資産運用の目的がリターンであることは疑いようがない。しかし、単に資産を増やすだけでなく、社会貢献にも寄与できるとしたら、投資のしがいがあるといえないだろうか。そんな意義深い投資手法のひとつが、「ソーシャル・インパクト・ボンド」(SIB)である。
官民連携のスタイルが特長で、アメリカでは刑務所の受刑者更生プログラムに用いられ、再犯率の低下に応じて自治体が投資家に配当を支払う事例もある。
実は、日本にもこのSIBが導入されつつある。旗振り役を担っているのは経済産業省。ヘルスケア分野での導入を推進しており、2017年度から「成果連動型かつ複数年度契約による日本初の本格的なSIB」が複数の自治体で導入される予定。
この分野での導入が進められる背景には、高齢化とともに膨らみ続ける社会保障費の問題がある。とりわけ、医療費は一般会計予算の4割以上となる40兆円を突破。これをいかに削減するかがわが国の大きな課題となっている。
非常に深刻な問題だが、ビジネス的な観点で考えれば、削減することでかなりの金額を生み出せる状態とも言える。「医療費削減」というミッションを掲げたSBIの仕組みが上手く機能すれば、かなりの配当が期待できるだけでなく大きな社会貢献にもなる。新たな投資先として、SBIにかかる期待は大きいのではないだろうか。
渡切交際費とは、役員や従業員に対して交際費など会社の業務のために使う目的で金銭を支出したにもかかわらず、その使途や使用金額について精算を要しないものをいう。
このような支出は名目上交際費として会社が支給をしたとしても、領収書等の証拠資料をもって精算がされないような交際費は、支給を受けた人間が自由に処分できるので、給与の性質を有するものと考えられ、交際費には該当しないこととされて
いる。
したがって、渡切り交際費が毎月定額で役員に支給されるような場合は、定期同額給与となるので、通常の役員給与に合算した上で過大役員給与かどうか判断され、過大であると認められる部分の金額は損金に算入されないことになる。
また、役員に対し臨時的に支給するもの、毎月不定額で支給するものは「役員賞与」として、損金の額には算入されないので注意が必要だ。
例えば、会社によっては、接待の機会が多くなる年末や年始だけに渡切交際費を支給するというようなことも考えられるが、それが役員に対して支給されるものであれば、その金額は支給した役員に対する臨時的な給与として扱われ、この場合に
は、その内容を事前に税務署長に届出(事前確定届出給与)していない限り、損金の額に算入することはできない。
また消費税法上も、このような渡切交際費は仕入税額控除の対象外となる。
政府と地方自治体が、間に企業を挟んで「企業版ふるさと納税」を2016年度に始めると発表したのは昨年6月。
今年2月に制度の事業対象を地方自治体の雇用創出に直結する事業を寄付の重点とすると決まった。
税法上は優遇措置として、法人住民税、法人事業税、法人税の合計で寄付額の3割が損金算入され税額控除される。
今でも寄付金額の約30%が減税となっているから合計で約60%が減る「税金対策」。
しかし、政府の狙いは、企業への負担を強いるものでなく、とかく地味だった寄付行為を役所が取り組むマーケティング戦略と角度を変えてみたらどんな効果が出るか試したいのだ。
というのもあくまで「寄付」ではあるものの、自治体が中心となって雇用創出策をプランニングし政府の認定を仰ぐやり方を原則とするコンペ方式。
最終的にどの自治体へ「投資するか」の判断は企業が握っている。
そこで自治体の負担は増えるが、民間企業のアイデアとお金をいただくチャンスととらえる。
そのカギは2018年と2020年にあると予想する。
事業対象の重点は地方への移住促進、結婚・出産・育児の環境づくり、地方観光や農林水産業の働く場の創出など、自治体が行う地方創生にかかわる事業への寄付が対象。
企業が寄付を行えば地方へ資金を移動させる目的もある。
ただし首都圏や近畿圏など大都市や大企業(本社)が集まる地域は対象外となりそうだ。
ふるさと納税は、自分の生まれた故郷だけでなく応援したい自治体など、どの都道府県・市区町村に対する寄附でも対象に、寄附金のうち2000円を超える部分について、一定の上限まで、原則として所得税・個人住民税から全額が控除される。
この税金の控除を受けるためには、これまでは確定申告を受ける必要があったが、本年4月1日から「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が始まり、一定の要件に該当すれば確定申告が不要となっている。
特例の適用要件は、(1)ふるさと納税先の自治体数が5団体以内であること、(2)ふるさと納税の寄附金控除を受ける目的以外で確定申告書の提出を要しない者であることの2つで、要件のいずれにも該当する必要がある。
これらの要件を満たし、各ふるさと納税先の自治体に特例の適用に関する申請書を提出した場合、所得税控除額を含めた額が翌年度分の住民税から控除されることになる。
