ちば会計

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働き方

2021年10月 6日 (水)

22年10月より社会保険の適用範囲が拡大 企業が早くから準備しておくべきこととは?

2022年10月1日より、社会保険の適用範囲(=強制加入となる事業所)が、現在の「従業員数501人以上の事業所」から「101人以上の事業所」へと拡大される。

  
これにより中小企業には重い保険料負担が課されるだけでなく、人事・労務の現場では多くのトラブルに見舞われることが想像に難くない。

  
無用なトラブルを回避するために、いまのうちからできることに取り組んでおくべきだろう。

  
まずやるべきことは「パート従業員の雇用契約書」の確認だ。

  
週あたりの労働時間がきちんと明確になっているか、雇用契約書に記載されている労働時間と実際の労働時間の間に乖離がないか。これをしっかりとチェックしておきたい。

  
雇用契約書上は労働時間が週20時間未満であっても、実態で週20時間以上勤務している場合には、週20時間以上となった月の3か月目の初日に社会保険に加入しなければならない。

   
もし実態と乖離しているようなら、全パート従業員の契約更新時期を統一したうえで、実態に即した契約書を再度締結すべきだろう。

   
それから「従業員教育」も大切だ。特に店舗等複数ある事業所では、現場対応を行う管理職に社会保険の正しい知識を理解してもらうことが欠かせない。

  
「シフトの穴埋めのために勤務してもらい20時間を超過した」ということが常態化していれば、これを解消する必要があるためだ。

  
また、最近は2か所以上の事業所で勤務する人や副業をする人も増加しており、どちらの事業所で届出をするかという問題が増加している。

  
兼業・副業している従業員を把握できる仕組みを作ることも急務だろう。

2021年8月10日 (火)

「ギグワーカー」の急増から見えるものは?コロナ後を見据えた人材確保の好機到来か

インターネット経由で単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」が急増している。

   
人材仲介会社ランサーズが行った『フリーランス実態調査 2021』によれば、2018年と比較して日本のフリーランス人口は500万人以上増加し、約1,670万人になったことがわかった。

  
しかし、そんな中にあってもギグワーカーの賃金は高いとは言えない。

  
ウーバーイーツの配達員は歩合制のため時給が最低賃金を下回ることもあり得る。事故のリスクもあり、休業補償もない。
日雇い派遣が原則禁止である以上、個人事業主として業務委託契約を締結した形なのだから当然だが、働き手にとっては非常にリスキーな状況だ。

  
米国カリフォルニア州では「ギグワーカー」を保護する画期的な法律が昨年施行された。

  
一定の基準をクリアすれば、同州の最低賃金、残業代などが保証されるほか、病気休暇、失業手当、労災補償給付を受けられるものだ。

   
一方、日本ではコロナ禍を機に議論がスタートし、今年4月より一定の業種(芸能関係、アニメーション制作、柔道整復師)に限り、フリーランスにも労災保険への特別加入が認められたが、これ以外の業種はいまだ対象外だ。

  
そもそも企業側から見れば「ギグワーカー」は重要な戦力だが、社会保険料の負担を増やしてまで、短時間のタスクへの見返りを用意するのは厳しい。

  
ならばむしろ、この先「ギグワーカー」分の社会保険料を支払うことになるのであれば、正規に雇用してより大きな戦力になってもらうほうが相互にメリットがある。

  
五輪メダリストですら「ギグワーカー」となっている状況なのだから、ほかにも多数の優秀な人材が働き場所を探している可能性が高い。

  
コロナ後を見据えた先行投資を採用に注ぎ込むことで、想定以上の成果が得られる可能性は十分にあるのではないだろうか。

 

2021年4月 9日 (金)

改正高年齢雇用安定法が4月1日に施行 福利厚生やマネジメントの充実が必須に

「70歳までの就業機会確保」を努力義務とする改正高年齢雇用安定法が4月1日に施行された。

 高齢者の就業機会が確保されることによって、企業の人手不足解消にある程度の効果が期待できるだろう。

 

なにしろ、15~64歳の生産年齢人口は3年連続で6割を切っており、毎年40万人近く減少を続けているのだ。生産年齢人口が減少し続けているのだから、65歳以上の労働力を生み出さなければ、いずれわが国の産業を維持できなくなるのは自明。

 

昨年、家電量販店のノジマが最長80歳までの雇用延長を制度化したが、このようなニュースが出るたびに「そんな歳まで働きたくない」という声が各方面からあがる。だが、こうした動きが当たり前になる日もそう遠くないだろう。

 

 一方で、高齢者に労働力が偏ることにより、これまでにない問題が生じる可能性がある。たとえばマネジメント分野。「年上の部下」は珍しい存在ではないが、部署内でマネジメント職以外の全員が65歳以上になることも十二分にあり得る。

