ちば会計

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市場創出・就職・人材

2021年8月10日 (火)

「ギグワーカー」の急増から見えるものは?コロナ後を見据えた人材確保の好機到来か

インターネット経由で単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」が急増している。

   
人材仲介会社ランサーズが行った『フリーランス実態調査 2021』によれば、2018年と比較して日本のフリーランス人口は500万人以上増加し、約1,670万人になったことがわかった。

  
しかし、そんな中にあってもギグワーカーの賃金は高いとは言えない。

  
ウーバーイーツの配達員は歩合制のため時給が最低賃金を下回ることもあり得る。事故のリスクもあり、休業補償もない。
日雇い派遣が原則禁止である以上、個人事業主として業務委託契約を締結した形なのだから当然だが、働き手にとっては非常にリスキーな状況だ。

  
米国カリフォルニア州では「ギグワーカー」を保護する画期的な法律が昨年施行された。

  
一定の基準をクリアすれば、同州の最低賃金、残業代などが保証されるほか、病気休暇、失業手当、労災補償給付を受けられるものだ。

   
一方、日本ではコロナ禍を機に議論がスタートし、今年4月より一定の業種(芸能関係、アニメーション制作、柔道整復師)に限り、フリーランスにも労災保険への特別加入が認められたが、これ以外の業種はいまだ対象外だ。

  
そもそも企業側から見れば「ギグワーカー」は重要な戦力だが、社会保険料の負担を増やしてまで、短時間のタスクへの見返りを用意するのは厳しい。

  
ならばむしろ、この先「ギグワーカー」分の社会保険料を支払うことになるのであれば、正規に雇用してより大きな戦力になってもらうほうが相互にメリットがある。

  
五輪メダリストですら「ギグワーカー」となっている状況なのだから、ほかにも多数の優秀な人材が働き場所を探している可能性が高い。

  
コロナ後を見据えた先行投資を採用に注ぎ込むことで、想定以上の成果が得られる可能性は十分にあるのではないだろうか。

 

2021年6月14日 (月)

在宅勤務に係る費用負担の取扱い 環境整備・消耗品等の購入費用

 新型コロナ感染拡大のなか、テレワークなどで従業員を在宅勤務させる企業が増えているが、それに伴い従業員に支給する事務用品をはじめとした企業が負担する各種費用の税務上の取扱いに関心が寄せられている。

 

こうしたなか、国税庁はこのほど、「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」を更新し、在宅勤務に係る環境整備に関する物品の支給及び在宅勤務に係る消耗品等の購入費用の支給の取扱いを追加した。

 

 在宅勤務に係る環境整備に関する物品の支給については、在宅勤務を開始するに当たって、従業員の自宅に設置する間仕切り、カーテン、椅子、机、空気清浄機など、企業が従業員に環境整備に関する物品等を支給した場合は、

 

従業員の給与として課税する必要はあるかとの質問に対し、「従業員の在宅勤務の環境整備のために企業が所有する物品等を従業員に貸与する場合には、従業員に対する給与として課税する必要はない」と回答。

 

 また、在宅勤務に係る消耗品等の購入費用の支給については、在宅勤務の際に、従業員が負担したマスク、石鹸、消毒液、消毒用ペーパー、手袋などの消耗品等の購入費用を会社が支給した場合の取扱いに対しては、

 

在宅勤務手当としてではなく、企業が在宅勤務に通常必要な費用を「その費用を精算する方法により、企業が従業員に対して支給する一定の金銭については、従業員に対する給与として課税する必要はない」と回答している。

 

 

 

2021年5月22日 (土)

ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金 専門家による申請支援は必要か?

 5月13日より、ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金の第7次公募が開始されている。

 

この補助金は、相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するもの。

 

今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、社会経済の変化に対応したビジネスモデルへと転換するため前向きな投資を行う事業者を対象として、通常枠とは別に、補助率が高く、営業経費も補助対象とする「新特別枠」として、低感染リスク型ビジネス枠も新たに設けられている。

 

 企業が補助金を申請する際、税理士等の専門家に支援を依頼すべきか迷うところ。

 

成功報酬型が多いとはいえ、報酬を受給額の15%に設定する専門家もおりコストは馬鹿にならない。ただし、専門家が関与することで明らかに採択率が上がることを示すデータもある。

 

 同補助金の申請事務局を担当する全国中小企業団体中央会が公表したデータによると、令和元年度補正予算および令和2年度補正予算における同補助金の申請件数は約30,000件だったが、そのうち専門家の支援がなかったものは51.1%。

 

約半数は事業者自身が独力で申請を行っている。

 

