税理士法人千葉会計

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景気・世論・日本人

2025年6月30日 (月)

厚労省 能力開発基本調査結果を公表 人材育成の課題は「指導者不足」が上位

 厚生労働省はこのほど、令和6年度「能力開発基本調査」の結果を公表した。

それによると、OFF-JT(職場外研修)または自己啓発支援に費用を支出した企業は全体の54.9%にとどまり、いずれにも支出していない企業が45.1%と、依然として能力開発投資を行わない企業が多い現状が明らかとなった。

支出内容の内訳では、OFF-JTにのみ支出した企業が27.7%、自己啓発支援のみに支出した企業が5.5%、両方に支出した企業は21.7%だった。労働者一人当たりの平均支出額は、OFF-JTで1.5万円、自己啓発支援で0.4万円となり、自己啓発支援は前年よりも増加している。

 また、過去3年間の正社員向けOFF-JTの費用について「増加した」と回答した企業は23.5%で、「減少した」の6.3%を大きく上回った。今後3年間の支出見込みでも、「増加させる予定」とした企業が37.0%と「減少させる予定」の1.3%を大幅に上回ったが、「実施しない予定」の企業も39.0%にのぼり、二極化の傾向がうかがえる。

自己啓発支援についても同様に「増加した」とする企業が12.1%、「減少した」は4.2%で、今後の「実施しない予定」が54.7%と過半数に達している。

 さらに、企業が労働者に求める能力・スキルとしては、50歳未満の正社員では「チームワークや協調性」が58.6%で最も多く、次いで「職種に特有の実践的スキル」が36.9%と続いた。

一方、50歳以上の正社員では「マネジメント能力・リーダーシップ」が55.0%で最多だった。

2025年5月22日 (木)

企業数・営業収入・法人税が過去最高 国税庁 令和5年度会社標本調査

 国税庁はこのほど、令和5年度分の会社標本調査結果を公表した。

これによると、国内の全法人数は295万6,717社で、前年度から4万7,000社増加(+1.6%)。

これは平成24年度以降、11年連続の増加で過去最多。

利益を計上した法人は115万3,514社(+1.9%)で3年連続の増加、こちらも過去最多を記録。

一方で欠損法人も180万3,203社(+1.5%)と4年連続で増加しており、欠損法人の割合は61.0%と、依然として高水準にある。

 企業の売上に相当する営業収入金額は、1,760兆1,788億円(+2.2%)と3年連続で増加し、過去最高を記録。

企業のもうけを示す所得金額も91兆7,696億円(+14.7%)と4年連続で増加し、こちらも過去最高だった。

業種別では、「機械工業」や「小売業」「建設業」などが所得金額の増加額で上位に並び、特に「食料品製造業」は前年比+30.1%と高い伸びを示した。

これらの動向を反映して、法人税額も大幅に増加した。

令和5年度の法人税額は16兆3,976億円となり、前年度比で2兆1,533億円増(+15.1%)と大きく伸長。

これは企業の増益基調を背景とした納税額の拡大を表している。

また、所得税額控除や外国税額控除などの各種控除にも変化が見られ、外国税額控除は前年比+47.0%と顕著な増加を示した。

企業数・収益・納税額のいずれも高水準に達し企業活動が活発であったことがうかがえる一方、欠損法人の多さが依然として課題であり、日本経済の底力と二極化の側面が浮き彫りとなった。

2025年5月20日 (火)