 

そうなると、「高齢者マネジメント」に特化した研修プログラムをマネジメント人材向けに実施する必要も出てくるだろう。

 

そして、福利厚生面ではメディカルヘルスケアのより一層の充実が求められることに。健康診断やメンタルヘルスケアの内容も従来通りとはいかない。

 

「がん」や「認知症」を抱えて働く人材も増えるだろう。多職種の医療ネットワークとの緊密な連携も必要になるかもしれない。

 

 75歳以上が人口のボリュームゾーンとなる時代がすぐそこまでやってきている。

 

これからの時代、マネジメント職の研修や主に医療面での福利厚生の充実を図れるかどうかが、企業の持続可能性を左右するようになるのは間違いないだろう。

 

 

 

2021年2月13日 (土)

テレワーク人口は2,000万人に迫るも減少傾向 マイナス面をカバーするカギは、やはり「デジタル」

 野村総合研究所(NRI)の調査によると、昨年12月時点で、日本のテレワーク対象者が約2,000万人に上ることが分かった。

このうち420万人は年間120日以上テレワークを行っており、テレワークが急拡大していることを裏付ける結果に。

ただし、このまま社会に定着するかといえば、必ずしもそうとは言えない。

 

「自身はテレワーク対象者」と答えた人のうち、7.3%は「足元1か月間にテレワークを行っていない」と回答。多くの人がテレワークを行う“権利”を持ちながら、実際には行っていない状況も見えてくる。

 

 なぜ、そのような現象が起こっているのか?

 

調査ではテレワークのマイナス面についても質問しているが、「テレワークで仕事上の不安やストレスが強まる」「出勤へのプレッシャーを感じる」「テレワークをしていると罪悪感がある」といった回答が多数を占めた。

 

多くの人が「出社して、同僚と一緒に働くことが仕事」と考えており、自宅で、一人で仕事をすることに対して違和感を覚えている模様。NRIはこうした調査結果について「規範意識が強い人ほどテレワークのマイナス面を感じている」とコメントしている。

 

 では、企業がよりテレワークを推進するには何が必要だろうか。

 

ヒントとなるのは、同じくNRIが行った「コロナ禍における消費者の生活満足度」に関する調査。この調査では「対面のコミュニケーションが減った人ほど、生活満足度が低い」ことが示されているが、これはテレワークにもそのままあてはまるだろう。

 

コミュニケーション機会が減ることで、仕事に対する充足感を感じにくくなるのだ。一方、調査では「デジタル活用が進む人ほど生活満足度が高い」ことも判明。コロナ禍で失われたコミュニケーションは、デジタルにより補完可能であることを意味している。

 

すでに言われていることだが、テレワーク推進においては、デジタルツールを活用してプラスの部分を引き出しつつ、同時にマイナスを小さくすることが重要だろう。

 

 

2021年1月22日 (金)

政府が「フリーランス保護」を進める背景 業務委託の契約フロー見直しも必要に?

 中小企業庁は、昨年末に「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」の案をとりまとめた。

フリーランスの保護を目的としたもので、取引内容が独占禁止法および下請法の対象となることを明記。「契約内容の書面交付をしない」「取引条件を一方的に変更」等に違反した場合は、罰則の対象となる。

 

 なぜ、このタイミングで新たなガイドラインを示したか。

 

まずは、新型コロナウイルス感染拡大の影響が挙げられる。イベントの中止が相次ぎ、契約書がないばかりに発注キャンセルに泣き寝入りせざるを得なかったフリーランスが続出。

 

日本俳優連合は昨年9月に公表したアンケートで、俳優の3割が「契約書がない」と回答したことをもとに公的支援を訴えている。また、内閣官房が昨年2~3月に実施した調査で、契約内容が書面やメールに残されていなかったなどの経験をしたフリーランスが約6割にものぼったことも大きい。

 

 ただ、本丸はやがて訪れる空前の人手不足への先手だ。

 

団塊の世代が全員75歳以上となる2025年まであとわずか、すでに生産年齢人口は3年連続で6割を下回った。つまり、生産年齢人口の対象である15~64歳だけに労働力を期待するのは困難な状態だということ。

 

今後、これまでフリーランスとの取引をしたことがない企業も、それを検討せざるを得ない可能性が高い。ガイドラインと併せて契約書のひな形まで示したのは、そうした企業でも戸惑わないようにという配慮ではないか。

 これまで業務委託契約を交わしたことのない企業は、契約書の体裁のみならず、契約の際に踏まなければならない“手続き”をチェックすべきだ。できれば、人事・労務関係の法務を見直しておく好機と捉え、コンプライアンス強化の一助とすることを勧めたい。

 

 

 

