ちば会計

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生き方 社会

2021年8月24日 (火)

長引くコロナ禍で盛り上がる「巣ごもり需要」意外な業界にも波及効果が!?

2020年、世界的に大流行した新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの産業が苦境に立たされた。

 

給付金や政府系金融機関の実質無利子融資で何とか踏みとどまっている企業が少なくない中、「巣ごもり需要」によって活況な業界もある。

  

例えばゲームソフト業界などはその代表だろう。

 

経済産業省が毎月公表する第3次産業活動指数のゲームソフト指数をみると、2020年は218.6ポイントとなっており、前年比で24.6%増。最初の緊急事態宣言が発令された昨年4月に任天堂の「あつまれ どうぶつの森」が、まさに巣ごもり需要を受けてビッグヒットとなったことは記憶に新しい。

 

また、同じく巣ごもり需要の恩恵にあずかったのが「楽器」業界だ。

 

総務省の家計消費状況調査によれば、2020年の3月から8月の間に楽器の消費額が増加している。

また、経済産業省の鉱工業指数によれば、最初の緊急事態宣言下こそ楽器の生産・出荷台数は激減したものの、その後は徐々に回復。

 

今年に入ってからは、特にギター・電子ギターの生産出荷が好調で、すでにコロナ前の水準を大きく上回っている。

 

ギターやウクレレは比較的音の小さな楽器であることから、まさに自宅での「巣ごもり」にはうってつけの楽器だったのだろう。

ただ反面、管楽器は昨年3~4月に生産が落ち込んで以降、コロナ前にはまるで及ばない水準で推移している。

 

これは、コロナウイルスが飛沫感染することから、演奏時に息を吹き込む必要がある管楽器が敬遠されたことや、学校の吹奏楽部の活動が制限されたことが影響しているのではないかと考えられる。



2021年8月10日 (火)

「ギグワーカー」の急増から見えるものは?コロナ後を見据えた人材確保の好機到来か

インターネット経由で単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」が急増している。

   
人材仲介会社ランサーズが行った『フリーランス実態調査 2021』によれば、2018年と比較して日本のフリーランス人口は500万人以上増加し、約1,670万人になったことがわかった。

  
しかし、そんな中にあってもギグワーカーの賃金は高いとは言えない。

  
ウーバーイーツの配達員は歩合制のため時給が最低賃金を下回ることもあり得る。事故のリスクもあり、休業補償もない。
日雇い派遣が原則禁止である以上、個人事業主として業務委託契約を締結した形なのだから当然だが、働き手にとっては非常にリスキーな状況だ。

  
米国カリフォルニア州では「ギグワーカー」を保護する画期的な法律が昨年施行された。

  
一定の基準をクリアすれば、同州の最低賃金、残業代などが保証されるほか、病気休暇、失業手当、労災補償給付を受けられるものだ。

   
一方、日本ではコロナ禍を機に議論がスタートし、今年4月より一定の業種(芸能関係、アニメーション制作、柔道整復師)に限り、フリーランスにも労災保険への特別加入が認められたが、これ以外の業種はいまだ対象外だ。

  
そもそも企業側から見れば「ギグワーカー」は重要な戦力だが、社会保険料の負担を増やしてまで、短時間のタスクへの見返りを用意するのは厳しい。

  
ならばむしろ、この先「ギグワーカー」分の社会保険料を支払うことになるのであれば、正規に雇用してより大きな戦力になってもらうほうが相互にメリットがある。

  
五輪メダリストですら「ギグワーカー」となっている状況なのだから、ほかにも多数の優秀な人材が働き場所を探している可能性が高い。

  
コロナ後を見据えた先行投資を採用に注ぎ込むことで、想定以上の成果が得られる可能性は十分にあるのではないだろうか。

 

2021年7月20日 (火)

コロナ禍で脚光を浴びる「電子契約」 契約の省力化、印紙税の節税などメリット多数

 ペーパーレス化、脱ハンコといったデジタル化を促す新しい技術が多くリリースされているが、その中心に位置づけられるのが電子契約。

 

その歴史は古く、2000年には電子署名法が制定され、電子契約の基盤はこの当時から作られていた。伝統的な「ハンコ文化」が障害となり普及しなかったが、コロナ禍でこれが花開いた形だ。

 

 ところで、電子契約は紙を用いないため署名・押印がない。代わりに用いられるのが、電子データによって署名を行う「電子署名」である。

 

ハンコによる押印の場合、本人しか持っていないハンコ(印章)を使い、そのハンコを使用しないと作れない書面上の印を押した跡(印影)を作成する。これにより、文書が本人によって作成されたことを確認する仕組みだ。