ところが、その採択率は36.2%で、7割近くが不採択となっている。

 

一方、専門家が関与している場合の採択率を見てみると、報酬が受給額の5~10%のゾーンでは49.8%、10~15%のゾーンでは58.2%まで上昇している。

 

補助金ありきで事業を組み立てるべきではないが、あるとなしでは資金的余裕が雲泥の差。確実に受給するためには、補助金に精通した専門家へ支援を依頼したほうが良さそうである。

 

 

 

2021年4月24日 (土)

多方面で普及が進むドローン技術 データ連携+自動飛行で革新的な利用法も

 NTTドコモと近畿大学がドローンを活用してキャンパス内を自動巡回する実証実験に成功したことを発表した。

 

ドローンはあらかじめ設定されたルートを自動巡回し搭載したカメラで映像を撮影。遠隔地で撮影データを閲覧することで状況をモニタリングする仕組み。

 

ドローンがキャンパス内を自動飛行する光景に違和感を抱くが、それが日常になる日も遠くなさそう。

 

 ドローンをめぐっては、イベント会場上空での無断撮影が問題になったり、2015年に首相官邸にドローンが落下する事件が起こるなどネガティブな印象を持つ人もいるだろう。

 

しかし、利便性は高くここ数年で利用は一気に加速。農林水産省の調べによれば、農薬などを散布する「散布用ドローン」の令和元年度の販売台数は2,100件で、前の年よりも3割ほど増加している。

 

ドローンの操作を学ぶ「ドローン教習所」も全国に800以上あるというから驚きだ。

 

また近年は、様々なデータとドローンを組み合わせて活用されているのも興味深い。例えば、土中のタンパク質含有率をセンサーで測定しデータ化、含有率が低い箇所へドローンが自動で追肥を行う仕組みが開発されるなど、農業の世界ではすでにイノベーションを起こしつつある。

 

 地方自治体による利用も活発で、例えば長野県伊那市は早くからドローンの社会実装に着手。

 

2017年に信州大学と提携、普及型ドローンと航空レーザーを活用した森林調査を開始。過疎地域の買い物難民に生活物資を届ける事業も行っている。

 

また、大分県佐伯市は、ドローンに野菜を積んで、販売拠点である「道の駅やよい」へ運ぶ実証実験も。高齢化による担い手不足や、自動車免許の返納などにより新鮮な農産物の確保が課題となっており、ドローンがその解決の糸口となりそうだ。

 

 ただ、頭の痛い問題も。ドローンが島しょ部や過疎地の課題を解決できることは実証済だが、民間業者が実施すると採算が合わない。そのため、ドローンを社会インフラとして定着させるには、産官学が連携して活用に取り組むことが重要だ。

 

 

 

2021年4月19日 (月)

経産省が「統計グラフ化ツール」を公開 補助金の申請に使えるとの声も

 3月30日、経済産業省がWEB上で使用できる統計グラフ化ツール「グラレスタ」を公開した。

グラレスタとは、同省が実施する「生産動態統計調査」の対象である鉱工業品約1600品目の市場動向を簡単に調査したり、統計データを自由にグラフ化できるもの。

 

年別、月別グラフで、生産額や数量の推移を表示でき、関連する品目の動向を確認できる。

 

 「ものづくり補助金」や、つい先日公募がスタートした話題の「事業再構築補助金」など、いわゆる経産省系の補助金の申請においては、事業の新規性、将来性をうまくPRするため、提出する事業計画の中で、市場推移や市場ニーズについて客観的データを用いて分析することが極めて重要。

 

これを怠ると審査において低評価を受けることにも繋がりかねない。ただ、市場データを収集し、さらにグラフ化するとなればそれなりに手間がかかるが、グラレスタを使うことで作業時間を大幅に短縮することができる。

 

 ところで、なぜこのようなツールを経産省が提供するのか。その背景には、データの利活用を促進したい政府の思惑がある。

 

政府は昨年7月、わが国のIT戦略を取りまとめた「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」を閣議決定した。

 

その中で、デジタル強靱化社会の実現に向けて、政府が保有する統計データなどのいわゆる「オープンデータ」を、単に公開するだけでなく、企業に上手く利活用してもらうことで競争力を高める必要性を提起していた。グラレスタの公開も、そのための施策の一角と言えるだろう。

 

 現時点でグラレスタに搭載されたデータは鉱工業品約1600品目のみで使える業界は限られるが、今後はより豊富なデータが搭載されることに期待したい。

 

 

 

2021年4月 9日 (金)

