税理士法人千葉会計

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企業

2025年7月 3日 (木)

M&Aアドバイザーの信頼性向上へ 中小企業庁が資格制度創設を検討

 中小企業庁がM&Aに関する資格制度の創設を検討している。

同庁が公表した資料「中小M&A市場の改革に向けた方向性について」によると、この資格制度は、M&Aアドバイザー個人の知識・スキルを向上させ、質の高いアドバイザーを可視化することを目的としている。

現状、M&A市場には未熟な支援機関も多く、知識・能力に乏しいアドバイザーが交渉や手続きのミスを招き、結果としてM&Aが不成立となったり、成約後にトラブルが生じたりするケースが少なくない。

こうした問題を解消するため、同庁は2025年4月に「スキルマップ」を公表し、M&Aアドバイザーに求められる知識・スキルや倫理・行動規範を体系的に整理した。

このスキルマップを踏まえ、具体的には中小M&Aアドバイザー試験(仮称)の創設を民間ベース

で進める方向で検討が進んでいる。試験範囲はM&Aスキームや進め方、財務・税務、企業価値評価、デューデリジェンス、契約に関する法務、行動規範・倫理など幅広く、M&Aの実務を担う上で必須となる知識を問う内容が想定されている。

試験形式は選択式・短答式で50問程度、M&A支援に必要な知識を確認するものとなる見込みだ。

資格保有者には、倫理規程の遵守や定期的な講習の受講が義務付けられ、違反があれば資格の取消や氏名公表といった厳格な措置も検討されている。

また、資格取得者はデータベース上で氏名が公表され、依頼者が信頼できるアドバイザーを選びやすくなる仕組みも整備される予定だ。

2025年6月30日 (月)

厚労省 能力開発基本調査結果を公表 人材育成の課題は「指導者不足」が上位

 厚生労働省はこのほど、令和6年度「能力開発基本調査」の結果を公表した。

それによると、OFF-JT(職場外研修)または自己啓発支援に費用を支出した企業は全体の54.9%にとどまり、いずれにも支出していない企業が45.1%と、依然として能力開発投資を行わない企業が多い現状が明らかとなった。

支出内容の内訳では、OFF-JTにのみ支出した企業が27.7%、自己啓発支援のみに支出した企業が5.5%、両方に支出した企業は21.7%だった。労働者一人当たりの平均支出額は、OFF-JTで1.5万円、自己啓発支援で0.4万円となり、自己啓発支援は前年よりも増加している。

 また、過去3年間の正社員向けOFF-JTの費用について「増加した」と回答した企業は23.5%で、「減少した」の6.3%を大きく上回った。今後3年間の支出見込みでも、「増加させる予定」とした企業が37.0%と「減少させる予定」の1.3%を大幅に上回ったが、「実施しない予定」の企業も39.0%にのぼり、二極化の傾向がうかがえる。

自己啓発支援についても同様に「増加した」とする企業が12.1%、「減少した」は4.2%で、今後の「実施しない予定」が54.7%と過半数に達している。

 さらに、企業が労働者に求める能力・スキルとしては、50歳未満の正社員では「チームワークや協調性」が58.6%で最も多く、次いで「職種に特有の実践的スキル」が36.9%と続いた。

一方、50歳以上の正社員では「マネジメント能力・リーダーシップ」が55.0%で最多だった。

2025年5月22日 (木)