 

電子署名の場合も、本人しか持っていない物を使い、その物でないと作成できないものを作成するというのは同じだが、これを電子的に実現することになる。

 

電子署名における「本人しか持っていない物」は「秘密鍵=署名する本人だけが知っている暗号鍵」と呼ばれ、この秘密鍵と電子契約書を「電子署名作成プログラム」に投入し暗号化することで、他人には作成できない電子署名を作成するのである。

 

 紙の契約書の場合、印刷代や契約書を相手方に送付するための郵送費等だけでなく、これらの作業を行う人件費もかかる。

 

電子契約の場合にはこうした費用が不要で、作業工数も大幅に減るため人件費の削減にも繋がる。また、電子契約で作成した文書については、明文化された規定はないものの、印紙の貼付が不要とされる。

 

 新型コロナウイルスの影響でテレワークやリモートワークといった働き方が普及したいま、一躍脚光を浴びることとなった電子契約。会社のDXの一歩として導入を検討してみてはいかがだろうか。

 

 

 

2021年5月22日 (土)

国の借金、過去最大の1216兆円 国民1人当たり約970万円に増加

 財務省が公表した、2021年3月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は、前年度末(2020年3月末)からは101兆9234億円増えて1216兆4634億円となり、過去最大を更新した。

 

 新型コロナウイルス感染の拡大を受けて編成された2021年度予算では、追加歳出や歳入不足の財源を全て国債の発行に頼っており、さらに今後の経済対策への財政出動が予想され、国の財政はより厳しい状況になりそうだ。

 

 3月末の国の借金は、2020年3月末に比べ、国債は約86.6兆円増の約1074.2兆円で全体の約88%を占め、うち普通国債(建設国債+赤字国債)は、約60兆円増の約946.6兆円となった。

 

 その内訳は、長期国債(10年以上)が約15.6兆円増加して過去最大の約714.7兆円、短期国債(1年以下)も約48.9兆円増の約72.7兆円とともに大幅増となったが、中期国債(2年から5年)は▲約4.5兆円減の約159.2兆円となった。

 

 この「国の借金」1216兆4634億円は、2021年度一般会計予算の歳出総額106兆6097億円の約11.4倍、同年度税収見込み額57兆4480億円の約21.2倍である。年収500万円のサラリーマンが1億600万円の借金を抱えている勘定だ。

 

 また、わが国の今年4月1日時点での推計人口1億2541万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人当たりの借金は、2020年3月末時点の約885万円から約970万円に増加している。

 

 

 

2021年5月 1日 (土)

中企庁が2021年版中小企業白書を公表 コロナ禍の企業への影響を細かく分析

 中小企業庁は4月23日、2021年版の中小企業白書を公表した。

この白書は中小企業庁が毎年公表しているもので、2021年版のテーマは「危機を乗り越え、再び確かな成長軌道へ」。新型コロナウイルス感染症が中小企業に与えた影響を分析し、その実態を明らかにするとともに、経営者の参考になるデータや事例を豊富に紹介している。

 

実に多岐にわたるデータが紹介されているのだが、中でも注目したいのは「中小企業の財務に対する意識と業績との関係」だ。

 

リーマンショック以降、中小企業においても財務指標を経営に活用する動きが活発化。

 

特に近年は、企業規模を問わず自己資本比率を高めることの重要性が叫ばれているが、小規模企業の自己資本比率は2010年を底に上昇に転じ、そこから右肩上がりの状況にある。

 

もっとも、中央値が17.1%と決して高くはない上、掲載されているのが2019年のデータであることから、コロナ禍の影響が織り込まれていないことに注意が必要だ。

 

 さらに気になるのは、損益分岐点比率。こちらも2019年の数値だが、小規模企業では92.7%、中規模企業では85.1%となっている。

 

この数値が低いほど、新型コロナ禍のような急激な変化にも強い会社であると言えるが、白書では中小企業の損益分岐点比率が高いことを指摘。

 

また、損益分岐点比率を定期的に計算・把握している企業では、していない企業に比べて2%ほど良い数値であることも紹介し、財務指標に基づいた経営分析の重要性を説明している。

 

 2021年版の中小企業白書は、新型コロナ禍中に作成・公表されたというだけあって、従来よりも興味深いデータや考察、提言が為されているので、一読してみることをお勧めしたい。

 

 

 

2021年4月 9日 (金)

