税理士法人千葉会計

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電子化・スキャナ保存・電子帳簿

2025年9月19日 (金)

デジタル時代の遺言制度に向けて 法制審議会が中間試案を公表

 下法務省の法制審議会民法(遺言関係)部会が、「民法(遺言関係)等の改正に関する中間試案」を取りまとめた。

 今回の試案は、デジタル社会の進展や高齢化の加速を背景に、遺言制度をより使いやすくし、遺言者の意思を確実に実現することを目的としている。

従来の自筆証書遺言や公正証書遺言などに加え、PCやスマートフォンを利用した電磁的記録による新たな遺言方式の導入が検討されており、その具体案として三つの方式が提示されている。

 第一の甲案は、遺言を電磁的記録で作成し、本人が全文を朗読して録音・録画する方式。証人を要する案と要さない案があり、後者では本人確認機能を備えたアプリの利用が想定される。

第二の乙案は、遺言を電磁的記録として作成し、公的機関に保管する方式で、申請時に全文を朗読する。第三の丙案は、プリントアウトした書面を公的機関に保管する方式。

乙案・丙案については家庭裁判所の検認を不要とする方向も示されている。

 また、自筆証書遺言に関しては、財産目録について自書を不要とする現行制度を維持し、さらに範囲を広げない方針が示された。一方で、押印要件については不要とする案と、現行維持案の両論が検討対象となっている。

 全体として、中間試案は偽造・変造の防止といった真正性確保を維持しつつ、デジタル技術を踏まえた利用しやすさと柔軟性を高める内容となっている。

2025年7月30日 (水)

バーチャルオンリー株主総会が法制化へ 会社法改正に向けた議論が本格化

 政府が、バーチャル株主総会の法整備に向けた議論を本格的にスタートさせた。

令和7年4月以降、法制審議会の「会社法制(株式・株主総会等関係)部会」では3回にわたり会議が開かれ、バーチャル株主総会、とくにインターネットのみで開催される「バーチャルオンリー株主総会」に関する規律の創設が大きな論点となっている。

現行の会社法では、株主総会には「場所」の設定が必要とされ、物理的な会場なしで開催することは認められていない。

一方、産業競争力強化法により、一定の条件下で上場企業のみがバーチャルオンリー総会を実施できる特例が設けられている。

今回の議論は、そのような例外的措置を一般化し、会社法上の制度として明文化することを目指すものだ。

具体的には、定款での定めを前提に、通信障害への対応、情報の双方向・即時性の確保、デジタル機器の利用が難しい株主への配慮などが制度要件として挙げられている。

また、通信障害による決議取消のリスクに備え、「故意または重大な過失」がない限り取消しを認めないとする“セーフハーバー”規定の導入も検討されている。

さらに、議事録や通信履歴の保存義務、議長による総会の延期・続行決定の容認といった実務面の整備も議論されており、制度の実効性確保に向けた包括的な検討が進む。

バーチャル化の流れを受けた企業統治のあり方が、いま大きく変わろうとしている。

2025年4月15日 (火)

小規模事業者持続化補助金の新類型 「共同・協業型」の公募要領が公開

 「小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>」の公募要領が公開されている。

本補助金は、地域の小規模事業者が連携して商品やサービスの開発、改良、ブランディング、販路開拓などに取り組む事業に対して、その経費の一部を補助するもの。

申請主体となるのは、商工会議所、中小企業団体中央会、商店街振興組合などの「地域振興等機関」で、10者以上の小規模事業者(参画事業者)を取りまとめ、共同で販路開拓に取り組む体制の構築が求められる。

 補助対象事業は、「展示会・商談会枠」「催事販売枠」「マーケティング拠点枠」の3類型に分かれており、それぞれ評価指標と取組内容が設定されている。

たとえば、展示会・商談会枠では新規リーチ数や新規取引先数、催事販売枠では来場者数や営業効率などが成果指標となる。

補助金の上限額は1申請者あたり5,000万円で、補助率は経費区分ごとに「定額」または「3分の2以内」。

 本補助金で重視されているのが、「ワンストップの取組であること」。

これは単に展示会や物販イベントを開催するだけでなく、参画事業者の商品やサービスの魅力を高めるブラッシュアップ支援、生産・供給体制の整備、販路先との取引手続きの支援、さらには事業終了後のフォローアップまでを一貫して行うことを意味する。

本補助金の申請受付は令和7年4月25日に開始され、締切は同年6月13日(金)17時まで。



2025年3月 4日 (火)

サイバー攻撃の平均被害額73万円 「取引先に影響」は約7割

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)はこのほど、「2024年度中小企業における情報セキュリティ対策の実態調査報告書」の速報版を公開した。

この調査は、近年、サプライチェーン上の弱点を狙って、攻撃対象への侵入を図るサイバー攻撃が顕在化・高度化していることを受け、中小企業等における情報セキュリティ対策の実態を明らかにすることを目的に実施されているもの。

