新型コロナ、事業所の納税1年猶予 個別の事情がある場合にも納税猶予
2016年分所得税の確定申告は3月15日に終了したが、申告内容を再チェックすることも必要だ。
例えば、税額を少なく申告していたときは、「修正申告」をして正しい税額に修正する。修正申告によって新たに納付する税額には、法定納期限の翌日から完納する日までの期間について延滞税がかかるので、併せて納付する必要がある。
修正申告をしたり、税務署から申告税額の更正を受けたりすると、新たに納める税金のほかに過少申告加算税がかかる。この過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の10%相当額だが、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合は、その超えている部分については15%になる。
また、税務署の調査前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかからない。ただし、2017年1月1日以後に法定申告期が到来するもの(2016年分以後)については、調査の事前通知後の場合は、50万円までは5%、50万円を超える部分は10%の割合を乗じた金額の過少申告加算税がかかる。
一方、申告期限から1ヵ月以内に行われた自主的な申告であり、納付すべき税額は期限内に全額納付しているなど、期限内申告の意思があったと認められる場合には、無申告加算税は課されない。それ以外に期限後申告となった場合は、納める税金のほかに、原則、納付税額の15%(50万円超の部分は20%)の無申告加算税が課される。
国税庁が公表した2015度の法人税の申告事績によると、今年6月末現在の法人数は前年度から0.9%増の304万8千法人で、うち2015年度内に決算期を迎え今年7月末までに申告した法人は、同1.1%増の282万5千法人だった。
その申告所得金額は同5.3%(3兆928億円)増の61兆5361億円、申告税額の総額も同1.9%(2150億円)増の11兆3844億円と、ともに6年連続の増加。申告所得金額の総額は過去最高となった。
この結果、法人の黒字申告割合は、前年度に比べ1.5ポイント上昇して32.1%となり、5年連続の増加となった。黒字申告割合は、昨年度にリーマン・ショック前の2007年度以来7年ぶりに3割を超えたが、2年連続で30%台となった。
もっとも、法人の黒字申告割合は、過去最高だった1973年度(65.4%)の半分にも満たない低い数字が、1993年度から23年も続いていることになり、黒字申告割合は低水準が続いている。
6年連続の増加となった黒字法人の申告所得金額は、黒字申告1件あたりでは前年度に比べて0.6%減の6785万円となった。一方で、申告欠損金額は同5.1%減の13兆7118億円、赤字申告1件あたりの欠損金額も同4.1%減の715万円と、ともに減少し、企業業績全体が改善されつつあることがうかがえる。
ちなみに、申告所得金額のピークは昨年度2014年度の58兆4433億円、申告欠損金額のピークは1999年度の33兆2791億円だ。
消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置が閣議決定され、来月下旬に開かれる予定の臨時国会に提出される。
閣議決定の内容をみると、消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置としては、消費税率の10%への引上げの施行日を2019年10月1日に2年半延期し、請負工事等に係る適用税率の経過措置の指定日を半年前となる2019年4月1日にそれぞれ変更する。
また、消費税率引上げ時期の変更に伴う措置として、消費税の軽減税率制度の導入時期を2019年10月1日に変更する。
適格請求書等保存方式(インボイス方式)が導入されるまでの間の措置については、(1)売上税額の計算の特例(中小事業者向け)の適用期間を2019年10月1日から2023年9月30日までに変更、(2)仕入税額の計算の特例(中小事業者向け)の適用期間を2019年10月1日から2020年9月30日までに変更、(3)中小事業者以外の事業者に対する売上税額又は仕入税額の計算の特例については、措置しない。
また、適格請求書等保存方式の導入時期を2023年10月1日に変更し、消費税転嫁対策特別措置法の適用期限は2021年3月31日まで延長する。
そのほか、関連措置として、車体課税の見直しの実施時期について、自動車取得税の廃止時期を2019年10月1日に変更することや、自動車税及び軽自動車税における環境性能割の導入時期をそれぞれ2019年10月1日に変更する。
今年3月末時点での法人税や消費税など国税の滞納残高が、前年度に比べ8.2%減の9774億円となり、1999年度以降17年連続で減少したことが、国税庁が発表した2015年度租税滞納状況で明らかになった。滞納残高が1兆円を下回ったのは、1986年度(8778億円)以来29年ぶりとなっている。
新規発生滞納額は前年度に比べ16.2%増の6871億円と2年連続で増加したものの、整理済額が7744億円(前年度比15.9%増)と新規発生滞納額を大きく上回ったため、滞納残高も減少した。
