ちば会計

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新型コロナウイルス感染症

2021年3月22日 (月)

コロナ禍で事業転換を図る企業に 大切な「VRIO」の視点とは?

 新型コロナ禍では、多くの企業が事業の見直しを迫られている。

 

国も事業の転換や再構築を支援するため事業再構築補助金という、過去に例のない規模の補助金を用意しているが、それが簡単でないことは言うまでもない。

 

「飲食店がデリバリー」というのも立派な事業転換だが、軌道に乗るかどうかは別の話だからだ。

 

企業はヒト・モノ・カネといった経営資源を使って活動するが、中でも大切なのが「競争優位をもたらす資源」。事業転換を考えるにあたっては、自社の経営資源が競争優位な状態にあるか分析・評価することが不可欠だ。

 

これを分析するフレームワークが「VRIO」。Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣困難性)、Organization(組織)の頭文字を取ったもので、これら4つが揃ったとき持続的な競争優位と経営資源が最大活用された状態が実現する。

 

 トヨタを事例にVRIOを確認してみよう。トヨタは、いわゆる「トヨタ式生産方式」で高品質・低価格を実現させており、戦略上の価値(Value)を有している。

 

また、トヨタの工場は「人とロボットの共同作業」によって高品質と低価格を両立させるという特異なアプローチを取っており、希少性(Rarity)がある。

 

さらに、トヨタのような生産性を実現するには「自働化」の思想や部品メーカーとの連携が必要で、模倣困難性(Imitability)が高い。そして、不具合に即時対応するなど様々な面で組織(Organization)的な対応が行われている。

 

 実は、こうした競争優位性が、事業再構築補助金の審査においてもキーポイントとなる。フランチャイズ化にかかる費用(加盟料は対象外)も対象となるほど“懐の深い”補助金だが、だからといって、単にフランチャイズに加盟し新事業を始めるだけでは、採択されない可能性は小さくない。

 

 補助金を得るために事業を転換するわけではないが、少なくともこの補助金にチャレンジすることを通じて、企業は自社の競争優位性を再確認するよい機会になるだろう。

 

 

2021年2月13日 (土)

テレワーク人口は2,000万人に迫るも減少傾向 マイナス面をカバーするカギは、やはり「デジタル」

 野村総合研究所(NRI)の調査によると、昨年12月時点で、日本のテレワーク対象者が約2,000万人に上ることが分かった。

このうち420万人は年間120日以上テレワークを行っており、テレワークが急拡大していることを裏付ける結果に。

ただし、このまま社会に定着するかといえば、必ずしもそうとは言えない。

 

「自身はテレワーク対象者」と答えた人のうち、7.3%は「足元1か月間にテレワークを行っていない」と回答。多くの人がテレワークを行う“権利”を持ちながら、実際には行っていない状況も見えてくる。

 

 なぜ、そのような現象が起こっているのか?

 

調査ではテレワークのマイナス面についても質問しているが、「テレワークで仕事上の不安やストレスが強まる」「出勤へのプレッシャーを感じる」「テレワークをしていると罪悪感がある」といった回答が多数を占めた。

 

多くの人が「出社して、同僚と一緒に働くことが仕事」と考えており、自宅で、一人で仕事をすることに対して違和感を覚えている模様。NRIはこうした調査結果について「規範意識が強い人ほどテレワークのマイナス面を感じている」とコメントしている。

 

 では、企業がよりテレワークを推進するには何が必要だろうか。

 

ヒントとなるのは、同じくNRIが行った「コロナ禍における消費者の生活満足度」に関する調査。この調査では「対面のコミュニケーションが減った人ほど、生活満足度が低い」ことが示されているが、これはテレワークにもそのままあてはまるだろう。

 

コミュニケーション機会が減ることで、仕事に対する充足感を感じにくくなるのだ。一方、調査では「デジタル活用が進む人ほど生活満足度が高い」ことも判明。コロナ禍で失われたコミュニケーションは、デジタルにより補完可能であることを意味している。

 

すでに言われていることだが、テレワーク推進においては、デジタルツールを活用してプラスの部分を引き出しつつ、同時にマイナスを小さくすることが重要だろう。

 

 

2021年1月18日 (月)

テレワークの導入費用に注意! 「支給」、「貸与」で異なる課税

 新型コロナウイルス感染症の対策や働き方改革の一環として、テレワークやリモートワークでの在宅勤務を導入する企業が急増している。

 