 報告書によると、アンケートに回答した中小企業等4,191社のうち、2023年度にサイバーインシデントの被害を受けたと回答した企業は975件で、被害額の平均は73万円。

復旧までに要した期間の平均は5.8日で、そのうち50日以上を有した企業は2.1%、最長はなんと360日だったという。

 サイバー被害の内容を詳しく見ると、データの破壊が最大で35.7%、以下は「個人情報の漏えい(35.1%)、ウイルスメール等の発見(21.5%)、業務情報(営業秘密を除く)の漏えい(21.3%)、営業秘密の漏えい(15.1%)と続く。

また、サイバーインシデントの被害を受けた企業975件のうち、およそ7割が「取引先に影響があった」と回答。

その内容を見ると、「サービスの障害、遅延、停止による逸失利益」が36.1%、「個人顧客への賠償や法人取引先への補償負担」が32.4%、「原因調査・復旧に関わる人件費等の経費負担」が23.2%で、サイバーセキュリティの不備が、取引先にも深刻な影響を及ぼし、事業の継続性を脅かす実情を浮き彫りにしている。

2024年10月31日 (木)

国税庁が勧める「優良な電子帳簿」 過少申告加算税が5%に軽減される

 国税庁が「優良な電子帳簿」を勧めている。

電子帳簿等保存とは、税法上保存が必要な「帳簿」、「書類」をパソコン等で作成している場合、(1)システムの説明書やディスプレイ等を備え付けている、(2)税務職員からのデータの「ダウンロードの求め」に応じることができること、を満たせば、プリントアウトすることなく、電子データのまま保存することができるというもの。

いちいち「帳簿」や「書類」を印刷してファイリングする必要がない。

 それでは、「優良な電子帳簿」とは何かというと、税法上保存が必要な「帳簿」について、上記の(1)(2)の要件に加え、(3)訂正・削除・追加の履歴が残ること、(4)帳簿の相互関連性があること、(5)取引等の日付・金額・相手方に関する検索機能があること、を満たすものは優良な電子帳簿として、その帳簿に関連する過少申告があっても、過少申告加算税の割合が原則10%から5%に軽減されるというものだ。

 この措置の適用を受けるためには、あらかじめ(法定申告期限までに)届出書を提出していることや、その課税期間の最初から優良な電子帳簿として備付け・保存を行っていることが必要。

ただし、すべての帳簿について、要件を満たす必要なく、一定の帳簿に限定されている。

優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の5%軽減措置の対象となる帳簿の範囲は、「仕訳帳」、「総勘定元帳」、「その他必要な帳簿」に限定されている。



2024年10月11日 (金)

免税事業者のインボイス登録状況は BtoB中心事業者の73.3%が登録

 日本商工会議所・東京商工会議所が発表した「中小企業におけるインボイス制度、電子帳簿保存法、バックオフィス業務の実態調査」結果(有効回答数3149者)によると、インボイス発行事業者への登録状況は、制度導入前、免税事業者だった事業者のうち、BtoB中心事業者では73.3%(「本則課税転換」22.6%、「簡易課税転換」50.7%)、BtoC中心事業者では24.9%(同9.5%、15.4%)がインボイス発行事業者登録を行っている。

 約26%のBtoB中心事業者がインボイス登録を行わなかったが、その主な理由(複数回答)は、「新たな事務負担が発生」(57.1%)、「新たな税負担が発生」(47.1%)が多くを占め、「取引先からの要請がなかった」も34.3%あった。

また、インボイス登録を行わなかった免税事業者のうち、BtoB中心事業者の64.0%が今後登録を検討、BtoC中心事業者の約7割(69.5%)が今後も申請を行わない意向を示している。

 免税事業者からインボイス登録(課税転換)した事業者の状況は、「減収」が54.9%。「変わらない」が41.3%で「増収」はわずか3.8%だった。

 また、免税事業者がインボイス登録した場合、納税額を売上税額の2割に軽減する特例措置(2026年9月末で終了予定)があるが、事業者の85.5%が2割特例を適用し、2割特例を適用した事業者の85.2%が「スムーズに消費税申告できた」と回答した。

2024年9月30日 (月)

7月のテレワーク実施率は22.6% 「情報通信業」が56.2%で最上位

 2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」移行後約1年、企業活動や社会生活がコロナ前の日常に戻り、テレワークが多様な働き方の一つとして位置付けられる中、多くの企業が出社とテレワークとの最適なバランスについて模索している。

パーソル総合研究所が発表した「テレワークに関する調査」結果(有効回答数3万1321人)によると、2024年7月のテレワーク実施率は22.6%で、前年同期比で微増だった。

