ちば会計

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事業承継

2022年11月18日 (金)

「後継者問題」が急速に改善へ 22年後継者不在率、初の60%割れ

 日本企業の「後継者問題」が急速に改善へと向かっている。

帝国データバンクが発表した「全国企業後継者不在率動向2022年調査」結果によると、後継者が「いない・未定」とした企業が 15.4万社にのぼった。

この結果、全国の後継者不在率は57.2%となり、コロナ前の2019年からは8.0ポイント、2021年からも4.3ポイント低下し、5年連続で不在率が低下。

また、調査を開始した2011年以降、後継者不在率は初めて60%を下回った。

 コロナ禍という未曽有の危機のなかで、コロナ関連融資の借り入れも含め、自社事業の将来性に改めて向き合った中小企業は多いとされる。

こうしたなか、地域金融機関をはじめ事業承継の相談窓口が全国に普及したほか、第三者へのM&Aや事業譲渡、ファンドを経由した経営再建併用の事業承継など、プル・プッシュ型を問わず事業承継メニューが全国的に整ったことも、後継者問題解決・改善の前進に大きく寄与した。

 先代経営者との関係性(就任経緯別)をみると、2022年の事業承継は「同族承継」により引き継いだ割合が34.0%に達し、全項目中最も高かった。

しかし、前年からは4.7ポイントの低下となり、親族間の事業承継割合は急減。

一方、血縁関係によらない役員などを登用した「内部昇格」が33.9%で、前年から2.5ポイント増加した。

また、買収や出向を中心にした「M&Aほか」の割合が20.3%と、調査開始以降で初めて20%を超えた。

2022年7月12日 (火)

令和生まれの企業を40万社確認 社長の年齢は40代が最多で6割

 2019年5月に幕を開けた「令和」になって3年が経過したが、帝国データバンクが発表した「令和に生まれた企業の動向調査」結果によると、令和になって新設された企業は2022年4月末時点で全国に39万8749社と約40万社確認されたことが分かった。

年別でみると、2021年(令和3年)が14万4178社で最多。設立年月別では、「2021年4月」が1万4527社で最も多く、最少は「2020年5月」(7486社)となった。


 最多となった「2021年4月」は、コロナ禍で設立が見送られていた案件や、コロナ禍で変化した需要に伴う新規事業の立ち上げが、4月の事業年度開始に合わせて動いたことが大きな要因。

最少となった「2020年5月」は、国内初となる緊急事態宣言の発出(2020年4月)に伴って人の動きが大きく制限されたことで会社設立を見送るケースが増えたり、官公庁における会社設立のための手続きが停滞したことが大きな要因とみられる。

 社長の年齢が判明した1万9437社の社長の平均年齢は47.8歳となり、2021年の全国・全業種の平均年齢(60.3歳)を12.5歳下回った。

年代別にみると、「40代」(6451社、構成比33.2%)が最も多く、「50代」(4531社、同23.3%)、「30代」(4158社、同21.4%)、「60代」(2246社、同11.6%)と続き、40代未満の社長が全体の59.5%と約6割を占めた。

ちなみに、「60代」は11.6%、「70代」は4.6%を占めている。

2022年6月 6日 (月)

全国社長の平均年齢は高齢化鮮明 21年は過去最高の62.77歳に上昇

 東京商工リサーチが発表した「全国社長の年齢調査」結果によると、2021年の社長の平均年齢は、調査を開始した2009年以降、最高の62.77歳(前年62.49歳)だった。

調査開始から毎年、平均年齢は上昇をたどり、社長の高齢化が鮮明となった。

 社長の高齢化に伴い、業績悪化が進む傾向がみられる。

直近決算で減収企業は、60代で57.6%、70代以上で56.8%。また、赤字企業も70代以上が24.0%で最も高く、60代も23.2%だった。

 高齢の社長は、一般的に進取の取組みが弱く、成功体験に捉われやすい。

また、長期ビジョンを描きにくく、設備投資や経営改善に消極的になる傾向がある。

この結果、事業承継や後継者教育も遅れ、事業発展の芽を自ら失うケースも少なくない。

社長の高齢化は事業承継の遅れだけでなく、起業数の伸び悩みとの関連もあるが、倒産や休廃業・解散にも直結しやすく、今後の動向には注目が必要だ。

 2021年の「休廃業・解散」は4万4377社で、70代以上の社長が62.7%を占め、初めて6割台に乗せた。

平均年齢は71.00歳(前年70.23歳)と2年連続で70代になった。

生存企業の社長の平均年齢は62.77歳(同62.49歳)で、差は8.23歳に拡大した。

一方、30代以下は0.91%(同0.98%)と、1%にも満たなかった。

「休廃業・解散」は、70代以上の社長の構成比が2017年の50.2%から、2021年は62.7%と12.5 ポイント上昇している。

 

