税理士法人千葉会計

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税務調査 他

2024年12月13日 (金)

国税庁 消費税還付申告への対応を公表 税務調査への協力などを呼びかけ

 国税庁は11月21日、同庁のHPに「消費税還付申告に関する国税当局の対応について」とする情報を公開した。

近年、消費税の仕組みを悪用し、実際に取引をしたように見せかけるなど虚偽の内容で申告書を提出し、消費税の還付を不正に受けようとする事案が多数発生していることから、同庁では消費税還付法人に対する調査を強化している。

同庁では令和3年7月から同4年6月までに、消費税還付申告法人に対して約4,300件の実地調査を実施しており、その追徴税額は約372 億円だった。

 また、特に悪質な不正受還付犯に対しては、査察調査を行った上で検察官に告発し、その刑事責任を追及している。

令和4年4月から同5年3月までに不正還付事案16件を告発しており、これらの事案で不正に還付を受けた(受けようとした)金額は合計で13億4,700万円にも上っている。

 不正還付の手口は様々だが、同庁が公表している「2023年国税庁レポート」では、不正還付の事例として「輸出物品販売場を営む法人が国内で仕入れた化粧品を外国人観光客に販売したように装い架空の課税仕入れ及び架空の輸出免税売上げを計上した事案」や、「複数の法人がパワーストーンの仕入れがあったように装い架空の課税仕入れを計上した事案」などが紹介されており、近年は「輸出物品販売場制度」を悪用した事案が増えているようだ。

 



2024年7月26日 (金)

2023年度の査察、151件を摘発 検察庁に66.9%の101件を告発

 いわゆるマルサと呼ばれる査察は、脱税でも特に大口・悪質なものが強制調査され検察当局に告発されて刑事罰の対象となる。

 国税庁が公表した2023年度査察白書によると、同年度に査察で摘発した脱税事件は前年度より12件多い151件で、2年連続で増加し、その脱税総額は前年度を6.6%下回る約120億円だった。

今年3月までの1年間(2023年度)に、全国の国税局が査察に着手した件数は154件と、前年度(145件)を9件上回った。

 継続事案を含む151件(前年度139件)を処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)し、うち66.9%に当たる101件(同103件)を検察庁に告発。

この告発率66.9%は前年度を7.2ポイント下回った。

2023年度は、消費税の輸出免税制度を利用した消費税不正受還付事案を16件(不正受還付額約4.5億円)、自己の所得を秘匿し申告を行わない無申告ほ脱事案を16件、国際事案を23件、それぞれ告発している。

 近年、査察における大型事案は減少傾向にあり、2023年度の脱税総額119億8000万円は、ピークの1988年度(約714億円)の約17%にまで減少している。

1件当たり平均の脱税額は前年度比14.1%減の7900万円で、ここ5年は1億円を下回っている。

また、告発分の脱税総額は同10.9%減の89億3100万円だった。告発分1件当たり平均の脱税額は同9.3%減の8800万円となっている。

2024年6月 5日 (水)

税務署の内部事務のセンター化 内部事務を専担部署で集約処理

 国税庁では、税務署における内部事務の効率化・高度化を図るとともに、納税者利便の向上や外部事務(調査・徴収事務)の充実・高度化を目指し、2021年7月から、一部の税務署を対象に、複数の税務署の内部事務を専担部署(業務センター)で集約処理する「内部事務のセンター化」を実施している、として周知を図っている。

内部事務とは、例えば、申告書の入力処理、申告内容についての照会文書の発送などの事務をいう。

 各国税局での「内部事務のセンター化」の実施に当たっては、(1)業務センターへの申告書、申請書及び添付書類等の提出、(2)業務センターから納税者・税理士への問合せ、(3)その他の案内、で協力を呼びかけている。

まず、内部事務のセンター化の対象となる税務署に、申告書、申請書及び添付書類等を提出する場合、e-Tax(データ)により提出する場合は所轄税務署へ送信、書面により提出する場合は業務センターへ郵送となる。

 次に、業務センターでは、納税者や税理士に対し、内部事務を処理するため、電話や文書により問合せをすることがあるとしている。

 また、その他の案内としては、国税に関する相談(納付に関する相談を含む)、税務署の窓口で対応している納税証明書の交付、閲覧申請、情報公開、現金による国税の納付のほか、申告書・申請書等の用紙の送付依頼は、業務センターでは対応していないことに注意を促している。

2023年12月20日 (水)

法人6万2千件を実地調査 申告漏れ所得7801億円を把握

 国税庁が公表した法人税等の調査事績によると、今年6月までの1年間(2022事務年度)に、あらゆる資料情報と提出された申告書等の分析・検討を行った結果、大口・悪質な不正計算等が想定される法人など、調査必要度の高い法人6万2千件(前事務年度比52.3%増)を実地調査した。

