ちば会計

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株式・投資

2020年10月29日 (木)

最大手の預かり資産は3,000億円を突破! 提携金融機関も急増する「ロボアド」の可能性

 ロボットアドバイザーを運用する国内最大手、ウェルスナビの預かり資産残高が3,000億円を突破した。日本経済新聞によれば、同社はすでに東京証券取引所へ株式上場を申請しており、企業価値は推定500~600億円。

 

資産運用を手がけるフィンテックが上場するのは初めてで、今年最大規模のIPO(株式公開)になると予想されている。

 

ちなみに2019年12月期の同社の最終損益は20億円の赤字。技術開発などの先行投資が嵩んでいるためとはいえ、「そのあたりを割り引いて考えても、ロボアドにそこまでの可能性があるか?」と疑問を抱く向きもいるかもしれない。

 

 結論からいえば、少なくとも現時点での伸びしろは、500~600億円という企業価値にはとどまらないと考えられる。

 

根拠のひとつは、提携金融機関の急増。預かり資産の約半数が金融機関経由で、8月にはメガバンクの一角である三菱UFJ銀行との提携を発表。

 

この構造はロボアド業界に共通しており、業界2番手のTHEOも、預かり資産約600億円の半数が提携先経由となっている。

 

もうひとつは、手数料の低さ。ウェルスナビ、THEOは預かり資産の年率1%、楽天証券のロボアドである楽ラップは最大年率0.65%となっている。10万円程度からと、小口で始められる敷居の低さも見逃せない。

 

 終身雇用制が崩壊し、トヨタ自動車が一律的な定期昇給を廃止するなど、賃金が上がる道筋が見えなくなっている昨今、「自助」での資産形成がどうしても必要となる。

 

そうした中で求められるのは、ローリスクで確実性の高い手法だ。「老後2,000万円問題」がクローズアップされたこともあり、今後はロボアド先進国であるアメリカと同様に「長期・分散型資産形成」の需要が高まっていくことを踏まえれば、低コストで手間いらずのロボアドの利用率は今後も上がっていくことは間違いない。

 

前述のように、メガバンクが提携金融機関に名を連ねるのもうなずけるというものだ。

 

 

 

2020年10月 2日 (金)

「DX銘柄」から見えた新・東証一部の方向性 デジタル技術活用よりも重視された評価軸と

 経済産業省と東京証券取引所は、8月下旬に「DX銘柄2020」35社、「DX注目企業2020」21社を発表したが、注目したいのは、その選定方法。

 

「一次評価」の基準を見ると、直近3年平均の「ROE(自己資本利益率)」のほか、「ビジョン・ビジネスモデル」「戦略」「組織・制度等」「デジタル技術の活用・情報システム」「成果と重要な成果指標の共有」「ガバナンス」の6項目の達成状況などが並ぶ。

 

いずれも企業を評価するうえで重要な項目だが、選定企業のスコアを見ると、興味深い偏りがある。

 

たとえば「デジタル技術の活用・情報システム」。DXと銘打っているだけに高いレベルが求めらえると思いきや、そうでもない。

 

頂点に立つ「DXグランプリ」(2社)の1社、小松製作所の達成状況は60%。つまり、デジタル化の達成率が「DX企業」の必須条件ではないことが分かる。

 

では、高い達成率が求められる項目は何か。最も高いのが「ビジョン・ビジネスモデル」。「DX銘柄2020」のうち、100%未達はわずか4社。次いで高いのは「ガバナンス」(95%)、「戦略」(93%)、「組織・制度等」(93%)。

 

これらをキーワードとして並べてみると、DXの本質が見えてくる。デジタル技術はあくまで手段で、新たなビジネスモデルを創出することが重要なのだ。

 

 新たな東証一部となる「プライム市場」は、事実上従来の一部企業がふるい落とされた構成になることが確実視される。

 

プライム市場のコンセプトは「より高いガバナンス水準」「持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業」など抽象的な表現に終始しているが、投資家の注目を集めるには特徴を明確に打ち出すべきなのは疑いようもない。

 

菅内閣の目玉政策であるデジタル庁と同じように、「DX銘柄」は東証の市場再編のイメージ戦略のひとつとして機能していくだろう。

 

 

2020年9月 4日 (金)

「紙の通帳」有料化に見る銀行の凋落 フィンテックに駆逐される日は近い?

