政府内で進む「法人税改革」の議論 令和7年度改正が大きな転換点に?
10月27日に衆議院議員選挙を控え、今年の税制改正の方向性がどのようになるのか非常に読み辛い状況だが、いくつか議論の俎上に載りそうな重要項目がある。
そのうちのひとつが「成長志向の法人税改革」だ。
わが国の法人税制は、長らく「課税ベースを広げ、税率を引き下げる」という方向性で改革が進められてきたものの、令和4年・同6年の税制改正大綱では「近年の累次の法人税改革は意図した成果を上げてこなかった」と断言されている。
また、石破茂総理や立憲民主党の野田佳彦代表が揃って法人税率の引き上げに言及していることから、政権交代の如何を問わず、政策の“転換点”となる可能性がある。
法人税関係ではこのほか、中小企業を優遇する様々な租税特別措置にメスが入る可能性が高まってきている。
政府税制調査会では現在、「法人税のEBPMに関する勉強会」を立ち上げ、「EBPM(Evidence-based Policy Making)=エビデンスに基づく政策立案」について熱心に議論を続けているところ。
根底には「租税特別措置は公平・中立・簡素という租税原則に反するのだから、効果が現れなければ速やかに廃止すべき」という考え方があり、法人税収を確保したい財務省の思惑も見え隠れする。
今回の令和7年度税制改正は企業、とりわけ中小企業にとって厳しい改正となる可能性が捨てきれないだろう。