ちば会計

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事業承継

2021年7月 5日 (月)

“超高齢化”で大きく変わる起業スタイル 「経営資源引継ぎ型創業」は定着するか?

 4月末に中小企業庁が取りまとめた「中小M&A推進計画」の中で、同庁は「今後5年間で、リスクやコストを抑えた創業を促進すること」を表明した。

 

リスクやコストを抑えた創業とは、「他者の経営資源を引き継いで行う創業=経営資源引継ぎ型創業」のこと。要するに、ゼロから創業するのではなく、すでにある会社をM&Aし、その会社で新規事業をはじめるという新しい創業のスタイルである。

 

 中企庁が経営資源引継ぎ型創業を促進する背景には、中小企業経営者の高齢化問題がある。

 

中企庁の公表データによると、2025年に70歳を迎える中小企業経営者はおよそ250万人で、うち半数は後継者不在。このままでは“廃業ラッシュ”が避けられない。そこで目を付けたのが、すでに欧米で普及しつつある「経営資源引継ぎ型創業」というわけだ。

 

 ただ、日本の社会に定着するかは未知数だ。

 

最大のハードルは資金の問題。株式の買取資金を用立てる必要があるため、一般的な創業に比べてお金がかかる。

 

中企庁が方針を打ち出したことで態度が一変する可能性はあるが、政府系金融機関ですらまだ腰が重く、融資を受けられる保証もないのが現状である。

 

それから、経営資源引継ぎ型創業を支援する専門家がいないことも問題だ。トラブルを避けるためにも、買収する企業のデューデリジェンスが必須で、どうしても専門家の協力を仰ぐことが必要になる。

 

しかしながら、M&A取引のアドバイザー報酬は「成功報酬型」が通例で、何らかの理由で取引が頓挫すると無報酬になるため、スモールな創業案件に積極的に関与したがる専門家は少ないだろう。

 

「事業承継・引継ぎ補助金」で一部の費用は補填できるものの、それでも「リスクや工数に見合った報酬を得ることは難しい」と見る専門家は少なくない。

 

 費用は掛かるが、創業によるリスクは通常より低く、「人脈を作りやすい」などメリットも多い経営資源引継ぎ型創業。社会に定着させるには、大胆な行政による支援が必要だろう。

 

 

 

2021年6月 7日 (月)

事業承継・引継ぎ補助金の申請受付が間もなく開始 支援業者への手数料やデューデリ費用も対象

 6月11日(金)より、事業承継・引継ぎ補助金の申請受付がスタートする。

 

この補助金は、従来の「事業承継補助金」と「経営資源引継ぎ補助金」が一本化され、令和2年度から制度を一新して運用されているもの。

 

事業承継を契機に新しい取り組み等を行う中小企業や、近年増加しているM&Aにに取り組む中小企業を支援することを通じ、企業の新陳代謝を加速し、経済を活性化させることを目的とする。

 

 同補助金には、「経営革新」「専門家活用」の2つの類型があり、「経営革新」はさらに「創業支援型」「経営者交代型」「M&A型」の3つのコースに、「専門家活用」は「買い手支援型」「売り手支援型」の2つのコースに分かれている。

 

前者の「経営革新」は、補助率2/3、補助上限400~800万円。後者の「専門家活用」は、補助率2/3、補助上限400万円。

 

いずれの類型も、廃業を伴う場合には、200万円を上限に廃業費用の補助を受けることが可能だ。

 

 ところで、M&Aにおいては、取引成立時に仲介業者に成功報酬が支払われるが、この金額は、案件の規模により変動するが、一般に譲渡価格の1~5%程度と高額。

 

これを嫌ってM&Aに踏み込めない経営者は少なくない。こうした事情に鑑み、「専門家活用」のコースでは、M&支援A業者に対するアドバイザー報酬やデューデリジェンス費用が補助対象とされており、極めて画期的だ。

 

 このようにM&Aシーンで活用が期待される同補助金だが、行政手続きの電子化の流れを受け、電子申請のみの受け付けだ。

 

申請に必要な「gBizIDプライム」は取得に2週間程かかるため、申請を考えている場合は、事前に手続きを済ませておきたい。

 

 

 

2021年5月31日 (月)

TRANBIと帝国データバンクが業務提携 信用調査報告書を閲覧できるサービスを開始

 国内最大級の事業承継・M&Aプラットフォーム「TRANBI(トランビ)」を運営する株式会社トランビと株式会社帝国データバンクが、業務提携契約を締結することを発表。

 

5月20日より、TRANBI上で帝国データバンクの信用調査報告書を閲覧できるサービスをスタートした。

 

 中小M&Aにあたって問題となるのが、買い手と売り手の間にある「情報の非対称性」だ。売り手は自社が行うビジネスの強み、弱みなどを十分に把握している一方で、買い手は、そうした情報を自己で調査・収集し、最終的に買う、買わないという選択をしなければならない。

 

もちろん、売り手から情報提供されることが理想的ではあるものの、譲渡価格に影響するようなマイナス要因を開示しない可能性だって十分に考えられる。こうした非対称性がM&Aの成約率にも大きく関係しており、中小M&Aを推進していく上では、この解消がカギを握っている。

 

 今回発表された信用調査報告書を閲覧できるサービスは、まさに「情報の非対称性」を解消する手段として期待されている。

 

