ちば会計

2022年1月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ

その他税制

2022年1月 5日 (水)

上場株式の配当所得に課税強化 個人住民税や社会保険料に影響

 令和4年度税制改正大綱では賃上げ税制や住宅ローン控除が目立っているが、その裏で課税強化とも取れる改正が行われる。

「上場株式等の配当所得等に係る課税方式」と記載された項目がそれだ。

    

 現行制度では、上場株式等に係る配当所得等については①総合課税方式、②申告不要方式、③申告分離課税方式の3つの課税方式があり、納税義務者が所得税の確定申告及び個人住民税の申告を行うことにより、所得税と個人住民税において異なる課税方式を選択することができる。

   

 そのため、例えば年金生活をしながら株の配当を受けている人は、所得税については配当も含めて総合課税で低い税率を選択、住民税については、これを合算せずに申告不要とする。 

申告不要とした所得は合計所得金額には含まれないため住民税が減少するだけでなく、住民税額をベースに計算される国民健康保険料などの金額も抑えることができるのだ。

低~中所得者が投資を行った場合の負担を軽減する手法として期待されてきた一方、「所得税の所得と個人住民税の所得が一致しないのは問題」として、令和2年2月25日の衆議院予算委員会でも議題として取り上げられていた。

   

 こうした指摘を受けて、今回の改正では所得税の課税方式と個人住民税の課税方式が一致するよう改正が行われることになった。

大綱には「個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の課税方式を所得税と一致させることとする」と記載されており、所得税と個人住民税において異なる課税方式を選択することそのものを制限すると予想される。

 

2021年12月24日 (金)

2022年度与党税制改正大綱公表 賃上げ促進税制や住宅ローン減税

 自民・公明両党は12月10日、2022年度の与党税制改正大綱を決定し公表した。

来年度の税制改正は、「成長と分配の好循環の実現」、「経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し」等の観点からとりまとめ、賃上げを積極的に行う企業を対象にした賃上げ促進税制(所得拡大促進税制)の拡充などを盛り込んだ。

個人所得課税についても住宅ローン減税を延長した。

評価額の見直しの年となる固定資産税については、商業地のみを軽減する。


 賃上げ促進税制について、中小企業における所得拡大促進税制は、青色申告書を提出している中小企業者等が、一定の要件を満たした上で、前年度より給与等の支給額を増加させた場合、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除できる制度。

雇用者全体の給与総額の増額分を法人税額から差し引く控除率が、大企業で最大30%(現行20%)、中小企業で最大40%(同25%)に引き上げられる。

 個人所得課税では、住宅ローン減税について、2025年12月末まで4年間特例を延長するが、ローン残高の1%を所得税等から差し引く控除率を0.7%に縮小する。

控除率を引き下げたのは、低金利が続くなかで住宅購入者の減税額がローンの支払利息額を上回る“逆ざや”が生じているとの会計検査院の指摘を是正する狙いがある。

新築の減税期間は原則10年間を13年間に延ばすが、所得要件は2000万円以下(現行3000万円以下)に引き下げる。

 

2021年12月22日 (水)

特例事業承継税制 令和9年12月末で終了へ

 事業承継の際の贈与税・相続税の納税を猶予する「事業承継税制」は、平成30年度税制改正で抜本的に拡充され「特例事業承継税制」として生まれ変わった。

これにより、同税制の適用の前提となる認定申請の件数は、拡充前は年間400件程度だったところ、拡充後は年間約6,000件まで増加。

中小企業の事業承継対策のスタンダードとなりそうな勢いだが、先日公表された令和4年度税制改正大綱の中で、制度が一部見直されることが明らかになっている。

 この特例事業承継税制の適用を受けるには、事前に「特例承継計画」を策定し、令和5年3月31日までに都道府県へ提出しておく必要があるが、この提出期限が令和6年3月31日まで1年間延長される。

この機会に中小企業の事業承継を押し進めたいということだろう。

 ただ大綱には、特例事業承継税制について「令和9年12月末までの適用期限については今後とも延長を行わない」ことも併せて明記された。

すなわち、令和10年以降は、通常の事業承継税制しか使えなくなるというわけだ。

 特例事業承継税制は、中小企業が発行したすべての株式について、その承継に係る相続税・贈与税の100%が納税猶予される制度。

一方、通常の事業承継税制では、対象となる株式は「総株式数の3分の2まで」で、猶予されるのは税額の「80%」。

つまり、無税で株式を承継することができなくなる。

そのため、事業承継を検討している中小企業では、早期に事業承継への取り組みをスタートし、本税制の活用について検討を行う必要があるだろう。

2021年12月20日 (月)

令和4年度税制改正大綱が公表 今年も節税スキームにメス

  12月10日に令和4年度の税制改正大綱が公表された。

事前に報道されていた通り「賃上げ税制の拡充」や「住宅ローン減税の控除率引き下げ」などが盛り込まれたが、その影でひとつの節税スキームにメスが入ったことが話題となっている。

