ちば会計

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税制改正

2021年9月21日 (火)

各省庁の税制改正要望が公表!実現可能性の高い要望はどれ?

 8月31日に各省庁の税制改正要望が公表された。そこで今回は、税制改正要望の中で実現可能性が高く、かつ減税に繋がりそうな項目をいくつかご紹介したい。

       
 「実現可能性が高い」という意味で有力なのが、経済産業省、総務省が要望する新設項目「経済環境等の変化に対応するための中小企業のデジタル化の促進に資する税制上の所要の措置」。

      
これは、令和3年6月18日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」を踏まえたもので、「地方における中小企業も含めて非対面型ビジネスモデルへの変革や新産業モデルを創出する」ことを政策目標に掲げている。詳しい制度設計は未定だが、一定のデジタル投資を行った中小企業に対し国税、地方税の両面から税負担の軽減を行うというもの。

      
 同じく経済産業省の「コロナ禍等を踏まえた法人版・個人版事業承継税制に関する検討」という項目も興味深い。事業承継制については、平成30年度改正で特例制度が創設され、ここ数年は利用が大幅に増加したところ。 しかし、新型コロナ禍により売上を落とした企業ほど事業承継を後ろ倒ししているという状況を受け、円滑な事業承継を促すための改正、すなわち要件の緩和や、煩雑な手続きの見直しなどが行われると予想される。

         
 また、金融庁の「金融商品に係る損益通算範囲の拡大」も実現可能性は高いと見る。同庁では平成17年より「損益通算の範囲をデリバティブ取引・預貯金等にまで拡大すること」を要望してきたが、ことごとく弾かれてきた。

      
昨年7月には金融デリバティブの総合取引所が創設され、デリバティブが一般的な金融商品として取引されるインフラが整ったことで「いよいよ改正が濃厚」と目されたが、「租税回避の恐れがある」という理由から最終段階で見送られた経緯があり、動向が注目される。

 

2021年8月24日 (火)

「暦年課税」の見直し案が浮上!相続扱いが現行3年以内から拡大

2015年に相続税の基礎控除額が引き下げられ課税強化されて以降、相続対策として「暦年贈与」と「相続時精算課税」の生前贈与が活用されている。

 
しかし、ここにきて税務専門家の間で注目されているのは「暦年贈与」の見直しだ。
「暦年贈与」は、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかからないことから、多くの納税者が相続対策として利用している。

 
暦年課税にメスを入れる意向を示したのは与党の2021年度税制改正大綱だったが、見直しの方向性としては、一つは暦年贈与を廃止し相続時精算課税制度のみを残す方法か、もう一つは暦年課税を存続させるが、実態は相続税に近づける方法が考えられる。

 
暦年贈与の突然の廃止は国民の影響が大きいことから、可能性が高いのは、暦年課税を相続税に近づける方法だろう。

 
具体的には、現在暦年課税の相続扱いは3年以内だが、これを10年以内あるいは15年以内などに拡大するというものだ。

 
実際、参考にするという諸外国ではより長い期間の贈与を課税対象としており、イギリスは死亡前以前7年間、フランスは15年間、アメリカに至っては生前贈与すべてに相続税を課している。

 
来年以降の税制改正では、こういった諸外国の制度を参考に、相続扱いにする期間を長くすることによって、資産移転の時期に中立的な税制を構築するとともに、実質相続税と贈与税を一体化する方向で議論する可能性が高くなっている。

 

2021年8月10日 (火)

デリバティブ取引を損益通算対象に租税回避防止に時価評価課税導入を

 金融庁の「金融所得課税の一体化に関する研究会」が7月7日に公表した論点整理では、有価証券市場デリバティブ取引を損益通算の対象にすること及び租税回避防止策として時価評価課税の導入の検討を、2022年度税制改正要望として盛り込んだ。