労働力調査 失業率改善・就業者増 女性と高齢者の就業が拡大

 総務省統計局はこのほど、「労働力調査(基本集計)2024年度(令和6年度)平均」を公表した。

これによると、2024年度の完全失業率は2.5%で、前年度より0.1ポイント改善。

男女別では、男性が2.6%で0.1ポイントの低下、女性は2.4%で前年度と同率だった。

完全失業者数は175万人で、前年度比3万人減少しており、男性は100万人で3万人減、女性は75万人で横ばいだった。

 就業者数は6,793万人で前年度から37万人の増加。

特に女性の増加が顕著で、女性が33万人の増加に対し、男性は4万人の増加にとどまった。

産業別では「医療・福祉」が13万人増、「宿泊業・飲食サービス業」が9万人増加するなど、サービス系産業を中心に雇用の拡大がみられた。

一方で、「製造業」は10万人減、「建設業」と「運輸業・郵便業」もそれぞれ6万人減少した。

 就業率は全体で61.8%となり、前年度比0.4ポイント上昇。

男性が69.7%(+0.2ポイント)、女性が54.4%(+0.7ポイント)と女性の上昇幅が大きい。

15~64歳の労働力に限ると、男性は84.5%、女性は74.4%で、いずれも前年度より上昇。

雇用形態別では、正規の従業員は3,662万人で、前年度比40万人の増加。

うち女性が32万人の増加と大きな伸びを示した。

一方、非正規の従業員は2,132万人で、前年度比2万人の増加となった。

非正規では男性が5万人減少したのに対し、女性は7万人の増加となっており、65歳以上の高齢層の非正規雇用が男女ともに拡大している。

2025年5月14日 (水)

2025年版中小企業白書が公表 金利上昇の影響を試算したコラムが話題

 中小企業庁はこのほど、2025年度版の中小企業白書が4月25日を取りまとめ、4月25日に公表した。

その中で、政策金利の上昇が中小企業の企業収益にどのような影響を及ぼすかを分析しており、注目を集めている。

白書では、政策金利が段階的に2%まで引き上げられた場合と、据え置かれた場合の2通りのシナリオを比較し、中小企業の経常利益への影響を試算した。

結果、金利上昇ケースでは、2024年度から2027年度の4年間で中小企業の経常利益は累計約4.1%増加すると推計されている。

売上高の拡大による限界利益の増加が主な押し上げ要因となり、限界利益の寄与度は+10.1ポイント。

一方、賃金上昇に伴う人件費負担は−5.3ポイントの押し下げ要因となり、支払利息増加による影響も−0.5ポイント程度生じると見込まれている。

 企業規模別では、大企業の経常利益増加率が約4.4%、中規模企業が約4.0%、小規模企業が約3.7%と推計され、企業規模にかかわらず増益効果が期待できる結果となった。

ただし、これはあくまで「平均値」であり、個別企業では価格転嫁の遅れや資金繰り悪化により、マイナス影響が強く出る場合もあるとされる。

特に借入依存度の高い業種や、為替変動による輸入コスト上昇の影響を受けやすい業種は注意が必要だ。

 中小企業庁は、こうした分析を踏まえ、中小企業に対して「外部環境の変化を好機と捉え、積極的に行動を変えること」を呼びかけている。

2025年5月12日 (月)

業績回復には個人消費が鍵 人手不足・物価高が重荷に

 帝国データバンクはこのほど、「2025年度の業績見通しに関する企業の意識調査」の結果を公表した。

それによると、「増収増益」を見込む企業は全体の24.6%と、前回調査(2024年度見通し)から1.7ポイント減少、2年連続の低下となった。

一方で「減収減益」は21.2%と微増で、こちらも2年連続の増加。

2019年度の調査と似た傾向が見られ、企業先行きに対する慎重な姿勢が際立っている。

 業種別では、情報サービス(36.4%)、化学品製造(34.7%)、飲食店(33.6%)などが「増収増益」の上位に並んだ。

AIやデジタル投資の進展、農作物の高値などが追い風となっている。

他方、「減収減益」が最も多かったのは再生資源卸売(31.7%)で、鉄鋼・非鉄、機械製造、建設など卸売・製造業の厳しさが目立った。

背景には、米中貿易摩擦の再燃や資源価格の変動、供給網の不安定化があると見られる。

 上振れ要因では「個人消費の回復」が34.7%で最多となり、「所得の増加」「原油・素材価格の安定」などが続いた。

消費関連の項目が目立ち、国内市場の活性化が企業業績のカギとされる。

一方、下振れ要因では「人手不足の深刻化」(39.0%)が最多で、「物価の上昇(インフレ)」(35.1%)、「個人消費の低迷」(32.4%)が続いた。

「インフレ」は前回調査より10ポイント以上増加し、価格転嫁の難しさや節約志向が企業収益を圧迫している。

2025年5月 7日 (水)