その結果、申告漏れ所得金額は7801億円(同29.4%増)、法人税と消費税の追徴税額は3225億円(同39.8%増)だった。

 申告内容に誤り等が想定される納税者に対しては、“簡易な接触”を活用し、自発的な申告内容等の見直し要請を6万6千件(前事務年度比▲0.7%)実施。

その結果、申告漏れ所得金額は78億円(同▲11.2%)、追徴税額は71億円(同▲32.0%)だった。

簡易な接触とは、税務署において書面や電話による連絡や来署依頼による面接により、納税者に対して自発的な申告内容の見直しなどを要請するもの。

 新型コロナウイルスの影響がやや緩和され、調査件数、申告漏れ所得金額、追徴税額が増加するなか、実地調査1件当たりの追徴税額は524万1千円(前年度比▲8.1%)となった。

 また、源泉所得税については、実地調査の件数は7万2千件で、源泉所得税等の非違があった件数は2万2千件、追徴税額は338億円。

簡易な接触の件数は13万件で、追徴税額は76億円となっている。

2023年12月12日 (火)

効率的・効果的な所得税調査実施 追徴税額は過去最高の1368億円

 国税庁が公表した「2022事務年度の所得税等調査」結果によると、今年6月までの1年間の所得税調査は、前事務年度に比べ6.3%増の約63万8千件行われた。

そのうち33万8千件から25.5%増の9041億円の申告漏れ所得を見つけた。

その追徴税額は29.3%増の1368億円と過去最高額を更新した。

 実地調査における特別調査・一般調査は、前事務年度に比べ48.5%増の3万6千件を実施、うち3万1千件から34.1%増の総額5204億円の申告漏れ所得を見つけ、26.1%増の980億円を追徴。

件数では全体の5.6%に過ぎないが、申告漏れ所得金額は全体の57.6%を占めた。

 また、実地調査に含まれる着眼調査は、前事務年度比43.8%増の1万1千件行われ、うち7千件から23.4%増の390億円の申告漏れを見つけ、35億円を追徴。

一方、簡易な接触は、4.1%増の59万2千件行われ、うち30万件から14.8%増の3448億円の申告漏れを見つけ353億円を追徴した。

 実地調査トータルでは、前事務年度比47.4%増の4万6千件の調査を行い、うち3万8千件から33.3%増の5594億円の申告漏れを見つけ、1015億円を追徴。

つまり、実地調査件数は全体の7.3%と1割にも満たないが、申告漏れ所得全体の6割強(61.9%)を把握しており、高額・悪質な事案を優先して深度ある調査を的確に実施する一方、短期間で申告漏れ所得等の把握を行う効率的・効果的な所得税調査が実施されていることが裏付けられた。

2023年11月27日 (月)

22年度税金のムダ遣い580億円 税金の徴収漏れ約2億4千万円

 会計検査院がこのほど公表した2022年度決算検査報告によると、各省庁や政府関係機関などの税金のムダ遣いや不正支出、経理処理の不適切などを指摘したのは344件、580億2214万円(327件分)だった。

前年度に比べ、指摘件数は34件増加。前年度に引き続き、新型コロナ感染防止への対応として、検査官による実地検査が検査対象機関に配慮する中で、指摘件数は増加し、指摘金額では前年度の約455億円を大幅に上回った。

 財務省に対しては、法令違反に当たる不当事項として、税金の徴収額の過不足2億4085万円(うち過大300万円)が指摘された。

検査の結果、55税務署において、納税者84人から税金を徴収するに当たり、徴収不足が85事項、2億3785万円、徴収過大が1事項、300万円。前年度は、46署において徴収不足が72事項、1億6062万円だったので、徴収不足は約8000万円増加したことになる。昨年度、徴収過大は154万円だった。

徴収が過不足だった86事項を税目別にみると、「法人税」が46事項で徴収不足が1億3627万円と最も多く、以下、「申告所得税」22事項、同7100万円、「消費税」13事項(うち過大1事項)、同2377万円、「相続・贈与税」3事項、同415万円、「源泉所得税」1事項、同194万円などだった。

これらの徴収過不足額については、会計検査院の指摘後、全て徴収決定・支払決定の処置がとられている。

 



2023年9月 1日 (金)

タワマン節税抑止の通達案公表 従来の評価額に評価乖離率で補正

 国税庁は、マンションの相続税評価額が実勢価格の平均4割程度にとどまることから、その評価額の低さを利用したマンション節税、いわゆる「タワマン節税」を抑止するため、評価額の算定ルールを見直す通達案を公表した。

新たな算定ルールは、2024年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用する。

通達案は、まず、一室の区分所有権等に係る敷地利用権の価額は、「自用地としての価額」に、一定の補正率を乗じて計算した価額を、その「自用地としての価額」とみなして評価することとする。

 具体的には、「築年数」、「総階数指数」、「所在階」、「敷地持分狭小度」の4指数に基づいて評価乖離率を求め、1を乖離率で除した評価水準が0.6未満の場合、従来の評価額に評価乖離率と0.6を掛けて補正し、評価水準が1を超える場合、従来の評価額に評価乖離率のみを掛けて補正する。

