は15.2%、「2割未満」20.1%。一方、「全く価格転嫁できていない」企業は15.9%だった。

 価格転嫁をしたいと考えている企業の販売価格への転嫁割合を示す「価格転嫁率」は 39.9%と4割を下回った。

これはコストが100円上昇した場合に39.9円しか販売価格に反映できていないことを示している。

単純な比較はできないものの、2022年後半の急激な円安の進行などで物価上昇のスピードに価格転嫁が追いつかない状態となった昨年9月時点と比べると、緩やかに価格転嫁が進んでいる様子がうかがえる。

 業種別にみると、価格転嫁率が比較的高い業種は「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」(66.0%)や「化学品卸売」、「紙類・文具・書籍卸売」(ともに 62.8%)で6割を超えた。

他方、比較的低い業種で「医療・福祉・保健衛生」(10.5%)や映画・ビデオ制作業やパチンコホールなどを含む「娯楽サービス」(12.7%)で1割程度にとどまった。

「運輸・倉庫」(20.0%)や「旅館・ホテル」(21.7%)も低水準となっている。

 



2022年12月 2日 (金)

税理士試験の合格者数は620人 最難関科目は消費税法の11.4%

 国税庁が公表した2022年度税理士試験結果によると、合格者は前年より35人(6.0%)多い620人。

第72回目となる今回の税理士試験は、前年から5.7%増の2万8853人が受験した結果、一部科目合格者は同9.9%増の5006人で、合格科目が5科目に達し税理士資格を取得した者は620人、うち、女性は全体の30.2%に当たる187人。一部科目合格者を含めた合格率は同0.7ポイント増の19.5%だった。

 合格者を学歴別にみると、「大学卒」が493人で最も多く、前年比58人増と全体を押し上げた。

次いで「専門学校卒」が59人、「高卒・旧中卒」が44人、「短大・旧専卒」16人、「大学在学中」が0人、「その他」が8人となっている。

 年齢別では、最多が「41歳以上」で274人と全体の44.2%を占め、以下、「31~35歳」の114人、「36~40歳」の112人、「26~30歳」の82人、「25歳以下」の38人の順だった。

 11科目ある試験科目の平均合格率は、前年(16.5%)を0.2ポイント上回る16.7%。

科目別では、「簿記論」が前年を6.5ポイント上回る23.0%でトップとなって全体の合格率を引き上げ、次いで、「固定資産税」が18.4%、「住民税」が17.2%で続いた。

一方、最低は昨年に引き続き「消費税法」が11.4%で最難関科目となった。

 ほかの主な科目では、「法人税法」12.3%、「所得税法」14.1%などとなっている。

 

2022年9月13日 (火)

正社員のテレワーク実施率25.6% 2月の第6波時の28.5%から微減

 パーソル総合研究所が、全国の従業員10人以上の企業の就業者を対象に7月13日~18日に実施した「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する調査」結果(有効回答数2万5360人)によると、従業員のテレワーク実施率は、新型コロナ感染拡大の第7波の傾向がみられていた調査時点で、正社員で25.6%だった。

2022年2月の第6波時の28.5%から微減(▲2.9ポイント)となった。

 雇用形態別にみると、「契約社員・嘱託社員」は15.0%、「派遣社員」は18.8%、「パート・アルバイト」が5.9%。

「公務員・団体職員」は13.4%だった。

2月時点と比較すると「公務員・団体職員」以外は微減傾向にある。

(正社員ベースの)テレワーク非実施理由の1位は「テレワークで行える業務ではない」で44.3%。

次いで「テレワーク制度が整備されていない」(30.8%)だが、過去からの推移をみると減少傾向にある。

企業のテレワークに関する企業方針は、「テレワーク推奨」(29.6%)と「テレワークを命令」(3.7%)の合計で33.3% となり、第6波時の38.6%から5.3ポイントのマイナス。

2020年4月以降で最低の数値となった。

「特に案内がない」も61.2 %と高い(正社員ベース)。

また、テレワーク実施率を業種別にみると、「情報通信業」が最上位で60.0%、「学術研究・専門技術サービス業」が36.9%と続く。

都道府県別では、「東京都」が44.6%で1位、2位が「神奈川県」で37.7%。

2022年6月15日 (水)

大学発ベンチャーは最多の3306社 「東京大学」が329社で最も多い

 2021年10月時点での大学発ベンチャー数は3306社と、2020年度で確認された2905社から401社増加し、企業数及び増加数ともに過去最多を記録したことが、経済産業省がこのほど公表した「2021年度大学発ベンチャー実態等調査」結果で明らかになった。

 また、大学発ベンチャーの企業情報を公開している「大学発ベンチャーデータベース」についても、本年度の調査結果を踏まえて更新している。

 大学発ベンチャーは、大学等における革新的な研究成果をもとに、経済社会にイノベーションをもたらす担い手として期待されている。

 大学別の大学発ベンチャー企業数をみると、引き続き「東京大学」が329社で最も多いものの、「京都大学」(242社)、「大阪大学」(180社)、「筑波大学」(178社)、「慶應義塾大学」(175社)など他大学の伸びも目立ち、多くの大学がベンチャー創出に力を入れていることがうかがえる。

 大学発ベンチャーにおける新型コロナウイルスの影響については、特に資金調達(投資)でネガティブな影響が見られた(311社が複数回答)。

47%の企業が「調達は予定していなかった」ものの、資金調達(投資)を予定していた企業では、コロナ禍により「調達先候補との接触が難しくなった」(26%)や「調達予定が見送られた」(10%)と回答した企業が多く、「予定調達額が下がった」との回答も8%あった。

2022年2月 1日 (火)

2021年の新規上場社数は125社 14年ぶりに100社を上回る!