改正高年齢雇用安定法が4月1日に施行 福利厚生やマネジメントの充実が必須に

「70歳までの就業機会確保」を努力義務とする改正高年齢雇用安定法が4月1日に施行された。

 高齢者の就業機会が確保されることによって、企業の人手不足解消にある程度の効果が期待できるだろう。

 

なにしろ、15~64歳の生産年齢人口は3年連続で6割を切っており、毎年40万人近く減少を続けているのだ。生産年齢人口が減少し続けているのだから、65歳以上の労働力を生み出さなければ、いずれわが国の産業を維持できなくなるのは自明。

 

昨年、家電量販店のノジマが最長80歳までの雇用延長を制度化したが、このようなニュースが出るたびに「そんな歳まで働きたくない」という声が各方面からあがる。だが、こうした動きが当たり前になる日もそう遠くないだろう。

 

 一方で、高齢者に労働力が偏ることにより、これまでにない問題が生じる可能性がある。たとえばマネジメント分野。「年上の部下」は珍しい存在ではないが、部署内でマネジメント職以外の全員が65歳以上になることも十二分にあり得る。

 

そうなると、「高齢者マネジメント」に特化した研修プログラムをマネジメント人材向けに実施する必要も出てくるだろう。

 

そして、福利厚生面ではメディカルヘルスケアのより一層の充実が求められることに。健康診断やメンタルヘルスケアの内容も従来通りとはいかない。

 

「がん」や「認知症」を抱えて働く人材も増えるだろう。多職種の医療ネットワークとの緊密な連携も必要になるかもしれない。

 

 75歳以上が人口のボリュームゾーンとなる時代がすぐそこまでやってきている。

 

これからの時代、マネジメント職の研修や主に医療面での福利厚生の充実を図れるかどうかが、企業の持続可能性を左右するようになるのは間違いないだろう。

 

 

 

2021年3月22日 (月)

コロナ禍で事業転換を図る企業に 大切な「VRIO」の視点とは?

 新型コロナ禍では、多くの企業が事業の見直しを迫られている。

 

国も事業の転換や再構築を支援するため事業再構築補助金という、過去に例のない規模の補助金を用意しているが、それが簡単でないことは言うまでもない。

 

「飲食店がデリバリー」というのも立派な事業転換だが、軌道に乗るかどうかは別の話だからだ。

 

企業はヒト・モノ・カネといった経営資源を使って活動するが、中でも大切なのが「競争優位をもたらす資源」。事業転換を考えるにあたっては、自社の経営資源が競争優位な状態にあるか分析・評価することが不可欠だ。

 

これを分析するフレームワークが「VRIO」。Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣困難性)、Organization(組織)の頭文字を取ったもので、これら4つが揃ったとき持続的な競争優位と経営資源が最大活用された状態が実現する。

 

 トヨタを事例にVRIOを確認してみよう。トヨタは、いわゆる「トヨタ式生産方式」で高品質・低価格を実現させており、戦略上の価値(Value)を有している。

 

また、トヨタの工場は「人とロボットの共同作業」によって高品質と低価格を両立させるという特異なアプローチを取っており、希少性(Rarity)がある。

 

さらに、トヨタのような生産性を実現するには「自働化」の思想や部品メーカーとの連携が必要で、模倣困難性(Imitability)が高い。そして、不具合に即時対応するなど様々な面で組織(Organization)的な対応が行われている。

 

 実は、こうした競争優位性が、事業再構築補助金の審査においてもキーポイントとなる。フランチャイズ化にかかる費用(加盟料は対象外)も対象となるほど“懐の深い”補助金だが、だからといって、単にフランチャイズに加盟し新事業を始めるだけでは、採択されない可能性は小さくない。

 

 補助金を得るために事業を転換するわけではないが、少なくともこの補助金にチャレンジすることを通じて、企業は自社の競争優位性を再確認するよい機会になるだろう。

 

 

2021年3月 5日 (金)

事業再構築補助金 補助率の高い 「緊急事態宣言特別枠」が新たに追加

「最大1億円」の補助額が大きな話題を呼んだ事業再構築補助金に、2度目の緊急事態宣言で影響を受けた事業者を救済するための「緊急事態宣言特別枠」が設けられることになった。

これまで明らかにされていた「通常枠」「卒業枠」の補助額、補助率はそれぞれ「100万円~6,000万円、2/3」、「6,000万円超~1億円、2/3」だったが、

 

「緊急事態宣言特別枠」では、中小企業に限り補助率が3/4に拡大される(補助額は最大1500万円)。

 

また、この「特別枠」の創設に合わせ、一定の企業に対する支給審査の「(通常枠の)加点措置」も追加される。

 