閲覧できる情報は、代表者の情報(社長の経営経験、リーダーシップ)や最大6期分の業績、メインバンクとの関係や資金調達力、財務諸表や、帝国データバンクによる財務諸表分析結果など実に様々。

 

中立的第3者による情報、しかも帝国データバンクの保有する情報とあって信頼性は高いが、閲覧には最低でも12万円以上のコストがかかる。

 

しかし、買収後に失敗するリスクを考慮すれば決して高いものではないし、いまなら「事業承継・引継ぎ補助金」で費用助成を受けることも可能だ。

 

 

 

2020年8月 9日 (日)

19年度物納申請は61件で大幅減 ピーク時92年度の0.01%まで減少

 国の税金は金銭による納付が原則だが、相続税は、財産課税という性格上、延納によっても金銭納付が難しい理由がある場合は、一定の相続財産による物納が認められている。

 

 国税庁がまとめた2019年度相続税の物納申請状況等によると、今年3月までの1年間の物納申請件数は61件で前年度から▲38.4%(38件)減少、金額も186億円で同▲42.6%(138億円)減少と、件数、金額ともに大幅に減少した。

 

 物納申請件数は、バブル崩壊後の1990年度以降、地価の下落や土地取引の停滞などを反映して著しく増加した。

 

それまで年間400~500件程度に過ぎなかったものが、バブル期の地価急騰及びその後の地価急落で、路線価が地価を上回る逆転現象が起こり、土地取引の減少から土地を売ろうにも売れず、1990年度に1238件、1991年度に3871件、そして1992年度には1万2千件台まで急増した。

 

 しかしその後は、事前に相続税額を試算して納税準備をするなど相続開始前から納税対策を行う納税者が増えたことなどから、1999年度以降は年々減少している。

 

2019年度は大幅の減少となったが、ここ10年間は1989年度(515件)以来の1千件割れが続いている。

 

 2019年度の申請件数はピーク時1992年度(1万2778件)のわずか0.005%、金額でも同じくピーク時1992年度(1兆5645億円)の0.01%にまで減少している。

 

 

ファミリーマートをめぐる動きが急加速! 農林中金の出資から見える伊藤忠の思惑

 7月上旬に、ファミリーマート(以下ファミマ)をすでに子会社としている伊藤忠商事(以下伊藤忠)は、TOBを行って完全子会社すると発表した。

 

伊藤忠の2020年3月期決算は前年比5.3%の減収。ファミマの利益を取り込むことで、その絶対額を増やせる。

 

この6月に、時価総額と株価では三菱商事を上回って初めて総合商社トップに立っており、経営層は「3冠」に強い意欲を見せているともっぱらだ。

 

 一方、“それだけのため”と思えないのも事実。同時に発表されたJA全農と農林中金の出資。

 

約570億円で4.9%の株式を取得し、ファミマの店舗を通じて地元の農産物を販売したり、ファミマで扱うコンビニ弁当・惣菜に使う食材を提供したりする。

 

 これは、農林中金にとってもメリットがある。農林中金は、農業融資の少なさから2016年に不要論を突きつけられた屈辱を味わった。新たな「販路」を獲得したうえに、農産物加工品を開発して商品価値を上げる道筋を用意すれば、プレゼンスを取り戻すことができる。

 

もちろん、この思惑どおりに進む保証はない。しかし4月にファミマは、中国事業における係争に勝訴。一時は暗雲が立ち込めていた事業展開に明るい兆しが見えている。

 

新型コロナウイルスの発生源とされながら、今では封じ込めに成功。少なくとも伊藤忠は、その人口の多さから「コロナ後」の最大のマーケットになる可能性が高い中国での足場を固めようと考えているのだろう。

 

それを踏まえると、農協や農林中金と関係の深い農業法人をめぐる投資マネーの動きも今後気になるところだ。

 

 

2019年12月 4日 (水)

特定同族会社事業用宅地等の特例 青空駐車場や資材置場は適用せず

 特定同族会社事業用宅地等とは、被相続人が所有する土地で、被相続人や被相続人の家族がオーナーとして経営している会社(同族会社)が事業(貸付事業を除く)を行うために使用している土地。

 

会社の事業に使っていた土地のうち400㎡までの部分の評価額が80%減額できるため、相続税が節税できる。ただし、評価額が減額できるのは土地だけで、建物や構築物の評価額は減額できない。

 

 同族会社に貸し出している土地は、多くの場合その賃貸料が相続人の生活を支えており、その土地は自宅の敷地と同様に今後の生活のために必要不可欠なものといえることから、特定居住用宅地等と同じ80%減額の特例が適用できることになっている。

 

これらの土地に高額の相続税が課税されると、納税のために資産を売却することも考えられ、相続人の今後の生活が立ち行かなくなる恐れもあるからだ。

 

 この特例を適用するための主なポイントは、(1) 土地に建物や構築物があること(アスファルト舗装や砂利敷などをしていない青空駐車場や資材置場では特例は適用できない)、

 

(2)相続開始直前において被相続人及び被相続人の親族等がその会社の発行済株式の総数又は出資額の総額の50%超を有していること、(3)相続人が相続税の申告期限においてその会社の役員であること、などだ。

 

 そのほか、土地の保有継続要件(相続税の申告期限まで有していること)もあり、これらの要件を全て満たす必要がある。