そのため従業員は、自宅で職場と同様の環境で仕事ができるよう通信環境の整備や作業スペースを整える必要があり、従業員の経済的負担も増えることになる。

 

企業側は、従業員が自宅でも効率的に仕事ができるように、業務に欠かせない物品を全額負担して用意することが一般的だ。

 

 それでは、企業側が、通信環境の整備等業務に必要なPCやモニター等のICT機器や椅子などの器具備品などを会社の負担で用意し、従業員に「支給」した場合、課税関係はどのようになるのか気がかりなところだ。

 

 給与所得を有するものがその使用者から受ける金銭以外の物(経済的な利益を含む)でその職務の性質上欠くことのできないものとして、所得税法関連の政令で定めるものは非課税所得となっている。

 

 しかし、その政令で定めるものの中にはテレワークで必要とされる物品は明記されていないことから、非課税対象にならないので、原則現物給与として課税の対象となる。

 

 では、会社にある備品や必要な物品を購入して従業員に「貸与」して、テレワークのためだけに使用した場合はどうなるのか。

 

「貸与」の場合は、資産の所有権は会社側にあり、従業員には返却の義務があることから、課税関係は発生しない。

 

 

 

2020年12月 3日 (木)

ポルシェが体験型施設の開設を発表! あえて今フィジカルな接点を求めるワケは?

 ポルシェが、千葉県木更津市にブランド体験施設を開設すると発表した。2021年夏にオープン予定で、建設予算は約50億円。

 

周回距離2.1kmで、ドイツ・ニュルンベルクのカルーセルやアメリカ・ラグナセカのコークスクリューなど、世界に冠たる有名サーキットの名物コーナーを再現。

 

さらに、地形を活かした立体構造となっており、コーナリングに定評のあるポルシェのブランド価値を体感するこの上ない機会になることは間違いない。

 

 しかし、なぜポルシェはコロナ禍の今、巨額な投資をしてまでフィジカルな体験型施設を誕生させるのか。

 

記者会見で、ポルシェジャパンのミヒャエル・キルシュ社長は「思春期の息子に恋愛を説明しているが、恋に落ちる瞬間は体験しないとわからない」と発言。

 

同社は全世界でVRテクノロジーを導入し、初のEVである「タイカン」も販売店でVR体験できるが、やはりリアル体験の価値は別物との認識を示した格好。

 

このコロナ禍でも日本の新車販売が前年同期比5.1%増と堅調を維持しているだけに、キルシュ社長の言葉は説得力をもって響いてくる。

 

 こうした「経験価値マーケティング」を重視しているのはポルシェだけではない。世界最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマートは、体験型イベントへの投資を増やしている。

 

もちろん、ウォルマートがリアル体験にこだわる背景には、Amazonの存在がある。

 

ポルシェがプレミアムなドライブ体験を提供するのも、他社との差別化を図り、ブランド価値を維持するのが目的だ。

 

コロナ禍は長期化が見込まれているが、いずれやってくるアフターコロナは反動でリアル体験が従来以上に重視される可能性もある。

 

そのときを見据え、感染防止策の徹底に配慮しつつリアル体験を提供する試みに着手するべきタイミングかもしれない。

 

 

2020年11月 5日 (木)

PCR検査費用の医療費控除適用医師等の判断での検査費用はOK

 新型コロナウイルス感染症の収束が秋に入っても見えてこないなか、ここに来て自費によるPCR検査の普及に伴い検査人数も増加傾向にある。

 

そこで気になるのがPCR検査費用は医療費控除の対象となるのかどうか。

 

 国税庁によると、医療費控除の対象となる医療費は、(1)医師等による診療や治療のために支払った費用、(2)治療や療養に必要な医薬品の購入費用などとされているとした上で、

 

新型コロナ感染症にかかっている疑いのある者へ行うPCR検査など、医師等の判断によりPCR検査を受けた際の検査費用は、医師等による診療や治療のために支払った費用に該当するので医療費控除の対象となると指摘した。

 

 ただし、公費負担により行われる部分の金額がある場合には、その部分は医療費控除の対象とはならない。

 

また、医師等の判断によりPCR検査を受ける以外に、単に感染していないことを明らかにする目的で受けるといった自己の判断により受けたPCR検査の検査費用は、医療費控除の要件には該当しないため控除の対象には当たらない。

 