企業数・営業収入・法人税が過去最高 国税庁 令和5年度会社標本調査

 国税庁はこのほど、令和5年度分の会社標本調査結果を公表した。

これによると、国内の全法人数は295万6,717社で、前年度から4万7,000社増加(+1.6%)。

これは平成24年度以降、11年連続の増加で過去最多。

利益を計上した法人は115万3,514社(+1.9%)で3年連続の増加、こちらも過去最多を記録。

一方で欠損法人も180万3,203社(+1.5%)と4年連続で増加しており、欠損法人の割合は61.0%と、依然として高水準にある。

 企業の売上に相当する営業収入金額は、1,760兆1,788億円(+2.2%)と3年連続で増加し、過去最高を記録。

企業のもうけを示す所得金額も91兆7,696億円(+14.7%)と4年連続で増加し、こちらも過去最高だった。

業種別では、「機械工業」や「小売業」「建設業」などが所得金額の増加額で上位に並び、特に「食料品製造業」は前年比+30.1%と高い伸びを示した。

これらの動向を反映して、法人税額も大幅に増加した。

令和5年度の法人税額は16兆3,976億円となり、前年度比で2兆1,533億円増(+15.1%)と大きく伸長。

これは企業の増益基調を背景とした納税額の拡大を表している。

また、所得税額控除や外国税額控除などの各種控除にも変化が見られ、外国税額控除は前年比+47.0%と顕著な増加を示した。

企業数・収益・納税額のいずれも高水準に達し企業活動が活発であったことがうかがえる一方、欠損法人の多さが依然として課題であり、日本経済の底力と二極化の側面が浮き彫りとなった。

2025年5月20日 (火)

労働力調査 失業率改善・就業者増 女性と高齢者の就業が拡大

 総務省統計局はこのほど、「労働力調査(基本集計)2024年度(令和6年度)平均」を公表した。

これによると、2024年度の完全失業率は2.5%で、前年度より0.1ポイント改善。

男女別では、男性が2.6%で0.1ポイントの低下、女性は2.4%で前年度と同率だった。

完全失業者数は175万人で、前年度比3万人減少しており、男性は100万人で3万人減、女性は75万人で横ばいだった。

 就業者数は6,793万人で前年度から37万人の増加。

特に女性の増加が顕著で、女性が33万人の増加に対し、男性は4万人の増加にとどまった。

産業別では「医療・福祉」が13万人増、「宿泊業・飲食サービス業」が9万人増加するなど、サービス系産業を中心に雇用の拡大がみられた。

一方で、「製造業」は10万人減、「建設業」と「運輸業・郵便業」もそれぞれ6万人減少した。

 就業率は全体で61.8%となり、前年度比0.4ポイント上昇。

男性が69.7%(+0.2ポイント)、女性が54.4%(+0.7ポイント)と女性の上昇幅が大きい。

15~64歳の労働力に限ると、男性は84.5%、女性は74.4%で、いずれも前年度より上昇。

雇用形態別では、正規の従業員は3,662万人で、前年度比40万人の増加。

うち女性が32万人の増加と大きな伸びを示した。

一方、非正規の従業員は2,132万人で、前年度比2万人の増加となった。

非正規では男性が5万人減少したのに対し、女性は7万人の増加となっており、65歳以上の高齢層の非正規雇用が男女ともに拡大している。

2025年5月16日 (金)

中小企業新事業進出促進補助金 第1回の公募要領がいよいよ公開

 中小企業新事業進出促進補助金の第1回公募要領が公開された。

本補助金は、令和6年度補正予算により新設された制度で、中小企業が既存事業とは異なる新たな市場に向けた高付加価値事業への進出を図る取り組みを支援するもの。

生産性の向上および賃上げの実現を目的とし、意欲ある中小企業の挑戦を後押しする。

 申請期間は令和7年4月22日から同年7月10日18時までとされており、申請に際しては「次世代育成支援対策推進法」に基づく一般事業主行動計画の策定および公表が必要である。

補助対象企業は、国内に本社および補助事業実施場所を有する中小企業や特定の事業組合、または所定の条件を満たすリース会社等で、資本金や従業員数に関して一定の基準を満たす必要がある。

 補助金額は従業員数に応じて750万円から最大9,000万円で、補助率は2分の1。

なお、所定の賃上げ要件を満たす場合には、補助上限額の引上げが認められる特例も設けられている。

 また、補助対象事業は「製品等の新規性」「市場の新規性」「新たな売上高または付加価値の創出」などの要件を満たす必要がある。

さらに、事業計画期間(3~5年)において、付加価値額および賃金水準の年平均成長率に関する目標値を達成することが求められる。

これらの要件を満たさなかった場合には、補助金の返還義務が生じる可能性があるため、計画策定および実行に際しては慎重を期す必要があるだろう。

2025年5月14日 (水)