改正高年齢雇用安定法が4月1日に施行 福利厚生やマネジメントの充実が必須に

「70歳までの就業機会確保」を努力義務とする改正高年齢雇用安定法が4月1日に施行された。

 高齢者の就業機会が確保されることによって、企業の人手不足解消にある程度の効果が期待できるだろう。

 

なにしろ、15~64歳の生産年齢人口は3年連続で6割を切っており、毎年40万人近く減少を続けているのだ。生産年齢人口が減少し続けているのだから、65歳以上の労働力を生み出さなければ、いずれわが国の産業を維持できなくなるのは自明。

 

昨年、家電量販店のノジマが最長80歳までの雇用延長を制度化したが、このようなニュースが出るたびに「そんな歳まで働きたくない」という声が各方面からあがる。だが、こうした動きが当たり前になる日もそう遠くないだろう。

 

 一方で、高齢者に労働力が偏ることにより、これまでにない問題が生じる可能性がある。たとえばマネジメント分野。「年上の部下」は珍しい存在ではないが、部署内でマネジメント職以外の全員が65歳以上になることも十二分にあり得る。

 

そうなると、「高齢者マネジメント」に特化した研修プログラムをマネジメント人材向けに実施する必要も出てくるだろう。

 

そして、福利厚生面ではメディカルヘルスケアのより一層の充実が求められることに。健康診断やメンタルヘルスケアの内容も従来通りとはいかない。

 

「がん」や「認知症」を抱えて働く人材も増えるだろう。多職種の医療ネットワークとの緊密な連携も必要になるかもしれない。

 

 75歳以上が人口のボリュームゾーンとなる時代がすぐそこまでやってきている。

 

これからの時代、マネジメント職の研修や主に医療面での福利厚生の充実を図れるかどうかが、企業の持続可能性を左右するようになるのは間違いないだろう。

 

 

 

2021年3月22日 (月)

コロナ禍で事業転換を図る企業に 大切な「VRIO」の視点とは?

 新型コロナ禍では、多くの企業が事業の見直しを迫られている。

 

国も事業の転換や再構築を支援するため事業再構築補助金という、過去に例のない規模の補助金を用意しているが、それが簡単でないことは言うまでもない。

 

「飲食店がデリバリー」というのも立派な事業転換だが、軌道に乗るかどうかは別の話だからだ。

 

企業はヒト・モノ・カネといった経営資源を使って活動するが、中でも大切なのが「競争優位をもたらす資源」。事業転換を考えるにあたっては、自社の経営資源が競争優位な状態にあるか分析・評価することが不可欠だ。

 

これを分析するフレームワークが「VRIO」。Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣困難性)、Organization(組織)の頭文字を取ったもので、これら4つが揃ったとき持続的な競争優位と経営資源が最大活用された状態が実現する。

 

 トヨタを事例にVRIOを確認してみよう。トヨタは、いわゆる「トヨタ式生産方式」で高品質・低価格を実現させており、戦略上の価値(Value)を有している。

 

また、トヨタの工場は「人とロボットの共同作業」によって高品質と低価格を両立させるという特異なアプローチを取っており、希少性(Rarity)がある。

 

さらに、トヨタのような生産性を実現するには「自働化」の思想や部品メーカーとの連携が必要で、模倣困難性(Imitability)が高い。そして、不具合に即時対応するなど様々な面で組織(Organization)的な対応が行われている。

 

 実は、こうした競争優位性が、事業再構築補助金の審査においてもキーポイントとなる。フランチャイズ化にかかる費用(加盟料は対象外)も対象となるほど“懐の深い”補助金だが、だからといって、単にフランチャイズに加盟し新事業を始めるだけでは、採択されない可能性は小さくない。

 

 補助金を得るために事業を転換するわけではないが、少なくともこの補助金にチャレンジすることを通じて、企業は自社の競争優位性を再確認するよい機会になるだろう。

 

 

2021年3月15日 (月)

国民負担率は44.3%となる見通し 「潜在的な国民負担率」は56.5%

 財務省はこのほど、国民負担率が、2021年度予算では2020年度実績見通しから1.8ポイント減の44.3%となるとの見通しを発表した。

 

国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保険料(年金・医療費などの保険料)の負担割合。21年度見通しの内訳は、国税15.5%、地方税9.9%で租税負担率が25.4%、社会保障負担率は18.9%。

 

20年度は19年10月の消費増税分が国民負担に1年間で影響して過去最高の46.1%だった。

 

 2020年度実績見込みに比べ、租税負担率は0.9ポイント減(国税横ばい、地方税0.7ポイント減)。社会保障負担率は1.0ポイント減だったが、前年はこの統計を開始した1970年度以降では過去最高の19.9%となっており、20年度は過去2番目に高い。