ただし、5団体を超える自治体にふるさと納税を行った場合や、医療費控除の適用など、ふるさと納税の有無にかかわらず確定申告を行う人も、ふるさと納税についての控除を受けるためには、これまで同様に確定申告を行う必要がある。
また、特例の適用申請後に、転居による住所変更等、提出済の申請書の内容に変更があった場合、ふるさと納税を行った翌年の1月10日までに、ふるさと納税先の自治体へ変更届出書を提出しなければならない。
内閣府の平成24年度の国民生活選好度調査によると、ボランティア活動への関わりを尋ねたところ、寄付をしたと答えた人は37.2%で、前年度比22.6ポイント増となった。内閣府は、東日本大震災後に多くの国民が義援金などで協力したためとみる。分野別では「災害救援・復旧・復興」に寄付した人が32.3%でトップだった。
老後について「明るい見通しを持っている」人と「どちらかといえば持っている」を合わせて14.4%で、前回調査比2.6ポイント増えた。しかし「どちらかといえばそうではない」が44.6%、「全くそうではない」が40.4%で計85.0%。前回に比べ2.9ポイント減だったが、大多数は老後に展望を見いだせていないようだ。
解決の一つに高齢社会での生活設計で特に注視したいのは、地域参加が鍵ではなかろうか。地域活動についてこの調査は、「子育てを助ける活動」「要介護のお年寄りや障害者などを助ける活動」等に比べて、「まちづくりの活動」「スポーツ・文化・芸術の体験を助ける活動」「防犯・防災・交通安全の活動」が多く、福祉関係が若干少ない。
活動の「場」は自治会・町内会などへの参加で、加入しているのは73.0%だが、現実には活動参加は低い。むろん生活の基本は家庭にあるが、その外の輪は地域の助け合いを必要とする。今後人口減は必至で、だからこそ他人同士も一層仲良くし、<地域家族>という新概念が出来るかもしれない。
株主優待とは、企業が株主に対して配当の他に製品やサービスを提供する制度のこと。
大和インベスター・リレーションズの調査によると、2011年8月末で上場企業の1038社がこの制度を導入しており、これは同制度導入企業全体の約30%に迫り、過去最高の水準とのことです。
株主優待の内容は航空券割引、鉄道乗車割引、食事券等の優待券、飲食料品等の「自社製品」など様々ですが、だからといって、とりたてて目新しいサービスが増えている訳でもありません。ここ数年、同制度の新規導入企業は頭打ちで、変更や
廃止も多く、一投資家とすれば落ち着かないところです。
そこへ東日本大震災が発生、円高株安の構図は長引き、相場の低迷で株価の値上がりに期待感が薄くなっています。
個人株主の本音は高配当期待だが、それもままならず企業としては投資家への自社アピール、消費者でもある自社ファンをつなぎ止めておきたいとの思惑が、導入率の増加を生んだようです。
もう一点、企業・市民を問わず、社会貢献活動として被災地への寄付を行う社会的な流れが出来上がっていることも、同制度の導入を助けたと言えそうです。
やまや(宮城県塩竃市、食飲料卸販売)のように株主優待に相当する金額を義援金として寄付することが選択できる優待制度を新規・変更する企業が増えたからです。
同社では1243名の株主が義援金を選択し、優待制度の準備金から101 万9千円が日赤に贈呈されたとのことです。
株主優待の内容を金額換算すれば、投資額対比の利回り計算も可能。
しかし、それ以上に「被災者支援」を優先する株主が多かったという、嬉しいニュースでした。
財務省は、今般の2011年東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震に関し、中央共同募金会が募集するNPO法人や民間ボランティア団体等向けの寄附金を、「指定寄附金」に指定する旨の告示を行った。
「指定寄附金」に指定されると、個人が支出する寄附金は、寄附金控除(所得金額の40%または寄附金の額のいずれか少ないほうの金額から2千円を控除した金額を所得から控除)の対象となる。
また、法人が支出する寄附金は、全額が損金算入の対象となる等、税制上の優遇措置が受けられる。
一方、個人や法人が、災害に際して、募金団体に義援金等を寄附する場合でも、その義援金等が最終的に国や地方公共団体に拠出するものであることを税務署が確認できれば、「国等に対する寄附金」として、「指定寄附金」と同様の税制上の特典を受けることができる。
災害に際して寄附する場合、税務署での確認手続きも緩和されている。具体的には、その義援金等が最終的に国や地方公共団体に拠出されたものであることが、新聞報道、募金要綱、募金趣意書などで明らかにされており、そのことが税務署において確認されたときには、その義援金等は「国等に対する寄附金」に該当するものとして取り扱われる。
なお、日本赤十字社や報道機関などに対する義援金等(地方公共団体に拠出されるもの)は、特段の確認手続きを要することなく「国等に対する寄附金」に該当する。
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