経営状況の厳しい企業にとっては採択率が上がるので好都合だが、「事業再構築に対する支援というより、単純な企業の資金繰り支援としての性格が強い。制度の趣旨はどうなったのか」と批判の声も聞かれる。

 

 補助金は返済不要であることが魅力的だが、原則「後払い」の制度。同補助金についても「補助事業実施期間終了後(採択決定から1年程度経過後)に、事業者による支出経費の証憑を確認した後に支払いが行われる」とアナウンスされており、支給まで1年程度はかかると見て間違いなさそう。

 

緊急の資金繰り対策としては使えないと考えておくべきだろう。ただし、多くの中小企業が事業継続の危機に直面している状況であることから、よりスピーディに支給する方法として、経産省は「一定の条件のもとで、概算払制度を設ける」とコメントしており、続報が待たれるところ。

 

同補助金は3月中に初回の公募がスタートする予定で、公募期間は1カ月程度となる見通し。また、補助を受ける要件として「事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行う」という要件があるが、3月1日時点において、この「事業再構築指針」は公表されていない。

 

 

 

2021年2月13日 (土)

新SNS「Clubhouse」がブームとなった背景は? 音声市場の現在地と、ビジネス活用の可能性

 米国初の音声SNS「Clubhouse」が脚光を浴びている。「Clubhouse」は、いわば雑談のプラットフォーム。著名人がふらっと集まった休憩所での話を、クリアな音質で聞けるラジオ番組という感じだろうか。

 

 ブームの背景に、コロナ禍で雑談が失われたからとの指摘もある。

 

そういう側面もあるが、多数のステークホルダーに配慮して設計された予定調和的なコンテンツへの抵抗という面はないだろうか。YouTubeが、いつのまにかタレントたちの主戦場となったのと同じ構図だ。

 

 とはいえ、YouTubeはあくまでも一方通行のメディア。番組の主導権は配信者にある。

 

ところが「Clubhouse」はその境界線を曖昧にした。舞台でいう飛び入り参加が簡単にできてしまうのだ。しかも「ログ」をあえて残さない仕様であることもメリット。「その場限り」だからこそ明かせる話も当然あるわけで、「炎上」は避けたい著名人や企業にとっては魅力的だろう。

 

 それでなくとも、音声市場は拡大傾向。国内ネットラジオ最大手のradikoは、昨年4月の緊急事態宣言後にユーザー数が急増。

 

1,000万人に迫っている。テレワークが広がり「ながら聴き」需要が高まったことも「Clubhouse」にとっては追い風となった。

 

 ただ、「Clubhouse」がこのまま音声市場の覇権を握るSNSとなるかはわからない。そもそも、SNSのブームは総じて短期的。

 

たとえば、3Dアバターが住む仮想空間「Second Life」は、凄まじいブームを巻き起こしたものの短期間で忘れ去られた。むしろ、現時点で「Clubhouse」の事例から見るべきなのは、音声を活用したビジネスの可能性。

 

すでに、ブロックチェーン事業を手掛けるLayerXが採用イベントに活用しているが、まずは先行事例を整理し、企画に生かすことが重要だ。

 

 

2021年1月18日 (月)

テレワークの導入費用に注意! 「支給」、「貸与」で異なる課税

 新型コロナウイルス感染症の対策や働き方改革の一環として、テレワークやリモートワークでの在宅勤務を導入する企業が急増している。

 

そのため従業員は、自宅で職場と同様の環境で仕事ができるよう通信環境の整備や作業スペースを整える必要があり、従業員の経済的負担も増えることになる。

 

企業側は、従業員が自宅でも効率的に仕事ができるように、業務に欠かせない物品を全額負担して用意することが一般的だ。

 

 それでは、企業側が、通信環境の整備等業務に必要なPCやモニター等のICT機器や椅子などの器具備品などを会社の負担で用意し、従業員に「支給」した場合、課税関係はどのようになるのか気がかりなところだ。

 

 給与所得を有するものがその使用者から受ける金銭以外の物(経済的な利益を含む)でその職務の性質上欠くことのできないものとして、所得税法関連の政令で定めるものは非課税所得となっている。

 

 しかし、その政令で定めるものの中にはテレワークで必要とされる物品は明記されていないことから、非課税対象にならないので、原則現物給与として課税の対象となる。

 

 では、会社にある備品や必要な物品を購入して従業員に「貸与」して、テレワークのためだけに使用した場合はどうなるのか。

 

「貸与」の場合は、資産の所有権は会社側にあり、従業員には返却の義務があることから、課税関係は発生しない。

 

 

 

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