  
デリバティブ取引は、株式や債券、通貨、外国為替などの金融商品から派生した商品の取引の総称で、代表的なものとして先物取引、オプション取引、スワップ取引がある。

  
 論点整理では、損益通算の対象をデリバティブ取引全体とすることが望ましいとしたうえで、市場デリバティブ取引については、金融機関や税務当局の実務において問題が発生する可能性が低いとして、先ずは、有価証券市場デリバティブ取引を損益通算の対象にすることが適切とした。

  
デリバティブ取引を損益通算の対象に含めた場合の租税回避行為として想定されるのが、デリバティブ取引の「売り」と「買い」を両建てし、損失があるポジションのみ実現損として損益通算することで課税の繰延べを可能とする方法だ。

  
 これを防ぐのが、実現損だけでなく含み益に対しても課税される時価評価課税の導入。

  
たとえば、取得価格1万円の資産の価値が2万円に上がった場合、売却しなければ利益は実現しないため評価は取得時の1万円のままだが、時価評価課税では売却しなくても2万円となり含み益である1万円に課税されることになる。

 

2021年7月20日 (火)

コロナ禍で脚光を浴びる「電子契約」 契約の省力化、印紙税の節税などメリット多数

 ペーパーレス化、脱ハンコといったデジタル化を促す新しい技術が多くリリースされているが、その中心に位置づけられるのが電子契約。

 

その歴史は古く、2000年には電子署名法が制定され、電子契約の基盤はこの当時から作られていた。伝統的な「ハンコ文化」が障害となり普及しなかったが、コロナ禍でこれが花開いた形だ。

 

 ところで、電子契約は紙を用いないため署名・押印がない。代わりに用いられるのが、電子データによって署名を行う「電子署名」である。

 

ハンコによる押印の場合、本人しか持っていないハンコ(印章)を使い、そのハンコを使用しないと作れない書面上の印を押した跡(印影)を作成する。これにより、文書が本人によって作成されたことを確認する仕組みだ。

 

電子署名の場合も、本人しか持っていない物を使い、その物でないと作成できないものを作成するというのは同じだが、これを電子的に実現することになる。

 

電子署名における「本人しか持っていない物」は「秘密鍵=署名する本人だけが知っている暗号鍵」と呼ばれ、この秘密鍵と電子契約書を「電子署名作成プログラム」に投入し暗号化することで、他人には作成できない電子署名を作成するのである。

 

 紙の契約書の場合、印刷代や契約書を相手方に送付するための郵送費等だけでなく、これらの作業を行う人件費もかかる。

 

電子契約の場合にはこうした費用が不要で、作業工数も大幅に減るため人件費の削減にも繋がる。また、電子契約で作成した文書については、明文化された規定はないものの、印紙の貼付が不要とされる。

 

 新型コロナウイルスの影響でテレワークやリモートワークといった働き方が普及したいま、一躍脚光を浴びることとなった電子契約。会社のDXの一歩として導入を検討してみてはいかがだろうか。

 

 

 

2021年4月19日 (月)

税務署窓口における押印の取扱い 留意点を示し注意を呼びかけ!

 国税に関する法令に基づき税務署長等に提出される申告書等(税務関係書類)については、これまで提出者等の押印をしなければならないこととされていたが、2021年度税制改正により、4月1日以降、一定の税務関係書類を除いて、押印を要しないこととされた。

 

 一定の税務関係書類とは、(1)担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類、(2)相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類。

 

 国税庁は、4月1日以降の手続きに際しての留意点を示して注意を呼びかけている。

 

 それは、(1)押印欄のある様式も、引き続き印刷して使用できるが、この場合も、上記で引き続き押印を求める手続きを除き、押印欄への押印は不要。

 

(2)税務署窓口にて備置き又は配布している様式は、当面の間、既に刷成済みの押印欄のある様式も使用していること。

 

(3)ホームページ掲載様式や税務署で配布する様式が押印欄のないものに更新された後でも、過去に入手又は印刷した押印欄のある様式を使用することは問題ないこと。

 