テレワークが定着する傾向を見せている。

企業規模別にみると、24年7月には企業規模1万人以上の大手企業において、テレワーク実施率が38.2%で2年ぶりに上昇した(前年同期比2.8ポイント増加)。

テレワークについての企業方針(従業員回答)は、63.5%が「特に会社からの指示はない」と回答している。

企業規模1万人以上の会社のみ「出社/テレワークの割合について、目標値が設定されている」が微増した。

業種別にみると「情報通信業」が変わらず56.2%で最上位。

「学術研究,専門・技術サービス業」で前年より8.3ポイント増加の36.9%。

地域別には、関東圏が31.6%で最上位。

職種別にみると、「コンサルタント」(60.4%)、「IT系技術職」(59.0%)が高い。

その一方で「Webクリエイティブ職」(52.4%)1000年よりが12.1ポイント減少した。

2024年7月23日 (火)

日証協、ネット取引会員は35.6% ネット取引口座数は4546万口座

 日本証券業協会が発表した「インターネット取引に関する調査」結果によると、調査対象会員267社のうち、インターネット取引を行っている会員数は、3月末時点で95社(35.6%)と、2023年9月末の前回調査の93社と比べ2社の増加となった。

インターネット取引の口座数は、4546万口座と前回調査時から、339万口座(8.1%)増加。

このうち、有残高口座数は2771万口座と総口座数の61.0%(前回調査時61.3%)となっている。

 また、信用取引口座数も297万口座と、前回調査時から、35万口座(13.4%)増加している。このうち、有残高信用取引口座数は、信用取引口座数の51.3%に当たる152万口座だった。

 個人のインターネット取引の年代別口座数は、50歳代が951万口座(21.0%)と最多。

次いで40歳代の950万口座(21.0%)だった。

このうち、年代別有残高口座数は、50歳代が577万口座(20.9%)と最も多かった。

2023年10月から2024年3月までの6ヵ月間におけるインターネットを経由した株式等現物取引(上場投資信託(ETF)及び不動産投資信託(REIT)等を含む)の売買代金は、212兆9582億円、信用取引(同)の売買代金は、273兆579億円であり、合計で486兆161億円(前回調査比71.1%増)と大きく伸びた。

また、全会員の株式等委託取引の売買代金1367兆7442億円に占めるインターネット取引の売買代金の割合は、35.5%だった。

2024年7月12日 (金)

消費税の申告件数が約9割増加 2割特例適用の申告者は73万人

 国税庁が公表した2023年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況によると、2023年10月から開始されたインボイス制度の導入に伴い、2023年分の個人事業者の消費税の申告件数が、197万2千件(対前年比86.9%増)と、前年分から91万7千件、約9割増と大幅に増加したことが分かった。

 また、申告納税額についても、6850億円(同9.1%増)となっており、前年分から増加している。

 インボイス制度は、適用税率や消費税額を明記したインボイスが仕入税額控除の際に必要とされる消費税の新しい税額控除方式。

2023年中にインボイス発行事業者になった者は197万6千人で、そのうち期限内の申告者数は約9割に当たる174万4千人だった。

 また、免税事業者からインボイス発行事業者になった者は104万8千人であり、そのうち期限内の申告者数は87万5千人。全体の申告件数や納税額を押し上げた。

 申告したインボイス発行事業者174万4千人の内訳をみると、インボイス制度開始前から課税事業者だった者が86万9千人で、免税事業者からインボイス発行事業者になった者は87万5千人。

このうち、いわゆる2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)を適用した申告者数は8割強の73万4千人だった。

2024年6月 5日 (水)

税務署の内部事務のセンター化 内部事務を専担部署で集約処理

 国税庁では、税務署における内部事務の効率化・高度化を図るとともに、納税者利便の向上や外部事務(調査・徴収事務)の充実・高度化を目指し、2021年7月から、一部の税務署を対象に、複数の税務署の内部事務を専担部署(業務センター)で集約処理する「内部事務のセンター化」を実施している、として周知を図っている。

内部事務とは、例えば、申告書の入力処理、申告内容についての照会文書の発送などの事務をいう。

 各国税局での「内部事務のセンター化」の実施に当たっては、(1)業務センターへの申告書、申請書及び添付書類等の提出、(2)業務センターから納税者・税理士への問合せ、(3)その他の案内、で協力を呼びかけている。

まず、内部事務のセンター化の対象となる税務署に、申告書、申請書及び添付書類等を提出する場合、e-Tax(データ)により提出する場合は所轄税務署へ送信、書面により提出する場合は業務センターへ郵送となる。

 次に、業務センターでは、納税者や税理士に対し、内部事務を処理するため、電話や文書により問合せをすることがあるとしている。

 また、その他の案内としては、国税に関する相談(納付に関する相談を含む)、税務署の窓口で対応している納税証明書の交付、閲覧申請、情報公開、現金による国税の納付のほか、申告書・申請書等の用紙の送付依頼は、業務センターでは対応していないことに注意を促している。

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