税理士法人千葉会計

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中小企業

2026年1月27日 (火)

RESAS:リーサスがアップデート 中小企業の経営分析機能を強化

 厚経済産業省と内閣官房が提供する「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」がアップデートされた。

リーサスは、政府や民間が保有するビッグデータを集約し、地域の産業構造や人口動態、観光、消費、雇用などを地図やグラフ上で「見える化」できる無料の分析システムだ。

2015年の提供開始以来、地方自治体の政策立案や企業の立地・投資戦略の検討など、幅広い分野で活用が進んできた。

データの信頼性と視覚的なわかりやすさを兼ね備え、誰でも手軽に地域経済の現状を把握できる点が評価されている。

今回の改良は「デジタル田園都市国家構想総合戦略」および「地方創生2.0基本構想」に基づくもので、中小企業の経営環境分析をより高度化する新機能が追加された。

具体的には、中小企業の経営実態に焦点を当てた「中小企業経営分析」メニューが新たに追加されている。

中小企業実態基本調査をもとに、業種ごとの従業者数や資産・負債、売上高、費用、設備投資、海外展開などを単年・時系列で確認できるようになったほか、「経営環境分析」機能では、付加価値額の推移や主要財務データがグラフ表示されるようになった。

これにより、利用者は自社や地域の業界構造をより多面的に把握し、経営課題の特定や将来の投資判断にデータを活用できる。

自治体、支援機関、企業のいずれにとっても、地域経済と企業経営をつなぐ分析基盤としての存在感が一段と高まっている。



2026年1月20日 (火)

人手不足倒産、上半期で過去最多に運送業など労働集約型業種で急増

 帝国データバンクはこのほど「人手不足の動向調査」の結果を公表した。

これによると、2025年度上半期(4〜9月)の人手不足を要因とする倒産は214件に達し、上半期としては3年連続で過去最多を更新。前年同期(163件)から51件の増加で、中小企業を中心に厳しい経営環境が続いていることが浮き彫りに。

なかでも、ドライバー不足が深刻な「道路貨物運送業」は33件と前年の19件から急増。

受注減や人件費高騰に加え、人材確保が追いつかずに事業継続を断念するケースが相次いだ。

また、介護人材の確保が難しい「老人福祉事業」や、派遣スタッフ不足が顕著な「労働者派遣業」など、労働集約型の業種で倒産が目立った。

一方、帝国データバンクが7月に実施した「価格転嫁に関する実態調査」では、コスト上昇分の販売価格への反映率を示す「価格転嫁率」が全業種平均で39.4%と、2年半ぶりに4割を下回った。

特に道路貨物運送業では28.6%にとどまり、人件費や燃料費などの高騰を十分に価格に反映できない構造的な課題が浮き彫りになっている。

さらに、2025年度の最低賃金改定では全国加重平均が1,121円となり、前年度から66円引き上げと過去最大の上昇幅を記録した。

賃上げ機運の高まりは続くものの、賃上げ余力に乏しい小規模事業者では「賃上げ難型」の倒産が拡大する懸念がある。

人手不足の解消には、賃金引き上げに加え、研修制度や福利厚生の充実など、従業員から「選ばれる企業」への転換が求められている。

 

2026年1月14日 (水)