(4)押印が不要である税務書類について、任意で押印しても差し支えないが、押印の有無によって効力に影響が生じるものではないこと。

 

(5)振替依頼書やダイレクト納付利用届出書については、金融機関からの求めに応じ、引き続き金融機関届出印の押印を求めていることなどだ。

 

 

 

2021年4月 9日 (金)

2021年度税制改正関連法が成立 住宅ローン控除の特例の延長など

 2021年度税制改正関連法における所得税法等の一部改正法案及び地方税法等の一部改正法案が3月26日、参院本会議で可決・成立した。原則4月1日に施行された。

 

 主な改正内容をみると、個人所得課税では、住宅ローン控除の控除期間13年の特例を延長(一定の期間に契約し、2022年12月31日までに入居した者が対象)。

 

この延長した部分に限り、合計所得金額が1000万円以下の者について面積要件を緩和し、床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満である住宅も対象とする。

 

 法人課税では、クラウド化等による事業変革に係る投資に対する税額控除(5%・3%)又は特別償却(30%)ができるデジタルトランスフォーメーション投資促進税制を創設する(2年間の時限措置)。

 

また、2050年カーボンニュートラルに向け、脱炭素化効果の高い先進的な投資について、税額控除(10%・5%)又は特別償却(50%)ができるカーボンニュートラルに向けた投資促進税制を創設する(3年間の時限措置)。

 

 研究開発税制については、厳しい経営環境にあっても研究開発投資を増加させる企業について、2年間の時限措置として、税額控除の上限を引き上げる(改正前:25%→30%)とともに、

 

研究開発投資の増加インセンティブを強化する観点から、控除率カーブの見直し及び控除率の下限の引下げ(改正前:6%→2%)を行う。

 

 

 

2021年2月17日 (水)

19年度租特、適用件数206万件 最も多いのは「法人税率の特例」

 財務省が今通常国会に提出した「2019年度租税特別措置の適用実態調査結果報告書」によると、2019年度(2019年4月~2020年3月)に終了した事業年度又は連結事業年度において、適用額明細書の提出があった法人数は約132万法人(2018年度約127万法人)で前年度から3.7%増加、

 

適用件数は法人税関係の租税特別措置83項目(同86項目)について約206万件(同約198万件)と同3.9%増加していることが分かった。

 

 租税特別措置の主な種類ごとにみると、中小企業へ軽減税率(資本金1億円以下の中小企業には年800万円以下の所得に特例で15%(本則の軽減税率は19%)の税率)を適用する「法人税率の特例」(2措置)が、適用件数が98.9万件(2018年度比3.0%増)、適用額が3兆9589億円(同3.9%増)と最も多い。

 

 次いで、「税額控除」(18措置)は、適用件数が18.1万件(2018年度比▲0.7%減)、適用額が8356億円(同▲17.8%減)だった。「税額控除」では、「給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除」が適用件数13万件、適用額2289億円と最も多い。

 

 そのほか、「特別償却」(30措置)が適用件数4.7万件(2018年度比▲5.0%減)、適用額9356億円(同▲4.1%減)だった。また、「準備金等」(15措置)は、適用件数が1.3万件(2018年度比▲0.4%減)、適用額が9573億円(同2.1%増)となっている。

 

 

2020年12月26日 (土)

住宅ローン減税の特例措置延長 40~50㎡の小規模物件も対象に

 2021年度税制改正では新型コロナウイルス感染症で経済が落ち込む中で、個人や企業を支援するための減税措置が多くあるが、その一つに住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)について要件の緩和等の改正がある。

 

2021年度の与党税制改正大綱によると、昨年10月からの消費税率10%への引上げに伴う反動減対策の上乗せとして、控除期間を通常の10年から13年とした特例措置が2022年12月末まで延長される。

 