 みずほ銀行が、来年1月から紙の通帳の発行手数料を新設する。

 

1冊につき税込み1,100円という価格の多寡はともかく、「通帳の有料化」という従来にない施策は、大きく2つの意味を持つ。

 

 1つは「紙とハンコ文化」からの脱却。同行は、紙の通帳の有料化と同時にWeb通帳サービスを開始。他行も同様の動きを見せており、三井住友銀行やりそな銀行は、Web通帳への切り替えで現金やポイントを進呈するキャンペーンを展開している。

 

 もう1つは、経営に対する危機感が強まっているということ。

 

顧客に忌避感を抱かせるような施策を打った背景には、通帳にかかる印紙税負担がある。1冊あたり年間200円かかるため、銀行業界全体での負担額は年間約640億円。Webに移行できれば相当なコスト削減になる。

 

また、「通帳レス」からデジタル化への道筋をつけ、ATMや支店の統廃合につなげれば経営のスリム化も実現できよう。

 

 とはいえ、コロナ禍により、現金を持ち歩いて現物を購入するという生活様式が変わりつつある今、顧客は「やってくる」ものではなく「呼び込む」ものへと変化した。

 

しかし、「紙の通帳有料化」という施策からは、「金を融通してやっている」感覚が透けて見える。

 

世界を動かしているプラットフォーマーに共通しているのは、顧客中心のスタンスとデータドリブンな取り組み。手数料という施策しか打てない銀行の姿勢はそれとは正反対。

近い将来、顧客志向でサービス領域を拡大しつつあるフィンテック勢に取って代わられる可能性もゼロではない。

 

 

 

2020年8月 9日 (日)

ファミリーマートをめぐる動きが急加速! 農林中金の出資から見える伊藤忠の思惑

 7月上旬に、ファミリーマート(以下ファミマ)をすでに子会社としている伊藤忠商事(以下伊藤忠)は、TOBを行って完全子会社すると発表した。

 

伊藤忠の2020年3月期決算は前年比5.3%の減収。ファミマの利益を取り込むことで、その絶対額を増やせる。

 

この6月に、時価総額と株価では三菱商事を上回って初めて総合商社トップに立っており、経営層は「3冠」に強い意欲を見せているともっぱらだ。

 

 一方、“それだけのため”と思えないのも事実。同時に発表されたJA全農と農林中金の出資。

 

約570億円で4.9%の株式を取得し、ファミマの店舗を通じて地元の農産物を販売したり、ファミマで扱うコンビニ弁当・惣菜に使う食材を提供したりする。

 

 これは、農林中金にとってもメリットがある。農林中金は、農業融資の少なさから2016年に不要論を突きつけられた屈辱を味わった。新たな「販路」を獲得したうえに、農産物加工品を開発して商品価値を上げる道筋を用意すれば、プレゼンスを取り戻すことができる。

 

もちろん、この思惑どおりに進む保証はない。しかし4月にファミマは、中国事業における係争に勝訴。一時は暗雲が立ち込めていた事業展開に明るい兆しが見えている。

 

新型コロナウイルスの発生源とされながら、今では封じ込めに成功。少なくとも伊藤忠は、その人口の多さから「コロナ後」の最大のマーケットになる可能性が高い中国での足場を固めようと考えているのだろう。

 

それを踏まえると、農協や農林中金と関係の深い農業法人をめぐる投資マネーの動きも今後気になるところだ。

 

 

2020年6月 4日 (木)

個人投資家の運用資産が大幅減少見込み さらなる資金引上げにつながりそうな変化

 昨年12月、日本の家計資産は1,903兆円と過去最高を更新。投資信託が前年比10.9%増、株式等は同13.5%増と「貯蓄から投資へ」が進む結果となった。

 

つみたてNISAが大きく口座数を伸ばしたことから、昨年6月の「老後2,000万円問題」が影響したと考えられる。2020年度の税制改正大綱で2024年からの「新NISA」の内容が盛り込まれたことから、長期投資の増加はさらに続くものと思われていた。

 

 ところが、新型コロナウイルスの感染拡大でその目算が崩れつつある。野村アセットマネジメントが3月に実施した投資家意識調査によれば、個人投資家の運用資産は昨年末比で平均25%減。

 

売却(投資信託・株式とも)に踏み切った人は11%にとどまったが、「どうしていいのか分からない」との回答が全体の24%にのぼっている。

 

確かに、昨年は堅調だった株価が一時1万6,000円台まで下降し、個人投資家が不安を覚えるには十分な“材料”が揃っている。さらに注目なのが、個人投資家の購入意欲を支えていた株主優待を変更する動きが出ていること。