区分所有者が、一棟の区分所有建物に存する全ての専有部分、一棟の区分所有建物の敷地のいずれも単独で所有している場合は、「補正率」は1を下限とする。

 次に、一室の区分所有権等に係る区分所有権の価額については、「自用家屋としての価額」に、上記と同様の補正率を乗じて計算した価額をその「自用家屋としての価額」とみなして評価する。

 なお、国税庁では、これらの居住用の区分所有財産の評価について、納税者が簡易に計算するためのツールを用意する予定としている。

2023年8月 2日 (水)

TOB成立後上場廃止での株式 譲渡所得の申告漏れが目立つ

 国税庁は、株式公開買い付け(TOB)の成立で上場廃止となった株式に関し、譲渡所得の申告漏れが目立つことから、注意を喚起している。

TOB成立後、上場廃止となった株式をTOBによる買付者などに買い取られた場合に譲渡益が生じたときには、所得税の申告が必要になる。

 TOBは近年、上場企業に対するM&Aの手法として一般化している。

国税庁は、TOBの買付総額が高額なものもあり、上場廃止後の株式譲渡に係る申告漏れの増加が懸念されたことから、TOBに応じなかった株主379人を対象に抽出調査した結果、約半数にあたる199人から申告漏れが見つかり、その申告漏れ所得金額は4億7495万円、追徴税額は7258万円で、申告漏れ1件当たりの追徴税額は36万円だった。

申告漏れが把握された事例の中には、1億8216万円と2億円近い多額の譲渡益が生じていたにもかかわらず、無申告となっていたものが含まれており、追徴税額3151万円が課されている。

 この申告漏れの背景にあるのは、株式を管理する口座が変わること。

投資家の多くは、上場株式との取引を対象とする「源泉徴収ありの特定口座」を使っており、同口座は証券会社が売買損益や税額を計算して口座から天引きするため、投資家は自分で確定申告する必要がない。

しかし、TOB成立で上場廃止となった企業の株式は、投資家自らが売買損益や税額を計算する「一般口座」での取引となり、利益が生じれば申告する必要がある。

 



2023年7月25日 (火)

再調査の請求・審査請求・訴訟 納税者救済・勝訴割合は減少

 国税庁が公表した今年3月までの1年間(2022年度)の税務署等に対する再調査の請求の発生件数は、申告所得税等(48.5%増の536件)などが大きく増加したことから、全体では前年度から37.0%増の1533件となった。

処理件数は、「取下げ等」161件、「却下」124件、「棄却」1023件、「一部取消」45件、「全部取消」18件の合計1371件(前年度比14.4%増)。

納税者の主張が一部でも認められたのは計63件となり、処理件数全体に占める割合(救済割合)は前年度から▲2.3ポイントの4.6%だった。

 また、国税不服審判所への審査請求の発生件数は、消費税等(43.9%増の1235件)などほとんどの税目が増加したことから、全体では前年度から22.2%増の3034件となった。

処理件数は、「取下げ」286件、「却下」385件、「棄却」2263件、「一部取消」153件、「全部取消」72件の合計3159件(前年度比38.4%増)だった。

納税者の主張が何らかの形で認められた救済割合は同▲5.9ポイントの7.1%となった。

 一方、訴訟となった発生件数は、法人税(▲7.1%の39件)や消費税(▲32.0%の17件)、徴収関係(▲51.4%の17件)など多くの税目が減少したことから、全体では前年度を▲8.5%下回る173件だった。

訴訟の終結件数は、「取下げ等」13件、「却下」9件、「棄却」154件、「国の一部敗訴」4件、「国の全部敗訴」6件の合計186件(前年度比▲6.5%)。国側の敗訴(納税者勝訴)割合は同▲1.1ポイントの5.4%となった。

2023年7月14日 (金)

22年度査察、着手件数は145件 告発件数103件で告発率74.1%

 いわゆるマルサと呼ばれる査察は、脱税でも特に大口・悪質なものが強制調査され検察当局に告発されて刑事罰の対象となる。

国税庁が公表した2022年度査察白書によると、同年度に査察で摘発した脱税事件は前年度より30件多い139件で、その脱税総額は前年度を約25%上回る約128億円だった。

今年3月までの1年間(2022年度)に、全国の国税局が査察に着手した件数は145件と、前年度(116件)を29件上回った。

 継続事案を含む139件(前年度103件)を処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)し、うち74.1%に当たる103件(同75件)を検察庁に告発。この告発率74.1%は前年度を1.3ポイント上回り、2006年度以来の高水準だった。

 2022度は、消費税の輸出免税制度を利用した消費税不正受還付事案を16件、自己の所得を秘匿し申告を行わない無申告ほ脱事案を15件、国際事案を25件、それぞれ告発している。

 近年、査察における大型事案は減少傾向にあり、2022年度の脱税総額127億6000万円は、ピークの1988年度(約714億円)の約18%にまで減少している。

1件当たり平均の脱税額は9200万円で、ここ5年は1億円を下回っている。告発分の脱税総額は前年度を64.9%上回る100億1900万円だったが、前年度は統計が残る1972年度以降、過去最少だった。

告発分1件当たり平均の脱税額は9700万円となっている。

 



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