ちば会計

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農業へ進出

2020年8月 9日 (日)

ファミリーマートをめぐる動きが急加速! 農林中金の出資から見える伊藤忠の思惑

 7月上旬に、ファミリーマート(以下ファミマ)をすでに子会社としている伊藤忠商事(以下伊藤忠)は、TOBを行って完全子会社すると発表した。

 

伊藤忠の2020年3月期決算は前年比5.3%の減収。ファミマの利益を取り込むことで、その絶対額を増やせる。

 

この6月に、時価総額と株価では三菱商事を上回って初めて総合商社トップに立っており、経営層は「3冠」に強い意欲を見せているともっぱらだ。

 

 一方、“それだけのため”と思えないのも事実。同時に発表されたJA全農と農林中金の出資。

 

約570億円で4.9%の株式を取得し、ファミマの店舗を通じて地元の農産物を販売したり、ファミマで扱うコンビニ弁当・惣菜に使う食材を提供したりする。

 

 これは、農林中金にとってもメリットがある。農林中金は、農業融資の少なさから2016年に不要論を突きつけられた屈辱を味わった。新たな「販路」を獲得したうえに、農産物加工品を開発して商品価値を上げる道筋を用意すれば、プレゼンスを取り戻すことができる。

 

もちろん、この思惑どおりに進む保証はない。しかし4月にファミマは、中国事業における係争に勝訴。一時は暗雲が立ち込めていた事業展開に明るい兆しが見えている。

 

新型コロナウイルスの発生源とされながら、今では封じ込めに成功。少なくとも伊藤忠は、その人口の多さから「コロナ後」の最大のマーケットになる可能性が高い中国での足場を固めようと考えているのだろう。

 

それを踏まえると、農協や農林中金と関係の深い農業法人をめぐる投資マネーの動きも今後気になるところだ。

 

 

2018年1月13日 (土)

あえて“匠の技”ではなく“汎用性”を追求!ファイナンス会社がいちご生産に取組むワケ

 新たなビジネスモデルを模索しているファイナンス会社が多い中、総合リース大手の日立キャピタルが異色の取り組みを行っている。
 
2016年6月から沖縄県読谷村でいちごの生産事業を展開。
 
しかも、生産に従事しているのは東京のオフィスで勤務していた農業未経験の社員だ。生産指導を受けながら、日々土にまみれ、いちごと向き合っている。
 
あえて未経験者を生産現場に入れているその目的は、「誰でも高品質ないちごが生み出せる」ビジネスモデルをつくるため。低収入で後継者難に陥っている農業の状況を踏まえ、新規の参入者を増やすのが狙いだ。
 
人口流出が進む読谷村の雇用拡大にも貢献でき、ゆくゆくはフランチャイズ化して新規事業者の参入支援をしていくことも視野に入れている。
 
 いちご生産には不向きとされる沖縄で生産に取り組むのにも根拠がある。それは国際物流ハブとして存在感を増しつつある那覇空港の存在。
 
日本のいちごは海外でも人気だが、香港やタイ、マレーシアに輸出する際、日本の他の地域よりも輸送時間を丸1日短縮できるため、鮮度を保ったまま現地に届けられる。
 
素人が生産したいちご――。気になるその出来栄えだが、香りの高さと爽やかな甘さ、フレッシュな酸味が評価され、早くも読谷村のふるさと納税の返礼品として採用された。
 
農業を通じた新しいビジネススキーム。他のビジネスでも大いに参考になりそうだ。
 
 

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2015年5月 1日 (金)

被災地の経営課題は全国共通課題~地域再生のカギを握る“協力隊”~

 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた東北太平洋沿岸地帯の水産加工業。震災から4年経っての課題は「販路確保・開拓」と「人材確保・育成」が2大ネック。

異口同音に水産業関係者は「売れない」「買ってくれない」「人手不足」と現状を嘆くが、プラス材料の少ない業種では上昇気運に乗れないまま時間が過ぎていく。

 しかしボヤくだけでなく地域の弱点を冷静に分析し課題に取組む気力が戻ってきている気配が芽生えはじめた。

というのも水産業の衰弱は震災前からで、全国の同業者の共通課題でもある。とくに原産地にとって大消費地が求める均一の品質と価格に応える経営努力は並大抵な努力では維持できない。

 震災前の売上げに戻った復興度合いは建設業72%、運送業48%、製造業40%と喜べるレベルには遠い。

さらに水産・食品加工業は19%とまさに一人負けの状態にある。特に肝心の取引先が戻らない。

4年の間に他所に替わってしまったのは競争原理のせい。

人材の確保は地場産業が減り建設業に流れている。

東京オリンピックを控え人材調達はさらに進むことが必至。今、沿岸部は「付加価値製品」の創出で卸価格をコントローしたいのが悲願だ。

例えば政府の肝煎りで生まれた「地域おこし協力隊」制度。若人中心で中山間地帯(農業)に強い。

「猫の手も借りたい」沿岸部ではその頭脳と体力に頼ってみるのもいい。

 

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2011年3月 1日 (火)

商社・地銀、環境激変で農業へ進出~活性化が期待できる攻めへの転進

 現在、政治・経済の主要テーマでTPP(環太平洋経済連携協定)参加を巡る最大の関心事が農業だ。この農業ビジネスを好機と捉える各業種の中で先行しているのが大手の商社7社。

 商社の農業関連ビジネスは、運営・支援・開発・販売のいずれかに進出している。異色なのが地方銀行等の金融機関。金融庁は毎年「地域密着型金融の取組事例集」(先進的で広く実践されることが望ましい例)をまとめている。その中で北海道、東北、東邦、大分、第四などの地方銀行が、地元農業支援策に積極的だ。

 商社はTPPの恩恵を最も受けやすいだけに「食糧安全確保」の橋頭堡となる自負がのぞく。過去の失敗から農業ビジネスに消極的だったが、環境が激変した。地銀は関税撤廃時代を見据え、地域経済という基盤を守ろうとする。

 東邦銀行は、農家や畜産・水産業など一次産業を強化するための専門チーム(農業経営アドバイザー3人)を作り、本格的な支援を目指す。急浮上したTPP論議に農家は危機感を強めていたものの、農家だけでは実現できない東京市場への販路確立と安定が見込め、銀行は融資先でもある農家の経営の安定を望んでおり、両者の思惑が一致した。

2年前の「東邦・農商工連携ファンド支援資金」の創設や、商談会「ふくしまフードフェア」などの開催と、相次いで活性化策を打ち出している。商社は国内農業進出には元々慎重だが、地銀等の“農業再生策”で相乗効果が期待できる。