 

 たとえば、兵庫の化学品メーカーMORESCOは「100株以上保有の株主に、継続保有期間に応じて2,000~3,000円相当の兵庫県物産品を贈呈」していたが、1,000円のクオカードへグレードダウンした。

 

株主優待で人気の外食企業は、優待券の有効期限延長で対応しているが、外出自粛要請が続けば旨みが得られないため、売却する投資家も出てくるだろう。

 

「貯蓄から投資へ」の流れが淀み、iDeCoやNISAのさらなるテコ入れが行われる可能性も見えてきそうだ。

 

 

 

 

2020年4月14日 (火)

20年度税制改正が3月27日成立 未婚のひとり親への税制措置など

 2020年度税制改正法について「所得税法等・地方税法等の一部改正法案」が3月27日に国会で成立した。

 

国税関係をみると、個人所得課税では、未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除を見直し、婚姻歴の有無や性別にかかわらず、生計を一にする子(総所得金額等が48万円以下)を有する単身者について、同一の控除(控除額35万円)を適用する。

 

また、NISA制度の見直し・延長では、つみたてNISAを5年延長し、一般NISAは、積立・分散投資を促進する観点から見直しを行った上で、5年延長する。

 

 法人課税では、(1)オープンイノベーションの促進に係る税制の創設、(2)大企業の研究開発税制等の租税特別措置の不適用措置等の見直し、

 

(3)5G導入促進税制を創設し、ローカル5Gの整備に係る一定の設備投資に対する税額控除又は特別償却、(4)連結納税制度について、企業グループ内の各法人を納税単位としつつ、損益通算等の調整を行う仕組み(グループ通算制度)に移行する。

 

 地方税関係では、未婚のひとり親について寡婦(夫)控除を適用する(控除額30万円)ほか、所有者不明土地等に係る固定資産税の課題へ対応する。

 

現に所有している者(相続人等)の申告の制度化と使用者を所有者とみなす制度を拡大する。調査を尽くしてもなお固定資産の所有者が一人も明らかとならない場合、使用者を所有者とみなして、固定資産税を課すことができることとする。

 

 

 

 

2020年4月 3日 (金)

コロナショックなのに金価格が乱高下! 歴史的な需給逼迫で「安全資産」としての価値は?

 新型コロナウイルスのパンデミックは、金融市場を混乱に陥れた。こうした事態になると注目されるのが安全資産だ。

 

とりわけ金は、株価下落時に価格上昇しやすい。実際、新型コロナウイルスの脅威が大きくなり始めた2月末時点で、1グラム6,000円近くまで上昇。しかし、パンデミックの様相を呈してからは下落し、5,000円を割り込む瞬間も。不安心理が高まり現金化の流れが強まったことが要因と考えられる。

 

それが如実に表れているのが、恐怖指数とも呼ばれるVIX。20以上で「不安が高まった」とされるが、金価格が5,000円を割り込んだ3月18日には85.47をマーク。

 

リーマン・ショックに連鎖して起こった2008年10月の世界金融危機のときが89.53で、それ以外でもっとも高かったのは50台だから、まさにパニック状態だったことがわかる。

 

 一方、世界各国が出入国や移動制限を実施する中で、金を取り巻く状況は変わってきた。航空便が大幅に減少したことで、国際的な現物取引のルートがなくなり金の精製施設が閉鎖されてしまったのだ。

 

BMOキャピタル・マーケッツの金属デリバティブ取引責任者は「過去数十年、戦争や金融危機、自然災害でもなかった事態」とコメントしている。

 

 金の精製がストップすれば、自ずと金価格も上昇する。投資と考えれば買わない手はないが、裏を返せば高リスクな商品になってしまったことを意味する。

 

結局、「安全が保証される資産」はないということなのだ。「卵は一つのかごに盛るな」という投資の格言は、一層重みを増すことになるだろう。

 

 

 

 

2020年3月26日 (木)

テレワーク時代の社内コミュニケーションに役立つ! 人事マネジメントにも活用できる「社内通貨」

 暗号資産と聞けば、投機の対象と思いがち。しかし、その基礎技術であるブロックチェーンは、人事マネジメントにも役立てることができる。最近、さまざまな企業で導入している「社内通貨」がそれだ。

 

 たとえば、半導体製造装置メーカーのディスコは、社内通貨で仕事の対価を定量化。あらゆる業務や備品などの社内サービスを社内通貨で値付けすることで、モチベーション向上やスキルアップを促している。