2025年版中小企業白書が公表 金利上昇の影響を試算したコラムが話題

 中小企業庁はこのほど、2025年度版の中小企業白書が4月25日を取りまとめ、4月25日に公表した。

その中で、政策金利の上昇が中小企業の企業収益にどのような影響を及ぼすかを分析しており、注目を集めている。

白書では、政策金利が段階的に2%まで引き上げられた場合と、据え置かれた場合の2通りのシナリオを比較し、中小企業の経常利益への影響を試算した。

結果、金利上昇ケースでは、2024年度から2027年度の4年間で中小企業の経常利益は累計約4.1%増加すると推計されている。

売上高の拡大による限界利益の増加が主な押し上げ要因となり、限界利益の寄与度は+10.1ポイント。

一方、賃金上昇に伴う人件費負担は−5.3ポイントの押し下げ要因となり、支払利息増加による影響も−0.5ポイント程度生じると見込まれている。

 企業規模別では、大企業の経常利益増加率が約4.4%、中規模企業が約4.0%、小規模企業が約3.7%と推計され、企業規模にかかわらず増益効果が期待できる結果となった。

ただし、これはあくまで「平均値」であり、個別企業では価格転嫁の遅れや資金繰り悪化により、マイナス影響が強く出る場合もあるとされる。

特に借入依存度の高い業種や、為替変動による輸入コスト上昇の影響を受けやすい業種は注意が必要だ。

 中小企業庁は、こうした分析を踏まえ、中小企業に対して「外部環境の変化を好機と捉え、積極的に行動を変えること」を呼びかけている。

2025年5月12日 (月)

業績回復には個人消費が鍵 人手不足・物価高が重荷に

 帝国データバンクはこのほど、「2025年度の業績見通しに関する企業の意識調査」の結果を公表した。

それによると、「増収増益」を見込む企業は全体の24.6%と、前回調査(2024年度見通し)から1.7ポイント減少、2年連続の低下となった。

一方で「減収減益」は21.2%と微増で、こちらも2年連続の増加。

2019年度の調査と似た傾向が見られ、企業先行きに対する慎重な姿勢が際立っている。

 業種別では、情報サービス(36.4%)、化学品製造(34.7%)、飲食店(33.6%)などが「増収増益」の上位に並んだ。

AIやデジタル投資の進展、農作物の高値などが追い風となっている。

他方、「減収減益」が最も多かったのは再生資源卸売(31.7%)で、鉄鋼・非鉄、機械製造、建設など卸売・製造業の厳しさが目立った。

背景には、米中貿易摩擦の再燃や資源価格の変動、供給網の不安定化があると見られる。

 上振れ要因では「個人消費の回復」が34.7%で最多となり、「所得の増加」「原油・素材価格の安定」などが続いた。

消費関連の項目が目立ち、国内市場の活性化が企業業績のカギとされる。

一方、下振れ要因では「人手不足の深刻化」(39.0%)が最多で、「物価の上昇(インフレ)」(35.1%)、「個人消費の低迷」(32.4%)が続いた。

「インフレ」は前回調査より10ポイント以上増加し、価格転嫁の難しさや節約志向が企業収益を圧迫している。

2025年5月 2日 (金)

外国人建設技術者の採用・定着に向けて 国交省 中小企業向けの手引を公表

 国土交通省はこのほど、中堅・中小建設企業の経営者および実務担当者を対象とした「外国人建設技術者の採用・定着に向けたハンドブック」を公表した。

本ハンドブックでは、外国人技術者の受入れにあたって企業が実施すべき採用準備、受入環境の整備、定着支援までの一連のプロセスを体系的に解説しており、既に受入れを行っている企業の多様な事例も紹介されている。

