ちば会計

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相続・贈与・住宅・小規模宅地

2022年1月11日 (火)

20年分相続税の課税割合8.8% 相続財産額は「土地」が3割強

  国税庁がこのほど公表した2020年分相続税の申告状況によると、2020年中(2020年1月1日~12月31日)に亡くなった人(被相続人)は、過去最高だった2019年(138万1093人)を▲0.6%とやや下回る137万2755人だった。

 このうち相続税の課税対象被相続人数は、同4.4%増の12万372人で、課税割合は8.8%(2019年分8.3%)だった。

今回の対象は、2021年11月1日までに提出された相続税額のある申告書に基づき集計している。

 課税割合8.8%は、前年より0.5ポイント増加し、2015年の相続税の基礎控除引下げ以降では最も高く、6年連続8%台の割合となり、相続で税金がかかるのは100人に8人という状況が続いている。

また、相続財産価額から被相続人の債務や葬儀費用などを差し引き、相続開始前3年以内の生前贈与等を加算した相続税の課税価格は、16兆3937億円で前年比3.9%増加し、税額は2兆915億円で同5.9%増加した。

 被相続人1人当たりでみると、課税価格が前年比▲0.5%の1億3619万円(相続税額のない申告書に係る価格は5102万円)と微減となったが、税額は1737万円で同1.4%増加した。

また、相続財産額の構成比は、「土地」が34.7%と3割強を占め、「現金・預貯金等」が33.9%、「有価証券」が14.8%、退職金や生命保険などが含まれている「その他」が11.3%、「家屋」が5.3%の順となっている。

2021年12月22日 (水)

特例事業承継税制 令和9年12月末で終了へ

 事業承継の際の贈与税・相続税の納税を猶予する「事業承継税制」は、平成30年度税制改正で抜本的に拡充され「特例事業承継税制」として生まれ変わった。

これにより、同税制の適用の前提となる認定申請の件数は、拡充前は年間400件程度だったところ、拡充後は年間約6,000件まで増加。

中小企業の事業承継対策のスタンダードとなりそうな勢いだが、先日公表された令和4年度税制改正大綱の中で、制度が一部見直されることが明らかになっている。

 この特例事業承継税制の適用を受けるには、事前に「特例承継計画」を策定し、令和5年3月31日までに都道府県へ提出しておく必要があるが、この提出期限が令和6年3月31日まで1年間延長される。

この機会に中小企業の事業承継を押し進めたいということだろう。

 ただ大綱には、特例事業承継税制について「令和9年12月末までの適用期限については今後とも延長を行わない」ことも併せて明記された。

すなわち、令和10年以降は、通常の事業承継税制しか使えなくなるというわけだ。

 特例事業承継税制は、中小企業が発行したすべての株式について、その承継に係る相続税・贈与税の100%が納税猶予される制度。

一方、通常の事業承継税制では、対象となる株式は「総株式数の3分の2まで」で、猶予されるのは税額の「80%」。

つまり、無税で株式を承継することができなくなる。

そのため、事業承継を検討している中小企業では、早期に事業承継への取り組みをスタートし、本税制の活用について検討を行う必要があるだろう。

2021年11月24日 (水)

「金融所得への課税強化」は先送り 令和4年度税制改正の展望は?

11月も後半に差し掛かり、そろそろ税制改正の話題が聞こえてくる時期。
令和4年度税制改正では、どのような改正が行われることになるだろうか。

    
 岸田文雄首相が自民党代表選挙の公約にも掲げた「金融所得への課税強化」は、自民党税制調査会での議論を経て、令和4年度改正では正式に見送られることがすでに決まっている。

     

 また、新しい資本主義の実現に向けた政策の柱とされている「賃上げ税制」だが、すでに大企業向けには、一定以上の賃上げや設備投資、教育訓練費を増額した場合に、給与増加額の最大20%が税額控除される制度があり、中小企業向けには、給与総額が前年度より1.5以上増加した場合に、最大で給与増加額の25%が税額控除される(25%控除には、前年比2.5%以上の賃上げが要件)制度がある。

    
ただ、企業の黒字申告割合(=法人税を納めている企業の割合)が全体の30%台と低調ないま、賃上げの効果を疑問視する声は根強い。

また、黒字企業は中小企業よりも大企業に多いことから、相対的に大企業優遇の税制であることも指摘されており、どのような改正が行われるのか注目される。
    

 昨年の税制改正論議の中で注目を集めたのが、「相続税・贈与税の課税方式の見直し」だ。
土壇場で当時の甘利政調会長が“ぶち上げた”テーマで、資産家や税理士業界や金融業界で話題を呼んだ。
相続発生前の一定期間に贈与された金額を相続財産に加算する方式が有力と見られているが、そもそも手直しが入るのかも不明。
党税調、政府税調のいずれも、これについて議論をしている様子は見えてこない。

2021年11月 1日 (月)

住宅取得等資金贈与の非課税措置 要件緩和も適用期限は延長されず

 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置は、2015年1月1日から2021年12月31日までの間に、合計所得金額が2000万円以下の20歳以上の受贈者が、父母や祖父母など直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合に、一定額までが非課税となるもの。