厚労省「労働経済白書2025」 労働生産性の伸び悩みを指摘

厚生労働省はこのほど、「令和7年版 労働経済の分析(労働経済白書)」を公表した。

白書は2024年の雇用情勢と、労働生産性向上・人材確保・雇用管理の三つの課題を中心に分析している。

これによると、2024年の雇用は改善基調が続き、完全失業率と有効求人倍率はほぼ横ばいながら、労働力人口・就業者数・雇用者数はいずれも過去最高を記録。

現金給与総額も4年連続で増加し、実質賃金は一般、パートともマイナスを脱したとした。

一方で、長期的な経済成長には労働生産性の向上が不可欠と指摘。

日本では人的資本やソフトウェアなど無形資産への投資が主要国に比べて低水準で、特に非製造業でのAI・ソフトウェア投資が伸び悩んでいると分析。

また、高齢化に伴い就業者の割合が高まる医療・福祉などの分野では、生産性向上と業務効率化が重要になるとした。

さらに、医療・福祉、建設、運輸など社会インフラ関連職の人材確保を喫緊の課題と位置づけた。

就業者全体の約35%を占めるが、増加幅は限定的で、賃金水準も他職種より平均約5万円低い。

経験やスキルに応じて賃金が段階的に上昇する「キャリアラダー」制度の構築を求めている。

また、雇用慣行や働き方意識の変化にも焦点を当てた。

転職者の増加や生え抜き社員の減少が進み、仕事よりも賃金水準や自己成長を重視する若年層が増加。

企業には、賃金や福利厚生に加え、柔軟な働き方を可能にする雇用管理の工夫が求められると結んでいる。 



2026年1月 9日 (金)

平均給与478万円、過去最高を更新 令和6年分民間給与実態統計調査

 国税庁はこのほど、令和6年分民間給与実態統計調査の結果を公表した。

これによると、民間の給与所得者数は6,077万人で、前年より9万人(0.2%)増加した。

給与の総額は241兆4,388億円と、8兆5,316億円(3.7%)増えた一方で、源泉徴収された所得税額は11兆1,834億円と前年より8,227億円(6.9%)減少した。

1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円で、前年から3.9%増加し、4年連続の上昇。

伸び率としては平成3年分調査の5.0%増以来の高さで、過去最高を更新。

男女別では、男性が587万円(3.2%増)、女性が333万円(5.5%増)。

正社員は545万円(2.8%増)、非正社員は206万円(2.2%増)となった。

平均賞与は75万円で2年ぶりの増加、前年より4.5%伸びている。

また、納税者数は3,753万人で、1年を通じて勤務した給与所得者全体の73.1%を占めた。

前年より13.3ポイント低下しており、所得税を納めている給与所得者の割合が減少していることが分かる。

業種別にみると、平均給与が最も高かったのは電気・ガス・熱供給・水道業で832万円(7.4%増)。

次いで金融・保険業の702万円(7.7%増)、情報通信業の660万円(1.6%増)が続いた。

宿泊業・飲食サービス業は279万円と依然低水準だが、前年比5.8%増と伸びが目立った。

賞与の伸び率では農林水産・鉱業が21.8%増、電気・ガス業が24.8%増と大幅な伸びを示した。

2026年1月 6日 (火)

経営者の学び直し 企業成長と人材育成に直結

東京商工会議所はこのほど、中小企業経営者を対象とした「学び直しに関するアンケート調査」の結果を公表した。

これによると、学び直しに現在取り組んでいる経営者は50%に達し、さらに2~3年以内に取り組む意向を含めると7割を超えた。

動機としては、既存事業の知識補完や新分野への挑戦が多く、外部からの要請よりも主体的な問題意識が中心だった。

学び直しの手段は、書籍やウェブを利用した情報収集が最も多く、勉強会やサークル活動が続いた。

公的講座や通信教育は利用が少なく、時間確保の難しさが背景にあるとみられる。

効果については、6割が「経営を俯瞰して将来像を描けるようになった」と回答。

そのほかにも、生産性向上やモチベーション改善、従業員育成制度の充実など幅広い成果が挙げられている。

また、特に学び直しを実践する企業では、新規事業に積極的で利益も増加傾向にある割合が高く、経営基盤の強化に直結していることが浮き彫りに。

さらに、経営者が学び直しに取り組む企業は、従業員への学習機会提供にも前向きであることも判明。

経営者の姿勢が人材育成への投資につながり、組織全体の学びの風土を生み出しているようだ。

一方で、取り組む経営者・未実施の経営者いずれも「時間不足」を最大の課題として挙げ、費用や必要知識の不明確さも障壁となっている。

2025年12月 1日 (月)