2022年4月 6日 (水)

生活衛生関係営業企業の事業承継 約半数が「事業承継の意向あり」 

 日本政策金融公庫が、経営者の年齢が60歳以上の飲食業や旅館業などの生活衛生関係営業を営む企業を対象に実施した「事業承継に関するアンケート調査」結果(有効回答数1773社)によると、事業承継の意向は、「意向あり(第三者への売却・譲渡を含む)」が48.3%、「意向なし」が22.8%、「現時点では考えていない」が28.9%となった。

 従業員数別にみると、従業員数の比較的多い企業(6~10人、11人以上)では「意向あり(第三者への売却・譲渡を含む)」が7割以上を占めた一方、2人以下の企業では28.8%にとどまった。

2021年10~12月期の採算状況別にみると、「意向あり(第三者への売却・譲渡を含む)」と回答した企業の割合は、「黒字企業」では61.5%、「収支トントンの企業」では49.8%、「赤字企業」では44.8%だった。

 事業承継の「意向あり」と回答した企業に対し、後継者の有無を尋ねたところ、「後継者が決まっている」が63.2%、「後継者候補はいる」が24.4%、「後継者はいない(後継者候補もいない)」が12.4%となった。

「後継者が決まっている」、「後継者候補はいる」と回答した企業の後継者(後継者候補)との関係は、「子ども」が81.2%と、8割以上を占め、「血縁者以外」は11.0%にとどまった。

業種別にみると、「理容業」において「後継者が決まっている」との回答割合が78.3%と最も高く、次いで、「クリーニング業」(73.2%)、「食肉・食鳥肉販売業」(67.9%)の順だった。

2022年4月 1日 (金)

全国社長の平均年齢は60.3歳 31年連続で過去最高を更新

 帝国データバンクが発表した「全国社長年齢分析調査」結果によると、2021年12月時点の社長の平均年齢は60.3歳(前年比+0.2歳)と、調査を開始した1990年以降、31年連続で過去最高を更新した。

年代別の割合をみると、「50代」が構成比27.6%を占め最多、「60代」が同26.9%、「70代」が同20.2%で続く。

また、交代企業の平均年齢は交代前の68.6歳に対して交代後は52.1歳となり、交代による若返りは平均16.5歳となった。

 社長年齢別の後継者の有無は、「60代」では約半数、「70代」は約4割、「80代以上」は約3割で後継者が不在と、社長年齢の高い企業でも、後継者不在の企業が多い。

2021年の社長年齢の平均は昨年比で「50代」と「80代以上」が増加。

「70代」の増加幅は昨年までと比べると落ち着いたものの、引き続き「70代」と「80代以上」を含めた70歳以上の代表が全体の25%近くを占める高齢化の傾向が続く。

 昨今のコロナ禍以降、事業環境が急激に変化するなか、依然6割を超える企業が後継者不在であるものの、4年連続で不在率は低下し過去10年で最も低くなった。

とはいえ、2021年の社長交代率は3.92%と依然低水準の状態が続いており、中小企業の事業承継が進んでいない状況は変わっていない。

直近2年では改善傾向となっているものの、リーマン・ショック以降低下した交代率が元の水準に戻りきっているとはいえず、引き続き低水準を脱していない点は否めない。

2021年12月22日 (水)

特例事業承継税制 令和9年12月末で終了へ

 事業承継の際の贈与税・相続税の納税を猶予する「事業承継税制」は、平成30年度税制改正で抜本的に拡充され「特例事業承継税制」として生まれ変わった。

これにより、同税制の適用の前提となる認定申請の件数は、拡充前は年間400件程度だったところ、拡充後は年間約6,000件まで増加。

中小企業の事業承継対策のスタンダードとなりそうな勢いだが、先日公表された令和4年度税制改正大綱の中で、制度が一部見直されることが明らかになっている。

 この特例事業承継税制の適用を受けるには、事前に「特例承継計画」を策定し、令和5年3月31日までに都道府県へ提出しておく必要があるが、この提出期限が令和6年3月31日まで1年間延長される。