 しかし、PCR検査の結果、「陽性」であると診断され引き続き治療が行われた場合には、その検査は健康診断により病気が判明して治療が行われた時と同じように、治療に先立って行われる診察と同様に考えることができることから、その場合の検査費用については、治療費とともに医療費控除の対象となるとしている。

 

 

 

2020年10月21日 (水)

消費税率引上げ等の影響を調査 33%の事業者が売上減少と回答

 日本商工会議所が会員企業を対象に実施した「中小企業における新型コロナウイルス感染拡大・消費税率引上げの影響調査」結果(有効回答数3850社)によると、

 

昨年10月の消費税率引上げ後の売上について60.7%の事業者は不変としたものの、約3分の1に当たる33.1%の事業者は売上減少と回答した。

 

 さらに、今年に入ってからの新型コロナウイルス感染症の発生・拡大・蔓延により83.7%の事業者は売上減少と回答している。

 

 この消費税引上げと新型コロナウイルス感染症のダブルパンチの影響で今後も売上の大幅減少が続くとみている事業者は70.9%と約7割にも及んでいる。

 

取引形態別でみると、BtoC事業者のほうが、消費税率引上げや新型コロナウイルス感染症の影響をより強く受けている。

 

特に、消費税率引上げ後に売上が減少したと回答した事業者の割合は、BtoB(26.2%)よりもBtoC(36.6%)のほうが10ポイント以上多い。

 

 2023年からスタートする「インボイス制度」の導入への準備状況・導入後の対応予定等については、「請求書等発行や経理・受発注等に係るシステムの入替・回収等を行っている」事業者は5.5%に過ぎず、65.8%の事業者がインボイス制度導入に向けて「特段の準備を行っていない」と回答。

 

特に売上高1千万円以下の事業者ではその割合は77.2%と約8割に達するなど小規模事業者ほど準備が進んでいないことが明らかになった。

 

 

コロナ禍で従業員エンゲージメント低下は必至 流動化を見据えた「タグ付け人脈資産」が有効

 新型コロナ禍でテレワークが普及。それに伴い残業時間が減り、結果として収入も落ちている。

 

厚労省の調査よれば、所定内給与が前年同月比0.1%減(244,547円)であるのに対し、所定外給与は14.0%と大幅に減少した(16,617円)。

 

そうなると、副収入を求める動きが活発化するのは必然。MMD研究所が実施した調査によれば、半数以上が副業に関心を持っており、すでに副業をしている人の16.2%が緊急事態宣言発令後に副業を開始。

 

これらの事実は、従業員の組織に対するエンゲージメントの低下が避けられないことを意味している。

 

 もちろん、エンゲージメント向上策を打つのは重要。しかし、所定外とはいえ給与を下げたうえで、会社への貢献度を深めてくれと要求するのは図々しい。

 

むしろ、終身雇用制と年功序列賃金によって担保されていた旧来のエンゲージメントは特殊だったと考えるべき。

 

あらかじめ職務内容を定めて成果で評価するジョブ型雇用が増えているのもその表れであり、雇用の流動性が高まる前提の人事戦略を構築したほうが建設的だ。

 

では、どのような戦略が有効か。ヒントとなるのは、シリコンバレーで広がっているプロジェクトごとのチーム編成だ。世界中の人材とネットワークを築き、案件に適した人材へ声をかけて都度アライアンスを組むスタイル。

 

雑誌や書籍などの編集現場やイベントの企画・運営などでも同じ手法が採用されているが、それをよりシステマティックに実施すれば幅広いニーズに応えられる。

 

 そうしたチーム編成を有機的に行うには、人脈をデータベース化して組織内で共有・可視化しなければならない。

 

名刺レベルの情報ではなく「何に強いか」「どんな実績があるか」といったタグ付けをスレば、より価値が高くなる。

 

今や名刺のデータベース化は常識となりつつあるが、一歩踏み込んで深みのあるデータに仕上げれば、サステナブルな人脈資産としてビジネス創出にも役立つだろう。

 

 

2020年7月28日 (火)

国連がメンタルヘルス対策の必要性を提言 テレワークでの効果的なマネジメント方法を検証

 国連は5月に「COVID-19およびメンタルヘルス対策の必要性」と題した政策提言を発表。コロナ禍の影響により、メンタルヘルス上の問題の「数と深刻度」が長期的に増える可能性が高いと警告した。

 

 7月下旬現在、日本国内で再び新規感染者が多数出ていることを踏まえると、この国連の指摘は重い。毎日顔を合わせることで変化に気づくことができたが、テレワークではそれが困難になるからだ。