企業のおよそ9割がIT投資を予定 人事管理やAIへの投資意向が拡大

 帝国データバンクはこのほど「IT投資に関する企業アンケート」の結果を公表した。

これによると、2025年内または2026年にIT投資を実施すると回答した企業は88.8%に達し、約9割を占めた。

規模別では大企業が98.5%と突出しており、中小企業は87.4%、小規模企業は83.0%。規模間の投資意欲に差がみられた。

投資の具体的な目的としては、「ハードウェアの更新」が69.3%で最も多く、次いで「ソフトウェアの更新」(52.6%)が続いた。

さらに「業務効率化・省人化」(29.5%)や「サイバーセキュリティ対策の強化」(28.3%)も上位に挙がっており、Windows10サポート終了を契機にした更新需要が浮き彫りとなった。

これまでに導入したシステムのうち、最も役立っているものとしては「会計ソフト」が39.8%で突出しており、次いで「顧客管理システム(CRM)」(9.9%)や「生産管理システム」(8.8%)などが挙げられている。

ただ、業界ごとに特徴がみられ、たとえば建設業では「施工管理システム」、製造業では「生産管理システム」、小売業では「CRM」が高い割合を占めた。

今後導入したいシステムは「人事管理システム(HRM)」が9.3%で最も多く、次いで「CRM」(9.1%)、「生産管理システム」(8.4%)が続いた。

「その他」の中ではAI関連システムや基幹システム統合に関する回答が目立ち、戦略的なDX投資への関心が高まりつつあることが示された。

2025年11月18日 (火)

在職中の学びを支援する新制度 教育訓練休暇給付金が10月1日開始

 10月1日より教育訓練休暇給付金制度がスタートする。

これは、労働者が自発的に教育訓練に専念するため無給の休暇を取得した際、生活を支える給付制度。

従来から離職者に対する基本手当などの支援はあったが、在職中に学びのために休暇を取る仕組みは整っていなかった。

制度創設により、雇用保険の被保険者であれば一定の要件を満たすことで基本手当に相当する額を受給できる。

具体的には、被保険者期間が5年以上あることが前提で、支給日数は90日、120日、150日のいずれか。

支給額は離職時に受け取る基本手当と同水準で、生活費を確保しながら安心して学習に取り組める点が特徴だ。

対象となる教育訓練は、大学や専門学校、厚生労働省が指定する講座を含み、職業に直結する内容に限定される。

また、休暇の取得は労働協約や就業規則に基づき、事業主の承認を得る必要がある。

手続きはハローワークを通じて行われ、原則として30日ごとに受講状況の認定を受ける。

さらに、分割取得も可能だが、一つの訓練は30日以上の期間が求められる。

なお、制度利用によって休暇開始前の被保険者期間が基本手当の受給資格から除外される点には注意が必要だが、倒産や解雇といったやむを得ない理由による離職の場合は特例が設けられている。

今回の制度は、働きながらリスキリングやキャリアチェンジを目指す人々にとって大きな後押しとなるものであり、企業にとっても人材の能力開発を促進する契機となることが期待されている。

2025年10月20日 (月)

金融庁 2025年度の行政方針を公表 企業価値担保権の活用を支援

 金融庁はこのほど、2025事務年度の金融行政方針を公表した。

 今回示された新方針では、「金融の力を通じて経済の持続的成長と国民生活の安定を図ること」が柱とされ、中小企業経営や資産家に関わる施策が数多く含まれている。

中小企業に向けては、地域金融機関の役割を強化する「地域金融力強化プラン」の策定が打ち出された。

人口減少や後継者不足、原材料費や人件費の高騰といった課題に直面する中小企業を支えるため、金融機関がM&Aや事業承継、デジタル化支援を推進し、外部プレイヤーとも連携する体制が整備される。