コンプラ違反倒産が379件で過去最高 業種別では「サービス業」が最多

 帝国データバンクはこのほど、2024年度の「コンプライアンス違反倒産」の調査結果を公表した。

これによると、違反企業による倒産件数は全国で379件に上り、前年度比で27件(7.7%)増加、4年連続で増加を記録するとともに、過去最多を更新した。

コロナ禍以降の各種支援策により、粉飾などの違反が一時的に表面化しにくい状況が続いていたが、ゼロゼロ融資の返済開始時期を迎えたことをきっかけに表面化するケースが急増している。

業種別では「サービス業」が129件と最も多く、次いで「建設業」(69件)、「卸売業」(52件)、「小売業」(47件)と続いた。

中分類で見ると、「広告・調査・情報サービス業」や「老人福祉・廃棄物処理などのサービス業」、そして「総合工事業」が上位を占めている。

違反内容の内訳では、「粉飾決算」による倒産が101件に達し、全体の26.6%を占めて最多。

これは過去最多であり、倒産時の負債規模も大型化している。

 こうした「粉飾決算」に次いで多かったのが、経営者の逮捕や訴訟トラブルによる支払い遅延といった「その他の違反」で、63件(構成比16.6%)。

続いて、労働安全衛生法違反や指定取消などの「業法違反」(62件)、資金の私的流用や悪質なM&Aを含む「資金使途不正」(61件)、さらには雇用調整助成金などの「補助金の不正受給」(55件)といったケースも多く、いずれも社会的信用の喪失が企業の存続に直結する厳しい現実が浮き彫りとなっている。 

2025年5月 2日 (金)

外国人建設技術者の採用・定着に向けて 国交省 中小企業向けの手引を公表

 国土交通省はこのほど、中堅・中小建設企業の経営者および実務担当者を対象とした「外国人建設技術者の採用・定着に向けたハンドブック」を公表した。

本ハンドブックでは、外国人技術者の受入れにあたって企業が実施すべき採用準備、受入環境の整備、定着支援までの一連のプロセスを体系的に解説しており、既に受入れを行っている企業の多様な事例も紹介されている。

 建設業界では、高齢化の進行や若年層の減少、新規入職者の確保難、離職率の増加といった構造的課題が顕在化しており、今後さらに監理技術者などの建設現場で活躍する技術者の不足が見込まれている。

こうした課題に対応するためには、国内人材の確保や生産性向上に加え、外国人高度人材の活用が重要であり、国土交通省はその受入れ支援に注力している。

 ハンドブックの第一章では、企業が自社の受入体制を点検できるチェックリストを掲載し、体制整備の現状を把握できる構成になっている。

第二章では、採用計画の立案、募集・選考、雇用手続きから、職場定着までの具体的な取組ステップを詳細に解説している。

第三章では、先進的な取組を行う中堅・中小建設企業の実例を紹介し、実務への応用が可能なヒントを提供している。

第四章では、外国人の入国後の生活支援、在留資格申請手続き、主要な送出し国の基礎情報などを網羅しており、各種情報にアクセス可能なQRコードやURLも掲載している。

2025年4月25日 (金)

人手不足倒産、過去最多を更新 建設・物流業を中心に深刻化

 帝国データバンクはこのほど「人手不足倒産の動向調査(2024 年度)」の結果を公表した。

2024年度における人手不足を要因とする倒産件数は350件にのぼり、2年連続で過去最多を更新した。

この調査は、負債1,000万円以上かつ法的整理による倒産を対象としており、2013年の集計開始以来、最多の水準を記録している。

 業種別では、建設業が最も多く111件に達し、初めて100件の大台を超えた。

次点は物流業の42件で、前年度からやや減少したものの、高い水準に変わりはない。

いずれの業界も「2024年問題」とされる時間外労働の上限規制の影響を強く受けており、慢性的な人材不足に直面している。

最近では、大企業による新卒初任給の引き上げや、政府が掲げる最低賃金1,500円の目標により、賃上げの流れが加速している。

待遇改善を求めて転職に踏み切る労働者も増加しており、十分な賃上げ余力を持たない小規模事業者において、いわゆる「賃上げ難型」の倒産が引き続き高水準で推移する可能性が高い。