 

さらに、各自の人件費相当額を支出として計上する仕組みとしているため、時短勤務のしやすさや残業抑制の推進にもつながっているという。

 

 社内コミュニケーションを円滑化する手段として活用しているのが、クラウドソリューションやマーケティング支援を展開するオロ。

 

面と向かって言いにくい感謝の気持ちを伝える手段として社内通貨を社内で流通させている。貯まった通貨はMacBook Airなどのアイテムに交換できる仕組みだ。オロの取り組みが興味深いのは、誰が誰に送ったのかわからないこと。

 

しかし、コメントは添えなければならない。つまり、忖度や遠慮のない“むきだしの思い”が伝えられるというわけである。喜びとやりがいが積み上がるとともに、「感謝される仕事」をするモチベーションにもなるだろう。

 

 テレワークで対面が少なくなっても社内コミュニケーションが深められるばかりか、人事マネジメントの深化も見込める社内通貨。多少のコストが必要なのはデメリットだが、組織力の向上を目指すならば、検討する価値はあるのではないか。

 

 

 

 

2020年3月 5日 (木)

野村證券が国内初の「信託報酬ゼロ」投信を設定! 収益度外視の商品を打ち出した理由とは?

 野村證券は、2月25日に「野村スリーゼロ先進国株式投信」の取扱いを開始する。

 

少額投資非課税制度の長期積立枠「つみたてNISA」の専用商品で、申込はインターネット限定。

 

「スリーゼロ」は、委託会社報酬率、販売会社報酬率、受託会社報酬率の3つが0%という意味。つまり、信託報酬ゼロであり、費用をかけずに投資ができるというわけだ。

 

 なぜこのような収益度外視の商品を開発したのか。

 

同商品を設定する野村アセットマネジメントの執行役員は、日本経済新聞に対し「積立投資を行う中心世代である20、30、40代を応援する。

 

証券人口を増やすプロジェクトだ」としたうえで「(20年の)期間中に投信や株式売買を始める顧客が増えるとか、(野村の)ローンのビジネスが拡大するなど、グループ全体で効果が見込める」とコメント。囲い込みを狙っての戦略であることをにじませた。

 

 若年層の取り込みは、証券業界にとって大きな課題のひとつ。

 

2019年12月末時点で約188万口座と順調に伸ばしてはいるものの、浸透しているとは言い難い。裏を返せば、未開拓市場が広がっているということ。

 

人口減少社会に突入していることを踏まえれば、収益ゼロであっても、顧客を獲得することが、企業の持続可能性を高めるともいえる。また、「ゼロコスト」というキャッチーな売り文句を最大限に活かせるのが先行者。

 

他社が手を拱いている今こそ、“撒き餌”としての効果を最大限に発揮できる。そんな思惑もあったのではないだろうか。若年層の取り込み競争が白熱化するきっかけになりそうだ。

 

 

 

 

2020年1月24日 (金)

NISAは新制度に移行し5年延長 年20万円と102万円の2階建てに

 2020年度税制改正において、NISA(少額投資非課税)制度が見直される。2014年からスタートしたNISAは、現在、(1)一般NISA、(2)つみたてNISA、(3)ジュニアNISAに区分される。

 

 このうち、ジュニアNISAについては、利用実績が乏しいことから延長せず、新規の口座開設を2023年までとし、その終了に合わせ、2024年1月以後は、口座内の上場株式等や金銭の全額を源泉徴収せずに払い出すことができることとする。

 

 一般NISAは、年間120万円を投資限度額として5年間、金融商品に投資した売却益や受け取った配当などの運用益が非課税となる。

 

その投資期限である2023年末に近づいてきたため、2024年からは、低リスクの投資信託などに対象を絞った年20万円の積立枠(1階)と、上場株式などにも投資できる年102万円の枠(2階)の2階建てに見直した上で、口座開設可能期間を2028年まで5年延長する。

 

 新しく創設されるNISAの1階部分の積立枠は、安定資産への中長期的な投資・運用を重視し、つみたてNISAと同様に、低リスクの投資信託に限定される。

 

2階部分は、整理銘柄などのリスクの高い商品は除外されるものの、従来通り上場株式等に投資できる設計になる。

 

 この結果、新NISAの年間の投資限度額は、1階が20万円、2階が102万円の総額122万円となり、5年で最大610万円が非課税で運用できるようになる。

 

 

 

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