さらに、2026年に導入される「企業価値担保権」を活用した融資や、経営者保証に依存しない資金調達の拡大も進められる。

一方で、資産家や投資家に向けた施策としては「資産運用立国」の推進が目立つ。

企業のガバナンス改革を通じた企業価値の向上や、スタートアップなどへのリスクマネー供給強化により、投資を通じた価値創造の循環を築くことを目指す。

併せて、NISAや確定拠出年金の制度改善、学校や職場での金融教育の拡充などが打ち出されており、幅広い世代に資産形成の機会を広げることとされた。

また、暗号資産やステーブルコインの制度整備、AI活用支援など新しい金融技術に関する政策も示され、資産家にとって投資機会の拡大と利用者保護の両立が図られている。 

2025年10月 1日 (水)

最低賃金が過去最大の引上げ 政府は中小企業支援を拡充

 令和7年度の最低賃金改定について、全国の地方最低賃金審議会での答申が出そろい、全国加重平均は過去最大となる66円引上げの1,121円となった。

引上げ率は、中央最低賃金審議会が8月に示した目安の6.0%を上回る6.3%で、中小企業にとって人件費負担の増加は避けられない状況。

こうした動きを受け、政府は「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」に基づき支援策を強化する。

業務改善助成金は、対象範囲が広がり、地域別最低賃金の改定日前に賃金を引き上げる場合も助成対象となる。

助成率は賃金水準に応じて3/4または4/5で、上限は30万~600万円。

また、経済産業省のものづくり補助金については、生産性向上に役立つ設備投資を行った場合の補助率が2/3に引き上げられ、上限は最大4,000万円。

IT導入補助金も補助率が2/3に拡充され、上限は450万円となる。

さらに、省力化投資を後押しする中小企業省力化投資補助金は、上限が750万円から1億円に引き上げられ、補助率も最大2/3に拡大された。

あわせて「優先採択」の仕組みも導入されている。

改定後の最低賃金未満で働く従業員を一定数雇用している事業者や、中央最低賃金審議会が示した目安以上の賃上げを実施する事業者は、各補助金の審査で加点され、採択が優先される。

政府は価格転嫁や取引適正化の徹底とあわせて、生産性向上を後押しする資金支援を強化し、中小企業の経営を幅広く支えていく考えだ。 



2025年9月23日 (火)

財務総研が最新の分析結果を公表 高所得層のシェア変動が明らかに

 財務総合政策研究所は、ディスカッション・ペーパー「所得税データを用いた日本の上位所得シェアの推計:2008~2023年」を公表した。

今回の研究は、申告所得税や民間給与実態統計調査などを用い、日本における高所得層の所得シェアを精緻に推計したもの。

従来の調査では把握が難しかった超高額所得層の動向を明らかにしている。

分析では、2008年以降に拡充された税データを活用し、キャピタルゲインを含めた場合と含めない場合の両面から検証を行っている。

キャピタルゲインを含まない所得については、2013年以降の景気回復期に上位0.01%や0.1%の所得シェアが拡大した一方で、上位1%や10%といった層のシェアは低下していたことが示された。

背景には、経営者報酬などの高額給与の拡大とともに、女性や高齢者の労働参加率の上昇などがあると考えられている。

さらに、キャピタルゲインを含めた分析では、上位0.01%や0.1%のシェアが景気回復期に顕著に上昇した一方、上位5%や10%といったより広い層のシェアは低下傾向にあることが明らかに。

資産市場の変動がごく一部の超富裕層に強く作用している構図が浮かび上がった。

なお、本研究は財務省の公式見解ではないが、税務データを活用した詳細な分析は、所得分布や格差の実態を理解する上で重要な知見を提供するもの。

今後の再分配政策や社会保障制度を検討する上でも、こうした実証的な研究は大きな役割を果たすと期待される。 

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