また、賃上げの原資をどう捻出するかも、大きな課題だ。

価格転嫁の実現がその鍵を握るが、実態としては困難を伴うケースが少なくない。

たとえば、全業種平均の価格転嫁率は40.6%にとどまり、建設業では39.6%、物流業では32.6%とさらに低い数値にとどまった。

「モノの値上がり」であれば取引先の理解が得られやすいものの、「賃上げ目的」となると納得を得にくいとの声も現場からは聞こえてくる。

2025年4月 8日 (火)

人口の自然減が過去最大を更新 ▲84万8728人 少子化加速

 厚生労働省はこのほど、令和5年(2023年)の人口動態統計を公表した。

それによると、日本の人口の自然増減は過去最大の減少幅となり、少子高齢化の進行が一層鮮明となった。

出生数は727,300人で、前年から3万人以上減少し戦後最少を更新。

合計特殊出生率は1.20と、前年から0.03ポイント低下し、統計開始以来最も低い水準となった。

年齢別にみると、出生率が最も高かったのは30〜34歳の層だったが、この層を含めた39歳以下のすべての年齢層で、出生率は前年よりも低下した。

つまり、出産の中心となる年齢層全体で出生率が下がっており、少子化の傾向が引き続き強まっている。

一方、死亡数は1,576,016人で、前年より約7千人増加。

死亡率(人口千対)は13.0で、前年の12.9から上昇した。

平成15年に100万人を超えて以降、死亡数は高齢化の影響により増加傾向が続いており、75歳以上の高齢者による死亡が全体の7割以上を占めている。

こうした状況により、出生数から死亡数を差し引いた自然増減数は▲848,728人に達し、前年(▲798,291人)よりも減少幅がさらに拡大した。

自然増減率も▲7.0(人口千対)となり、前年の▲6.5を下回った。

都道府県別では、すべての地域で死亡数が出生数を上回る「自然減」となり、最も減少幅が小さかったのは沖縄県(▲1.8)、最も大きかったのは秋田県(▲15.3)だった。

2025年4月 4日 (金)

内閣府調査 今後3年間の設備投資 企業の75.8%が増加を計画

 内閣府はこのほど、「令和6年度 企業行動に関するアンケート調査結果(概要)」を公表した。

本調査は、企業の設備投資、雇用者数の動向などについて把握し、日本経済の動向を分析することを目的としている。

本調査によると、「今後3年間(令和7~9年度)」に設備投資を増やすと回答した企業の割合は 75.8% で、前年度の75.9% からほぼ横ばいとなった。

業種別に見ると、製造業は74.3%(前年78.8%)で若干の減少が見られた一方、非製造業は76.9%(前年73.7%)となり、非製造業において設備投資の意欲がやや高まっていることが分かった。

特に設備投資の増加が目立つ業種としては、「鉄鋼」「精密機器」「倉庫・運輸関連業」「小売業」などが挙げられる。

一方で、「製造業全体」の割合が前年より低下しており、国内の製造業の設備投資意欲がやや落ち着いている可能性を示している。

 また、雇用者数の動向について「今後3年間(令和7~9年度)」に雇用者数を増やすと回答した企業の割合は75.2%で、前年度調査の75.8%からやや減少した。

業種別に見ると、製造業では71.0%(前年73.8%)、非製造業では78.3%(前年77.4%)となり、特に製造業では雇用拡大の意向が弱まっている。

増加が見込まれる業種としては、「非鉄金属」「化学」「サービス業」「不動産業」などが挙げられる。

人手不足が課題となっているサービス業界や、成長が期待される不動産業では、今後も積極的な雇用拡大が続くと見られる。

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