この機会に中小企業の事業承継を押し進めたいということだろう。

 ただ大綱には、特例事業承継税制について「令和9年12月末までの適用期限については今後とも延長を行わない」ことも併せて明記された。

すなわち、令和10年以降は、通常の事業承継税制しか使えなくなるというわけだ。

 特例事業承継税制は、中小企業が発行したすべての株式について、その承継に係る相続税・贈与税の100%が納税猶予される制度。

一方、通常の事業承継税制では、対象となる株式は「総株式数の3分の2まで」で、猶予されるのは税額の「80%」。

つまり、無税で株式を承継することができなくなる。

そのため、事業承継を検討している中小企業では、早期に事業承継への取り組みをスタートし、本税制の活用について検討を行う必要があるだろう。

2021年7月 5日 (月)

“超高齢化”で大きく変わる起業スタイル 「経営資源引継ぎ型創業」は定着するか?

 4月末に中小企業庁が取りまとめた「中小M&A推進計画」の中で、同庁は「今後5年間で、リスクやコストを抑えた創業を促進すること」を表明した。

 

リスクやコストを抑えた創業とは、「他者の経営資源を引き継いで行う創業=経営資源引継ぎ型創業」のこと。要するに、ゼロから創業するのではなく、すでにある会社をM&Aし、その会社で新規事業をはじめるという新しい創業のスタイルである。

 

 中企庁が経営資源引継ぎ型創業を促進する背景には、中小企業経営者の高齢化問題がある。

 

中企庁の公表データによると、2025年に70歳を迎える中小企業経営者はおよそ250万人で、うち半数は後継者不在。このままでは“廃業ラッシュ”が避けられない。そこで目を付けたのが、すでに欧米で普及しつつある「経営資源引継ぎ型創業」というわけだ。

 

 ただ、日本の社会に定着するかは未知数だ。

 

最大のハードルは資金の問題。株式の買取資金を用立てる必要があるため、一般的な創業に比べてお金がかかる。

 

中企庁が方針を打ち出したことで態度が一変する可能性はあるが、政府系金融機関ですらまだ腰が重く、融資を受けられる保証もないのが現状である。

 

それから、経営資源引継ぎ型創業を支援する専門家がいないことも問題だ。トラブルを避けるためにも、買収する企業のデューデリジェンスが必須で、どうしても専門家の協力を仰ぐことが必要になる。

 

しかしながら、M&A取引のアドバイザー報酬は「成功報酬型」が通例で、何らかの理由で取引が頓挫すると無報酬になるため、スモールな創業案件に積極的に関与したがる専門家は少ないだろう。

 

「事業承継・引継ぎ補助金」で一部の費用は補填できるものの、それでも「リスクや工数に見合った報酬を得ることは難しい」と見る専門家は少なくない。

 

 費用は掛かるが、創業によるリスクは通常より低く、「人脈を作りやすい」などメリットも多い経営資源引継ぎ型創業。社会に定着させるには、大胆な行政による支援が必要だろう。

 

 

 

2021年6月 7日 (月)

事業承継・引継ぎ補助金の申請受付が間もなく開始 支援業者への手数料やデューデリ費用も対象

 6月11日(金)より、事業承継・引継ぎ補助金の申請受付がスタートする。

 

この補助金は、従来の「事業承継補助金」と「経営資源引継ぎ補助金」が一本化され、令和2年度から制度を一新して運用されているもの。

 

事業承継を契機に新しい取り組み等を行う中小企業や、近年増加しているM&Aにに取り組む中小企業を支援することを通じ、企業の新陳代謝を加速し、経済を活性化させることを目的とする。

 

 同補助金には、「経営革新」「専門家活用」の2つの類型があり、「経営革新」はさらに「創業支援型」「経営者交代型」「M&A型」の3つのコースに、「専門家活用」は「買い手支援型」「売り手支援型」の2つのコースに分かれている。