 2021年度改正では、床面積の要件の緩和などの見直しが行われたが、適用期限の延長は行われていないことから注意が必要となる。

 2021年度税制改正では、(1)2021年4月1日から同年12月31日までの間に住宅用家屋の新築等に係る契約を締結した場合における非課税限度額を、2020年4月1日から2021年 3月31日までの間の非課税限度額と同額まで引き上げ、(2)受贈者が贈与を受けた年分の所得税に係る合計所得金額が1000万円以下である場合に限り、床面積要件の下限を40平方メートル以上(改正前:50平方メートル以上)に引き下げる見直しが行われた。

 つまり、2021年中の贈与の要件には、本年12月31日までに、住宅取得等資金の贈与を受けて住宅の新築、取得又は増改築等に係る契約を締結していることがある。

また、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすることがある。

受贈者が「住宅用の家屋」を所有する(共有持分を有する場合も含まれる)ことにならない場合は、この特例の適用を受けることはできない。

2021年8月24日 (火)

「暦年課税」の見直し案が浮上!相続扱いが現行3年以内から拡大

2015年に相続税の基礎控除額が引き下げられ課税強化されて以降、相続対策として「暦年贈与」と「相続時精算課税」の生前贈与が活用されている。

 
しかし、ここにきて税務専門家の間で注目されているのは「暦年贈与」の見直しだ。
「暦年贈与」は、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかからないことから、多くの納税者が相続対策として利用している。

 
暦年課税にメスを入れる意向を示したのは与党の2021年度税制改正大綱だったが、見直しの方向性としては、一つは暦年贈与を廃止し相続時精算課税制度のみを残す方法か、もう一つは暦年課税を存続させるが、実態は相続税に近づける方法が考えられる。

 
暦年贈与の突然の廃止は国民の影響が大きいことから、可能性が高いのは、暦年課税を相続税に近づける方法だろう。

 
具体的には、現在暦年課税の相続扱いは3年以内だが、これを10年以内あるいは15年以内などに拡大するというものだ。

 
実際、参考にするという諸外国ではより長い期間の贈与を課税対象としており、イギリスは死亡前以前7年間、フランスは15年間、アメリカに至っては生前贈与すべてに相続税を課している。

 
来年以降の税制改正では、こういった諸外国の制度を参考に、相続扱いにする期間を長くすることによって、資産移転の時期に中立的な税制を構築するとともに、実質相続税と贈与税を一体化する方向で議論する可能性が高くなっている。

 

2021年7月14日 (水)

21年分路線価は6年ぶりの下落 コロナで商業地等の地価が下落

 全国の国税局・税務署において7月1日、相続税や贈与税の土地等の課税評価額の基準となる2021年分の路線価及び評価倍率が公表されたが、新型コロナウイルスの影響により、今年1月1日時点の全国約32万地点(継続地点)における標準宅地の前年比の変動率の平均は▲0.5%(昨年+1.6%)と、6年ぶりの下落となった。

 

路線価日本一は36年連続で東京・銀座「鳩居堂前」となったが、▲7.0%と9年ぶりに下落している。

 

 都道府県別の路線価をみると、標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値の上昇率が「5%未満」の都道府県は、昨年分19府県から7道県に減少。

 

上昇率が「5%以上」の都道府県は、昨年の2都県からゼロに。一方で、下落した都道府県は昨年の26県から39府県に増加。ちなみに、上昇率トップは福岡県の1.8%、最大の下落率は静岡県の▲1.6%だった。

 

 下落となった要因は、新型コロナウイルス感染拡大により、インバウンド需要が消失したことや、飲食店等への営業自粛・営業時間短縮要請の影響で、観光地や商業地の地価が下落したことにある。

 

 一方、都道府県庁所在都市の最高路線価が上昇した都市は8都市(昨年38都市)と大幅に減少し、8都市とも上昇率が5%未満だった。

 

横ばいは17都市(同8都市)で、下落は22都市(同1都市)。内訳は、下落率5%未満が17都市(同1都市)、5%以上10%未満が4都市(同0都市)。10%以上が奈良市(▲12.5%)の1都市だった。

 

 

 

2021年7月 5日 (月)

20年度査察、83件を検察庁に告発 告発分脱税総額は過去最少69億円

 国税庁がこのほど公表した2020年度査察白書によると、同年度に査察で摘発した脱税事件は前年度より52件少ない113件で、その脱税総額は前年度を24.5%下回る約91億円だった。

 

今年3月までの1年間(2020年度)に、全国の国税局が査察に着手した件数は111件と、前年度(150件)を39件下回った。

 

 継続事案を含む113件(前年度165件)を処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)し、うち73.5%に当たる83件(同116件)を検察庁に告発。この告発率73.5%は前年度を3.2ポイント上回り、2008年度以来の高水準となった。

 

 2020年度は、消費税の輸出免税制度を利用した消費税受還付事案を9件告発、自己の所得を秘匿し申告を行わない無申告ほ脱事案を13件告発、国際事案でも過去5年で最多の27件の告発を行っている。