 

 では、どう対策すべきか。手っ取り早いのは、定期的にオンラインミーティングを行うこと。上司と部下が1対1で行う「1on1ミーティング」は、コミュニケーションを深められるものの、近すぎるというデメリットもある。

 

本音を引き出すならば、「2on1」や「2on2」など複数が参加するほうが、メンタルケアという点では適している。

 

 上司が判断するのではなく、客観的なデータを計測する方法もある。生体センサー事業を展開するWINフロンティアは、スマホのカメラで指先の皮膚の色変化から脈拍を計測し、感情やストレス、疲労、集中度を推測するアプリを開発。

 

音声感情解析AIを開発しているEmpathは、喜怒哀楽と気分の浮き沈みをリアルタイム判定するサービスを生み出した。

 

 こうした最先端技術が、メンタルケアにどれだけ貢献するかは未知数だ。しかし、少なくともテレワークの中で、従業員を放置せず常にフォローする姿勢を見せることにはつながる。

 

その姿勢を折に触れて社内外に見せていくことで、従業員のエンゲージメント向上に寄与するのは間違いない。

 

 

「ギグワーカー」の急増から見えるものは? コロナ後を見据えた人材確保の好機到来か

 インターネット経由で単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」が急増している。

 

コロナ禍に伴う雇用環境の悪化を背景に、主要4社を中心とする仲介サイトの上半期新規登録者は100万人に達する見込み。一方、決して「ギグワーカー」の賃金は高いとはいえない。

 

ウーバーイーツの配達員は、完全歩合制のため時給が最低賃金を下回ることも。それでいて事故のリスクもあり、休業補償もない。個人事業主として業務委託契約を締結した形なので当然だが、働き手にとってはリスキーな状況である。

 

 米カリフォルニア州では「ギグワーカー」を保護する法律が今年1月に施行され、一定基準をクリアすれば同州の最低賃金、残業代などが保証されるほか、病気休暇、失業手当などを受けられるように。

 

 一方、日本ではコロナ禍を機に議論が始まったものの、社会保障費の抑制が政府の命題となっている以上、劇的な改善は期待できない。

 

そもそも企業側から見れば、「ギグワーカー」は戦力ではあるが、社会保険料負担を増やしてまで、短時間のタスクへの見返りを用意するのは厳しい。

 

むしろ、正規雇用し、より大きな戦力とする方が相互にメリットがある。地方を始め人口減少の進むエリアでは、人材確保が企業の持続可能性を保つための最重要課題。

 

五輪メダリストですら「ギグワーカー」となっているいま、優秀な人材が働き場所を探している可能性が高い。コロナショックで「そんな余裕はない」と考える向きもあるが、そんな状況だからこそ想定以上の成果が得られる可能性は十分にある。

 

 

19年分所得税等の確定申告状況 納税額は5年ぶり減少の3.2兆円

 2019年分所得税等の確定申告は、新型コロナの影響から申告・納付期限を4月16日まで延長したが、国税庁が公表したその確定申告状況によると、所得税の確定申告書を提出した人は、前年を▲0.8%下回る2204万1千人となり、5年ぶりに減少した。

 

申告納税額がある人(納税人員)は▲1.3%減の630万人となり、2年連続の減少。

 

納税人員の減少に伴い、その所得金額も▲1.2%下回る41兆6140億円となり、5年ぶりに減少した。

 

申告納税額も、前年を▲2.0%下回る3兆2176億円と、5年ぶりの減少。

 

 申告納税額は、ピークの1990年分(6兆6023億円)の半分程度(48.7%)に過ぎない。

 

 還付申告者数は、前年分から▲0.2%減の1302万5千人と、4年ぶりに減少したが、申告者全体の約59%を占めている。

 

 一方、贈与税の申告状況をみると、贈与税の申告書を提出した人員は48万8千人で前年分比▲1.2%減、うち納税人員は35万5千人で▲1.4%減少し、その申告納税額も2500億円で▲10.3%減少した。

 

贈与税の申告書提出人員のうち、暦年課税を適用した申告者は▲1.1%減の44万6千人、うち納税額がある人は▲1.4%減の35万2千人、その納税額は▲13.2%減の2173億円。

 

また、相続時精算課税制度に係る申告者は前年分に比べ▲1.4%減の4万2千人と減少したが、うち納税額があった人は2.1%増の3千人、申告納税額は15.1%増の327億円と増加した。