 

前者の「経営革新」は、補助率2/3、補助上限400~800万円。後者の「専門家活用」は、補助率2/3、補助上限400万円。

 

いずれの類型も、廃業を伴う場合には、200万円を上限に廃業費用の補助を受けることが可能だ。

 

 ところで、M&Aにおいては、取引成立時に仲介業者に成功報酬が支払われるが、この金額は、案件の規模により変動するが、一般に譲渡価格の1~5%程度と高額。

 

これを嫌ってM&Aに踏み込めない経営者は少なくない。こうした事情に鑑み、「専門家活用」のコースでは、M&支援A業者に対するアドバイザー報酬やデューデリジェンス費用が補助対象とされており、極めて画期的だ。

 

 このようにM&Aシーンで活用が期待される同補助金だが、行政手続きの電子化の流れを受け、電子申請のみの受け付けだ。

 

申請に必要な「gBizIDプライム」は取得に2週間程かかるため、申請を考えている場合は、事前に手続きを済ませておきたい。

 

 

 

2021年5月31日 (月)

TRANBIと帝国データバンクが業務提携 信用調査報告書を閲覧できるサービスを開始

 国内最大級の事業承継・M&Aプラットフォーム「TRANBI(トランビ)」を運営する株式会社トランビと株式会社帝国データバンクが、業務提携契約を締結することを発表。

 

5月20日より、TRANBI上で帝国データバンクの信用調査報告書を閲覧できるサービスをスタートした。

 

 中小M&Aにあたって問題となるのが、買い手と売り手の間にある「情報の非対称性」だ。売り手は自社が行うビジネスの強み、弱みなどを十分に把握している一方で、買い手は、そうした情報を自己で調査・収集し、最終的に買う、買わないという選択をしなければならない。

 

もちろん、売り手から情報提供されることが理想的ではあるものの、譲渡価格に影響するようなマイナス要因を開示しない可能性だって十分に考えられる。こうした非対称性がM&Aの成約率にも大きく関係しており、中小M&Aを推進していく上では、この解消がカギを握っている。

 

 今回発表された信用調査報告書を閲覧できるサービスは、まさに「情報の非対称性」を解消する手段として期待されている。

 

閲覧できる情報は、代表者の情報(社長の経営経験、リーダーシップ)や最大6期分の業績、メインバンクとの関係や資金調達力、財務諸表や、帝国データバンクによる財務諸表分析結果など実に様々。

 

中立的第3者による情報、しかも帝国データバンクの保有する情報とあって信頼性は高いが、閲覧には最低でも12万円以上のコストがかかる。

 

しかし、買収後に失敗するリスクを考慮すれば決して高いものではないし、いまなら「事業承継・引継ぎ補助金」で費用助成を受けることも可能だ。

 

 

 

2020年8月 9日 (日)

19年度物納申請は61件で大幅減 ピーク時92年度の0.01%まで減少

 国の税金は金銭による納付が原則だが、相続税は、財産課税という性格上、延納によっても金銭納付が難しい理由がある場合は、一定の相続財産による物納が認められている。

 

 国税庁がまとめた2019年度相続税の物納申請状況等によると、今年3月までの1年間の物納申請件数は61件で前年度から▲38.4%(38件)減少、金額も186億円で同▲42.6%(138億円)減少と、件数、金額ともに大幅に減少した。

 

 物納申請件数は、バブル崩壊後の1990年度以降、地価の下落や土地取引の停滞などを反映して著しく増加した。

 

それまで年間400~500件程度に過ぎなかったものが、バブル期の地価急騰及びその後の地価急落で、路線価が地価を上回る逆転現象が起こり、土地取引の減少から土地を売ろうにも売れず、1990年度に1238件、1991年度に3871件、そして1992年度には1万2千件台まで急増した。

 

 しかしその後は、事前に相続税額を試算して納税準備をするなど相続開始前から納税対策を行う納税者が増えたことなどから、1999年度以降は年々減少している。

 

2019年度は大幅の減少となったが、ここ10年間は1989年度(515件)以来の1千件割れが続いている。

 

 2019年度の申請件数はピーク時1992年度(1万2778件)のわずか0.005%、金額でも同じくピーク時1992年度(1兆5645億円)の0.01%にまで減少している。