2021年1月18日 (月)

テレワークの導入費用に注意! 「支給」、「貸与」で異なる課税

 新型コロナウイルス感染症の対策や働き方改革の一環として、テレワークやリモートワークでの在宅勤務を導入する企業が急増している。

 

そのため従業員は、自宅で職場と同様の環境で仕事ができるよう通信環境の整備や作業スペースを整える必要があり、従業員の経済的負担も増えることになる。

 

企業側は、従業員が自宅でも効率的に仕事ができるように、業務に欠かせない物品を全額負担して用意することが一般的だ。

 

 それでは、企業側が、通信環境の整備等業務に必要なPCやモニター等のICT機器や椅子などの器具備品などを会社の負担で用意し、従業員に「支給」した場合、課税関係はどのようになるのか気がかりなところだ。

 

 給与所得を有するものがその使用者から受ける金銭以外の物(経済的な利益を含む)でその職務の性質上欠くことのできないものとして、所得税法関連の政令で定めるものは非課税所得となっている。

 

 しかし、その政令で定めるものの中にはテレワークで必要とされる物品は明記されていないことから、非課税対象にならないので、原則現物給与として課税の対象となる。

 

 では、会社にある備品や必要な物品を購入して従業員に「貸与」して、テレワークのためだけに使用した場合はどうなるのか。

 

「貸与」の場合は、資産の所有権は会社側にあり、従業員には返却の義務があることから、課税関係は発生しない。

 

 

 

2020年12月21日 (月)

ジョブ型は果たして定着するのか? “高プロ”の不調が炙り出す雇用の現実

 ジョブ型雇用という用語が脚光を浴びている。従来、日本の主流だった人を軸に仕事を割り当てる従来のメンバーシップ型雇用とは逆で、仕事に対し人を割り当てる雇用形態だ。

 

注目を集めたきっかけは、経団連が毎年1月に春闘の交渉指針として示している「経営労働政策特別委員会報告」で明記したこと。

 

その背景には、大手企業の危機感が挙げられる。スイスのビジネススクールIMD発表の「世界競争ランキング」で日本企業が1位になったのは1989年。しかし昨年は30位、今年は34位と凋落の一途で、人材の質を高めることは喫緊の課題なのだ。

 

 そして、そもそも専門性を持つ人材が不足している。デジタル化が叫ばれる昨今だがIT人材の不足は顕著。

 

立て直そうにも、生産年齢人口は年々減少し、数十年にわたって人材を囲い込むメンバーシップ型雇用が不可能な状況に陥っているのだ。そこで、善は急げと大手企業が続々とジョブ型雇用を取り入れているのだ。

 

 一方で気になるニュースもある。厚労省の発表した高度プロフェッショナル制度(高プロ)の導入企業数が、今年9月末現在でわずか22社(適用労働者数は858人)だったのだ。

 

健康確保措置の実施や過労防止策実施状況の報告が義務付けられるなど、企業にとってはハードルが高いが、時間ではなく労働の質を評価する高プロは、まさにジョブ型雇用。

 

職種が限られているとはいえ、全国で1,000人に満たないのは、企業側が本気でジョブ型雇用に乗り出していない証ともいえる。

 

 業務内容によっては、メンバーシップ型雇用のほうが向いている場合もあるだろう。しかし、大切なのは、トレンドに左右されず、それぞれの組織に適した手法を随時見直していくことではないだろうか。

 

 

 

2020年11月26日 (木)

コロナ時代は健康経営もオンラインへシフト メンタルからフィットネス、がん教育まで

 新型コロナ禍でテレワークは働き方のひとつとして定着した。

 

一方で、従業員の健康管理もリモート化せざるを得ず、どう対策を打てばいいのか戸惑っている企業もあるだろう。そこで興味深い取り組みを紹介する。

 

 働き方の急変に対する戸惑いに配慮したプロジェクトを推進しているのが、日清食品グループ。

 

同社は緊急事態宣言下で最大91%が在宅勤務になり、「仕事とプライベートの境目が曖昧」「コミュニケーションが取りづらい」といったストレス要因が生まれたという。

 

そこで発足したのが「テレワークうつ予防チーム」。

 

疲労・ストレス度を可視化する機器で自律神経機能偏差値とバランスを計測し、注意が必要な従業員には産業保健看護職によるオンライン面談を実施。ストレス改善および、働きがいとワークライフバランスの向上を図っている。

 

 コロナ禍と直接関係はないが、富士通は国内グループの従業員7万人を対象にがん教育に関するeラーニングを実施している。

 

病気や医療に関する情報はインターネットで収集できるものの、その真贋を見極めるリテラシーを涵養するのは難しい。

 

とりわけがん治療に関しては、医師の間でも意見が分かれるため、基礎知識を身につけることは重要だ。必然的に、がん検診受診率や生活習慣改善にもつながることが期待できるだろう。

 

 2019年1月時点で、生産年齢人口は59.6%と過去最低をマーク。今後さらに人手不足が深刻化する中で、従業員への健康に投資する価値は、採用面でも有利に働くようになることが予想される。

 

たとえば、経済産業省が実施している「健康経営優良法人認定制度」の認定を目指すことを短期的なメルクマールとし、従業員間に健康意識を醸成することから始めてみてはいかがだろうか。

 

 

 

2020年11月18日 (水)

いつの時代も絶えない社内不正を 抜本的に防止する方法とは?