「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」に関する見直しがそれだ。

  近年、建設用の足場やドローン等を購入し少額減価償却資産として一括償却しつつ、それをリースに出すことでリース料収入を得る節税手法が一部で活用されている。

  例えば建設用足場の場合、多くは購入価格が一口100万円で、契約期間終了までの間にこれを上回るよう契約期間やリース料が設定されている。

このとき、当然ながらリース料収入には法人税が課税され、契約終了後に足場を売却すれば、その売却収入にも課税があるがトータルとして手元のキャッシュが増加する仕組みになっている。

建設用足場やドローン等の販売会社が、こうした手法を“決算対策”として営業活動を行い、結果として広く活用されてきたことがこの改正に繋がったと推測される。

 気になる改正の内容だが、税制改正大綱の中には「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、対象資産から貸付け(主要な事業として行われるものを除く。)の用に供した資産を除外した上、その適用期限を2年延長する」と記載されている。

同特例の対象から「貸付けの用に供した資産」が除外されるため、この手法は完全に終焉を迎えたと言えるだろう。

2021年11月24日 (水)

適格請求書発行事業者の申請開始 初月10月の登録数は4万6496件

 国税庁はこのほど、ホームページ上の「インボイス制度 適格請求書発行事業者公表サイト」に、登録申請初月となる10月分の登録適格請求書発行事業者を掲載し、申請状況を公表した。

  
 インボイス制度とは「適格請求書等保存方式」のこと。
複数税率に対応した仕入税額控除の方式として導入されるもので、仕入税額控除の要件として、原則、適格請求書発行事業者から交付を受けた適格請求書(インボイス)の保存が必要になる。

   
 消費税の適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)の適用開始日は約2年後の2023年10月1日からとなっているが、適用を受けるためには事前に国税庁へ適格請求書発行事業者の登録申請を納税地の税務署長に行い、税務署による審査を経て「適格請求書発行事業者登録簿」に氏名又は名称、登録番号等が登録される必要があり、この登録申請が先月10月1日から開始された。

  

 申請手続きを行った事業者については、必要な審査を経て、適格請求書発行事業者として登録され次第公表サイトに掲載される。
国税庁の軽減税率・インボイス制度対応室によると、10月1日から10月末現在(8月決算法人の申告期限である11月1日提出分まで集計)の登録申請件数は約10万3千件と10万件を超えている。
一方、審査の結果、登録された件数は4万6496件となっている。
 

 今後の登録事業者の掲載について国税庁では、月末時点の登録件数を翌月に掲載する。

「金融所得への課税強化」は先送り 令和4年度税制改正の展望は?

11月も後半に差し掛かり、そろそろ税制改正の話題が聞こえてくる時期。
令和4年度税制改正では、どのような改正が行われることになるだろうか。

    
 岸田文雄首相が自民党代表選挙の公約にも掲げた「金融所得への課税強化」は、自民党税制調査会での議論を経て、令和4年度改正では正式に見送られることがすでに決まっている。

     

 また、新しい資本主義の実現に向けた政策の柱とされている「賃上げ税制」だが、すでに大企業向けには、一定以上の賃上げや設備投資、教育訓練費を増額した場合に、給与増加額の最大20%が税額控除される制度があり、中小企業向けには、給与総額が前年度より1.5以上増加した場合に、最大で給与増加額の25%が税額控除される(25%控除には、前年比2.5%以上の賃上げが要件)制度がある。

    
ただ、企業の黒字申告割合(=法人税を納めている企業の割合)が全体の30%台と低調ないま、賃上げの効果を疑問視する声は根強い。

また、黒字企業は中小企業よりも大企業に多いことから、相対的に大企業優遇の税制であることも指摘されており、どのような改正が行われるのか注目される。
    

 昨年の税制改正論議の中で注目を集めたのが、「相続税・贈与税の課税方式の見直し」だ。
土壇場で当時の甘利政調会長が“ぶち上げた”テーマで、資産家や税理士業界や金融業界で話題を呼んだ。
相続発生前の一定期間に贈与された金額を相続財産に加算する方式が有力と見られているが、そもそも手直しが入るのかも不明。
党税調、政府税調のいずれも、これについて議論をしている様子は見えてこない。

2021年11月 8日 (月)

役員に対する退職金の現物支給 現物の適正な評価額の把握に注意

 現物支給とは、会社が従業員に支給する報酬について、現金の代わりに「もの」を渡す方法だ。

 

従業員に支払う報酬は、経費の性質を持つものを除いて現金で支払う原則があるので、退職金の現物支給はできない。

しかし、役員への報酬は現金以外で支給することもできる。役員に対しても現金で支払うケースは多いが、現物支給のほうが、現金支給に比べて多くの資産を得られる可能性がある。

 

 退職金の現物支給で用いられる代表的な方法には生命保険、不動産、自動車などがあるが、例えば不動産は、帳簿上の価格よりも低い評価額での現物支給で法人税を抑えることができる。

一方で、注意点も少なくない。退職金の現物支給では、現物の適正な評価額を必ず把握しておく必要がある。

不動産や自動車の適正な評価額は、帳簿に記載された減価償却後の金額ではなく、実際の市場で取引されている金額となる。

 