 この適用にあたっては、一定期間内(新築の場合は2020年10月から2021年9月末まで、それ以外は2020年12月から2021年11月末まで)に契約し、2022年12月末までに入居する必要がある。

 

また、住宅ローン控除の適用要件である床面積が、現行制度の50平方メートル以上から40平方メートル以上に緩和される特例措置が講じられる。新たに床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の小規模物件も適用対象とされる。

 

 ただし、この小規模物件については、納税者の所得制限が3000万円以下から1000万円以下に引き下げられるため、対象者はある程度絞られそうだ。

 

この特例措置は今回の延長期間に限られている。現行制度の床面積50平方メートル以上(所得制限3000万円以下)の規定はそのままで、床面積40平方メートル以上については所得制限が1000万円以下と厳しくなるものの、住宅ローン減税の恩恵を受けることができるようになる。

 

 

 

2020年11月26日 (木)

先行取得土地の特例、譲渡期限 12月決算法人は2020年12月末

 先行取得土地等の特例とは、個人や法人が2009年1月1日から2010年12月31日までの期間内に土地等を先行取得し、その取得の日を含む事業年度終了の日後10年以内に、所有する他の土地等の譲渡をしたときは、

 

その先行取得土地等について圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を損金経理により減額するなどの一定の方法で経理したときは、その減額した金額を損金の額に算入する圧縮記帳の適用を受けることができるというもの。

 

 圧縮限度額は、「譲渡する先行取得土地等以外の土地等に係る譲渡利益金額 × 80/100(2010年中のみの場合には60/100)」で計算した金額。

 

譲渡利益金額とは、先行取得土地等以外の土地等の譲渡に係る対価の額からその土地等の譲渡直前の帳簿価額に譲渡経費の額を加算した金額を控除した金額。

 

そこで、2010年中に土地等を先行取得した場合の圧縮限度額は、他の土地等の譲渡利益金額に係る「60%」を適用できる。

 

 この他の土地等の譲渡利益金額に係る「60%」の圧縮割合を適用できるのは、2010年中の取得日を含む事業年度終了後10年以内に、その法人等が有する他の土地等を譲渡したときという要件がある。

 

つまり、12月決算法人や個人事業者の場合は、譲渡期限が2020年12月末となり、譲渡期限が迫っているので注意が必要だ。3月決算法人の場合は、2021年3月31日までに他の土地等の譲渡期限を迎えることになる。

 

 

 

2020年10月29日 (木)

国税関係書類の押印不要を検討 2021年度税制改正で成立目指す

 来年の通常国会で審議される2021年度税制改正に向け、国税関係書類の押印不要の検討が進められている。

 

麻生財務大臣は10月20日の閣議後の記者会見で、実印と印鑑証明書を必要としない税務書類の手続きについて、原則として押印廃止の方向を示した。

 

押印を規定する国税通則法の改正は、2021年度の与党税制改正大綱に盛り込み、早期の実現を目指す。

 

 国税通則法124条2項では、税務書類(国税に関する申告書、申請書、届出書、調書その他の書類)を提出する者が、

 

(1)法人である場合は、その法人の代表者、(2)納税管理人又は代理人の場合は、その納税管理人又は代理人、

 

(3)不服申立人が総代を通じて提出する場合は、その総代、(4)それ以外の場合は、税務書類を提出する者、が押印しなければならないと規定されている。

 

 例えば、国税関係書類で提出枚数が多い確定申告書にも押印欄がある。

 

国税庁によると、2019年分所得税等の確定申告書の提出人員は2204万人にのぼり、押印廃止は多くの納税者に関係する。

 

 ただし、国会での税制改正審議は例年2月半ば頃から始まり改正法が成立するのは3月末頃のため、

 

2021年度税制改正で国税関係書類の押印廃止に必要な法改正が行われても、来年の2020年分所得税等の確定申告が始まる2月16日までには間に合わないことから、再来年の確定申告から押印廃止が適用されることになるものと思われる。

 

 

 

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