2015年度に発生した新規滞納額は、最も新規滞納発生額の多かった1992年度(1兆8903億円)の約36%まで減少した。また、2015年度の滞納発生割合(新規発生滞納額/徴収決定済額)は1.2%と前年度からほぼ横ばい。
2004年度以降、12年連続で2%を下回り、前年同様、国税庁発足以来の低水準が続いている。この結果、滞納残高はピークの1998年度(2兆8149億円)の約35%まで減少した。
税目別にみると、消費税は、新規発生滞納額が前年度比33.5%増の4396億円と2年連続で増加し、税目別では11年連続で最多、全体の約64%を占める。一方で、整理済額が4533億円と上回ったため、滞納残高は3.9%減の3340億円と、16年連続で減少した。
法人税は、新規発生滞納額が同5.9%減の634億円と2年連続で減少し、整理済額が832億円と大きく上回ったため、滞納残高も15.6%減の1069億円と8年連続で減少した。
東日本大震災から5年。東北六県主催の「東北六魂祭」はこの5年で一巡し役目を終えた。新たな5年間で被災三県(岩手・宮城・福島)の製造業シェアに主役交代が起こっている。
復興産業のエースと期待された電子部品工業はサプライチェーンの寸断から回復力が鈍く一歩後退。代わってトヨタ自動車の大衡工場(登米精巧=宮城県登米市)に代表される自動車産業の「復興支援と地場企業の活性化をめざす」経営方針が、「地場力の育成」で地力をつけてきた。
トヨタは震災教訓からリスク分散を推進し、5年経て震災前の電子部品などに代わり、ものづくりの柱に育ちつつある。
トヨタがかつて「国内第3の拠点」として岩手県の釜石港に輸送基地を作る計画もあった。現在は同県金ケ崎町に小型車両組立工場のトヨタ東日本が稼働する。
大衡工場には部品供給に参入する地元企業も増えてきた。震災後の、大衡工場周辺の町の雇用創出力は10%の人口増と伸びた。課題は自ら部品供給力の能力をつけてこそ真の復興といえる。
5年間では物流などにIC、IOTを応用している例が目立つ。味の素物流では輸送距離500㎞以上の8割を鉄道・船舶にする。商船三井は洋上データを船舶輸送に生かす。NECは画像認識装置で検品自動化。新サービスは日本気象協会の天気予報を食品類の需要予測に活用するなど異色。
政府は4月25日の閣議で、熊本地震を「激甚災害」に指定した。被災自治体が行う工事に対する国の補助率をかさ上げし、復旧を後押しする。
激甚災害指定は近年では2011年の東日本大震災、14年の広島市の土砂災害、15年の関東・東北豪雨が指定された。矢継ぎ早に頻発する自然災害受難―余震の中、復興が本格的に始まる。
22日に厚生労働省から緊急雇用・労働対策が通知された。1.被災地における雇用を維持・確保しようとする企業への支援(雇用調整助成金の要件緩和) 2.被災地の事業場等に対する労働保険料の申告・納付期限の延長
3.被災した就職活動中の学生等のニーズに応じた対応 4.被災者や復旧作業を行う人の安全・健康 5.賃金など労働条件面の不安や疑問への対応 の5つが柱。これらの一部は地震発生に伴いハローワーク等で被災者への対応などを始めている。
1.雇用の維持を図ることを目的として支給される雇用調整助成金。通常、事業活動縮小の確認を前年同期と直近3か月間との比較で行うが、直近1か月に短縮する特例を実施する(4月14日以降分について遡及適用可)。
2.被災地の事業場等に対する労働保険料の申告・納付期限の延長―熊本県内に所在地のある事業主等に対し、労働保険料等申告書の提出期限や納付期限を一定期間延長する(4月22日告示) 。(3~5は「キーワード」参照)
国税庁が公表した今年6月までの1年間(2014事務年度)における法人税調査事績によると、大口・悪質な不正計算が想定されるなど調査必要度の高い9万5千法人(前年度比4.9%増)を実地調査した結果、うち約74%に当たる7万件(同6.1%増)から5年ぶりの増加となる総額8232億円(同9.6%増)の申告漏れを見つけた。
追徴税額は1707億円(同7.3%増)。調査1件当たりの申告漏れ所得は866万円(同4.5%増)となる。
調査した19.5%(不正発見割合)に当たる1万9千件(前年度比10.2%増)が故意に所得を仮装・隠ぺいするなどの不正を行っており、その不正脱漏所得は前年度比16.7%増の2547億円で8年ぶりに増加。1件当たりでは同5.8%増の1373万円となった。
不正を業種別(調査件数350件以上)にみると、不正発見割合の高い10業種では、「バー・クラブ」が57.1%で13年連続のワースト1位。
「バー・クラブ」は、近年25年間で24回1位という不名誉な記録を持つワースト業種の常連。以下、前年3位の「パチンコ」(29.6%)、同ランク外の「ホテル、普通旅館」(28.4%)の順で続く。
また、1件当たりの不正所得金額が大きい10業種では、ランク上位常連の「パチンコ」が5722万円で前年に引き続き1位、2位は前年6位の「電気通信機械器具卸売」(2543万円)、3位は同6位の「情報サービス、興信所」(2210万円)、4位は同2位の「自動車・同付属品製造」(2083万円)と続く。
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