 飲食大手のワタミが、社員への未払い残業代があったとして労働基準監督署から是正勧告を受けた。

 

同社は、2008年に新入社員が過労自殺した際、創業者の渡邉美樹氏が「労務管理ができていなかったとの認識はない」とTwitterで発信したこともあり「ブラック企業」の代表格とされてきた。

 

それから12年、ホワイト企業アピールを続けていたが、労務管理に無頓着な企業風土は変わらなかったようだ。何より「上司が労働時間を書き換えていた」と明らかにしたことに、問題の根深さがある。

 

 第一の問題は、人を死に追い込む労務管理をしておきながら、同様のリスクを招きかねない改ざんに手を染める組織風土。

 

そして、再発したら企業生命を危機に陥れかねないにも関わらず、不正防止策を打っていなかったことである。

 

 しかし、この一件に限らず、社内不正を完全に防ぐことは困難だ。

 

他責傾向が強い場合、自己正当化の行動として社内不正がなされることが多い。上司の圧力や周囲の同調圧力により、不本意ながら不正に手を染める人もいる。

 

ならば、抜本的に防ぐことを考えればいいのである。勤怠管理で、そのニーズに対応する仕組みとして続々と登場し始めているのが、ブロックチェーン技術を活用したサービスだ。

 

 ブロックチェーン技術は暗号資産(仮想通貨)のイメージが強いが、その本質的なバリューは優れた改ざん耐性にある。

 

スキルをデジタル証明する仕組みとしてIBMが取り入れたオープンバッジも、ブロックチェーン技術によるものであり、金融以外の分野での活用が広がっている。

 

副業を解禁する企業が増えたこともあり、うっかり二重勤務の記録をしてしまうことを防げるとあって、開発ベンダーが増加中だ。

 

労務管理を強化するだけでなく、残業時間の遵守をシステムとして実施しているとして、ホワイト企業をアピールする効果が期待できるのではないだろうか。

 

 

 

2020年10月21日 (水)

コロナ禍で従業員エンゲージメント低下は必至 流動化を見据えた「タグ付け人脈資産」が有効

 新型コロナ禍でテレワークが普及。それに伴い残業時間が減り、結果として収入も落ちている。

 

厚労省の調査よれば、所定内給与が前年同月比0.1%減(244,547円)であるのに対し、所定外給与は14.0%と大幅に減少した(16,617円)。

 

そうなると、副収入を求める動きが活発化するのは必然。MMD研究所が実施した調査によれば、半数以上が副業に関心を持っており、すでに副業をしている人の16.2%が緊急事態宣言発令後に副業を開始。

 

これらの事実は、従業員の組織に対するエンゲージメントの低下が避けられないことを意味している。

 

 もちろん、エンゲージメント向上策を打つのは重要。しかし、所定外とはいえ給与を下げたうえで、会社への貢献度を深めてくれと要求するのは図々しい。

 

むしろ、終身雇用制と年功序列賃金によって担保されていた旧来のエンゲージメントは特殊だったと考えるべき。

 

あらかじめ職務内容を定めて成果で評価するジョブ型雇用が増えているのもその表れであり、雇用の流動性が高まる前提の人事戦略を構築したほうが建設的だ。

 

では、どのような戦略が有効か。ヒントとなるのは、シリコンバレーで広がっているプロジェクトごとのチーム編成だ。世界中の人材とネットワークを築き、案件に適した人材へ声をかけて都度アライアンスを組むスタイル。

 

雑誌や書籍などの編集現場やイベントの企画・運営などでも同じ手法が採用されているが、それをよりシステマティックに実施すれば幅広いニーズに応えられる。

 

 そうしたチーム編成を有機的に行うには、人脈をデータベース化して組織内で共有・可視化しなければならない。

 

名刺レベルの情報ではなく「何に強いか」「どんな実績があるか」といったタグ付けをスレば、より価値が高くなる。

 

今や名刺のデータベース化は常識となりつつあるが、一歩踏み込んで深みのあるデータに仕上げれば、サステナブルな人脈資産としてビジネス創出にも役立つだろう。

 

 

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