 

 国民負担率を諸外国(18年実績)と比べた場合、日本(44.3%)は、米国(31.8%)よりは高いが、フランス(68.3%)、スウェーデン(58.8%)、ドイツ(54.9%)、英国(47.8%)よりは低い。

 

 真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、2021年度の国民所得(20年度に比べ16万6千円増の393万6千円)に対する財政赤字の割合は、前年度から8.1ポイント減の12.2%となる見通し。

 この結果、21年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、20年度実績見込みからは10.0ポイント減の56.5%だが、過去最高だった20年度に次ぎ2番目に高い見通しになる。

 

 

2021年2月13日 (土)

テレワーク人口は2,000万人に迫るも減少傾向 マイナス面をカバーするカギは、やはり「デジタル」

 野村総合研究所(NRI)の調査によると、昨年12月時点で、日本のテレワーク対象者が約2,000万人に上ることが分かった。

このうち420万人は年間120日以上テレワークを行っており、テレワークが急拡大していることを裏付ける結果に。

ただし、このまま社会に定着するかといえば、必ずしもそうとは言えない。

 

「自身はテレワーク対象者」と答えた人のうち、7.3%は「足元1か月間にテレワークを行っていない」と回答。多くの人がテレワークを行う“権利”を持ちながら、実際には行っていない状況も見えてくる。

 

 なぜ、そのような現象が起こっているのか?

 

調査ではテレワークのマイナス面についても質問しているが、「テレワークで仕事上の不安やストレスが強まる」「出勤へのプレッシャーを感じる」「テレワークをしていると罪悪感がある」といった回答が多数を占めた。

 

多くの人が「出社して、同僚と一緒に働くことが仕事」と考えており、自宅で、一人で仕事をすることに対して違和感を覚えている模様。NRIはこうした調査結果について「規範意識が強い人ほどテレワークのマイナス面を感じている」とコメントしている。

 

 では、企業がよりテレワークを推進するには何が必要だろうか。

 

ヒントとなるのは、同じくNRIが行った「コロナ禍における消費者の生活満足度」に関する調査。この調査では「対面のコミュニケーションが減った人ほど、生活満足度が低い」ことが示されているが、これはテレワークにもそのままあてはまるだろう。

 

コミュニケーション機会が減ることで、仕事に対する充足感を感じにくくなるのだ。一方、調査では「デジタル活用が進む人ほど生活満足度が高い」ことも判明。コロナ禍で失われたコミュニケーションは、デジタルにより補完可能であることを意味している。

 

すでに言われていることだが、テレワーク推進においては、デジタルツールを活用してプラスの部分を引き出しつつ、同時にマイナスを小さくすることが重要だろう。

 

 

2021年1月22日 (金)

政府が「フリーランス保護」を進める背景 業務委託の契約フロー見直しも必要に?

 中小企業庁は、昨年末に「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」の案をとりまとめた。

フリーランスの保護を目的としたもので、取引内容が独占禁止法および下請法の対象となることを明記。「契約内容の書面交付をしない」「取引条件を一方的に変更」等に違反した場合は、罰則の対象となる。

 

 なぜ、このタイミングで新たなガイドラインを示したか。

 

まずは、新型コロナウイルス感染拡大の影響が挙げられる。イベントの中止が相次ぎ、契約書がないばかりに発注キャンセルに泣き寝入りせざるを得なかったフリーランスが続出。

 

日本俳優連合は昨年9月に公表したアンケートで、俳優の3割が「契約書がない」と回答したことをもとに公的支援を訴えている。また、内閣官房が昨年2~3月に実施した調査で、契約内容が書面やメールに残されていなかったなどの経験をしたフリーランスが約6割にものぼったことも大きい。

 

 ただ、本丸はやがて訪れる空前の人手不足への先手だ。

 

団塊の世代が全員75歳以上となる2025年まであとわずか、すでに生産年齢人口は3年連続で6割を下回った。つまり、生産年齢人口の対象である15~64歳だけに労働力を期待するのは困難な状態だということ。

 

今後、これまでフリーランスとの取引をしたことがない企業も、それを検討せざるを得ない可能性が高い。ガイドラインと併せて契約書のひな形まで示したのは、そうした企業でも戸惑わないようにという配慮ではないか。

 これまで業務委託契約を交わしたことのない企業は、契約書の体裁のみならず、契約の際に踏まなければならない“手続き”をチェックすべきだ。できれば、人事・労務関係の法務を見直しておく好機と捉え、コンプライアンス強化の一助とすることを勧めたい。

 

 

 

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