 

 近年、査察における大型事案は減少傾向にあり、2020年度の脱税総額90億5000万円は、ピークの1988年度(約714億円)の約13%にまで減少している。

 

1件当たり平均の脱税額は8000万円で、ここ5年は1億円を下回っている。告発分の脱税総額は前年度を25.3%下回る69億2600万円となり、統計が残る1972年度以降、過去最少となった。1件当たり平均の脱税額は8300万円となっている。

 

 告発分を税目別にみると、「法人税」が前年度から9件減の55件で全体の約66%を、脱税総額でも約38億円で約55%をそれぞれ占めた。

 

 

 

2021年5月31日 (月)

20年度分e-Tax利用は23%増 相続税の申告件数は2万2847件

 国税庁がこのほど公表した2020年度分のe-Tax利用状況によると、新型コロナウイルス感染症の蔓延による外出自粛なども影響して、同年度分も利用件数は全税目で増加したため、総利用件数は前年度分を23.0%上回り4899万7487件となったことが分かった。

 

過去の推移をみると、2018年度分は前年度比4.3%増、2019年度分は同6.0%増となっており、2020年度の増加幅は際立っている。

 

 主な税目の利用状況によると、最も多い「所得税」が1338万1884件(対前年度分比22.3%増)となったのを始め、「法人税」242万4547件(同2.3%増)、「消費税(法人)」174万9338件(同1.4%増)、「消費税(個人)」82万2110件(同22.8%増)、「贈与税」28万1380件(同10.7%増)などとなった。

 

 相続税については、同申告書が2019年10月からe-Taxソフトによる作成・送信が可能となったもので、今回初めて利用状況が明らかになった。

 

 また、「法定調書」の利用件数は249万6268件(対前年度分比5.2%増)、「納付手続き」は1034万9950件(同27.3%増)で、納付手続きは前年度分より200万件超増えて1000万件を突破した。

 

「納付手続き」は、2018年度(同17.4%増)、2019年度(同19.1%増)と年々大幅に増えている。

 

また、新型コロナウイルス感染症における国や自治体等の助成金・給付金などの申請時に必要な納税証明書の交付請求も24万7718件と前年度より7万3362件(42.1%)増と大幅に増えている。

 

 

 

2021年4月24日 (土)

親の借地に子供が家を建てたとき 無償使用は「借地権の使用貸借」

 土地を借りる場合に、一般的に権利金などが授受される地域において、借地人から土地を又借りして家を建てるときには、又借りをする人は借地人に権利金や地代を支払うのが通例である。

 

ただし、親の借地に子供が家を建てたときに親に権利金や地代を支払うことは通常ない。

 

 このように、親の借地権を子供が権利金や地代を支払うことなく無償で使用した場合には、「借地権の使用貸借」となる。

 

 しかし、借地権の使用貸借による借地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われているので、子供に贈与税が課税されることはない。

 

この場合、「借地権の使用貸借に関する確認書」を使用貸借で借り受けている者の住所地の所轄税務署長にすみやかに提出する必要がある。

 

この確認書は、借地権を使用する子供と借地人である親と地主の3人が、その借地権を使用貸借で又借りしていることを連名で確認するものだ。

 

 親の借地権を子供が無償で使用した場合には、借地権の使用貸借となるが、借地権の貸借が使用貸借に当たらない場合には、実態に応じ借地権又は転借権の贈与として贈与税がかかる場合がある。

 

また、この使用貸借されている借地権は、将来親から子供が相続する時に相続税の対象となる。

 

相続税の計算のときのこの借地権の価額は、他の人に賃貸している借地権の評価額ではなく、自分で使っている借地権の評価額となる。

 

 

 

2021年4月19日 (月)

税務署窓口における押印の取扱い 留意点を示し注意を呼びかけ!

 国税に関する法令に基づき税務署長等に提出される申告書等(税務関係書類)については、これまで提出者等の押印をしなければならないこととされていたが、2021年度税制改正により、4月1日以降、一定の税務関係書類を除いて、押印を要しないこととされた。

 

 一定の税務関係書類とは、(1)担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類、(2)相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類。

 

 国税庁は、4月1日以降の手続きに際しての留意点を示して注意を呼びかけている。

 

 それは、(1)押印欄のある様式も、引き続き印刷して使用できるが、この場合も、上記で引き続き押印を求める手続きを除き、押印欄への押印は不要。

 

(2)税務署窓口にて備置き又は配布している様式は、当面の間、既に刷成済みの押印欄のある様式も使用していること。

 

(3)ホームページ掲載様式や税務署で配布する様式が押印欄のないものに更新された後でも、過去に入手又は印刷した押印欄のある様式を使用することは問題ないこと。

 

(4)押印が不要である税務書類について、任意で押印しても差し支えないが、押印の有無によって効力に影響が生じるものではないこと。

 

(5)振替依頼書やダイレクト納付利用届出書については、金融機関からの求めに応じ、引き続き金融機関届出印の押印を求めていることなどだ。

 

 

 

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