 帝国データバンクは、企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録)などを用いて 2021年の国内IPO市場の動向について集計・分析した。

その結果によると、2021年のIPO社数は125社と、前年の93社から32社増加し、2007年の121社以来14年ぶりに100社を上回った。国内株式指標の堅調な推移に加え、2022年4月の東京証券取引所における市場再編を前に駆込み的に新規上場が行われていることも一因と考えられている。

 また、前年に新型コロナウイルスの感染拡大による影響で新規上場を見送った複数の企業がIPOを果たしたほか、アメリカの2022年の利上げ前の駆込み上場が要因の一つといった見解もある。

 業種別にみると、「ソフト受託開発」や「パッケージソフト」など『情報サービス』が36社で最も多くなった。

次いで、『その他サービス』(15社)が続き、『金融』(15社)も多くみられる。

総じて、新型コロナウイルスの感染拡大にともなうデジタル・IT関連サービス需要の急拡大を背景に、デジタルおよびITテクノロジーを活用するテック企業の新規上場が目立ち、2011年と比べて4倍となっている。

 なお、2021年のIPO企業の設立から上場までの期間は「18.8年」で、2011年の「21.9年」と比べて3.1年短縮した。

その原因として、設立から事業化・商品化までの期間が比較的短い IT関連企業の割合が大きくなった一方、ある程度の時間を要する製造業の割合が小さくなったことが言える。

 

 

2021年8月10日 (火)

「ギグワーカー」の急増から見えるものは?コロナ後を見据えた人材確保の好機到来か

インターネット経由で単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」が急増している。

   
人材仲介会社ランサーズが行った『フリーランス実態調査 2021』によれば、2018年と比較して日本のフリーランス人口は500万人以上増加し、約1,670万人になったことがわかった。

  
しかし、そんな中にあってもギグワーカーの賃金は高いとは言えない。

  
ウーバーイーツの配達員は歩合制のため時給が最低賃金を下回ることもあり得る。事故のリスクもあり、休業補償もない。
日雇い派遣が原則禁止である以上、個人事業主として業務委託契約を締結した形なのだから当然だが、働き手にとっては非常にリスキーな状況だ。

  
米国カリフォルニア州では「ギグワーカー」を保護する画期的な法律が昨年施行された。

  
一定の基準をクリアすれば、同州の最低賃金、残業代などが保証されるほか、病気休暇、失業手当、労災補償給付を受けられるものだ。

   
一方、日本ではコロナ禍を機に議論がスタートし、今年4月より一定の業種(芸能関係、アニメーション制作、柔道整復師)に限り、フリーランスにも労災保険への特別加入が認められたが、これ以外の業種はいまだ対象外だ。

  
そもそも企業側から見れば「ギグワーカー」は重要な戦力だが、社会保険料の負担を増やしてまで、短時間のタスクへの見返りを用意するのは厳しい。

  
ならばむしろ、この先「ギグワーカー」分の社会保険料を支払うことになるのであれば、正規に雇用してより大きな戦力になってもらうほうが相互にメリットがある。

  
五輪メダリストですら「ギグワーカー」となっている状況なのだから、ほかにも多数の優秀な人材が働き場所を探している可能性が高い。

  
コロナ後を見据えた先行投資を採用に注ぎ込むことで、想定以上の成果が得られる可能性は十分にあるのではないだろうか。

 

2020年8月27日 (木)

「70歳雇用」が努力義務となる意味 マネジメントも福利厚生もニューノーマルに

 今年3月に成立した改正高年齢雇用安定法(2021年4月施行)には、継続雇用制度が盛り込まれた。高齢者の働く機会が確保された意味と、企業がどのような対応を余儀なくされるか考えてみたい。

 

 まず、高齢者の就業機会が確保されることで、人手不足の解消効果が期待できる。人口減少が加速度的に進み、生産年齢人口も減少し続けているのだから、75歳以上に近づく人口のボリュームゾーンから労働力を生み出さなければならないのは自明の理だ。

 

家電量販店大手のノジマが、最長80歳まで雇用延長を決め話題となったが、インパクト狙いではなく危機感の発露からの施策なのではないだろうか。

 

 一方、高齢者に労働力が偏ることで、これまでにない問題が生じる可能性がある。たとえば、「年上の部下」は今でも珍しい存在ではないが、部署内でマネジメント職以外の全員が65歳以上になることもあり得る。

 

そうなると「高齢者マネジメント」に特化した研修プログラムをマネジメント人材向けに実施する必要も出てくる。

 

そして、福利厚生面ではメディカルヘルスケアのより一層の充実が求められる。健康診断の内容も、従来と同一というわけにはいかない。がんを抱えながら働く人材も珍しくなくなるだろうから、多職種の医療ネットワークとの緊密な連携も必要になるかもしれない。

 

 問題は、これらが遠い未来の話ではないということ。採用戦略も大切だが、同時にマネジメント職の研修や、医療面での福利厚生の充実を図れるかどうかが、企業の持続可能性を左右するのではないか。