 役員に、退職金として会社所有の不動産を支給する場合の注意点は、まず、その不動産の時価を算定すること。

例えば、帳簿価格は2000万円、時価は3000万円の場合、帳簿価格と時価との差額1000万円の譲渡益が会社側で計上される。

 

 そして退職金として3000万円が損金に計上され、結果的には帳簿価格と同じ2000万円が会社の損失となる。

そして、退職金を受け取るほうは、あくまで3000万円の退職金を受け取ったことになるので、それに応じた所得税や住民税を納付することになる。

 

2021年11月 1日 (月)

住宅取得等資金贈与の非課税措置 要件緩和も適用期限は延長されず

 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置は、2015年1月1日から2021年12月31日までの間に、合計所得金額が2000万円以下の20歳以上の受贈者が、父母や祖父母など直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合に、一定額までが非課税となるもの。

 2021年度改正では、床面積の要件の緩和などの見直しが行われたが、適用期限の延長は行われていないことから注意が必要となる。

 2021年度税制改正では、(1)2021年4月1日から同年12月31日までの間に住宅用家屋の新築等に係る契約を締結した場合における非課税限度額を、2020年4月1日から2021年 3月31日までの間の非課税限度額と同額まで引き上げ、(2)受贈者が贈与を受けた年分の所得税に係る合計所得金額が1000万円以下である場合に限り、床面積要件の下限を40平方メートル以上(改正前:50平方メートル以上)に引き下げる見直しが行われた。

 つまり、2021年中の贈与の要件には、本年12月31日までに、住宅取得等資金の贈与を受けて住宅の新築、取得又は増改築等に係る契約を締結していることがある。

また、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすることがある。

受贈者が「住宅用の家屋」を所有する(共有持分を有する場合も含まれる)ことにならない場合は、この特例の適用を受けることはできない。

2021年10月25日 (月)

ESG投資拡大の流れでクローズアップ 企業のリスク要因「座礁資産」とは?

石油元売り大手のENEOSが、再生可能エネルギー新興企業のジャパン・リニューアブル・エナジーの買収を発表した。

「ESG」や「カーボンニュートラル」など「温室効果ガスの排出抑制」がビジネスや政策形成のトレンドとなって久しい。

化石燃料を使用することが、「悪」とまではいかないものの、時代遅れの象徴とみなされる風潮が定着しており、今回のENEOSの買収も、こうした時代の流れを見越したものとみて間違いない。

 

ところで、こうした風潮の中で「座礁資産」という考えがクローズアップされている。

座礁資産とは、「社会の要請など様々な状況変化により将来価値を失う資産」のこと。

今後、二酸化炭素排出をより抑制する方向へ社会が動くことにより、化石燃料そのものや、あるいはそれらを必要とする機械設備は、フル稼働することができなくなると想定される。

必然的に資産価値が減少することになるため、企業は会計上、減損処理をしなければならない。

すなわち、貸借対照表上では資産の減少、損益計算書上では損失計上することになるのである。

  

ただし、どの程度の資産が“座礁”するかと言えば、「ハッキリとは分からない」。

2016年に発効したパリ協定では「産業革命前に比べて現在の気温を+2℃以内の上昇に抑えること」を目標としたが、実際どの程度の化石燃料が使えなくなるかは分からないためだ。

不確定要素の多い座礁資産問題だが、企業としてはロングスパンで対策を進めていく必要がある。

座礁資産を保有する企業では、資産を手放すことを検討すべきだし、座礁資産に対して新たな投資をすることは避けなければならない。

また、すでに金融の世界では、座礁資産関連の投資を引き揚げる動きが活発化しつつあり、今後は投資家による石油・石炭関連株からの資金の引き上げが相次ぐ可能性もある。

投資戦略においても、企業が保有する座礁資産の情報を十分に精査する必要が出てくるだろう。

 

離婚に伴う財産分与は原則非課税 不動産分与は譲渡所得課税に注意

夫婦が離婚したときに相手方の請求に基づき一方の人が相手方に財産を渡すことを財産分与というが、離婚に伴う財産分与は、民法768条⦅財産分与⦆基づくもので、贈与税の課税原因である民法549条⦅贈与⦆とは異なる。

    

つまり、離婚に伴う財産分与は夫婦の財産関係の清算、生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたもので、贈与とは考えないので原則として贈与税はかからない。

  

  ただし、離婚に伴う財産分与であっても、分与された財産の額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額などを考慮しても多すぎる場合には、その多すぎる部分は贈与とされ贈与税がかかるし、離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合には、受け取った財産すべてに贈与税がかかる。

財産分与の金額が、社会通念上多すぎる場合や租税回避行為と認められるような場合は贈与税の課税対象となる可能性がある。

     

また、財産分与が土地や建物などの場合、分与した人に譲渡所得課税が行われる点には注意が必要だ。

この場合、分与時の土地や建物などの時価相当額が譲渡所得の収入金額になる。

そこで、不動産の取得価額と譲渡(財産分与)の費用の合計よりも譲渡時点の時価のほうが高ければ、その差額(譲渡所得)に譲渡所得税がかかる。

したがって、取得時よりも資産の価値が下落していれば課税されることはない。

 

より以前の記事一覧