 建設業界では、高齢化の進行や若年層の減少、新規入職者の確保難、離職率の増加といった構造的課題が顕在化しており、今後さらに監理技術者などの建設現場で活躍する技術者の不足が見込まれている。

こうした課題に対応するためには、国内人材の確保や生産性向上に加え、外国人高度人材の活用が重要であり、国土交通省はその受入れ支援に注力している。

 ハンドブックの第一章では、企業が自社の受入体制を点検できるチェックリストを掲載し、体制整備の現状を把握できる構成になっている。

第二章では、採用計画の立案、募集・選考、雇用手続きから、職場定着までの具体的な取組ステップを詳細に解説している。

第三章では、先進的な取組を行う中堅・中小建設企業の実例を紹介し、実務への応用が可能なヒントを提供している。

第四章では、外国人の入国後の生活支援、在留資格申請手続き、主要な送出し国の基礎情報などを網羅しており、各種情報にアクセス可能なQRコードやURLも掲載している。

2025年4月25日 (金)

人手不足倒産、過去最多を更新 建設・物流業を中心に深刻化

 帝国データバンクはこのほど「人手不足倒産の動向調査(2024 年度)」の結果を公表した。

2024年度における人手不足を要因とする倒産件数は350件にのぼり、2年連続で過去最多を更新した。

この調査は、負債1,000万円以上かつ法的整理による倒産を対象としており、2013年の集計開始以来、最多の水準を記録している。

 業種別では、建設業が最も多く111件に達し、初めて100件の大台を超えた。

次点は物流業の42件で、前年度からやや減少したものの、高い水準に変わりはない。

いずれの業界も「2024年問題」とされる時間外労働の上限規制の影響を強く受けており、慢性的な人材不足に直面している。

最近では、大企業による新卒初任給の引き上げや、政府が掲げる最低賃金1,500円の目標により、賃上げの流れが加速している。

待遇改善を求めて転職に踏み切る労働者も増加しており、十分な賃上げ余力を持たない小規模事業者において、いわゆる「賃上げ難型」の倒産が引き続き高水準で推移する可能性が高い。

また、賃上げの原資をどう捻出するかも、大きな課題だ。

価格転嫁の実現がその鍵を握るが、実態としては困難を伴うケースが少なくない。

たとえば、全業種平均の価格転嫁率は40.6%にとどまり、建設業では39.6%、物流業では32.6%とさらに低い数値にとどまった。

「モノの値上がり」であれば取引先の理解が得られやすいものの、「賃上げ目的」となると納得を得にくいとの声も現場からは聞こえてくる。

2025年4月15日 (火)

小規模事業者持続化補助金の新類型 「共同・協業型」の公募要領が公開

 「小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>」の公募要領が公開されている。

本補助金は、地域の小規模事業者が連携して商品やサービスの開発、改良、ブランディング、販路開拓などに取り組む事業に対して、その経費の一部を補助するもの。

申請主体となるのは、商工会議所、中小企業団体中央会、商店街振興組合などの「地域振興等機関」で、10者以上の小規模事業者(参画事業者)を取りまとめ、共同で販路開拓に取り組む体制の構築が求められる。

 補助対象事業は、「展示会・商談会枠」「催事販売枠」「マーケティング拠点枠」の3類型に分かれており、それぞれ評価指標と取組内容が設定されている。

たとえば、展示会・商談会枠では新規リーチ数や新規取引先数、催事販売枠では来場者数や営業効率などが成果指標となる。

補助金の上限額は1申請者あたり5,000万円で、補助率は経費区分ごとに「定額」または「3分の2以内」。

 本補助金で重視されているのが、「ワンストップの取組であること」。

これは単に展示会や物販イベントを開催するだけでなく、参画事業者の商品やサービスの魅力を高めるブラッシュアップ支援、生産・供給体制の整備、販路先との取引手続きの支援、さらには事業終了後のフォローアップまでを一貫して行うことを意味する。

本補助金の申請受付は令和7年4月25日に開始され、締切は同年6月13日(金)17時まで。



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